大勢のアフリカ人がアフリカからヨーロッパへ移動中
ようちゃん、おすすめ記事。↓
▼スペインの不法移民問題とセウタ・メリリャの領土問題:
国際海峡対岸の橋頭堡は必要か?
(国際情勢の分析と予測) ↓
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/34b7724e5480615609e3ad945f473fb5
●スペイン国王訪問、外交問題に=モロッコ領有主張の飛び地 2007/11/05 時事通信
【パリ5日時事】スペインのカルロス国王夫妻が5日、アフリカ北部モロッコと地続きのスペイン領の飛び地セウタ、メリリャ訪問を開始した。1975年の即位後初めてで、スペイン国王としても80年ぶりだが、同地の領有権を主張してきたモロッコが反発、両国関係にさざ波が立っている。国王夫妻は、まずジブラルタル海峡の対岸にあるセウタ入り。市庁舎のバルコニーに姿を見せ、「スペイン万歳」「セウタはスペインのものだ」などと叫ぶ市民数万人の歓声に迎えられた。夫妻はこの後、いったんスペイン南部のマラガへ戻り、6日に地中海岸のメリリャを訪れる。
この訪問日程が明らかになった2日、モロッコ外務省は遺憾声明を発表し、マドリード駐在の大使を本国へ「無期限召還」する措置を取った。
スペインのサパテロ首相は「国王夫妻の訪問は飛び地住民との親睦を深めるものだ」と強調、モロッコと良好な関係を続けたいと表明した。しかし、モロッコでは既に抗議の座り込みなどが行われている。
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●密航:座礁し飢えなどで45人死亡 北アフリカ沖の大西洋 毎日新聞 2007年11月7日
フランス公共ラジオによると、アフリカ北西部モーリタニアの治安当局者6日、セネガルからスペイン領カナリア諸島への密航を試みた船がモーリタニア沖の大西洋で座礁、少なくとも45人が飢えなどのため死亡したことを明らかにした。5日に発見された船には生存者98人が乗っていたが、2人は同日中に死亡。乗っていたのはセネガル人が大部分で、マリ人とギニアビサウ人、ガンビア人もいた。
モーリタニアやセネガルなどアフリカ北西部からは、欧州入りを目指しカナリア諸島へ向かう密航船が急増しており、昨年1年間で3万人以上が上陸した。小さな船で無謀な航海をすることから遭難も後を絶たず、多数が死亡している。(共同)
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●地中海沿岸諸国の首脳会議 仏が提唱 実現には曲折も 2007年11月02日 朝日新聞
地中海沿岸諸国の首脳を一堂に集めた国際会議の開催を、フランスが呼びかけている。不法移民など地中海の南北間の問題を協議するとともに相互の連携も深め、仏が提唱する「地中海連合」構想の実現につなげたい考えだ。もっとも、沿岸には紛争を抱える隣国同士も多く、実現までには曲折が予想される。 首脳会議の構想は、サルコジ仏大統領がモロッコを国賓として訪問した10月23日、北部の港町タンジールで演説して明らかにした。地中海に面するすべての国家・地域のほか、オブザーバーとして沿岸以外の国の参加も求め、経済、政治、文化など広範囲なテーマを協議する。08年6月、地中海沿岸の仏マルセイユでの開催が有力視されている。 実現すれば、紛争が絶えないこの地域にとって新たな協議の枠組みになる可能性がある。大統領は5月の就任以来、欧州連合(EU)と同様の地域連合として地中海連合の創設を提唱。アルジェリアとチュニジアを歴訪して両国首脳の協力を取り付けた。
