宮崎正弘の「宮崎正弘の国際ニュース・早読み | 日本のお姉さん

宮崎正弘の「宮崎正弘の国際ニュース・早読み

(読者の声1) 貴誌1967号に転載された西村眞悟代議士のビルマ現状報告は、時宜に叶い的確な内容と思いました。
軍事政権のキン・ニュン第一書記との交流はさすがと敬意をもちました。
 日本の媒体はアプリオリにスーチー女史を持ち上げています。それは即英米に追従していることのわからない愚に辟易としていました。
 TVにでてくるジャーナリストは長井さんが撃たれたことを、月並みな表現ですが鬼の首をとったように騒いでいます。
西村さんは言葉尻を取られないように慎重にのべていますが、言わんとするところは明瞭にわかります。
 長井さんの出来事は不幸であるものの、これは私見ですが、画像から見る限りフォト・ジャーナリストとしてはあまりに無防備で、サバイバル意識の欠如を指摘せざるを得ません。
 今後も、宮崎さんの守備範囲ではない問題が生じた場合、今回の西村さんの紀行というか批評を紹介するような仕方での提供を願います。
 1年にもならない新しい気心の知れた知り合い(某公立大学教授)が、ある記事の載った最近の貴誌を転送したところ、貴誌を小生よりも長く読んでいるとのこと。さもありなんと奇遇を感じました。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント) ミャンマーについて、もう一人卓見を発言し続けている人は元ミャンマー大使の山口洋一氏です。
『週刊新潮』で「スーチー女史は極左」と断言して、日本のマスコミの欧米人権批判姿勢追随を激しく批判しています。今月号の『月刊日本』でも詳しい記事があります。
 ちなみに『月刊日本』11月号(22日発売)の当該記事は山口洋一元大使の、
「ミャンマーに見る『軍政=悪』という間違った認識――アメリカン・デモクラシーを押しつけるな」
です。
 『月刊日本』が、主要書店にない場合、同社の電話は(03)5211-0096です。



   ♪
(読者の声2) 以前、宮崎正弘先生のご著書で「美しい日本語が聞きたかったら台湾へ行け、」という文章がありました。
先日しりあった韓国からの引揚者だと仰る御夫人が言うには、「おとうさんも、おかあさんもきちんとした日本語が出来るのに、どうして私たちには教えてくださらなかったの」との問いに「教科書に書いてあることが全て正しいわけではないのよ」と答えたと言います。
彼らは、未だに美しい日本を話しておられる。韓国の友人の話では、日本人のいた頃(韓国併合時代)から続いている「俳句の会」がいまもあって、その機関紙も刊行されている。
韓国人が「反日」と一口に言っても、今の若い人達は、アメリカ留学から帰国して大統領に挑んだり。
反日教育も盛んですが、親日家は年老いた人達の中にまだいると聞いて、なんだか、とてもホッとしました。
    (F子、小平)   


(宮崎正弘のコメント) 当該拙論のでた拙著は『迷走中国の天国と地獄』(清流出版、2003年刊)の第十一章ですね。
ひょっとしてこの本は絶版になっているかもしれません。
さて韓国でも75歳以上のインテリはきわめて格調の高い日本語を話します。
20年前、彼らがまだ50歳代で、官庁でも政府でも民間企業でも、第一線にいたころ、よく韓国へ行っていたので、夜、宴会になると、突然、流暢な日本語を繰り出してきたのには、驚かされたものです。
金鍾泌(朴政権下で首相十年ほど)閣下とも何回か面談しましたが、金首相は日本人より達者な日本語。財界トップもそのころは殆どが日本語派でした。
 漢字をやめて、ハングルだけの国語教育として、英語がエリートの条件になるや、日本語を喋る若い世代は極端に減員。同時に中国を喋る韓国人も激減しました。
それが時代がかわって、韓国はくにを挙げて北京に顔の向きを変えるや、いまでは中国へ留学している韓国人が20万人もいるというご時世。ま、事大主義の典型というわけですか。
 ところで、台湾の日本語世代の日本語研究グループは「友愛」です。
 初代会長の陳絢輝氏は、淡水の奥の海辺に隠棲されていますが、まだまだお元気。昨年、見舞って来ました。テレサテンの墓がある金山の傍、海辺の風が強かった。
 『友愛』最新号は07年8月18日発行の第8号で、294ページ。『文学界』や『群像』なみの厚みがありますよ。
 ホームページは 
http://www.youai.org

