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【世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」】
恐るべし中国商人!注目の中近東リゾート地にも進出“済み”(nikkei )
(引用開始)
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本社を置く衛星テレビ局「アジアビジネステレビ」(中国語「亜州商務衛星電視」)は、2007年10月12日付のニュースで、10月9日、中国企業がUAEのドバイにある有名なリゾート“The World”(以下「世界諸島」)にある「上海島」の購入契約に調印した、と報じた。
2000億円を投じた世界的なリゾート地
世界諸島はドバイの沖合い4キロメートルの海上に長径9キロメートル、短径6キロメートルの楕円形の防波堤を造り、その中に世界地図を模して300個以上の人工島を造成するもので、個々の島の面積は2万3000~8万4000平方メートル、島と島の間は50~100メートルの水路で隔てられ、船でないと往来はできない。この巨大プロジェクトは、ドバイのデベロッパーであるナキール(Nakheel)が総工費18億ドル(約2000億円)をかけて推進しているもので2008年完成予定である。なお、この世界諸島の正式名称はアラビア語で"OQYANA"(=Australasia:南洋州)と呼ぶらしい。
今回「上海島」を購入したのは上海に本拠を置く「中州国際控股集団」(以下「中州国際」)という民間企業である。上海島の面積は7万4000平方メートル、建築可能面積は約4万平方メートル。東京ドームの面積が4万6755平方メートルであるから、上海島はその1.5倍強の広さと考えればよい。その上海島を中州国際が購入した金額は2800万ドル(約32億2000万円)であり、これを1平方メートル当たりの単価に直すと378ドル(約4万3500円)なので、土地の値段として考えればそれほど高い買い物ではないようにも思える。
筆者は1978年春から1980年冬までの約2年半にわたってUAEに駐在した。前半の1年半をアブダビで過ごし、後半の1年間はドバイで過ごした。当時UAEでの生活はかなり厳しく、会社規定の単身者任期は2年間であったが、筆者は半年延長してもらったのだった。UAEは19世紀末以来英国の保護下にあったが、1971年に英国が撤退したのを契機に、アブダビ、ドバイ、シャルジャ、アジマーン、ウンムルカイワイン、フジェイラの6首長国が連邦を結成、翌72年にラッセルハイマが加盟して7首長国からなるUAEが成立した。筆者がアブダビに着任したのは建国7年目であり、アブダビは連邦の首都としての体面を整える再開発の途上にあり、至る所でビル建設の槌音が響く、埃っぽい都市であった。
これに対して、ドバイは英国保護下で中継貿易の基地として栄えた都市であり、古い文化と新しい文化が混在する魅力的な都市であった。都市の中央部をクリーク(=運河)が流れ、クリークがその東側の新しい町“デイラ”と西側の古い町“バール・ドバイ”を分けていた。特にバール・ドバイ側から眺めるデイラの夜景はビルのネオンがクリークに映って瞬き、あたかも香港の夜景を眺めているかのような錯覚を覚え、砂漠の国にいることを忘れさせた。デイラが香港の「九龍地区」なら、バール・ドバイは「香港島」という風情だった。クリークには“アブラ”と呼ばれる渡し舟がバール・ドバイとデイラの間を走り回り、停泊中の木造の帆船“ダウ”ではクルド人の人夫たちが様々な貨物の上げ下ろしを行っていた。
驚異的な発展をするドバイ
筆者がドバイに駐在したのはわずか1年間に過ぎないし、それが既に30年も前のことであるにもかかわらず、いまだに記憶は鮮明で、筆者にとってドバイは日本、中国に次ぐ「第3の故郷」とも言うべき存在である。筆者の家の押入れにはドバイ駐在時代に買ったドバイの象徴である“ダウ”がプリントされたTシャツが大事にしまってある。しかし、筆者はUAE駐在から戻ってからも幾度も中東への出張を繰り返したが、5年前にトランジットでアブダビ空港で数時間を過ごした以外は、残念ながらUAE再訪の機会に恵まれていない。