仏やスペイン、イタリアなど南欧諸国は、アフリカ大陸から地中海を密航船などで渡ってくる不法移民を大きな国内問題と受け止めている。仏は同連合を足がかりに、不法移民の取り締まり強化に向けた南北間協力を進めるとともに、移民を生む原因となっている社会問題を解決するための援助、専門知識を持った労働者の欧州への渡航の促進なども協議したい考えだ。 ただ、仏大統領府は首脳会議にイスラエルも招く方針を明言。アラブ諸国首脳が参加を嫌がるのは確実で、調整に失敗すればサルコジ大統領に対してしばしば取りざたされる「イスラエル寄り」との評価が強まり、連合結成が頓挫する恐れも捨てきれない。 ほかにも、緊張関係にあるモロッコとアルジェリアの国境は閉ざされたまま。ギリシャ系とトルコ系で分断されるキプロスなどイスラエル・パレスチナ問題以外にも紛争の種は多い。ギリシャとトルコ、北アフリカに飛び地領があるスペインとモロッコのように確執を経験した国々もある。 地中海連合を「トルコ嫌いで知られるサルコジ大統領がトルコをEUから排除するための受け皿」とする見方もある。
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●セウタ市及びメリリャ市における不法移民問題が激化 独立行政法人 労働政策研究・研修機構/海外労働情報 2005年11月
北アフリカに位置するセウタ市及びメリリャ市の国境の柵を乗り越えて、スペインに入国しようとするモロッコからの不法移民が増加している。特に、(1)2005年8月末から国境越えを試みる移民が命を落とすケースが続いたこと、(2)越境に際し移民自身が、スペイン側の治安警備隊に投石等の暴力行為に訴えたこと――等から、マスコミでも大きく取上げられ、世論の注目を集めるようになった。しかし、この現象自体は、決して新しいことでない。セウタ市及びメリリャ市の周辺のモロッコ住民は、身分証明書を提示するだけで、市内に入ることができる。パスポートは必要ない。こうした状況から、両市には、以前から多くの不法移民が流入していた。彼らは、(1)セウタやメリリャの周辺でない地域に住み、本来ならば入国にパスポートが必要であるにもかかわらず、国境の警備をかいくぐって入国するモロッコ人(未成年が多く、簡単に国外追放処分できない)、(2)モロッコ人と外見が似ていることを利用し、身分証明書を偽造して入国するアルジェリア人、(3)マフィアに金を払い、自動車のトランクに隠れるなどして入国するサブサハラ出身者――に大別される。従来は、こうした「正規の国境通過地点を通って入国する」ケースがほとんどであったが、今回は、国境に沿って張り巡らされた柵を、木の枝で梯子を作るなどして乗り越えようとする不法移民が急激に増加したことで注目された。この柵は、有刺鉄線が張り巡らされており、ほとんど全員が負傷している。それでもなお、この柵を越えようとする不法移民は後を絶たない。今回、このような不法移民が急激に増加した理由について、地元メリリャ市の新聞では、移民自身に取材し、以下のように報じている。
(1) 海路密入国の難しさ
数年前から、マグレブ系またはサハラ以南出身の不法移民が、粗末なボートでジブラルタル海峡を越えてアンダルシア南岸、もしくは大西洋のカナリアス諸島に漂着するケースが増加。多数の遭難者・死亡者が出ていることに加え、海上警備も強化。「陸の国境を目指す方が安全」と判断する者が増えた。
(2) 国境の柵の高さ
スペイン政府は、2004年6月、不法移民対策の一環として両市の国境の柵の高さを3メートルから6メートルにすることを決定するも、実行に移されてはいなかった。しかし、最近の状況を受けて、急遽、柵の高さを増す作業を開始。作業が完全に終わる前に、入国を試みる人々が殺到した。
(3) スペイン国内での不法移民合法化政策
スペインでは、2005年1月から施行された外国人法施行規則に基づき、同年2月~5月にかけて、国内に在住する不法移民の合法化手続を実施。サブサハラ出身の不法移民の中にも、合法化されて家族を呼び寄せるケースが出ている。こうした情報が伝わり、「スペインでは、今後再び合法化プロセスが繰り返される可能性が期待できる」という気持ちでスペインを目指す移民が増加した。
