溺れる子供を前に救助の値段交渉をする中国のモラル(台湾春秋) ・私も空母の雑談を。(チナオチ)
ようちゃん、おすすめ、
▼溺れる子供を前に救助の値段交渉をする中国のモラル(台湾春秋)
の記事は、こちらです。
(引用開始)
7月9日、中国甘粛省蘭州市を流れる黄河で、水遊びをしていた数名の少年が、溺れる事故が起き、中国の新華新報社は配信した記事で、その一部始終が伝えられた。中国社会のモラルの現状を示すものと、評論家・石平氏が正論10月号で嘆いている。
「少年たちの姿が水の中に消えた直後に、このニュースを聞き及んだ数千人の市民が、川沿いに集まってきて、文字通りの高みの見物を始めた。河の中に入って少年たちを救いだそうとする人間は、一人もいない。現場のすぐ近くに、荷物運搬の商売をしている筏はいくつか河に浮かんでいたが、救出のために動き出そうとする気配はまったくない。しばらくすると、付近の交番の数名の警官がやってきた。彼らも、自ら水に入って人命を救助する気はなかった。その代わりに、筏の持ち主を呼んで救助を頼んだ。しかしそのとき、筏の持ち主たちは何と、警察官に対して、筏を動かして救助するための“代金"を要求したのである。現実に起こりえない衝撃的な場面が、この偉大なる社会主義国で展開されたのである。
水の中に沈んでいる少年たちを傍らにおいて、筏の持ち主と警官の間に、延々と、しかも堂々と、救助するための代金について値段交渉が行なわれた。“救助代金”が、3千元(約4万5千円)につり上げられたところで、やっと話がついた。そして、少年たちが水の底から引揚げられるまでの間、数千人の観客たちは野次を飛ばしながら楽しそうに見物していた。そして、彼らが一斉に笑い拍手を送ったのは、救助中の筏が、バランスを失ってあやうく転覆しそうな瞬間だった。
7月9日、中国甘粛省蘭州市を流れる黄河で、水遊びをしていた数名の少年が、溺れる事故が起き、中国の新華新報社は配信した記事で、その一部始終が伝えられた。中国社会のモラルの現状を示すものと、評論家・石平氏が正論10月号で嘆いている。
「少年たちの姿が水の中に消えた直後に、このニュースを聞き及んだ数千人の市民が、川沿いに集まってきて、文字通りの高みの見物を始めた。河の中に入って少年たちを救いだそうとする人間は、一人もいない。現場のすぐ近くに、荷物運搬の商売をしている筏はいくつか河に浮かんでいたが、救出のために動き出そうとする気配はまったくない。しばらくすると、付近の交番の数名の警官がやってきた。彼らも、自ら水に入って人命を救助する気はなかった。その代わりに、筏の持ち主を呼んで救助を頼んだ。しかしそのとき、筏の持ち主たちは何と、警察官に対して、筏を動かして救助するための“代金"を要求したのである。現実に起こりえない衝撃的な場面が、この偉大なる社会主義国で展開されたのである。
水の中に沈んでいる少年たちを傍らにおいて、筏の持ち主と警官の間に、延々と、しかも堂々と、救助するための代金について値段交渉が行なわれた。“救助代金”が、3千元(約4万5千円)につり上げられたところで、やっと話がついた。そして、少年たちが水の底から引揚げられるまでの間、数千人の観客たちは野次を飛ばしながら楽しそうに見物していた。そして、彼らが一斉に笑い拍手を送ったのは、救助中の筏が、バランスを失ってあやうく転覆しそうな瞬間だった。
(引用終わり)
こちらで続きが読めます。↓
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ようちゃんの意見。↓
★人口過剰国だし,皆が一人っ子政策を守ってる訳ではありません.黒子と言う戸籍に掲載されていない闇の子供も居る.だから誘拐されてレンガ工場で奴隷にされていた.農村部では機械化が遅れ住民が貧しいので働き手として内密に子供を多く産んでいた.マルコおいちゃんなどチュゴク通は30年前と同じ人口13億人から増えていない中国の人口統計が出鱈目だと直ぐ分ると書いています.実際は16億人を超えてるそうです. 単なる金銭至上主義より人命が紙切れ並(ポケットマネーで支払える意味です)に安いのです.