従って、筆者には現在のドバイを論ずる資格はないが、ドバイの驚異的な発展ぶりは目を見張るものがある。海岸から380メートル離れた人工島に建設された世界最高級の高層ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」(高さ:321メートル)、上述したデベロッパーのナキールが建設した椰子の木の形をした人工島群である「パーム・アイランド」、現在建設中の160階建て、700メートル超の世界一の高層ビル「バージ・ドバイ」(ドバイ・タワー)など、どれを取ってもドバイの名を世界に轟かす壮大なスケールのものばかりである。
ドバイに進出する中国人
中国語のインターネットで調べたところでは、ドバイには現在7万人以上の中国人が住んでいるようだ。ドバイの人口は現在約120万人、この内90%がインド人、パキスタン人を主とする外国人によって占められるが、中国人の比率は全人口の約6%を占めていることになる。筆者がUAEに駐在していた頃は、中国人と言えば、チャイニーズレストランを営む“ボンベイ・チャイニーズ”と言われたボンベイ(現“ムンバイ”)出身の華僑たちとドバイにあった台湾貿易局の駐在員たちだけで、全部で100人もいなかっただろう。
中国人のドバイ進出を強く印象づけたのは、2004年12月にドバイに開設された中国本国以外では最大規模の中国製品卸売りセンター「ドラゴン・マート」(中国語:“杜拝龍城”)である。ドラゴンは先述のナキールが3億ドル、中国企業の現地法人である“チャイナメック”(Chinamex:China Machinery & Electronic Products Exhibition Centre)が5000万ドルを投資してドバイの砂漠の中に開設されたもので、縦1200メートル、横300メートルの長方形の敷地に「龍」(ドラゴン)の形状に建設された小売り卸売りモールである。
ドラゴンの運営はチャイナメックが担当しており、内部には家電、機械、繊維、日用雑貨など3000社以上の中国企業が店舗を並べ、中国本国から派遣された1200~1300人の中国人が働いている。ドラゴン開設の目的は中東のみならず、アフリカ、アジア、欧州向け中国製品の販売であり、わざわざ中国へ出向かなくても仕入れ・商談ができる便宜性にある。一方、ドバイの地元住民も商品の安さに釣られてドラゴンでの買い物を楽しむようになってきており、ドラゴンは地元からもその存在を認められるものとなりつつある。
中州国際とは何者か
話は本題に戻る。今回上海島を購入した中州国際とは何者か。中州国際は1998年に同社の董事長(=取締役会長)である胡賓が出身地である浙江省温州市で創業したもので、建設分野の投資を主に、不動産開発、旅行開発、エネルギー、運輸、インフラ建設及び投資を展開している企業である。 中国では胡賓のような温州出身の商売人を「温州商人」と呼ぶが、彼らは投機の対象を不動産に集中させ、2000年頃から温州を手始めに不動産投資を開始、その後は上海、杭州、蘇州、アモイ(厦門)、北京など全国の大都市で不動産物件を買いあさった。彼らが買いあされば不動産価格はどんどん上昇する。このため、人々はこれら不動産投機を行う温州商人たちを畏怖して「温州炒房団」(=温州不動産投機団)と呼ぶようになった。
不完全な統計によれば、温州市街区及び周辺の楽清、永嘉などの県では約8万人以上が全国で不動産の買い付けを行っており、そのうちの少なくとも90%がマンション物件を手がけている。1人がマンション2軒を購入する運転資金を60万元(約900万円)として計算すると、8万人の資金合計は480億元(約7200億円)という巨額になる。
一方、貧しい地域であった温州の人々は早くから他地域に進出していたので、約160万人もの温州人が全国に散らばっている。これらの人々の少なくとも5万人以上は故郷の仲間から誘われる形で不動産買い付を行っており、1人がマンション1軒としても運転資金を50万元(約750万円)とすれば、その資金合計は250億元(約3750億円)。これに海外在住の温洲人からの中国不動産投資が数十億元はあるはずなので、これらを総計すると温州人の不動産投機資金は約800億元(約1兆2000億円)にも上ることになる。
不動産投機は温州最大のビジネス
不動産業界では「温州では10万人が不動産投機に参加しており、その動かす資金の総額は1000億元(約1兆5000万円)に達する」という話が流通しているほどで、不動産投機は今や温州最大のビジネスになっていると言っても過言でない。その温州商人の1人である胡賓率いる中州国際が先陣を切ってドバイの不動産市場に進出したことの意味は大きい。
中州国際による上海島の購入は、過熱する中国国内の不動産市場に対する中国政府の管理強化を受けたものであり、多くの不動産業者が海外市場への進出を志向している動きの一環と考えてよいだろう。ドバイでは2006年3月に新不動産法が制定され、外国人による不動産の永久的所有権が認められ、不動産登記が可能となったことが最大の要因である。ドバイは2020年の夏季オリンピック開催を申請しており、今後のドバイの発展を考えると、今や資産1億ドル以上が400人を超えたという中国人富豪を対象としても上海島の不動産ビジネスは大いに期待できる。
そう考えると、中州国際に続けと「温州炒房団」がドバイの不動産市場に出現する日はそう遠くないかもしれない。 ところで、文頭に言及した「アジアビジネステレビ」、何故に中国語表記を付記したかお分かりだろうか。このドバイの衛星テレビ局は中国の温州商人で、ドバイに移住した王偉勝によって買収され、2006年8月1日から「アジアビジネステレビ」として放送を開始したものである。アジアビジネステレビは中東、北アフリカのイスラム圏21カ国を対象としてアラビア語、英語の放送を行っており、中国の自然・文化や中国製品の紹介を主要な内容としている。温州商人によるドバイ進攻がこんなところにまで及んでいるとは驚きである。温州商人の面目躍如といったところか、“恐るべし温州商人”。
(北村豊=住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト)
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本社を置く衛星テレビ局「アジアビジネステレビ」(中国語「亜州商務衛星電視」)は、2007年10月12日付のニュースで、10月9日、中国企業がUAEのドバイにある有名なリゾート“The World”(以下「世界諸島」)にある「上海島」の購入契約に調印した、と報じた。
2000億円を投じた世界的なリゾート地
世界諸島はドバイの沖合い4キロメートルの海上に長径9キロメートル、短径6キロメートルの楕円形の防波堤を造り、その中に世界地図を模して300個以上の人工島を造成するもので、個々の島の面積は2万3000~8万4000平方メートル、島と島の間は50~100メートルの水路で隔てられ、船でないと往来はできない。この巨大プロジェクトは、ドバイのデベロッパーであるナキール(Nakheel)が総工費18億ドル(約2000億円)をかけて推進しているもので2008年完成予定である。なお、この世界諸島の正式名称はアラビア語で"OQYANA"(=Australasia:南洋州)と呼ぶらしい。
今回「上海島」を購入したのは上海に本拠を置く「中州国際控股集団」(以下「中州国際」)という民間企業である。上海島の面積は7万4000平方メートル、建築可能面積は約4万平方メートル。東京ドームの面積が4万6755平方メートルであるから、上海島はその1.5倍強の広さと考えればよい。その上海島を中州国際が購入した金額は2800万ドル(約32億2000万円)であり、これを1平方メートル当たりの単価に直すと378ドル(約4万3500円)なので、土地の値段として考えればそれほど高い買い物ではないようにも思える。
筆者は1978年春から1980年冬までの約2年半にわたってUAEに駐在した。前半の1年半をアブダビで過ごし、後半の1年間はドバイで過ごした。当時UAEでの生活はかなり厳しく、会社規定の単身者任期は2年間であったが、筆者は半年延長してもらったのだった。UAEは19世紀末以来英国の保護下にあったが、1971年に英国が撤退したのを契機に、アブダビ、ドバイ、シャルジャ、アジマーン、ウンムルカイワイン、フジェイラの6首長国が連邦を結成、翌72年にラッセルハイマが加盟して7首長国からなるUAEが成立した。筆者がアブダビに着任したのは建国7年目であり、アブダビは連邦の首都としての体面を整える再開発の途上にあり、至る所でビル建設の槌音が響く、埃っぽい都市であった。
これに対して、ドバイは英国保護下で中継貿易の基地として栄えた都市であり、古い文化と新しい文化が混在する魅力的な都市であった。都市の中央部をクリーク(=運河)が流れ、クリークがその東側の新しい町“デイラ”と西側の古い町“バール・ドバイ”を分けていた。特にバール・ドバイ側から眺めるデイラの夜景はビルのネオンがクリークに映って瞬き、あたかも香港の夜景を眺めているかのような錯覚を覚え、砂漠の国にいることを忘れさせた。デイラが香港の「九龍地区」なら、バール・ドバイは「香港島」という風情だった。クリークには“アブラ”と呼ばれる渡し舟がバール・ドバイとデイラの間を走り回り、停泊中の木造の帆船“ダウ”ではクルド人の人夫たちが様々な貨物の上げ下ろしを行っていた。