特に(3)については、スペインの移民政策そのものが、不法移民を惹きつける原因となっているという皮肉な内容といえる。 スペインの外国人法では、たとえ不法移民であっても、一定の条件を満たせば、合法化され、労働を許可される。また、移民のほとんどは国籍や氏名を確認できる証明書(パスポート等)を持参していない上に、スペインは彼らの出身国と、移民追放に関する協定を締結しておらず、本国への送還はほとんど不可能に近い。さらに、スペイン国内での違法滞在自体は、犯罪ではなく、あくまでも行政上の違反行為としかみなされない。不法移民は一定期間を過ぎると、国外追放令を手に収容施設を出て、そのままスペイン国内にとどまるか、もしくは他の欧州諸国へと向うことになる。彼らにとって、スペインは、「常に合法化のある国」であり、さらに、国境越えに成功しさえすれば、「国外追放手続を受ける=国内通行許可証を入手する」ということになる。 スペインの不法移民は、数字上では、「空港経由で入国したまま出国せずに不法移民化する」ケースが最大とされる。今回注目されているセウタ市及びメリリャ市の国境を越えるケースは、少数派に過ぎない。にもかかわらず、この問題がこれほど注目を集めるのは、国境越えの前後の長いプロセスに渡り、サブサハラ移民がおかれている人道上の深刻な状況によるものといわれている。
不法移民を防ぐために、移民政策を厳しくし国境警備を厳重にすべきか、それとも移民の出身国であるアフリカ諸国の貧困を解決するため、先進国がより多額の経済協力を行うべきか――世論は、この二つの議論の間で揺れ動いており、政府の対応も固まっていないというのが現状である。自国の移民問題にもつながるとして、スペインの移民政策に常々懸念を示してきた欧州のシェンゲン協定各国からの批判も高まりをみせている。
一方、スペインのマスコミでは、「スペイン(あるいはヨーロッパ)だけで移民出身国の問題のすべてを引き受け解決することは物理的に不可能」としながらも、「アフリカの農産物に対する欧州市場の開放こそが、欧州が今すぐにも手をつけるべき課題である」との声が出始めている。
いずれにせよ、「貧困との闘い」、「文明間の同盟」を掲げている現社労党政権にとっては、今回のセウタ市及びメリリャ市における不法移民問題激化は、厳しい現実を突きつけられたといわざるを得ないであろう。
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中略~~~~中略~~
【私のコメント】
ジブラルタル海峡を挟んでモロッコと接するスペインは、モロッコ領内にセウタとメリリャの二つの飛び地の領土を持つ。このうち、セウタはジブラルタル海峡の南岸という重要な位置に存在している。英国領土のジブラルタルと同様に、これらの飛び地は国際金融資本=シーパワーが世界の主要海峡を支配するための装置として設置されたのだと想像する。
スペインが英国に対してジブラルタルの返還を要求しているのと同様に、モロッコもスペインに対してセウタとメリリャの返還(その他にカナリア諸島の返還も要求しているらしい)を要求している。そして、モロッコが返還を要求しスペインが領有にこだわるこれらの地域はモロッコ人、あるいはサハラ以南のブラックアフリカからの不法移民が大量に流入する玄関口となっていることは皮肉である。11月5-6日にスペイン国王がセウタとメリリャを訪問し、モロッコへの返還に反対する現地住民(モロッコ系も含める)の歓迎を受けた。モロッコは大使を本国に召還するなど、両国関係が悪化している。今回はこのスペインの領土問題と移民問題について考えてみたい。
今回のスペイン国王のセウタ・メリリャ訪問は公式には「住民との親睦を深めること」とされている。しかし、スペイン政府はジブラルタルを英国から奪還する目処を立て、それと同時に不法移民問題で重荷になりつつあるセウタとメリリャをモロッコに返還することを決意し、スペイン国王は両地域に別れを告げるために訪問したのではないかと私は想像する。軍艦と大砲が最新兵器であった19世紀と異なり、ミサイルや超音速戦闘機が最新兵器となった現代ではセウタやメリリャの重要性は低下している。また、国際金融資本の世界支配崩壊に伴ってジブラルタルが英国領土であり続ける必然性はなくなり、EU統合の枠組みの中でスペインに吸収されていくことはほぼ確実である。