台湾は中国合法政府に支配されていない | 日本のお姉さん

台湾は中国合法政府に支配されていない

台湾は中国合法政府に支配されていない

                     「台湾の声」読者

 台湾の杜正勝(トォー・チンシン)教育部長(文科相)が

国連は1949年から『中華民国』が存在しないと認識している」と

発言して、話題を呼んでいる。

 よく杜部長の談話の内容を読んでみると、「なるほど」と思う点もあっ
た。

 「中華民国」が国連から追放された根拠となっている1971年の国連第
2758号決議文には、「『中華人民共和国』の合法的権利を回復する」とあ
る。この「回復」(restore)というのがポイントで、「中華人民共和国政
府の代表が国連における中国の唯一の合法的な代表」であることを「承認
する」ことが決定されている。そして、「蒋介石の代表」を不法に占拠し
ている議席から「追放」したのである。


 国連の解釈では、1971年の時点でこれまで「中国」の議席にいた「蒋介
石の代表」(自称中華民国)はそもそも不法であったと認め、本来権利が
あるはずだった中華人民共和国政府の合法的権利を「回復」したのであっ
た。だから、この決議では、中華民国は1949年に消滅し、中華人民共和国
が中国唯一の合法政府として誕生し、中華民国を継承したこととされたの
であり、中華民国消滅後、台湾に亡命政権を立てた「蒋介石の代表」はそ
もそも中国の合法政府ではなかったと強調しているとも読めるのである。

 そして、杜部長は「台湾はこれまで国連が定義する『中国唯一の合法政
権』に統治されたことはない」と言い切ったのだ。なるほど。法律的には、
台湾は1945年の日本敗戦で中華民国に占領されたが、1952年まで法律的に
は日本領で、サンフランシスコ条約でやっと日本の台湾放棄が確認された。
1949年に国土を失った中華民国が、勝手に台湾を領土にできるわけがない。
だから日本は決して台湾を中華民国または中国に返還するとは言わなかっ
た。簡単に言えば、台湾は旧中国の亡命政権に占領されたのであって、こ
れは中国の合法政府ではなかったといえるのである。

 しかし、これをもって台湾が中国領であるということはできない。1949
年以降の「中華民国」は中国の合法政府ではない。しかし、1949年以降中
国の合法政府である「中華人民共和国」は台湾を支配したことはない


だから、台湾は1949年以降、中国の合法政府に支配されたことはない

という理屈が成り立つ。

 日本が正式に台湾を放棄した1952年以降、台湾の主権は台湾住民に移っ
たが、旧中国の亡命政権(自称中華民国=中国政府としては非合法の『蒋
介石の代表』)による支配が長らく続いた。旧中国の亡命政権は戒厳令を
敷いて中国人による政治支配を守るため、台湾住民の政治参加を制限した。
非民主的ではあったが、1949年以降台湾は一つの国として独立した状態が
続いている(日本が放棄したのは1952年)。いまは民主化して、台湾住民
による台湾住民のための国家となっているが、憲法上の名前はまだ「中華
民国」である。この国名を「台湾」に変えたとしても、台湾の独立してい
る現状は変わらないというのが台湾与党のコンセンサスになりつつある。


参考:国連第2758号決議文

「国連総会は、国連憲章の原則を思い起こし、中華人民共和国の合法的権
利を回復することが、国連憲章を守り、かつ国連組織を憲章に従って活動
させるためにも不可欠であることを考慮し、

中華人民共和国政府の代表が国連における中国の唯一の合法的な代表であ
り、中華人民共和国が安全保障理事会の5つの常任理事国の1つであること
を承認する

中華人民共和国のすべての権利を回復して、その政府の代表が国連におけ
る中国の唯一の合法的な代表であることを承認し、蒋介石の代表を、彼ら
が国連とすべての関連組織において不法に占領する場所からただちに追放
することを決定する」


【台湾週報】(8/22)より
杜正勝・教育部長が国連第2758号決議の趣旨を説明
http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/07/070822e.htm

 杜正勝・教育部長(文科相に相当)は8月20日、全国高中校長会議に
おいて国連第2758号決議を引用して台湾の国際地位問題について語っ
たことに関し、「教育部電子報」を通じて、国連第2758号決議の趣旨
を説明した。

 以下はその内容である。

   ○    ○    ○

 国連第2758号決議文中で使われている「restoration」(回復)と
「restore」(回復させる、復帰させる)の単語から、国際社会と国連は
1949年から「中華民国」は存在しないと認識していることが理解でき
る。1945年から1971年に至るまで、中国の国連における代表議席
は「中華民国」の名義であった。だからこそ、1971年の国連総会にお
ける決議時に1949年から1971年までの中華人民共和国が本来持つ
べき法的権利を「回復」させ、「蒋介石の代表」を国連とすべての関連組
織において不法に占拠している議席から追放するとしたのである。

 私・杜正勝は、国連第2758号決議文を引用し、上述の“決議趣旨”
を根拠に、国連は1949年から「中華民国」が存在しないと認識してい
ると強調したのである。同時に、台湾はこれまで国連が定義する「中国唯
一の合法政権」に統治されたことはない。「台湾」は一つの主権が独立し
た国家である。国連憲章の精神によれば、国連の外に排除される理由はな
い。このため「台湾」の名義で国連加盟申請することは最も合理的で正当
性のある方式である。これはわれわれ台湾人が直視すべき真相なのであり、
真相を理解してこそ、人々が共に努力し、問題を解決することができるの
である。

【教育部 2007年8月21日】


『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.html
『日本之声』http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe