シナが新ロケット発射拠点を建設へ
ようちゃん、おすすめメルマガ記事。軍事情報 第314号 (最新軍事情報)
●シナが新ロケット発射拠点を建設へ
中共国務院、中央軍事委員会は21日、海南省文昌市に新しい宇宙飛行発射場
を建設することを認可した。現在シナには、宇宙飛行関連活動を行なう酒泉、西昌、太原の3つの内陸発射場があるが、海南の発射場を造ることで、一方では軌道が赤道に近くなり、燃料を大いに減らして損耗可能になってタイプロケットの推力を10%増やすことができる。他方では、大きな課題であるが、ロケットの海上輸送採用が可能となる。このほか同様に、墜落時の残骸による安全性を高める。
中央テレビの報道によれば、新しい宇宙飛行発射場を建設することで、シナは宇宙飛行事業に適応するための戦略を成育させることができるとしている。新しい宇宙飛行発射場の役割は、発射済みの主要な軌道周回衛星を引き受け、大型の極軌道衛星、容積が数トンクラスの宇宙ステーション、観測衛星など宇宙活動のインフラ設備の発射を行う点にある。シナ当局は、宇宙飛行専門家の指摘を分析し、三大宇宙飛行発射基地、酒泉、西昌、太原が内陸にあることは新しい宇宙開発に伴う新型ロケット発射に不利としている。建設予定の海南宇宙飛行発射基地はこれらの不足をすぐに補えるように作り上げられるとしている。
その理由であるが、
1.シナ国内の鉄道のトンネル直径の規制により、3.5メートルの直径を超過するロケット矢体と発動機を鉄道を使用して運送することが不可能であること。
そのため、現在ある3大発射基地、酒泉、西昌と太原衛星発射センターでは、5メートルの直径を持つ新型ロケットの発射は不可能。
海南文昌は海浜地区に位置し、隣りには清瀾港があり、これは海南省にある5大港の一つである。5,000トンの級の船の寄港が可能で、これを少し改築し、大型ロケットを運送するための回転船積みができるようにする。
2.発射後、ロケットブースターが捨てられるときに、これまでの発射場では半径千キロ内の地面に落下していたが、海南発射場では1,000キロ内のほとんどが海で、なかには何個かの零細な島があるのみ。残骸墜落の安全性が高まる。
3.地理的に見て、海南島は赤道に近い場所にある。衛星は比較的に少ないエネルギーの損耗で、すぐ予定軌道に到達可能となる。しかも地球の自転エネルギーが充分に利用可能となる。これにより衛星のエネルギー資源を省き、衛星運行の寿命を延ばすことができる。海南文昌の緯度は19.30度。将来的には、全世界で二番目に最善の地理を持つ発射場となる。
の三点があげられている。
海南の新センター創設以後も、他の三センターはこれまでどおりの任務を継続する。ただ、発射数のやりくりが変わってくるとのことである。シナは「長征」ロケット、将来の新型で大推力の石油水素酸素発動機ロケット(推力十パーセントアップとのこと)を海南センターから発射すると見られる。
わが国の月探査衛星「かぐや」の発射成功を受けたものであるのは明らか。今後、月探査衛星と月基地の建設、有人宇宙往還機の発射拠点はここになるのではなかろうか。
⇒これまでの三つの発射施設は「●●衛星発射中心」という名称ですが、ここは「海南文昌航天発射場」という名称です。
●現在シナにある三大衛星発射センター
1.酒泉衛星発射センター
シナ初の大型ロケット発射場として1958年に創設。
1960年11月、ロケット発射に成功。
1970年4月、シナ初の人工衛星発射に成功
1975年11月、シナ初の宇宙往還衛星発射に成功;
2003年10月、有人宇宙往還機「神舟五号」の発射に成功
ゴビ砂漠南端に位置する。
有人宇宙往還機「神舟五号」「神舟六号」が打ち上げられたことで有名。
2.太原衛星発射センター
創設40周年。
毎年10回以上、衛星ロケット発射を執行している。
すでに38基の国内外衛星発射に成功している。
山西省に位置し、主に気象衛星の打ち上げに使用されている。
SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射試験にも使われている模様。
位置は北緯37度30分、東経112度36分で、打ち上げ傾斜角は99度
3.西昌衛星発射センター:
静止軌道への打ち上げを行っているのはここのみ。北緯28度に位置。1970年に創設。主に地球周回衛星発射に用いられている。これまで、40数度にわたり、国内外の衛星の発射を行なっており、発射成功率は12回のうち10回(年単位)。月探査機「嫦娥1号」はここから打ち上げられる。2007年1月11日に行われた衛星破壊実験(ASAT)で、対衛星ミサイルが打ち上げられた発射場。