ジブラルタルを奪還するという悲願とセウタ・メリリャの領有は道義上両立しない。そして、欧州文明にとってはこれらの地域が大きな脅威となっている不法移民の玄関口になっていることも問題であろう。欧州としてはモロッコの経済発展を促進させることでモロッコからの不法移民流入を防止するとともに、不法移民への罰則を強化する(例えば、悪質な不法入国・滞在者に無期懲役あるいは死刑などの極刑を与えるなど)ことが必要になってくるだろう。命懸けで流入してくるアフリカからの不法移民には、それに見合った刑罰でなければ阻止は困難だからだ。
日本から遠く離れたスペインのことなどどうでもよいという考えの人も多いだろう。しかし、重要な国際海峡の対岸の橋頭堡の行方というこの問題は、日本と韓国の関係と似通っている。国際金融資本の世界支配崩壊に伴って現在、世界中で国境線や文明間境界線の引き直しが進んでいる。日本文明と中国文明の境界線は従来朝鮮半島中央部の軍事境界線に存在してきたが、近い将来に米軍が撤退して朝鮮半島は統一され、日本文明と中国文明の境界線は対馬海峡(あるいは鴨緑江?)に移動することになると想像される。その時、日本は陸軍を派遣して釜山の橋頭堡だけは維持すべきか、それとも対馬を最前線にすべきかという問題と、このスペインの問題は重なってくるであろう。
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●スペイン国王訪問、外交問題に=モロッコ領有主張の飛び地 2007/11/05 時事通信
【パリ5日時事】スペインのカルロス国王夫妻が5日、アフリカ北部モロッコと地続きのスペイン領の飛び地セウタ、メリリャ訪問を開始した。1975年の即位後初めてで、スペイン国王としても80年ぶりだが、同地の領有権を主張してきたモロッコが反発、両国関係にさざ波が立っている。国王夫妻は、まずジブラルタル海峡の対岸にあるセウタ入り。市庁舎のバルコニーに姿を見せ、「スペイン万歳」「セウタはスペインのものだ」などと叫ぶ市民数万人の歓声に迎えられた。夫妻はこの後、いったんスペイン南部のマラガへ戻り、6日に地中海岸のメリリャを訪れる。
この訪問日程が明らかになった2日、モロッコ外務省は遺憾声明を発表し、マドリード駐在の大使を本国へ「無期限召還」する措置を取った。
スペインのサパテロ首相は「国王夫妻の訪問は飛び地住民との親睦を深めるものだ」と強調、モロッコと良好な関係を続けたいと表明した。しかし、モロッコでは既に抗議の座り込みなどが行われている。
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●密航:座礁し飢えなどで45人死亡 北アフリカ沖の大西洋 毎日新聞 2007年11月7日
フランス公共ラジオによると、アフリカ北西部モーリタニアの治安当局者6日、セネガルからスペイン領カナリア諸島への密航を試みた船がモーリタニア沖の大西洋で座礁、少なくとも45人が飢えなどのため死亡したことを明らかにした。5日に発見された船には生存者98人が乗っていたが、2人は同日中に死亡。乗っていたのはセネガル人が大部分で、マリ人とギニアビサウ人、ガンビア人もいた。
モーリタニアやセネガルなどアフリカ北西部からは、欧州入りを目指しカナリア諸島へ向かう密航船が急増しており、昨年1年間で3万人以上が上陸した。小さな船で無謀な航海をすることから遭難も後を絶たず、多数が死亡している。(共同)
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●地中海沿岸諸国の首脳会議 仏が提唱 実現には曲折も 2007年11月02日 朝日新聞