驚異的な発展をするドバイ
筆者がドバイに駐在したのはわずか1年間に過ぎないし、それが既に30年も前のことであるにもかかわらず、いまだに記憶は鮮明で、筆者にとってドバイは日本、中国に次ぐ「第3の故郷」とも言うべき存在である。筆者の家の押入れにはドバイ駐在時代に買ったドバイの象徴である“ダウ”がプリントされたTシャツが大事にしまってある。しかし、筆者はUAE駐在から戻ってからも幾度も中東への出張を繰り返したが、5年前にトランジットでアブダビ空港で数時間を過ごした以外は、残念ながらUAE再訪の機会に恵まれていない。
従って、筆者には現在のドバイを論ずる資格はないが、ドバイの驚異的な発展ぶりは目を見張るものがある。海岸から380メートル離れた人工島に建設された世界最高級の高層ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」(高さ:321メートル)、上述したデベロッパーのナキールが建設した椰子の木の形をした人工島群である「パーム・アイランド」、現在建設中の160階建て、700メートル超の世界一の高層ビル「バージ・ドバイ」(ドバイ・タワー)など、どれを取ってもドバイの名を世界に轟かす壮大なスケールのものばかりである。
ドバイに進出する中国人
中国語のインターネットで調べたところでは、ドバイには現在7万人以上の中国人が住んでいるようだ。ドバイの人口は現在約120万人、この内90%がインド人、パキスタン人を主とする外国人によって占められるが、中国人の比率は全人口の約6%を占めていることになる。筆者がUAEに駐在していた頃は、中国人と言えば、チャイニーズレストランを営む“ボンベイ・チャイニーズ”と言われたボンベイ(現“ムンバイ”)出身の華僑たちとドバイにあった台湾貿易局の駐在員たちだけで、全部で100人もいなかっただろう。
中国人のドバイ進出を強く印象づけたのは、2004年12月にドバイに開設された中国本国以外では最大規模の中国製品卸売りセンター「ドラゴン・マート」(中国語:“杜拝龍城”)である。ドラゴンは先述のナキールが3億ドル、中国企業の現地法人である“チャイナメック”(Chinamex:China Machinery & Electronic Products Exhibition Centre)が5000万ドルを投資してドバイの砂漠の中に開設されたもので、縦1200メートル、横300メートルの長方形の敷地に「龍」(ドラゴン)の形状に建設された小売り卸売りモールである。
ドラゴンの運営はチャイナメックが担当しており、内部には家電、機械、繊維、日用雑貨など3000社以上の中国企業が店舗を並べ、中国本国から派遣された1200~1300人の中国人が働いている。ドラゴン開設の目的は中東のみならず、アフリカ、アジア、欧州向け中国製品の販売であり、わざわざ中国へ出向かなくても仕入れ・商談ができる便宜性にある。一方、ドバイの地元住民も商品の安さに釣られてドラゴンでの買い物を楽しむようになってきており、ドラゴンは地元からもその存在を認められるものとなりつつある。
中州国際とは何者か
話は本題に戻る。今回上海島を購入した中州国際とは何者か。中州国際は1998年に同社の董事長(=取締役会長)である胡賓が出身地である浙江省温州市で創業したもので、建設分野の投資を主に、不動産開発、旅行開発、エネルギー、運輸、インフラ建設及び投資を展開している企業である。 中国では胡賓のような温州出身の商売人を「温州商人」と呼ぶが、彼らは投機の対象を不動産に集中させ、2000年頃から温州を手始めに不動産投資を開始、その後は上海、杭州、蘇州、アモイ(厦門)、北京など全国の大都市で不動産物件を買いあさった。彼らが買いあされば不動産価格はどんどん上昇する。このため、人々はこれら不動産投機を行う温州商人たちを畏怖して「温州炒房団」(=温州不動産投機団)と呼ぶようになった。
不完全な統計によれば、温州市街区及び周辺の楽清、永嘉などの県では約8万人以上が全国で不動産の買い付けを行っており、そのうちの少なくとも90%がマンション物件を手がけている。1人がマンション2軒を購入する運転資金を60万元(約900万円)として計算すると、8万人の資金合計は480億元(約7200億円)という巨額になる。
