元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』
元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』
──────────────────────────────
投資のチャンスを確実にモノにするには、世界にアンテナを張り巡らし、お金
の流れを機敏に察知する必要があります。元外交官の経験を活かし、一味違う
視点で、世界の政治とお金の関係を、リアルタイムで解説します。
●欧州勢のインド撤退が意味するものは?
前回と前々回のこのコラムで、「今年の晩秋に早ければ中国バブルの第1次崩
壊が起こる」との分析を披露したところ、大変大きな反響があった。発行部数
100万部を誇るこのメルマガのコラムをお引き受けしたのは、何よりも「日本
の個人投資家がカモにされる」という、現代金融資本主義の仕組みを変えたかっ
たからだ。それだけに、たくさんの方々に私からの「警告」が届いたようで、
非常にうれしい。
しかし、中には「また例によって原田武夫が、米国陰謀論を語っているようだ」
と囁いている向きもあるようだ。そこではっきりと申し上げておく。「陰謀論
(conspiracy theory)」とは、根拠が無いのに、森羅万象すべてを誰かのせ
いにするという議論のことを指す。しかし、私がこのコラムで述べていること
は、こうした「陰謀論」とは全く違う。
私と私の研究所のスタッフたちは、日々、世界中の公開メディアを分析し、そ
こで流されている情報を丹念に分析するとともに、これに非公開情報を加味す
る。それによって、それぞれの段階での情勢分析が出来上がる。これは金融イ
ンテリジェンスの手法そのものなのであって、何らの根拠が無い、観念的な
「お遊びインテリジェンス論」や「陰謀論」とは全く違うのである。
また、現段階での分析によれば、この秋に金融資本主義のシステムが世界的
に大きな変動を迎える可能性が高い。そしてそこでは、これまでのようにやれ
BRICsだ、Next Elevenだ、VISTAだと投資銀行などに煽りたてられてきた、地
理上の「エマージング・マーケット」というシステム自体が大幅な修正を迫ら
れそうなのである。中国バブルの第1次崩壊は、そうしたシステム変更の一部
にすぎない。
▼欧州勢は3ヶ月前から米景気後退を知っていた?▼
http://money.mag2.com/invest/kokusai/