新旧大臣の会見概要 | 日本のお姉さん

新旧大臣の会見概要

軍事情報 (新旧大臣会見概要)              9,305部
                      平成19年(2007年)8月29日
こんにちは!!
おき軍事です。

新旧大臣の会見概要をお届けします。
◎◎◎ 大臣会見概要 [ http://kohmura.okigunnji.com/ ] ◎◎◎

■【8月27日防衛省発表 高村大臣就任会見概要 (22時50分~23時03分)】

高村大臣就任会見概要

1 発表事項

 皆さんこんばんわ。よろしくお願いいたします。官邸で申し上げたとおりで
すが、総理から特に指示されたのは、「在日米軍の再編問題をしっかりやれ。」
ということと、「テロ特措法の延長の問題について、これもしっかりやれ。」
ということですから、私なりに誠心誠意努力をして参りたい。そしてそのこと
によって、日本の平和と独立を守る、あるいは国際社会に積極的に貢献する、
そういったことに全力を尽くして参りたいと思っております。

2 質疑応答

Q: 総理から指示を受けたテロ特措法の延長についてですけれども、民主党
の小沢代表はこれに反対する姿勢を示しております。
この辺り、民主党との協
議ですとか、決着の付け方について、どういう戦略を描いていますでしょうか。

A: 戦略といいますか、国際社会が連帯してテロと闘うということで、たい
へん役に立っている活動でありますので、
そのことをご説明し理解を求めたい。
もちろん、民主党が反対するには反対するなりの理由があるのでしょうから、
それについては率直に耳を傾けて、日本が国際的に孤立しないためにテロ特措
法の延長ということを、何とかご理解いただけるように努力していきたいと思
っております。今の形でそのまま行くのか、あるいは民主党のご意見を聞いた
上で、それなりにその意見を取り入れるところがあるのかということについて、
これはこれから内閣全体で検討をしていくということだと思います。

Q: 今のご発言ですけれども、民主党の主張を法案修正ですとか、そういう
形で取り入れてもいいというふうに理解してよろしいですか。

A: あり得べしです。最初から絶対いけないというような立場にはないとい
うことです。

Q: 前の小池大臣のときに、守屋次官の後任人事を巡って大臣と次官が対立
するという事態になりまして、
今後防衛省の文化というか、守屋次官が4年以
上やられたわけですが、変える必要があるのではないかと思うのですが、その
辺り組織をどのように変えていきたいかということをお聞かせ下さい。

A: やはり正に防衛行政を的確に運用していけるような人事をしていく、と
いうことに尽きるのではないかと考えています。前大臣と次官との間の諸々の
ことについては、私はあまり深い事情を知りませんので、それに言及すること
は避けたいと思います。いずれにしても今後、的確な防衛行政が出来るような
人事をする。
そういう心構えでやっていきたいと思っています。

Q: 先程の前大臣と次官との関係ですけれども、党の派閥のトップから見て
どういうふうにこの混乱を見ていたのでしょうか。

A: 今、防衛省のトップに立ったわけで、深い事実関係は知りませんから、
あまり軽々とした発言は慎みたいと思っております。朝青龍の問題ならば、何
でも言えますけれども、この問題についてはちょっと良く勉強してからと思っ
ております。

Q: 普天間基地の話も総理から言われたと思うのですが、普天間移設に関す
る修正について、今、国と政府の意見が合っていない状況なのですが、大臣は
普天間の政府案の修正については、どういうふうにお考えでしょうか。

A: 総理から「普天間」という固有名詞は出ていないわけですが、在日米軍
の再編ということになれば、これは正に普天間の問題がキーポイント
というこ
とにもなるわけで、この問題については出来るだけ早く決着を付けるために全
力を尽くしていきたいと思っております。
基本的には、日米間で合意した案が
あるので、基本的にはその案でやっていきたいと考えています。もちろんその
中で沖縄県、あるいは地元の方々の意見には、十分耳を傾けながら、ご理解を
得るべく全力を尽くして参りたいと思っております。