一方、貧しい地域であった温州の人々は早くから他地域に進出していたので、約160万人もの温州人が全国に散らばっている。これらの人々の少なくとも5万人以上は故郷の仲間から誘われる形で不動産買い付を行っており、1人がマンション1軒としても運転資金を50万元(約750万円)とすれば、その資金合計は250億元(約3750億円)。これに海外在住の温洲人からの中国不動産投資が数十億元はあるはずなので、これらを総計すると温州人の不動産投機資金は約800億元(約1兆2000億円)にも上ることになる。
不動産投機は温州最大のビジネス
不動産業界では「温州では10万人が不動産投機に参加しており、その動かす資金の総額は1000億元(約1兆5000万円)に達する」という話が流通しているほどで、不動産投機は今や温州最大のビジネスになっていると言っても過言でない。その温州商人の1人である胡賓率いる中州国際が先陣を切ってドバイの不動産市場に進出したことの意味は大きい。
中州国際による上海島の購入は、過熱する中国国内の不動産市場に対する中国政府の管理強化を受けたものであり、多くの不動産業者が海外市場への進出を志向している動きの一環と考えてよいだろう。ドバイでは2006年3月に新不動産法が制定され、外国人による不動産の永久的所有権が認められ、不動産登記が可能となったことが最大の要因である。ドバイは2020年の夏季オリンピック開催を申請しており、今後のドバイの発展を考えると、今や資産1億ドル以上が400人を超えたという中国人富豪を対象としても上海島の不動産ビジネスは大いに期待できる。
そう考えると、中州国際に続けと「温州炒房団」がドバイの不動産市場に出現する日はそう遠くないかもしれない。 ところで、文頭に言及した「アジアビジネステレビ」、何故に中国語表記を付記したかお分かりだろうか。このドバイの衛星テレビ局は中国の温州商人で、ドバイに移住した王偉勝によって買収され、2006年8月1日から「アジアビジネステレビ」として放送を開始したものである。アジアビジネステレビは中東、北アフリカのイスラム圏21カ国を対象としてアラビア語、英語の放送を行っており、中国の自然・文化や中国製品の紹介を主要な内容としている。温州商人によるドバイ進攻がこんなところにまで及んでいるとは驚きである。温州商人の面目躍如といったところか、“恐るべし温州商人”。
(北村豊=住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト)
(註) 本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、住友商事株式会社 及び 株式会社 住友商事総合研究所の見解を示すものではありません
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http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20060406/101059/
北村氏の過去記事資料が 全て掲載されています。
このコラムはニューヨーク、ロンドン、サンノゼ、香港、北京にある日経BP社の支局と協力しながら、米国や欧州はもちろんのこと、世界経済の成長点とも言えるブラジルやロシア、インド、中国のいわゆるBRICs、エネルギーや国際政治の鍵を握る中近東の情報を追っていきます。記者だけではなく、海外の主要都市で活躍しているエコノミスト、アナリストの方々にも「見て、聞いて、考えた」原稿を提供してもらいます。
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北村 豊(きたむら ゆたか)
住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト
1949年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。住友商事入社後、アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、2004年より現職。中央大学政策文化総合研究所客員研究員。中国環境保護産業協会員、中国消防協会員