地中海沿岸諸国の首脳を一堂に集めた国際会議の開催を、フランスが呼びかけている。不法移民など地中海の南北間の問題を協議するとともに相互の連携も深め、仏が提唱する「地中海連合」構想の実現につなげたい考えだ。もっとも、沿岸には紛争を抱える隣国同士も多く、実現までには曲折が予想される。 首脳会議の構想は、サルコジ仏大統領がモロッコを国賓として訪問した10月23日、北部の港町タンジールで演説して明らかにした。地中海に面するすべての国家・地域のほか、オブザーバーとして沿岸以外の国の参加も求め、経済、政治、文化など広範囲なテーマを協議する。08年6月、地中海沿岸の仏マルセイユでの開催が有力視されている。 実現すれば、紛争が絶えないこの地域にとって新たな協議の枠組みになる可能性がある。大統領は5月の就任以来、欧州連合(EU)と同様の地域連合として地中海連合の創設を提唱。アルジェリアとチュニジアを歴訪して両国首脳の協力を取り付けた。
仏やスペイン、イタリアなど南欧諸国は、アフリカ大陸から地中海を密航船などで渡ってくる不法移民を大きな国内問題と受け止めている。仏は同連合を足がかりに、不法移民の取り締まり強化に向けた南北間協力を進めるとともに、移民を生む原因となっている社会問題を解決するための援助、専門知識を持った労働者の欧州への渡航の促進なども協議したい考えだ。 ただ、仏大統領府は首脳会議にイスラエルも招く方針を明言。アラブ諸国首脳が参加を嫌がるのは確実で、調整に失敗すればサルコジ大統領に対してしばしば取りざたされる「イスラエル寄り」との評価が強まり、連合結成が頓挫する恐れも捨てきれない。 ほかにも、緊張関係にあるモロッコとアルジェリアの国境は閉ざされたまま。ギリシャ系とトルコ系で分断されるキプロスなどイスラエル・パレスチナ問題以外にも紛争の種は多い。ギリシャとトルコ、北アフリカに飛び地領があるスペインとモロッコのように確執を経験した国々もある。 地中海連合を「トルコ嫌いで知られるサルコジ大統領がトルコをEUから排除するための受け皿」とする見方もある。
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●セウタ市及びメリリャ市における不法移民問題が激化 独立行政法人 労働政策研究・研修機構/海外労働情報 2005年11月
北アフリカに位置するセウタ市及びメリリャ市の国境の柵を乗り越えて、スペインに入国しようとするモロッコからの不法移民が増加している。特に、(1)2005年8月末から国境越えを試みる移民が命を落とすケースが続いたこと、(2)越境に際し移民自身が、スペイン側の治安警備隊に投石等の暴力行為に訴えたこと――等から、マスコミでも大きく取上げられ、世論の注目を集めるようになった。しかし、この現象自体は、決して新しいことでない。セウタ市及びメリリャ市の周辺のモロッコ住民は、身分証明書を提示するだけで、市内に入ることができる。パスポートは必要ない。こうした状況から、両市には、以前から多くの不法移民が流入していた。彼らは、(1)セウタやメリリャの周辺でない地域に住み、本来ならば入国にパスポートが必要であるにもかかわらず、国境の警備をかいくぐって入国するモロッコ人(未成年が多く、簡単に国外追放処分できない)、(2)モロッコ人と外見が似ていることを利用し、身分証明書を偽造して入国するアルジェリア人、(3)マフィアに金を払い、自動車のトランクに隠れるなどして入国するサブサハラ出身者――に大別される。従来は、こうした「正規の国境通過地点を通って入国する」ケースがほとんどであったが、今回は、国境に沿って張り巡らされた柵を、木の枝で梯子を作るなどして乗り越えようとする不法移民が急激に増加したことで注目された。この柵は、有刺鉄線が張り巡らされており、ほとんど全員が負傷している。それでもなお、この柵を越えようとする不法移民は後を絶たない。今回、このような不法移民が急激に増加した理由について、地元メリリャ市の新聞では、移民自身に取材し、以下のように報じている。
(1) 海路密入国の難しさ
数年前から、マグレブ系またはサハラ以南出身の不法移民が、粗末なボートでジブラルタル海峡を越えてアンダルシア南岸、もしくは大西洋のカナリアス諸島に漂着するケースが増加。多数の遭難者・死亡者が出ていることに加え、海上警備も強化。「陸の国境を目指す方が安全」と判断する者が増えた。
