最後の授業 | 日本のお姉さん

最後の授業

わたし:先生。8ヶ月の間、ありがとうございました。グラシアス 。


先生:レナダ(どういたしまして。)


わたし:これは、記念のプレゼントです。使ってください。ポルファボル。

(トラベル用の目覚まし時計を渡す。)箱はいりますか?


先生:ノ。ノ ネセスィト。(いらないです。)


わたし:空港にお見送りに行ってもいいですか。


先生:ー無言で悩んでいる。ー

(ずうずうしかったみたい。ただの生徒なのに、お見送りなんて変かもね。)

    

わたし:泣いちゃうから、嫌ですか?


先生:ポルケ ソイ ティミド。(恥ずかしいから。)


わたし:じゃ、携帯電話が切れるのは、いつ?最後に電話してさよならと

言ってもいいですか?


先生:いいですよ。(と、ちょっとうれしそう。空港に来ないと分かったから。)


わたし:先生の写真を一枚も持っていないから、携帯のカメラで撮って

いいですか?ノ テンゴ ウナ フォト。プエデ サカルテ ウナ フォト?


先生:どうぞ、どうぞ。


わたし:ー照れまくりの先生が、もう写真を撮られたと思って安心して

普通の顔になってからすばやく携帯のカメラで写す。ー

グラシアス!!


先生:あの、見せて。


わたし:あ、ポルスプエスト!


先生:クラロ。(ポルスプエストと言ったのは、間違いだったらしい。)


わたし:クラロ。(もちろん)はい。-携帯でうつした先生の写真を見せる。ー


先生:ンー。ムイ ビエン。

(上手く、撮れていたので、喜んでいるようだった。)


わたし:じゃ、最後に、NPOで、スポンサーになったボクに手紙を

書きたいので教えてください。


「オラ!あなたの手紙を同時に二通受け取りました。絵も受け取りました。

カラフルでステキな絵ですね。すごく、気にいりました。

前より、上手になってるね。

また、描いてね!

わたしのスペイン語の先生は、スペインに帰ってしまいました。

でも、勉強は続けるつもり。

また、ノートとボールペンを送ります。たくさんありすぎなら

友達にあげてもいいよ。

最近、日本の天気は、朝晩はすずしくなりました。でも、昼間はまだ暑いよ。

じゃあ、またね!日本のお姉さんより。」


わたし:ありがとうございました。じゃあ、お元気で!さようなら。


先生:あ、サヨナラ。


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最後まで、わたしは変な生徒だったかもしれない。

普通なら、お餞別(せんべつ)を渡すのだろうが、それはできなかった。

空港に見送りに行きたいと言うなんて自分でもオバチャンみたかった。

本当は、会社を休む気も無いし、行く気も無いのに

なんで、そんな事を言ったのか、自分でも不明。

後で、会社の同僚のA子に「スペイン語の先生に空港に見送りに行きたい

と言ってしまって、断られた。」と言うと、

「なんで、空港に行く必要あるねん。迷惑やん。」とバカにされた。

「でも、スペインの住所を教えてくれたよ。」と言うと、

「なんで、住所なんかいるねん。スペイン語で手紙も書けないのに。」と

言われた。

「でも、クリスマスカードは出せるよ。」と、言い返した。

外国人は、クリスマスカードをもらうと、ずっと部屋に飾ってくれるので、

出しがいがある。わたしは、年賀状は出さないけど、クリスマスカードは

マメに出す。11月ごろから、あちこちのデパートに行って、かわいい

カードやきれいなカードを探して買っている。

NPOで、スポンサーになったボクにも、かわいいカードと

2008年のカレンダーを送ってあげようっと。

クリスマスカードの書き方も教えてもらっておけばよかった。