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このコラムはニューヨーク、ロンドン、サンノゼ、香港、北京にある日経BP社の支局と協力しながら、米国や欧州はもちろんのこと、世界経済の成長点とも言えるブラジルやロシア、インド、中国のいわゆるBRICs、エネルギーや国際政治の鍵を握る中近東の情報を追っていきます。記者だけではなく、海外の主要都市で活躍しているエコノミスト、アナリストの方々にも「見て、聞いて、考えた」原稿を提供してもらいます。
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北村 豊(きたむら ゆたか)
住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト
1949年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。住友商事入社後、アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、2004年より現職。中央大学政策文化総合研究所客員研究員。中国環境保護産業協会員、中国消防協会員
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「今日のカミカゼ、明日のアラブ」の紹介です。↓
メリヤ
モロッコのスペイン領飛び地、セウタとメリヤはしばしばクランデスタン
モロッコのスペイン領飛び地、セウタとメリヤはしばしばクランデスタン
が国境を越えようとして問題になり、警備が厳しくなったところ
ですが、今スペイン国王がメリヤを訪問して、モロッコの批判を
浴びています。
「わたしは12年間がむしゃらに働いた。でも社会的権利は無視された。どうしてスペイン
に同化できるでしょう」と、スペインのホアン・カルロス大統領のメリヤ訪問に反対する
ハフィダは言う。
「わたしは会いません。なぜならスペインはわたしの12年間の滞在を正当化しないからで
す。わたしはヤミで働いて、3人の子どもを育てました。」
スペイン国王は火曜日、1496年からスペインに属している人口70,000人の、この町を訪問
して、モロッコから批判された。
スペインとモロッコのどっちに属していると思うのかという質問には、大抵“政治とは関
係ない”という慎重な答えが返ってくる。
「気持ちはモロッコ人だな。愛国心じゃ食っていけないからね」と、メリヤのあるスペイ
ン人イスラム教徒は匿名で語った。
ハフィダの友人のロペスはスペイン人だが、“彼ら(スペイン人)はイスラム教徒を同化
したがらないと批判している”と言う。医者にかかるには彼女や子どもはナドール(メリ
ヤ近くのモロッコの町)まで行かなければならない。
「モロッコ出身のイスラム教徒は、ほとんどみんな同じ社会的問題を抱えている。」
ずっとスペイン国籍を取得しようとしているカフェで働いているアフメドは、スペイン人
とイスラム教徒間の賃金の差を指摘する。
「わたしは、モロッコ国籍のほかにスペイン国籍を持っているが、絶対にそれは言わな
い。スペイン人はほんとに嫌っているからね。」とタクシー運転手のドリスは言う。
メリヤのアラブ地区に住むドリスは、多くのイスラム教徒は同化を拒み、モロッコで生活
したいと望んでいると認める。
「彼らは1日5回お祈りをし、仕事の後はまっすぐ家に帰ってスペイン人と一緒になるよう
なところへは行かない」“適合する機会はない”のだと言う。
カフェではスペイン人たちは国王訪問を祝うグラスを囲んでいる。“彼らが望めば同化は
できるのだ”と考えている。
「同化を拒んで、孤立にいろいろ理由をつけるんだよ。」とある1人は言う。
「ぼくはイスラム教徒でお祈りを欠かさないけど、スペインの生活になんの支障もない」
と、客にビールを注ぎながら言う。
西欧になじんでいるモロッコ出身のメリエム30歳女性は、同化にまったく問題ないとい
う。「こうしてキリスト教徒のとなりでコーヒーを飲んでいるわ。」
「メリヤに住むモロッコのイスラム教徒が同化しないのは、スペインの右派政党のせい
だ。」と、ナドールにあるNGOの代表はAFPに語った。
「このような差別に基づく政治を前に、彼らの困難な状況は明からだ。モロッコ人イスラ
ム教徒には、医療、教育、雇用の機会は平等に与えられていない。」
***
アラブ圏のテレビが見られるといって今まで送ったサイトはダメでしたが、今度はうつり
ます。今もアルジャジーラでこのニュースをやっていました。
そのあとアブダビTVを見たらすごかったです。試してみてください。
http://www.lamari.com/
登録以下のページから。
