恋の残骸
「旅の恋」
あなたは、石ころの中のダイヤモンド
あなたは、林の木の中のりんごの木
あなたをコンクリートの街に移したら
輝きを失ってしまうのでしょうか?
日の当たらないアパートの中では、
甘い果実は実らないのでしょうか?
風が渡る谷間に翼を広げて飛ぶあなたを
通勤電車に乗せてしまえば
あなたはうなだれて歌を歌わない人の姿のままで
死んでしまうのではないでしょうか?
山で見つけた名も無い花は、摘まずに
そのまま愛でるのがいいと、
昔の人も言ったとか
恋は恋のまま、空は空のまま、
山は山のままなのに、
あなたと、わたしは時の流れに流されて
思い出に変わっていく
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「言葉ではなくて」
今度、わたしたちが出会ったら、
愛していると言ってください。
言葉ではなくて、あなたの目で言ってください。
あなたの腕で言ってください。やさしく抱きしめて。
あなたの指先で言ってください。わたしの髪をなでて。
そうして側にいるだけで、あなたの愛を感じさせてください。
今度、わたしたちが出会ったら、
信じていると言ってください。
言葉ではなくて、あなたの目で言ってください。
遠くにいても、お互いに一番大切に想っていると、
頬をよせ、腕をからませて、時のたつのを
忘れるほどに、あなたの愛を感じさせてください。
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「フランジバニの花が咲く夜」
フランジバニの花が咲く夜に、あなたと
旅立ちました。星が輝く夜でした。
わたしたちを祝って星々は歌いました。
銀のすずを鳴らし、タンバリンを叩いて、
月と星は踊りました。わたしたちは、イランイランの花を
敷き詰めた小舟に乗って夜空に飛び立ちました。
天の川に竿をさせば、わたしたちの小舟は
星くずと一緒に流れて行きました。
わたしたちの小舟には、愛が溢れています。
小舟の行き先がどこであろうと、かまわないと思うのです。
あなたの首のジャスミンの首飾りが香っています。
夜が明けて鶏が鳴く時まで、こうして抱き合っていたことを
ただ忘れないでいたいのです。
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「アフリカ人の花嫁」
手と足に愛の模様を書いてください。
指先をヘンナで赤く染めてください。
遠くに行くわたしのために泣かないでください。
金で飾られて香油に包まれて、花嫁の踊りを
踊るのは、愛のためだから。
髪を編んでコホルで目を縁取るのは、
あなたたちみんなに見せるため。
きれいなわたしを見てください。
口はなんのためにある?
目はなんのためにある?
愛を捕まえるのは簡単。だけど、愛を育てるのは
大変なこと。きれいなわたしを見てください。
勇士が戦いに出ていくように踊る、
花嫁の踊りを見てください。
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結婚していくあちこちの外国人のお友達のことを考えて
書いてみました。お幸せに。。。
わたしのまわりは結婚ラッシュだよ。by日本のお姉さん