     ◎○◎
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
   ♪
(サイト情報) 米国通商代表部(USTR)は10月18日、規制改革要望書(2007年)を日本政府に提出した。米国政府は日本に対し、医療機器および医薬品分野で技術革新を支援する政策の実施など、さらなる市場開放を求めている。
(1) 日本政府に対する規制改革要望書 2007年
Annual Reform Recommendations from the Government of the United States to the Government of Japan under the U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative, United States Trade Representative、October 18, 2007
http://www.ustr.gov/assets/Document_Library/Reports_Publications/2007/asset_upload_file751_13383.pdf (PDF 262 KB, 50 p.)
USTRからのプレスリリース
http://www.ustr.gov/Document_Library/Press_Releases/2007/October/Schwab_Urges_Japans_Continued_Commitment_to_Reform_-_Annual_US_Reform_Recommendations_Presented_to_Japan.html
(3)USTRプレスリリースの日本語訳
http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-j20071022-50.html
(4) ウェンディ・カトラー米国通商代表補の日本記者クラブでの講演
http://www.ustr.gov/assets/Document_Library/USTR_Speeches/2007/asset_upload_file203_13388.pdf (PDF 33 KB, 11 p.)
  ◎

(読者の声1) これまで国際政治の核削減交渉、核拡散防止交渉の場で、核施設の「無能力化disablement」(稼動停止と封印)というターム (用語)はなく、そんな甘い対処法はなかったと思います。
核兵器製造施設は廃棄させるしかないし、製造し又は保有する核兵器は廃棄させなければ、核は拡散し、その脅威は除かれません。 しかし北の核に纏わる交渉は、実質的なその核の脅威を取り除こうとせずに進んでいます。
所謂「六者協議」において、日本以外の米・中・露・韓の四カ国にとり、北の核は脅威ではないのでしょう。だからこんな茶番劇が進んでいるのでしょう。核施設の「無能力化」は言葉の詐術です。
北の核施設の「無能力化」だけが議論の俎上に載っている現状のままでは、六者協議の交渉が纏まっても、日本は北の核の脅威の元に置かれ続けるのです。
なんと欺瞞に満ちた外交交渉に日本は加わっているのでしょう。
五カ国、特に米の弱腰をせせら笑うように、北はシリア( ≒ イラン)に原子炉を売却し、核を拡散していることが明らかとなりました。金正日に対して、現在既に保有している核兵器の廃棄を求めず、これを不問に付し、他国(特にイラン)への核の譲渡禁止を約束させられればよしとして、北と手打ちを図ろうとしていた米は、その脇の甘いスタンスに付け込まれました。
金正日はそんな独裁者です。 米国務長官のライスもその進言を受け容れたブッシュも甘いのです。

日本は、まだ安倍晋三首相の執政下の9月初め、ウランバートルでの日朝二国間会議で、「過去の清算」を金額で弾く交渉を始めたとの情報があります。 とんでもないことです。
米代表のヒルは、最終目標は「朝鮮半島の非核化」と高らかに述べていますが、こんなお題目は日本に百害あって一利のない代物です。
米が北に年末までの提出を求めている「核計画の申告」なんてどんな意味があるのか全く不明です。核の脅威を除く実効性のない、意味のない要求です。
日本政府が、北に対して、「拉致被害者の名簿を出せ」と遠吠えしているのに似ています。
2002年9月17日に、拉致実行を認めた金正日に対して小泉首相は、その場で現状復帰つまり拉致された不特定の日本人全員を日本に帰国させることを要求すべきでした。 しかしそれを言い出せず、外務省の田中均と福田康夫官房長官(当時)の描いた、拉致被害者の安否情報を求め、出された名簿を確認することに留めてしまいました。
日朝政府の間では、未だに特定の日本人の安否情報の議論を繰り返しているだけです。 あの交渉の場で、頭の血をちゃんと巡らせていれば、北朝鮮に不特定の被拉致者全員を日本に帰国させることを発言し求めるという、まっとうな外交交渉ができていた筈です。 しかしそうせず、北に捻られてしまっています。
六者協議に参画している日本は、2002年の小泉・金会談の轍を踏むことなく、今その交渉の場で北が保有する核兵器の廃棄を求めなくてはいけません。
今のままでは、北の核施設を「無能力化」しただけで、米朝は国交を回復するでしょう。 日本は、北からの拉致被害者の奪還も北の核兵器の廃棄もなされないまま、北との国交回復を迫られ、北の地に呻吟する拉致被害者を遺したまま、北が核弾頭ミサイルを日本列島に向けたまま、数兆円の賠償金を北に支払わされる羽目になってしまうでしょう。 いやはや。
   (有楽生)
(宮崎正弘のコメント) 米国は日本の頭越しに北朝鮮問題を片付ける腹づもりです。
 ヒル国務次官補は、次期政権で国務副長官にご出世遊ばすという観測もワシントンでは飛んでいます。かれの渾名も「キムジョン・ヒル」って。


