冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)がいいことを書いている。 | 日本のお姉さん

冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)がいいことを書いている。

(一部抜粋)

事態の先送りは難しいと思います。というのは、ミャンマーの政府は昨
年に突如、遷都を発表し、ヤンゴンから600キロ離れたピンマナという町を

「ネピードー」と改称して、そこに首都機能を移転しつつあるのです。

この一件を見ても、
現政権が最大都市ヤンゴンの民心を失っていたのは明らかです。

また軍事評論家の神浦元彰氏が指摘しているように、仏教に帰依していない

少数民族の兵士を治安部隊に
投入しているとしたら、これも末期症状の表れと言うしかありません。

僧侶を攻撃するために、異教徒の兵士を使えば、当面は力の行使は

できるかもしれませんが、その結果として

「国内の分裂を促進するような行為」に手を染めることになる、だとしたら、

これは為政者としては禁じ手でしょう。

 政権は末期症状、デモ隊と治安部隊の衝突は更に流血の可能性があり、

しかも欧米からは基本的には「他人事」、中国はスパッと現政権を切れない、

となると、私は日本の役割は大きいと思います。

本件に関しては、日本は非常に重要なポジションに位
置しています。
(1)過去50年間に総額6000億円以上というODAを供与。
(2)現在60社という企業が進出し、家族ぐるみ駐在を含む650人が在留。
(3)長井記者射殺事件という悲劇を抱え、政治的には強く出る位置にいる。
(4)相互の国民に親近感がある。
というのは、非常に特殊な位置だと言わねばなりません。

 何よりも、日本の場合は、良くも悪くもアジアの国が独裁から民主化へ

移行するパターンを自身も含めて「他人事」でなく理解している国です。

ミャンマーの抱える構造的な問題も、その痛みも良く分かるはずです。

そして上記のような複雑な関与をしているわけですから、アメリカやG8の

ように口先だけの原則論ではない貢献ができるのではないでしょうか。

 今回、福田内閣は藪中三十二外務参事官を「詰問使」として送り、

長井記者射殺事件の謝罪要求を行うようですが、同時に邦人や

日系企業従業員の安全確保への道筋もつけてゆくことになるのでしょう。

その交渉の中で、果たして現政権がどう出てくるのか、ここから先は、

日本が独自に判断して動くしかないと思います。アメリカやG8の尻馬に

乗るような「非難」など何の役にも立たないでしょう。場合によっては
ミャンマーの政変や国内和解に、日本が前向きの大きな役割をして

ゆく必要も出てくるのだと思います。

 アジアの経済成長には乗り遅れているとはいっても、最低限のインフラは

できているこの国で、国土を焼き払うような内戦という選択肢はあり得ません。

日本人にはそうした確かな感覚があるのではないでしょうか。

その内戦だけはダメだ、という感覚もアメリカや中国では弱いのではと

思います。それを思うと日本の役割は本当に重要
だと改めて思います。とにかく独裁のメカニズムを理解することなく、

原則論ばかりが横行するアメリカから見ていると、そんな期待感を持つ

のです。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家。ニュージャージー州在住。1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大
学大学院(修士)卒。著書に『9・11 あの日からアメリカ人の心はどう変わった
か』『メジャーリーグの愛され方』。訳書に『チャター』がある。
最新刊『「関係の空気」「場の空気」』(講談社現代新書)
<http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061498444/jmm05-22 >
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ビルマがイギリスから独立するために、

日本はビルマ人と一緒に戦った。

日本は、イギリスがビルマから雲南や重慶にどんどん

武器や資源を援助するので、

それをやめさせたくて南方で戦争をすることになったのだが、

それでも、ビルマはイギリスから独立しようという気持ちになってくれて

日本軍を助けてくれたのだから、

日本とビルマの関係は深いはずなのだ。

そのよしみで、日本はビルマ(現ミャンマー)政府を説得して

もっと民衆を愛する政府に変わるようにアドバイスが

できるかもしれないし、もっと政府と民衆がお互いに我慢できるラインを

導きだせるように、日本政府がいい提案をできるかもしれない。

欧米やG8やチャイナのことは忘れて、日本政府として

アジアの平和を模索する姿勢を見せてほしい。

ビルマに対して日本政府が愛のある厳しい干渉を行ってほしい。

by日本のお姉さん