(2) 国境の柵の高さ
スペイン政府は、2004年6月、不法移民対策の一環として両市の国境の柵の高さを3メートルから6メートルにすることを決定するも、実行に移されてはいなかった。しかし、最近の状況を受けて、急遽、柵の高さを増す作業を開始。作業が完全に終わる前に、入国を試みる人々が殺到した。
(3) スペイン国内での不法移民合法化政策
スペインでは、2005年1月から施行された外国人法施行規則に基づき、同年2月~5月にかけて、国内に在住する不法移民の合法化手続を実施。サブサハラ出身の不法移民の中にも、合法化されて家族を呼び寄せるケースが出ている。こうした情報が伝わり、「スペインでは、今後再び合法化プロセスが繰り返される可能性が期待できる」という気持ちでスペインを目指す移民が増加した。
特に(3)については、スペインの移民政策そのものが、不法移民を惹きつける原因となっているという皮肉な内容といえる。 スペインの外国人法では、たとえ不法移民であっても、一定の条件を満たせば、合法化され、労働を許可される。また、移民のほとんどは国籍や氏名を確認できる証明書(パスポート等)を持参していない上に、スペインは彼らの出身国と、移民追放に関する協定を締結しておらず、本国への送還はほとんど不可能に近い。さらに、スペイン国内での違法滞在自体は、犯罪ではなく、あくまでも行政上の違反行為としかみなされない。不法移民は一定期間を過ぎると、国外追放令を手に収容施設を出て、そのままスペイン国内にとどまるか、もしくは他の欧州諸国へと向うことになる。彼らにとって、スペインは、「常に合法化のある国」であり、さらに、国境越えに成功しさえすれば、「国外追放手続を受ける=国内通行許可証を入手する」ということになる。 スペインの不法移民は、数字上では、「空港経由で入国したまま出国せずに不法移民化する」ケースが最大とされる。今回注目されているセウタ市及びメリリャ市の国境を越えるケースは、少数派に過ぎない。にもかかわらず、この問題がこれほど注目を集めるのは、国境越えの前後の長いプロセスに渡り、サブサハラ移民がおかれている人道上の深刻な状況によるものといわれている。
不法移民を防ぐために、移民政策を厳しくし国境警備を厳重にすべきか、それとも移民の出身国であるアフリカ諸国の貧困を解決するため、先進国がより多額の経済協力を行うべきか――世論は、この二つの議論の間で揺れ動いており、政府の対応も固まっていないというのが現状である。自国の移民問題にもつながるとして、スペインの移民政策に常々懸念を示してきた欧州のシェンゲン協定各国からの批判も高まりをみせている。
一方、スペインのマスコミでは、「スペイン(あるいはヨーロッパ)だけで移民出身国の問題のすべてを引き受け解決することは物理的に不可能」としながらも、「アフリカの農産物に対する欧州市場の開放こそが、欧州が今すぐにも手をつけるべき課題である」との声が出始めている。
いずれにせよ、「貧困との闘い」、「文明間の同盟」を掲げている現社労党政権にとっては、今回のセウタ市及びメリリャ市における不法移民問題激化は、厳しい現実を突きつけられたといわざるを得ないであろう。
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中略~~~~中略~~
【私のコメント】
ジブラルタル海峡を挟んでモロッコと接するスペインは、モロッコ領内にセウタとメリリャの二つの飛び地の領土を持つ。このうち、セウタはジブラルタル海峡の南岸という重要な位置に存在している。英国領土のジブラルタルと同様に、これらの飛び地は国際金融資本=シーパワーが世界の主要海峡を支配するための装置として設置されたのだと想像する。