●サウジ、油田警備隊を創設へ
サウジアラビアの国軍兵力は現在十二万五千人で王室警護に当たる近衛部隊「国家警備隊」は七万五千人とされます。
そんななかこのたびサウジは、内務省傘下の組織として「油田警備隊」を創設することとなりました。現在五千人の規模ですが、来年中に二万人、五年以内に三万五千人規模にするそうです。
任務は名前のとおり油田警備で、隣接するクウェートも石油施設警備の強化に当たることとなっています。
⇒名目上は「過激派テロ組織によるテロに備える」というものですが、イランによる工作活動に対する警戒の意味合いのほうが大きいようです。部隊創設と並行してサウジは、イラク国境沿いに九百キロにわたり「防御壁」を建設します。この十月に入札が行なわれます。この壁の目的は「イランが支援するとされるシーア派民兵の侵入阻止」です。
●北鮮労働党書記、シリア党幹部と会談
北鮮の崔労働党書記は二十一日、平壌でシリアのバース・アラブ社会党のダウドゥ組織部長と会談しました。
⇒両国については現在、「核関連物資のやりとりをしている」との話がクローズアップされています。
●内閣府の調査、「武力攻撃への不安あり」が八割
内閣府は二十日、海外からの侵略・武力攻撃に関する世論調査結果を発表しました。それによれば、80.2%の国民が武力攻撃への不安ありと答え、あわせて、国民保護に関する理解があまり進んでいないことも明らかになっています。
非常事態の際、国民をいかに保護するかを定めた国民保護法とその運用の実際について「知っている」と答えた人は三割に満たず、知らない人が七割を越えています。
⇒ 国防が存在しないわが国で国民の「不安あり」が八割を超えるなんてのは当たり前の話です。国民は、役人が考えた保護法など当てにはならないと思っているのではないでしょうか?なにより、国防を国家戦略として明確に位置付け、法制度・装備面で確固たるものにしてはじめて、国民を保護できるのではないでしょうかね。憲法を変え、防諜法を作らない限り、国民保護法もクソもないと思います。
●アルカーイダ、ムシャラフ政権に宣戦布告
アルカーイダのザワヒリ氏は二十日発表したビデオ声明の中で、七月にパキスタン軍が行なった「ラル・マシード」制圧作戦による指導者ガジ師の殺害について「パキスタンの卑劣さと背信を露呈した」と非難、「ムシャラフ大統領は報復を受けることになる」と明言しました。
⇒同日、アルカーイダはウェブサイト上で「アルカイーダはビンラディン師の言葉で、暴君ムシャラフとその軍に宣戦布告する」と予告しています。
●米国務副長官の発言
来日したネグロポンテ米国務次官は二十日、イランに関し以下のような発言を行ないました。
「イラン政府の態度は、国際社会が今直面している最も深刻な問題のひとつだ。対イラン政策で協議できるよう、日本政府と協力してゆきたい。例えば、イラン政府が国連安保理決議を無視している現在は、イランとの間で新たな経済的新機軸を起こすに適切な時期とはいえないだろう」
●フランス、NATOに完全復帰
ド・ゴール時代の一九六六年に、北大西洋条約機構の枠組みから離脱し、自主独立の国防政策を維持してきたフランスですが、サルコジ政権はその政策を転換する意向のようです。
NATOには文民機構と軍事機構のふたつの仕組みがあり、フランスは文民機構には参加していましたが軍事機構には参加していません。
軍事機構には「軍事委員会」「防衛計画委員会」「核計画グループ」があります。フランスはこのうち「軍事委員会」には九十五年に復帰していましたが、残り二つについては現在参加していません。
来年春に発行される国防白書でこの方針を明らかにする予定で、その後四月のNATO首脳会談で完全復帰を表明する見通しです。モラン国防相は「フランスがNATOへの態度を変えない限り、欧州の防衛は進展しない」と述べており、事実上政策転換に言及しています。
⇒フランスが軍事委員会に復帰したきっかけは、旧ユーゴ紛争がきっかけでした。
これまでも確かにNATO軍部隊に参加していますが、核計画グループや防衛計画委員会には参加しておらず、部隊指揮権も保有していません。そのせいか、まったくやる気のない部隊として有名です。不肖・宮嶋さんの著書でもフランス軍部隊のヘタレ振りはよく書かれています。復帰の背景にあるのは、イラク戦争時に生じた米英との亀裂修復と、テロ対策・エネルギー安保に関して発言力を強めることにあるみたいです。
イラク戦争に関する政策も転換予定で、治安回復のための部隊遣、警察訓練等を通じて有志連合を支援してゆく方向です。今後は特に、アフガン・コソボで主導権を持つ局面が多くなろうと見られています。
●イスラエルがシリアを空爆?