http://www.mag2.com/m/0000164846.html
◎今日のカミカゼ、明日のアラブ
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://blog.mag2.com/m/log/0000164846/
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「わたしは12年間がむしゃらに働いた。でも社会的権利は無視された。どうしてスペイン
に同化できるでしょう」と、スペインのホアン・カルロス大統領のメリヤ訪問に反対する
ハフィダは言う。
「わたしは会いません。なぜならスペインはわたしの12年間の滞在を正当化しないからで
す。わたしはヤミで働いて、3人の子どもを育てました。」
スペイン国王は火曜日、1496年からスペインに属している人口70,000人の、この町を訪問
して、モロッコから批判された。
スペインとモロッコのどっちに属していると思うのかという質問には、大抵“政治とは関
係ない”という慎重な答えが返ってくる。
「気持ちはモロッコ人だな。愛国心じゃ食っていけないからね」と、メリヤのあるスペイ
ン人イスラム教徒は匿名で語った。
ハフィダの友人のロペスはスペイン人だが、“彼ら(スペイン人)はイスラム教徒を同化
したがらないと批判している”と言う。医者にかかるには彼女や子どもはナドール(メリ
ヤ近くのモロッコの町)まで行かなければならない。
「モロッコ出身のイスラム教徒は、ほとんどみんな同じ社会的問題を抱えている。」
ずっとスペイン国籍を取得しようとしているカフェで働いているアフメドは、スペイン人
とイスラム教徒間の賃金の差を指摘する。
「わたしは、モロッコ国籍のほかにスペイン国籍を持っているが、絶対にそれは言わな
い。スペイン人はほんとに嫌っているからね。」とタクシー運転手のドリスは言う。
メリヤのアラブ地区に住むドリスは、多くのイスラム教徒は同化を拒み、モロッコで生活
したいと望んでいると認める。
「彼らは1日5回お祈りをし、仕事の後はまっすぐ家に帰ってスペイン人と一緒になるよう
なところへは行かない」“適合する機会はない”のだと言う。
カフェではスペイン人たちは国王訪問を祝うグラスを囲んでいる。“彼らが望めば同化は
できるのだ”と考えている。
「同化を拒んで、孤立にいろいろ理由をつけるんだよ。」とある1人は言う。
「ぼくはイスラム教徒でお祈りを欠かさないけど、スペインの生活になんの支障もない」
と、客にビールを注ぎながら言う。
西欧になじんでいるモロッコ出身のメリエム30歳女性は、同化にまったく問題ないとい
う。「こうしてキリスト教徒のとなりでコーヒーを飲んでいるわ。」
「メリヤに住むモロッコのイスラム教徒が同化しないのは、スペインの右派政党のせい
だ。」と、ナドールにあるNGOの代表はAFPに語った。
「このような差別に基づく政治を前に、彼らの困難な状況は明からだ。モロッコ人イスラ
ム教徒には、医療、教育、雇用の機会は平等に与えられていない。」
***
アラブ圏のテレビが見られるといって今まで送ったサイトはダメでしたが、今度はうつり
ます。今もアルジャジーラでこのニュースをやっていました。
そのあとアブダビTVを見たらすごかったです。試してみてください。
http://www.lamari.com/
登録以下のページから。
http://www.mag2.com/m/0000164846.html
◎今日のカミカゼ、明日のアラブ
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://blog.mag2.com/m/log/0000164846/
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日本のお姉さんの意見。↓
アブダビTVがすごいと書いてあったので、
アブダビTVがすごいと書いてあったので、
見に行ったら、中国語が出てきたのでびっくりしました。
アブダビTVも、中国人が関わっているのでは?
中国人がたくさんいるから、中国語でも放送しているか、
中国人が金を出しているTV放送なのかも。
憶測ですが。
しかし、中国人がドバイの衛星テレビ局を持って、
中国の宣伝をすると、アラブ、アジア、アフリカの国々が
中国にあこがれるような番組を流すだろうし、
反日の番組も流すだろうから、日本にとっては
良くないなと思いました。