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▼私も空母の雑談を。(チナオチ)
★人口過剰国だし,皆が一人っ子政策を守ってる訳ではありません.黒子と言う戸籍に掲載されていない闇の子供も居る.だから誘拐されてレンガ工場で奴隷にされていた.農村部では機械化が遅れ住民が貧しいので働き手として内密に子供を多く産んでいた.マルコおいちゃんなどチュゴク通は30年前と同じ人口13億人から増えていない中国の人口統計が出鱈目だと直ぐ分ると書いています.実際は16億人を超えてるそうです. 単なる金銭至上主義より人命が紙切れ並(ポケットマネーで支払える意味です)に安いのです.
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▼私も空母の雑談を。(チナオチ)
(引用開始)
●空母空母の大連呼で国民に「建造宣言」、本気です。(2007/08/22)
ここのコメント欄ですね。レスが増えていくのを眺めながら、仕事にかまけて口をはさめない境遇を恨めしく思っておりました。てな訳で私にも口を出させて下さい。別に役に立つ話などはしませんけど(笑)。――――
まず、驚いています。このブログを始めてから3年ちょっとになりますけど、航空母艦(空母)に対する中共当局の姿勢が短期間でずいぶん変化したことに対してです。空母保有への野心を隠さなくなった、といったところでしょう。それから外洋への伸張姿勢。東アジア地域での覇権確立を秘めた野心ですね。一昨年かその前の年あたりだったと思いますが、劉華清という以前海軍を仕切っていた退役将軍の回顧録だか自伝のなかに、空母保有への意欲が明記されていて「ほほー」と思ったものです。それが前掲エントリーで紹介した通り、中国国内の外電紹介専門紙『参考消息』がやけに具体的なニュースを持ってきました。
●中国の空母プロジェクト始動、まずは2隻建造……『漢和』報じる(人民網 2007/08/20/10:04http://military.people.com.cn/GB/8221/72028/76059/76404/6136290.html
●「千龍新聞網」(2007/08/20/14:16)http://mil.news.mop.com/jq/gn/p/2007/0820/141652257.shtml
下の記事には勇ましい想像図?までついています。
人工衛星破壊ミサイル実験なども行われましたね。PKO参加なども華々しく報道されるようになりました。3年前に立ち戻って眺めてみると、中国の軍拡路線が単に予算増額だけでなく、具体面で着実に歩みを重ねていることを実感できます。
――――
ところで、中国の指導者は3代目の江沢民から軍籍も実戦経験もない者が軍権(中央軍事委員会主席)を握るようになりました。制服組から軽侮されないようにするにも張り合う材料がありませんから、もっぱら懐柔策ということになります。階級の昇進、ポストの昇格、予算増額などがそれに当たるでしょう。特に人事は「八一建軍節」(人民解放軍の成立記念日)の手前に行われるので「お中元」といってもいいでしょう。
4代目である現在の胡錦涛政権でも同じことが行われていますが、空母建造も「お中元」に加わったのでしょうか。それとも10月15日から開催される中共の一大政治的イベント・第17回党大会で軍部からより強い支持を得たいがためのプレゼント?北京五輪を来年夏に控えているこの時期にわざわざ軍事的野心を露わにすることで、国際社会においてどれほどメリットがあるのでしょう。私にはわかりませんけど、たとえ北京五輪が流れても台湾併呑を断固優先させる」といった中共政権独特の価値観からすれば、オリンピックなどとは無関係に、単にそういう機が熟したから空母を建造する、ということなのかも知れません。本来なら外観よりも内憂なんですけど、中国は軍事にはカネを惜しみません。中国社会が貧富の格差や環境汚染をはじめ様々な問題を抱え込んでしまって、とうとう胡錦涛や温家宝が「和諧社会」(調和のとれた社会)の実現を呼号するほどになってしまいましたが、それでも巨費を投じて有人宇宙船を打ち上げたりしているのもその一例です。経済発展」なる言葉に幻惑されているようでもあります。技術・資本・市場ともに対外依存度の極めて高い中国経済は、現時点では砂上の楼閣といった危うさをはらんでいると私は思うのですが、「富国強兵」の「富国」が実現しつつあるから「強兵」にも力点を、という空気もあるのではないかと。