今月六日にイスラエル空軍がシリア北部を空爆し、北鮮から運搬された核関連物資を破壊した、との報道が世界のメディアで話題になっています。まとめると
・イスラエル当局は、シリアが北鮮から核関連物資購入を図っているとの情報を入手。それを受け今春から攻撃準備に入っていた。
・シリア北部にある農業研究施設でリン酸塩からウラン抽出が行なわれている疑いありとの情報。イスラエルが動静を監視していた。
・今月三日、北鮮からシリアに核関連機器と見られる物資が船で到着した。
・これを受けイスラエル空軍は六日、北鮮からの核関連物資を収めた地下施設を空爆し破壊した。
・シリア当局は、イスラエル軍機が領空侵犯し、爆発物を投下したのは事実。しかし損害はなかった。と発表している。
・イスラエル政府は異例ともいえる沈黙と厳しい報道管制を継続中。
⇒イラン空爆を米とイスラエルが押し付けあっているのでは?とのヨーソロ様のご高見がありましたが、関連するのでしょうか。とても気になりますよね。
ちなみに両国政府ともに詳細な話をしていませんが、これについては、
・シリアにとっては、北鮮との核協力がばれると困ったことになる
・イスラエルが攻撃を公表すれば、シリアは反撃せざるを得なくなるといったコメントが出ています。
ちなみに米国務省が「北鮮がシリアに核協力を行なっている」可能性を示唆したのは十四日のことで、これについて北鮮・シリアともに否定しています。よく似た構図の「オシラク空爆」に関する本を先日紹介しました(*)が、今回のはシリアとイスラエルの対決というよりは、イラン情勢と密接な関連があるようです。複雑ですね。
●ネパールマオイスト、政権離脱
ネパールで反政府武装闘争を展開しているネパール共産党毛沢東主義派(マオイスト)は、昨年十一月に和平協定に調印し、今年一月から暫定連立政権を樹立していました。
現在同地では、停戦監視(マオイストの武装解除)にあたるため、わが陸上自衛隊から以下の形で軍人が派遣されており、今も活動中です。
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国連ネパール支援団(UNMIN)
【任務の内容】
ネパールマオイストの武装解除の監視。および、ネパール内戦終了後のネパール議会選挙の準備を行う。1年間の予定(2007/04/01~2008/03/31)
1.軍事監視要員【陸】
石橋克伸2佐[中佐] 以下幹部[将校]6名(佐官4・尉官2)
2.連絡調整要員:5名
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⇒マオイストが政権離脱した理由は、王制廃止要求が拒否されたためです。名前のとおり、この組織はシナの中共の傀儡で、隣接する国を朝貢国とするための手順にのっとったやり方ですね。
ネパールの場合の戦略は、マオイストが主体となり、
1.王から統帥大権、直接統治権を奪う
2.合法的な存在になって、政権に参加する
3.世論を煽って政権を不安定にする
4.王制を廃止するまで、2~3を繰り返し何年でも続ける
5.王制廃止、共和制の実現
6.猟奇殺人や虐殺を実行し、政情不安を醸成する
7.隣国シナの介入を合法的に要請する
8.属国の誕生
という流れで進められていますね。
国体の破壊⇒合法的に政情不安を醸成⇒介入⇒属国化
わが国も同じ歩みを辿らされようとしています。
皇室のかたじけなさに無知でいると、百年後、上記と同じ段階を経て、わが國はなくなっていることでしょう。国には国柄というものがあります。ネパールの場合、王制を失ったら即アウトでしょう。しかし、残念ながらネパールの寿命は、風前の灯のような気がしてなりません。
●権益は大陸棚全域
シナの中共政府は、近く発表される二〇〇七年版外交白書を通じて、自国の東シナ海海洋権益を、「日本近海まで大きく張り出した大陸棚全域及ぶ」とする立場を示しました。シナの中共が主張しているのは「大陸棚は大陸国の陸地の自然な延長である」とする「大陸棚自然延長論」に基いて処理されるべき。ということです。
これに従うと、シナの海洋権益は沖縄近海の沖縄海溝まで及ぶことになります。また、東シナ海の尖閣諸島についても、「魚釣島はシナ固有の領土」ということになります。(おき軍事情報部)
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◎◎◎ おたより ◎◎◎
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●ソーシャルワーカー
私は社会福祉士(SW=ソーシャルワーカー)であります。本来、社会福祉は経済や防衛、防災、国際協力から日常生活等の広範な人間生活の向上を目的とするもので、高齢者介護だけが福祉ではありません。
米国でSWといえば「専門は何か?。医療か? 軍事か? 社会政策か?・・」と訊かれます。太平洋戦争終了の際、GHQと共に来日し、日本の社会福祉政策を次々と立案した専門家チームがソーシャルワーカーであり、米国対日救済福祉政策として「SCAPIN775 号」を発令して生活保護法や生活保護請求権を確立させた他、多くのSCAPINにより現在の社会福祉制度の基礎を作ったのも彼ら米国 SWの仕事です。
このように、社会福祉士SWは事ある時にに備えて政治経済や軍事、金融、防災などの、生活を支える広範な知識と見識を備えていなくてはならないのです。正確な軍事的見識はこれからの国際社会で活躍する者には必須の見識であると考えております。メルマガは毎回、長男にも紹介し、親子で様々な議論をしております。また、様々な俗説が流される中でエンリケ航海王子の見識は世界の真実を探る上での貴重な手がかりとなり、私の仕事や長男の国際感覚を養う上でたいへんな助けとなっております。本当にありがとうございます。
エンリケ航海王子のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
⇒ソーシャルワーカーと聞けば、確かに介護というイメージがありますね。介護・福祉と聞けばある一定のイメージが湧きますが、頂いたメールを見て目からウロコです。ただ、GHQとSWの関係を知り、複雑な心境ですね。(エンリケ)