Q: すごく細かいところなのですが、総理からの指示とは、米軍再編とテロ
特措法は、どちらが先というか、どちらに重きがあるのでしょか。

A: それは分かりません。分かりませんが、両方とも大切なことで、私の受
け止め方は「お前はテロ特やれよ。」ということが一番大きかったのではない
かと思っていますが、それが100%正しいかどうか、両方とも大切な問題な
ので、両方ともやらなければいけない話だと思っています。

Q: テロ特なんですけれども、具体的に修正の話になった時に、野党と話を
することが出来る人っていうのは一つの判断基準として大臣にはあったと思う
のですが、その辺の自信というか、野党との交渉の意気込みというかその辺に
ついては。

A: 誠心誠意、テロ特を延長することが日本のためになるんだ、国際社会の
ためになるんだ、アフガニスタンのためにもなるんだと、こういうことを説明
していくと。その中で、そこをどこまで野党にご理解いただけるかという中で、
話し合いがうまくいくかどうかということにつながっていくと、そう考えてお
ります。

Q: 普天間の代替施設の件ですが、基本的には日米合意案でと、「基本的に
は」とおっしゃいましたが、基本としながらも地元の意見に配慮して修正もあ
り得るということですか。

A: 「基本的には」というのは「基本的には」ということで、私達はこの案
何とか行きたいと考えているわけです。そういう中でも地元の意見は十分聞
きつつ、この案で行きたい、出来ることならこの案で説得したい、こういうこ
とです。

Q: テロ特の修正に関しては、少し含みを持たせた発言をされたと思うんで
すけれども、基本的には今の派遣の形態というのは変えられないというスタン
スで臨むということでしょうか。

A: 民主党は、「反対だ。」と言っているわけですから、そういう中でどう
いう事が考えられるのか、こちらの考え方を十分説明するとともに、反対だと
いう人の考えもよく聞いて、そういう中でお互い国のためを考えているわけで
すから、そういう中で良い案ができればいいなと思っています。ありがとうご
ざいました。これからよろしく。


■【8月27日防衛省発表 小池大臣離任会見概要 (13時50分~14時22分)】

小池大臣会見概要

1 発表事項

 本日1300から臨時閣議が行われ、各国務大臣の辞表の取りまとめが行わ
れました。その後、私のインド・パキスタン訪問の報告も含めまして海外出張
の報告、そして最後に安倍総理の方から、「この11ヶ月良く支えてくれまし
た。」と各大臣へねぎらいの言葉と「今後とも支えてください。」というお言
葉がございました。

私につきましては、2ヶ月弱の防衛大臣でございましたけれども、短期間でご
ざいましたけれども、防衛省への移行後、二代目の防衛大臣として国防という
国家の最重要部門に関わらせていただいたということに対しまして、まさに女
子の本懐という気持ちでございました。

また、就任中においては、これからの国会の最重要課題でございますテロ特措
法、
今回のインド・パキスタン訪問において、現場の国々からの日本の支援の
要請についての話を伺い、また先般のアメリカ訪問では、日米同盟関係の強化
ということで意見の一致を見ました。

また、米軍再編も大きな課題でございました。就任中に環境影響評価の方法書
を送付させていただき、また沖縄の声も聞きながら普天間移設を早期に実現
ることによって、まさに普天間の問題、沖縄の負担の軽減ということを解決で
きる道筋をつけることができたのではないだろうかと自負いたしているところ
でございます。

また、沖縄につきましては、これまでの沖縄の自立的な支援と同時に、沖縄の
支援については様々なチャンネルから行われてきたところでございますけれど
も、一度会計検査などを含めて、これまでどのような形でお金が使われてきた
のか、国民の税金が使われてきたのかということを一度チェックする必要があ
るのではないかということを感じた次第でございます。

それから情報保全でございますが、私が防衛大臣に就任いたしまして、また前
の補佐官時代からもそうでございますけれども、わが国の重要な課題であると
思っております。情報の漏洩が続きますと武器の調達、そしてまた情報の共有
の際のグレードがダウンするといったような形で、非常に広範囲な影響を与え
てしまうということから、情報保全については新しいシステムを作り上げると