――――
空母を持ちたい!という野心の来歴は様々でしょう。まずは子供が新しい玩具をほしがるような無邪気さで、空母を「大国としてのステータスシンボル」と考えている軍人がいるでしょうし、遠洋でも展開し得る海軍力を持つには空母戦闘群が不可欠、という考えもあるでしょう。
一種のトラウマもあるのではないかと思います。これは冒頭に掲げたエントリーのコメント欄で「曙機関」さんが指摘しているように、
96年の台湾総統選挙の時、李登輝の再選を阻止しようとして台湾沖にミサイルを打ち込む“演習”を行なっていた中国は、アメリカが第7艦隊の空母2隻を派遣した事によって慌てて“演習”を注視せざるを得ませんでした。
「空母さえあれば」、「空母が無いから……」という感覚は、あの時に広く中国人に浸透したのじゃないかと思います。
といった、面子丸潰れの苦い思い出によるものです。さらにさかのぼると、金門島と大陸の砲戦などが行われていた時期に、米空母部隊が近海に展開することで中国が引き下がらざるを得なかった、という故事もあります。実は中国はすでに空母を1隻保有していますね。「KWAT」さん御指摘のテーマパークの「空母」、あれは実物大模型といった純粋な建築物ですけど、ロシアから廃艦になった「ミンスク」を購入して深センだかあのあたりに置いてあります。これもテーマパーク化されているのでもちろん戦力ではありませんけど、正真正銘の元空母です。軍部は模型やテーマパークではその渇を癒し切れなくなった、ということもないでしょうが、ともあれこの「ミンスク」テーマパーク、当初は賑わったものの、熱が冷めると来場者が激減してとうとう破産してしまいました。哀れ「ミンスク」は競売にかけられ、幸い買い手がついて引き続きテーマパーク路線でいくことになったようです。
――――
空母戦闘群を保有する上でのコストは莫大です。「作れ作れ~~~」さん、「90」さん、「通行人A」さん御指摘のように、空母や艦載機やその乗員養成に加え、戦闘群を形成する護衛艦艇まで揃えてやっと使いものになります。しかもメンテナンスも訓練もしなければなりません。一般的には空母3隻をローテーションさせなければ常時出撃可能状態は維持できないとされています。護衛艦や艦載機もそうでしょう。この点、『参考消息』の伝える「第一期建造計画で空母2隻」というのは、予算配分の関係もあるでしょうが、「とりあえず2隻あれば、いざ有事というときに1隻は出せるだろう」という軍部の思惑もあるのではないかと思います。デジカメやパソコンやテレビゲーム機と同様、初期ロットに不具合はつきものです。「失敗作になる可能性があるからまず2隻で実験」という意味合いと、上述したように当初は常時遠洋に展開しているのではなく、「経験値を積みつつ有事に備えての一種の抑止力として空母戦闘群を持とう、だから2隻はないと」という考えではないかと思います。それでもカネ食い虫になることは必至。とはいえ国民に事実上空母建造を宣言してしまっているのですから、やるつもりなのでしょう。
――――
ここで改めて覚えておきたいことがあります。日本にとって中国は価値観を共有することのできない、マトモな対話の成立しにくい相手だということです。要するに日本の「非常識」が中国では「常識」であるケースがままあります「そんな高い買い物なんて中国の現状に照らせばナンセンス」
というのは、あくまでも日本側の価値観に拠った見方です。一党独裁制である中共政権は「ナンセンス」を断行できる体制であり、民生を犠牲にしても軍事にはカネを惜しみませんし、そういう無茶のできる国です。百万人死んだって総人口の1%にもならないのです。「民生を犠牲にしても」の実例は有人宇宙船プロジェクトがそうですし、毛沢東時代にも人民が飢餓でバタバタ死んでいる時期でさえ核開発やミサイル技術の向上には潤沢な予算を割り当てられたりしています。