   ♪
(読者の声2) 貴誌1968号(10月23日発行)(読者の声1)でSJ氏が「画像から見る限りフォト・ジャーナリストとしてはあまりに無防備で、サバイバル意識の欠如を指摘せざるを得ません」と西村眞悟代議士のビルマ現状報告に関する卓見をのべておられました。
その中にあった長井氏狙撃事件に関しては別な興味深い視点からの見方を『フォーサイト』誌11月号に竹田いさみ氏が書いています。
撃った兵士がサンダルを履いていることからおそらく、タイとの国境地帯で少数民族との交戦に携わっている特殊部隊の兵士であろうとのことです。
通常、ヤンゴンを警備している部隊は実戦経験がなく、一般市民との交流もあり、この度の作戦で一般市民に対して強い態度が取れないので、特殊部隊をつかったのであろう。
 天安門事件で北京駐在の人民解放軍ではなく辺境地帯駐在の部隊を使ったのと同様の状況であったのであろう。
つまり軍事政権は本気なのであろう。
    (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)或る事情通から次の情報があります。
 カチン族など反政府系組織が、あのデモを背後で操りました。これはご承知の通りです。死んだカメラマンが帯同していたのは英語の通訳でした。録音を聞かれましたでしょ? 
ビルマ人通訳は日本語を喋ります。英語の通訳を雇用していたという事実は、彼はまぎれもなく反政府デモの隊列にいたのです。
 これ以上の説明は不要でしょうが、そういうことなのです。
   ♪
(読者の声3)さて中共大会のひな壇、派閥総出演の理由は何か。
今回の大会で派閥抗争を越えて江沢民まで出てきたのは、共産党の危機感ということではないでしょうか。
共産党というのは国民を搾取する特権搾取集団です。そのおぞましい姿が国民の前に暴露されたのが昨今の中共の現実です。このため特権集団が危機を感じ、派閥を超えて団結し国民に示威を示していると理解できないでしょうか。そのくらい国民の共産党に対する反感と敵意が高まっているということです。

勿論、これは共産党支配の終わりの始まりです。共産党=平等という幻想を抱いている人々は、権力を金にかえて大富豪となっている共産党幹部と家族に対してやりきれない怒りを感じていると思います。これが共産主義運動の正体であったということです。
 そしてその不満が携帯電話で巨大な大陸の東西南北に伝達されているとしたら。共産党でなくても危機感を抱くでしょう。
もっとも中共幹部は米国やスイス銀行に莫大な預金をしていつでも逃げられるようにしているでしょうが
   (MC生)


(宮崎正弘のコメント) 「国富論」ではなくて「私冨論」の国ですから。危機感というより、それは特権階級の、既得権益が脅かれかねない、という危機感です。
 「太子党」にしても、「共青団」(団派)と同様に修羅場をくぐっていないので頼りなく、それで保護者(長老達)がでてきた。これが「老幇」です。
党大会が恰も「PTA総会」だと、小生が比喩したのは、そういう意味です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
   (((((((((((((((( ●北◎京○五◎輪● )))))))))))))
【シンポジウム】
「中国の人権状況と北京五輪」

 中国共産党は2001年、北京五輪(2008年)の招致について、国際オリンピック委員会に人権の改善を約束しました。しかし、国連やアムネスティ・インターナショナルの最新報告によると、改善どころか、中国の人権はますます悪化しています。
 中国共産党政権は、周知のように法輪功学習者を狙った臓器狩りをはじめとする、数多くの人道に反する罪を犯していますが、巧妙な嘘と経済的利益で国際社会を欺いています。平和の祭典と信じて、日々練習に精進している出場選手らなど無辜の人々がこの事実を知らずして北京五輪に参加するのは、そうした重大犯罪に加担させることと同じであると言えます。
 中国共産党が数々の迫害を重ねながら、平和の祭典である五輪を同時に開催することは決して許されるものではなく、良識ある人々ならば決して見過ごすことはないでしょう。
 注目を浴びている中国の人権状況と北京五輪をテーマに下記の要領で、シンポジウムを開催いたします。お誘いあわせの上、お気軽にご来場ください。
      
      記
◆日時:2007年10月27日(土) 午後2時30分~午後4時30分
◆会場:東京都文京区シビックセンター 26階スカイホール
   (「春日駅」または「後楽園駅」 4a出口、5番出口)
◆定員:100人(当日先着順)
◆参加費:無料
◆主催:法輪功迫害真相調査連盟 アジア調査団(CIPFG ASIA)
◆後援:大紀元時報
<講演予定者>(敬称略)
 土屋たかゆき (東京都議会議員)
 高峰一 (環境問題専門家・東京工業大学工学博士)
 林飛 (弁護士・中国民主化運動海外聯席会議 日本代表)
 安東 幹 (人権活動家)
<お問い合わせ先> CIPFG日本事務局 
 電話:090-9460-1241(山川) Eメール:

info@cipfg-japan.com
     ♪
(((  宮崎正弘の最新刊 )))
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
♪♪
『2008年 世界大動乱』(改訂最新版、1680円。並木書房)
 好評を博した拙著『2008年 世界大動乱の予兆』を大幅に改訂増補。新データを満載。大増ページ普及版。

((  宮崎正弘のロングセラーズ ))
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊)。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8B%7B%8D%E8%90%B3%8DO/list.html
 ♪♪♪
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
宮崎正弘のホームページ 
http://miyazaki.xii.jp/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。