同時に、私自身がこの問題についてのけじめをつけるという意味で今回退任を
表明をさせていただいたところでございます。

それから組織としての活性化でございますけれども、9月1日の施設庁の防衛
省への統合で新しい組織が始まるわけでございまして、9月1日からの新しい
人事体制、そしてまた適材適所の活性化という点でも道筋をつけさせていただ
いたものと思っております。

最後に、この新しい幕(バックスクリーン)を作らせていただきましたが、こ
こまで至るまでも色々陸海空それぞれのお考えがございましたが、やはり防衛
省・自衛隊としての統一的な発信をすべきであるということから、これを成果
物の一つとして残してまいりたいと、まさに幕引きをさせていただきたいと思
っております。これからも、立場は違いながらも日本の国家の防衛と安全保障、
特に東アジア情勢は予断を許すものではございません
。そういった意味で国防、
そして安全保障、情報保全、米軍再編、沖縄といったようなテーマを国会議員
の一人として、これからもしっかりと見ていきたい。そして国家の安全を守っ
ていきたい
と改めて私自身に言い聞かせているところでございます。

また、国防につきましては、まさに「I Shall Return」の気持
ちでこれからも頑張っていきたいと思っております。以上です。


2 質疑応答

Q: 「I Shall Return」というのは、またいつか防衛大臣と
して戻ってくるということでしょうか。

A: 防衛大臣ではございませんけれども、防衛については今後ともフォロー
をしていきたいという思いを込めて
申し上げました。

Q: 在任途中で留任しない意向を宣言するのは極めて異例なことだと思いま
すが、この意図というのは。

A: この件についての任命権者はあくまでも総理でございますので、私の意
思を表した、そしてどういうふうになさるのかということについては総理がご
決定になることであります。私は今回、その意思については、先程来申し上げ
ていますように情報保全に対しましては、色々なシステムを作っても、それか
ら法律を作っても、そこに魂が入っていないといけない。それは誰かが責任を
取る事態、そこまで行くのだということを
防衛省・自衛隊内に知らしめておく
必要があるという思いで、身をもって示したということでございます。

Q: 8月に入って、次官人事を巡ることで注目されましたけれども、今後9
月以降のテロ特措法の審議に与える影響というのは、大臣はどのようにお考え
でしょうか。

A: これは「シビリアンコントロールの観点からいかがなものか。」という
議論が途中起こったわけでございます。しかしながら、これは私が防衛大臣と
して決定したことを官邸の人事検討会議に上げ、そして了承を得たということ
でありまして、そ
の間の途中経過については様々な課題は残したとは思います
けれども、シビリアンコントロールについて結果的に何ら支障がない、問題は
ない、よって私は「ケース・クローズド」と申し上げているわけでございます
が、これについてはシビリアンコントロールが守られたと考えております。
また、その決定に従って、組織中の組織である防衛省・自衛隊が今後とも指揮
命令系統を明確に
、そして統一して国防にあたってくれる、そのことにはいさ
さかの揺るぎも生じさせていないのではないかと考えております。

Q: 7月の突然の大臣就任の時は、女性初の大臣ということもあって注目さ
れましたけれども、その時は長期的な、色々なことを考えて就任されたと思い
ますが、2ヶ月弱という短い時間で代わることについての思いというのは、
改めてありますでしょうか。

A: 結果的には短い期間となったわけでございますけれども、しかしながら
参院選後の人心一新ということは、前から言われていたわけでございます。
そういったなかで私自身の意見も示しながら、これからの組閣というのを総理
がお決めになりますから、私自身の優先課題として、また防衛省・自衛隊とし
ての優先課題を短い期間ではありましたが次々と手を付け、2ヶ月間、私にと
っては、場合によっては防衛省・自衛隊にとっては2年ぐらいの内容的なもの
があったのではないのだろうかと思っております。長期にいることによってで
きることもあり、またできないこともある。また、短期間であってもできるこ
とはあるという例ではないかと思っております
。私自身はこの間、非常に充実
した毎日であり、そして防衛省・自衛隊のみんながしっかり支えてくれた、そ
してまた、この間中越沖地震もございました。これも隊員の皆さんがしっかり
と対応してくれたということで誇りに思っております。