この点において私は「ZIR」さんと同様の危機感を持っています。
「中国がまともに空母を運用できる訳がない」という意見は少々危険ではないかと思います。
かつて日本は「イエロー・モンキーが白色人種に対抗できるわけがない」という常識を覆しました。あながち根拠がないともいえない常識です。
西洋列強が東アジアにとりついた時点で、日本は近代化の波に乗れるだけの民度がありましたから幸い列強のひとつとなることができました。それと同時に、当時の欧米の常識ではちょっと考えられない「ナンセンス」を行い得る条件もあったため、白人世界を驚倒させることになりました。中国は当時の日本とはまた違う状況ながら、「ナンセンス」を断行できるだけの条件を持っています。もちろん、「ナンセンス」を強行することによって経済が疲弊し亡国への道を歩む可能性もありますけど、そのあたりからのしぶとさが中国の身上でもあります。
……もっともそれは「みんな貧乏」だった1980年代末までの話であって、物欲まみれの現在の中国人が耐乏に大人しくしていられるかどうかは疑問です。でも民族主義を煽り立てたり他国と一触即発の状況に瀕するなど「外敵」を作り上げておけば、愛国主義教育を受けて育った世代が社会の第一線にいるために、意外と以前より楽に国民を統御できて「欲しがりません勝つまでは」状態になるかも知れません。
――――
とりあえず空母を2隻建造したとすれば、まずは東シナ海や南シナ海あたりが活動範囲ということになるでしょうけど、第二期、第三期と建艦計画が続けば「親善訪問」などと称して中国の空母戦闘群が佐世保や横須賀、あるいは太平洋を横断してサンフランシスコやロサンゼルスあたりに出現することもあるでしょう。目にしたくない光景です。個人的には中国とパキスタンの関係に興味があります。中国の資金援助で港湾建設が行われたりしていますが、パキスタンに軍港を建設してそれを租借すればインド洋での空母戦闘群展開も可能になるからです。……と、素人の私にはこのあたりが限界です。また詳しい方々からのフォローをお待ちしております。
――――
以下は本題とは関係ありませんが一見の価値ありです。
●中国みやげ 軍事VCDの巻②
http://www2.ttcn.ne.jp/~heikiseikatsu/VCD_2.htm
トップページはこちら。
●兵器生活
http://www2.ttcn.ne.jp/~heikiseikatsu/index.html
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●空母空母の大連呼で国民に「建造宣言」、本気です。(2007/08/22)
ここのコメント欄ですね。レスが増えていくのを眺めながら、仕事にかまけて口をはさめない境遇を恨めしく思っておりました。てな訳で私にも口を出させて下さい。別に役に立つ話などはしませんけど(笑)。――――
まず、驚いています。このブログを始めてから3年ちょっとになりますけど、航空母艦(空母)に対する中共当局の姿勢が短期間でずいぶん変化したことに対してです。空母保有への野心を隠さなくなった、といったところでしょう。それから外洋への伸張姿勢。東アジア地域での覇権確立を秘めた野心ですね。一昨年かその前の年あたりだったと思いますが、劉華清という以前海軍を仕切っていた退役将軍の回顧録だか自伝のなかに、空母保有への意欲が明記されていて「ほほー」と思ったものです。それが前掲エントリーで紹介した通り、中国国内の外電紹介専門紙『参考消息』がやけに具体的なニュースを持ってきました。
●中国の空母プロジェクト始動、まずは2隻建造……『漢和』報じる(人民網 2007/08/20/10:04http://
●「千龍新聞網」(2007/08/20/14:16)http://
下の記事には勇ましい想像図?までついています。