スペインが英国に対してジブラルタルの返還を要求しているのと同様に、モロッコもスペインに対してセウタとメリリャの返還(その他にカナリア諸島の返還も要求しているらしい)を要求している。そして、モロッコが返還を要求しスペインが領有にこだわるこれらの地域はモロッコ人、あるいはサハラ以南のブラックアフリカからの不法移民が大量に流入する玄関口となっていることは皮肉である。11月5-6日にスペイン国王がセウタとメリリャを訪問し、モロッコへの返還に反対する現地住民(モロッコ系も含める)の歓迎を受けた。モロッコは大使を本国に召還するなど、両国関係が悪化している。今回はこのスペインの領土問題と移民問題について考えてみたい。
今回のスペイン国王のセウタ・メリリャ訪問は公式には「住民との親睦を深めること」とされている。しかし、スペイン政府はジブラルタルを英国から奪還する目処を立て、それと同時に不法移民問題で重荷になりつつあるセウタとメリリャをモロッコに返還することを決意し、スペイン国王は両地域に別れを告げるために訪問したのではないかと私は想像する。軍艦と大砲が最新兵器であった19世紀と異なり、ミサイルや超音速戦闘機が最新兵器となった現代ではセウタやメリリャの重要性は低下している。また、国際金融資本の世界支配崩壊に伴ってジブラルタルが英国領土であり続ける必然性はなくなり、EU統合の枠組みの中でスペインに吸収されていくことはほぼ確実である。ジブラルタルを奪還するという悲願とセウタ・メリリャの領有は道義上両立しない。そして、欧州文明にとってはこれらの地域が大きな脅威となっている不法移民の玄関口になっていることも問題であろう。欧州としてはモロッコの経済発展を促進させることでモロッコからの不法移民流入を防止するとともに、不法移民への罰則を強化する(例えば、悪質な不法入国・滞在者に無期懲役あるいは死刑などの極刑を与えるなど)ことが必要になってくるだろう。命懸けで流入してくるアフリカからの不法移民には、それに見合った刑罰でなければ阻止は困難だからだ。
日本から遠く離れたスペインのことなどどうでもよいという考えの人も多いだろう。しかし、重要な国際海峡の対岸の橋頭堡の行方というこの問題は、日本と韓国の関係と似通っている。国際金融資本の世界支配崩壊に伴って現在、世界中で国境線や文明間境界線の引き直しが進んでいる。日本文明と中国文明の境界線は従来朝鮮半島中央部の軍事境界線に存在してきたが、近い将来に米軍が撤退して朝鮮半島は統一され、日本文明と中国文明の境界線は対馬海峡(あるいは鴨緑江?)に移動することになると想像される。その時、日本は陸軍を派遣して釜山の橋頭堡だけは維持すべきか、それとも対馬を最前線にすべきかという問題と、このスペインの問題は重なってくるであろう。
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日本のお姉さんの意見。↓
2008年の犯罪白書を読んでいると、不法滞在者の統計もあったので
不法滞在者は中国人が多いのだろうなと思って見ると、
一番多い不法滞在者は、なんと韓国人なんだよ。
平成19年1月1日に分かっている不法滞在者は約17万人。
その内、3万6000人は韓国人。フィリピン人は2万8500人。
中国人2万8000人。タイ人8500人。
マレーシア、インドネシア、台湾人がそれぞれ6000人
日本に不法滞在している。日本に入国したけど、出て行かない連中だ。
本当は、正規ルートで入ったのでない外国人がもっといるのだと思う。
韓国人は、今でも日本に勝手に来て、
そのままいついているわけです。
それから、帰化する人の人数を見ると、在日韓国・朝鮮人が毎年
平均して1万人ぐらいいる。また毎年1000人未満の中国人が
帰化して日本人になっている。
気持ちは韓国人のままで、日本を憎んでいて日本の法律を
自分たちに都合よく、変えてやれと思っているとしたら恐い。
それでも、日本にずっといようと決めて、日本人になったのだから、
韓国籍のまま選挙権をもらおうというずうずうしい韓国・朝鮮人よりも
100倍はマシだ。一緒に、日本を日本としてずっと存続できるように、
日本を自分の国として守り、まじめに働いて
日本の繁栄の一端を担ってくれるなら
帰化するのはいいことだと思う。
スペインの問題は、遠くの出来事ではなくて、
参考にするべき身近な問題なのだ。