Q: 先ほど情報保全について、「責任を取る事態まで行くことを身をもって
示した。」という発言がございましたが、これは守屋次官以下、責任を取って
いないことについて言及されているのでしょうか。

A: 今様々な、この問題についての捜査も行われているところであり、また
省内でも様々なこれまでのトレースなども行っているところであります。

ただやはり先程も申し上げましたように、防衛機密についてはいくつか国家公
務員法を始めとする法律はありますがこれまでそれが有効に活用された例は
ほとんどないわけです。


ですから、魂を入れるという部分で私は身をもって誰かが示すべきであった

と、その意味で、私が示していくことによって、

防衛省・自衛隊の皆さんがよりこの情報保全についての意識を高め、そして

国を守ることは情報を守ることであるという意識で対応してくれることを

願っている、
それに尽きます。

Q: 環境大臣もお務めになって、環境庁から環境省になりました。それでこ
ちらも、今年の1月に防衛庁から防衛省になりましたが、率直にこの組織をご
覧になって何か問題があるかと、その辺りの感想をお願いします。

A: 私は就任挨拶のとき申し上げましたが、規模の違いはあっても組織とい
うのはマネジメントの世界であって、マネジメントをきっちりやることについ
ては、どの省庁であれ同じことだと思います。そしてまた組織という観点で言
うならば、組織中の組織でなければいけないということから、私自身、疑問に
思うところも現実にはありましたけれども、結果的には私自身も納得をし、
官邸も納得をし、その形で人事が決まったわけであり、組織としての命令系統
は維持されたと思っております。
その点で言うならば、環境省の場合との人事
の決め方というところで、若干私が経験しないことに面したということはござ
いました。

Q: 成田空港で、今後について「安倍総理を党の一兵卒として支える。」と
のことでしたけれども、今後どういったところで働きたいというお気持ちなの
でしょうか。

A: 先程来、申し上げてきたのはそのことでありまして、この2ヶ月弱の防
衛大臣としての経験、そしてその僅かですけれども、経験及びその直接携わっ
たというその事実、これらをベースにしてわが国の安全保障という点について
は、これからも国会議員としてしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

また、その前の9ヶ月間の安全保障補佐官を勤めていたことに加えまして、今
回約2ヶ月の事実上の国防の責任者であったという貴重な経験を更に生かして、
日本の安全を守っていきたいと思っております。私は前も申し上げていると思
いますけれども、安全保障はセキュリティということであります。国家の安全
ということは、例えばクライメットセキュリティもございますし、それから
ネルギー
セキュリティ、フードセキュリティもございますし、それからまたセ
キュリティーズとなると、これは株式、証券という意味にもなります。経済
いうことです。そういった意味で総合的な安全保障はどうあるべきかと、とい
うことなども含めて、安全保障そのものに携わってまいりたい。

それからもう一つ加えれば、この後ございますのは衆議院の選挙になろうかと
思っております。そこで、今申し上げたような全体的な安全保障の面で、私は
政策を出すところでも、立場がどうであれ、一自民党議員として、そういった
ことについてもどんどん提言していきたいと思っております。

Q: 大臣が防衛省のためを思って、新たな人事を色々と考えてきたと思うの
ですが、結局次官の抵抗と大臣の対立というような構図になって、結果的に参
議院選で負けた安倍政権の、更に安倍さんの指導力みたいなことも指摘される
ような事態になりましたけれども、この件に関して大臣の当初の意志と、今の
こういうような結果になったことについての思いというのは何かありますでし
ょうか。

A: それは結果として、若干の途中経過はございましたけれども、最後は総
理が決断されて、27日の組閣後と官房長官から言われました人事検討委員会
の決定ということを前倒しにされたのは総理の決意であります。
その意味では、むしろ総理こそが決断を下されたというふうに思っております
し、私は総理に任命された者でございますので、その意味でもシビリアンコン
トロールは守られたと考えて良いのではないかと思っております。

Q: 次官人事というのはあまりこういう形で表に出るのはおそらくないと思
うのですが、安倍政権の全体の弱体化というか、混乱というか、そういうこと
を指摘されることによるマイナスみたいなものはあったというふうにお考えで
すか。