人工衛星破壊ミサイル実験なども行われましたね。PKO参加なども華々しく報道されるようになりました。3年前に立ち戻って眺めてみると、中国の軍拡路線が単に予算増額だけでなく、具体面で着実に歩みを重ねていることを実感できます。
――――
ところで、中国の指導者は3代目の江沢民から軍籍も実戦経験もない者が軍権(中央軍事委員会主席)を握るようになりました。制服組から軽侮されないようにするにも張り合う材料がありませんから、もっぱら懐柔策ということになります。階級の昇進、ポストの昇格、予算増額などがそれに当たるでしょう。特に人事は「八一建軍節」(人民解放軍の成立記念日)の手前に行われるので「お中元」といってもいいでしょう。
4代目である現在の胡錦涛政権でも同じことが行われていますが、空母建造も「お中元」に加わったのでしょうか。それとも10月15日から開催される中共の一大政治的イベント・第17回党大会で軍部からより強い支持を得たいがためのプレゼント?北京五輪を来年夏に控えているこの時期にわざわざ軍事的野心を露わにすることで、国際社会においてどれほどメリットがあるのでしょう。私にはわかりませんけど、たとえ北京五輪が流れても台湾併呑を断固優先させる」といった中共政権独特の価値観からすれば、オリンピックなどとは無関係に、単にそういう機が熟したから空母を建造する、ということなのかも知れません。本来なら外観よりも内憂なんですけど、中国は軍事にはカネを惜しみません。中国社会が貧富の格差や環境汚染をはじめ様々な問題を抱え込んでしまって、とうとう胡錦涛や温家宝が「和諧社会」(調和のとれた社会)の実現を呼号するほどになってしまいましたが、それでも巨費を投じて有人宇宙船を打ち上げたりしているのもその一例です。経済発展」なる言葉に幻惑されているようでもあります。技術・資本・市場ともに対外依存度の極めて高い中国経済は、現時点では砂上の楼閣といった危うさをはらんでいると私は思うのですが、「富国強兵」の「富国」が実現しつつあるから「強兵」にも力点を、という空気もあるのではないかと。
――――
空母を持ちたい!という野心の来歴は様々でしょう。まずは子供が新しい玩具をほしがるような無邪気さで、空母を「大国としてのステータスシンボル」と考えている軍人がいるでしょうし、遠洋でも展開し得る海軍力を持つには空母戦闘群が不可欠、という考えもあるでしょう。
一種のトラウマもあるのではないかと思います。これは冒頭に掲げたエントリーのコメント欄で「曙機関」さんが指摘しているように、
96年の台湾総統選挙の時、李登輝の再選を阻止しようとして台湾沖にミサイルを打ち込む“演習”を行なっていた中国は、アメリカが第7艦隊の空母2隻を派遣した事によって慌てて“演習”を注視せざるを得ませんでした。
「空母さえあれば」、「空母が無いから……」という感覚は、あの時に広く中国人に浸透したのじゃないかと思います。
といった、面子丸潰れの苦い思い出によるものです。さらにさかのぼると、金門島と大陸の砲戦などが行われていた時期に、米空母部隊が近海に展開することで中国が引き下がらざるを得なかった、という故事もあります。実は中国はすでに空母を1隻保有していますね。「KWAT」さん御指摘のテーマパークの「空母」、あれは実物大模型といった純粋な建築物ですけど、ロシアから廃艦になった「ミンスク」を購入して深センだかあのあたりに置いてあります。これもテーマパーク化されているのでもちろん戦力ではありませんけど、正真正銘の元空母です。軍部は模型やテーマパークではその渇を癒し切れなくなった、ということもないでしょうが、ともあれこの「ミンスク」テーマパーク、当初は賑わったものの、熱が冷めると来場者が激減してとうとう破産してしまいました。哀れ「ミンスク」は競売にかけられ、幸い買い手がついて引き続きテーマパーク路線でいくことになったようです。
――――
