中国不穏、災害続出に黒い雨、そして暴動やまず | 日本のお姉さん

中国不穏、災害続出に黒い雨、そして暴動やまず

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年)  9月4日(火曜日)  
通巻 第1911号 
 中国不穏、災害続出に黒い雨、そして暴動やまず
   あちこちの町で「動物の死骸の臭いが溢れていた」と苦情が集中
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 夏、中国は異常気象だった。
8月6日、北京市海澱区成府路地区で突然の降雪があった。五分後に雨となったが。
真夏の雪は7月30日夕刻にも北京市東三環付近で観測された。

筆者も昭和四十年に東京で、真夏にヒョウが降った体験があるが、この異常現象が北京では常態化している。
摂氏35度の高温、雨、洪水。黄砂、大気ガス汚染、光化学スモッグで昼間とつじょ、町が真っ暗になったりする。
ハルビンでは松花江の水位が異常に低下し、取水も出来ないほどだった。二年前のベンゼン被害以後、ダムの建設が急がれているが、ハルビンのような北方の雪の名産地方(札幌より緯度が高い)で今年の夏は連日三十五度を記録した。

 八月末に経済発展の象徴である深圳市で黒い雨が降った。

この事件は8月14日午後十時頃で、集合住宅街を中心におよそ1時間半、黒い雨が降った。
パトロール警官は、「墨のように黒くて、油が混じっていた。雨に汚れた手で不意に目を触れたとき、痛みを感じた。皮膚も焼けどのような軽い刺激痛があった」と目撃談を地元紙に語っている。

 住民の証言も「白い自家用車が黒雨で斑点がついてしまい、洗い落とした後、ペンキも剥がれた」という。
 翌早朝、空気中に異臭が漂った。
住民は「町中、動物の死骸のような異臭が充満していた」という。


▼広東省でも暴動がつづいている模様

 その付近には南山・熱電工場が隣接している。
黒雨が最も集中した団地「碧榕湾小区」は、同工場からわずか数百メートルしか離れていない。
当該工場では重油と石炭を燃焼するため粉塵が発生、ボイラー付着するため二日おきの頻度で粉塵除去作業を行うのが原因と見られる。

 この類いの黒い雨は初めてではない。
90年3月に上海市に隣接する江蘇省農村部の靖江、儀征などの地区で黒い雨が降った。
94年には重慶市で、05年6月には同じく重慶市の九龍発電所の操業ミスにより、周辺の黄桷坪地区で、黒い雨が降ったことが確認されている。

広東省汕尾市東洲村でまたもや官民衝突が発生した(8月24日)。
千人近い武装警察官が動員され、催涙弾で住民を攻撃し、多数が負傷した。
僅か二年前である。
この仙尾市で、発電所建設目的の土地強制収用に反対して暴動が発生し、住民多数が射殺されたのは。

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    ♪
(読者の声2) 貴誌1909号に「孔子学院」のことが触れられていました。
  孔子学院の上部団体として「孔子学院総部理事会」があり、その指導は国務院中国国際中国語指導小組。責任者は、副総理格の「陳 至立」。総括は、李長春らしいです。
 孔子学院総部理事会の規定には、「中共の世界戦略の一環と位置づける」と明確に謳っているようですが、対外的な抵抗感を薄めるために「中国文化・語学を広める」としている。
 その支援団体として日本国内にも「中国人 華人教授会議」があり、中国人の学者100名?が加盟。
 中国国内の大学1000校に対して、外国から来る教育関係者団体には、孔子学院を設立するよう働きかける指令がでているようです。
 早稲田大学が「孔子学院」を設立した際には、王毅駐日大使、森嘉朗元首相等も列席したことが、中共の機関誌に大きく掲げられたようで、駐日大使館の参事官クラスが、我が国内の大学に「孔子学院設立」を働きかけている様子。設立数については、北海道に2校、九州に2校、北陸に2校(当初1校)、そして関東の大学には数の制限なく設置する方針の由。
また学部に付設する形ではなく、大学として設立させることとする。世界的には現在、日本とアフリカ諸国への働きかけが大きいとのこと。孔子学院の院長には、必ず中国人が就任。また教員も中国から10名を派遣(学院運営と教育指導の実権が中共政府にあることの証左!)。
 こうなると、実に不気味な存在ですね。
 語学学校と思い、日中友好の名の下に、「庇を貸して母屋(國)を乗っ取られる」。「中共の指導によって、日本人を中国人民に教育しなおす」とでも謂うような危険きわまりない組織です。
宮崎さんが「中国がソフトパワー重視の外交を砲艦外交と平行させて展開」と仰言るとおり、中共の外交戦略の一環であり、我が国の教育関係者に対して吉原先生の『国体学』で、再教育する必要がありますね。また、「批孔批林」を行った中共政府にこそ、孔子学院による孔子の教えが必要ではないでしょうか!(笑)
 この辺の裏事情等を、貴メルマガ等を通じて宮崎さんのご高説を拝聴いたしたく存じます。
   (TH生、埼玉)
(宮崎正弘のコメント) 孔子学院の戦略的意図は、おそらくそうでしょう。留学生の多くにスパイが紛れ込んでいるように。
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 宮崎正弘のカザフスタン、キルギス紀行 
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