空母戦闘群を保有する上でのコストは莫大です。「作れ作れ~~~」さん、「90」さん、「通行人A」さん御指摘のように、空母や艦載機やその乗員養成に加え、戦闘群を形成する護衛艦艇まで揃えてやっと使いものになります。しかもメンテナンスも訓練もしなければなりません。一般的には空母3隻をローテーションさせなければ常時出撃可能状態は維持できないとされています。護衛艦や艦載機もそうでしょう。この点、『参考消息』の伝える「第一期建造計画で空母2隻」というのは、予算配分の関係もあるでしょうが、「とりあえず2隻あれば、いざ有事というときに1隻は出せるだろう」という軍部の思惑もあるのではないかと思います。デジカメやパソコンやテレビゲーム機と同様、初期ロットに不具合はつきものです。「失敗作になる可能性があるからまず2隻で実験」という意味合いと、上述したように当初は常時遠洋に展開しているのではなく、「経験値を積みつつ有事に備えての一種の抑止力として空母戦闘群を持とう、だから2隻はないと」という考えではないかと思います。それでもカネ食い虫になることは必至。とはいえ国民に事実上空母建造を宣言してしまっているのですから、やるつもりなのでしょう。
――――
ここで改めて覚えておきたいことがあります。日本にとって中国は価値観を共有することのできない、マトモな対話の成立しにくい相手だということです。要するに日本の「非常識」が中国では「常識」であるケースがままあります「そんな高い買い物なんて中国の現状に照らせばナンセンス」
というのは、あくまでも日本側の価値観に拠った見方です。一党独裁制である中共政権は「ナンセンス」を断行できる体制であり、民生を犠牲にしても軍事にはカネを惜しみませんし、そういう無茶のできる国です。百万人死んだって総人口の1%にもならないのです。「民生を犠牲にしても」の実例は有人宇宙船プロジェクトがそうですし、毛沢東時代にも人民が飢餓でバタバタ死んでいる時期でさえ核開発やミサイル技術の向上には潤沢な予算を割り当てられたりしています。
この点において私は「ZIR」さんと同様の危機感を持っています。
「中国がまともに空母を運用できる訳がない」という意見は少々危険ではないかと思います。
かつて日本は「イエロー・モンキーが白色人種に対抗できるわけがない」という常識を覆しました。あながち根拠がないともいえない常識です。
西洋列強が東アジアにとりついた時点で、日本は近代化の波に乗れるだけの民度がありましたから幸い列強のひとつとなることができました。それと同時に、当時の欧米の常識ではちょっと考えられない「ナンセンス」を行い得る条件もあったため、白人世界を驚倒させることになりました。中国は当時の日本とはまた違う状況ながら、「ナンセンス」を断行できるだけの条件を持っています。もちろん、「ナンセンス」を強行することによって経済が疲弊し亡国への道を歩む可能性もありますけど、そのあたりからのしぶとさが中国の身上でもあります。
……もっともそれは「みんな貧乏」だった1980年代末までの話であって、物欲まみれの現在の中国人が耐乏に大人しくしていられるかどうかは疑問です。でも民族主義を煽り立てたり他国と一触即発の状況に瀕するなど「外敵」を作り上げておけば、愛国主義教育を受けて育った世代が社会の第一線にいるために、意外と以前より楽に国民を統御できて「欲しがりません勝つまでは」状態になるかも知れません。
――――
とりあえず空母を2隻建造したとすれば、まずは東シナ海や南シナ海あたりが活動範囲ということになるでしょうけど、第二期、第三期と建艦計画が続けば「親善訪問」などと称して中国の空母戦闘群が佐世保や横須賀、あるいは太平洋を横断してサンフランシスコやロサンゼルスあたりに出現することもあるでしょう。目にしたくない光景です。個人的には中国とパキスタンの関係に興味があります。中国の資金援助で港湾建設が行われたりしていますが、パキスタンに軍港を建設してそれを租借すればインド洋での空母戦闘群展開も可能になるからです。……と、素人の私にはこのあたりが限界です。また詳しい方々からのフォローをお待ちしております。
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以下は本題とは関係ありませんが一見の価値ありです。
●中国みやげ 軍事VCDの巻②
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