A: それはございません。そして、結果として9月1日からの組織、そして
人事の改編が出来たわけでございますので、これについては、総理は見事な決
断をされたと思っております。またそういったこととは別に参院選の結果も踏
まえながら、これから人心一新ということで、今日これからの組閣が行われる
と、このように理解しております。

Q: アメリカ、インド・パキスタンにも行かれまして、精力的にやられたと
思うのですけれども、今回続投しないとお決めになったのはいつ頃ですか。

A: 色々な経過の中で結論として、最終的に公式行事を終えて出したもので
ございます。また現職の大臣であるときに、訪米、訪パキスタン・インドをす
るのは当然現職大臣として行うべきものであり、またその役目をしっかり果た
してきたと思っております。

Q: 情報保全のことについて指摘されておりましたが、防衛省内で対策本部
を設置したり、諸々の情報保全対策はしているというふうな防衛省側の主張だ
ったのですけれども、それでもまだ足りなかったということでしょうか。

A: はっきり言って足りないと思います。先程来申し上げておりますけれど
も、それはシステムや法律論の問題も必要ですけれども、しかしながら防衛省・
自衛隊の危機意識ということを、明確にしておかなければ、国は守れなので
はないかという、私の危機感の現れです。ただこういう仕組みを作りました、
じゃあ情報保全がそのまま出来ますか、ということには繋がらない。
むしろそこに緊張感であったり、その情報を、例えば自分の私物のパソコンを
持ち込まないということであるとか、パソコンの中のデータを家に持って帰ら
ないとか、色々システムは作りましても、
またそれは違う形で、かいくぐって
いくことが行われれば、また無意識的に行われるものと、意識的に行われるも
のと、両方ありますが、むしろ私は無意識でやっているという人たちに対して
も特に警鐘を鳴らしていきたいと思っております。

防衛省・自衛隊はこれまでも、情報保全について心がけをしてきたわけですけ
れども、現実に事案が出てきているわけであります。それによって同盟国との
信頼であるとか、世界からの様々な情報の共有ということがグレードダウン
てしまうということは、国防にマイナスであると、それを防ぐためにはどうす
べきか、ということから私自身が身をもって行うということは、たぶんこれは
後にすごく効いてくる一番の方策ではないかと思っております。

Q: 内閣改造の数日前に「続投しない。」という意思を示されたのですけれ
ども、ある意味、安倍内閣に入りたくないという意思表示であるとの見方もあ
るのですけれども、大臣はどういうおつもりで・・・。

A: それは総理に対して私の意思は伝えながらも、しかしながら、今後ご判
断されるのは総理ですから、それはこれからの組閣で私の意思の伝わりよう、
そして意思はどういう考え方に基づくのかということについては、総理はご存
じでいらっしゃいますので、これは後は任命権者としてどのようにお考えにな
るかということではないかと思います。

Q: 人事の件について、総理の決断があったということですが、もし決断が
早ければ、そんなにゴタゴタしたイメージが世間につかなかったと思うのです
が、遅すぎたというような認識はありませんでしょうか。

A: ノーコメントです。

Q: 先程、この2ヶ月が2年間の内容があったというところでちょっと目が
赤らんでいらっしゃったのですが、どこにどのような思いがあったのですか。

A: 目は赤らんでいませんけど。

Q: 特に感じ入ったようなところは。

A: すみません。クールでやっておりますので。

Q: 大臣と事務方トップがこういうような形で対立するのは、陰ではあるの
でしょうが、表で対立するというのはあまりないのですけれども、これについ
ては、いきなり2ヶ月前に乗り込んできたトップとしてはどういうふうに思わ
れますか。

A: ずっと安全保障の周辺住人でございましたので、いろいろとそれぞれの
役所などのことについてはそれなりに存じ上げてはおりました。それから、組
織中の組織である防衛省・自衛隊でございますので、そういうことがあっては
ならないというふうに思っております
し、その意味で結果としてきちっとした
態勢、手続きを踏んで結論が出たということは正しい方向だったのではないか
と思います。ですから、悪しき例を作っているということについては考えてお
りません。

Q: そういうことはあってはならないというのは、自衛隊員である次官が大
臣に逆らうという、シビリアンコントロールに反するということなのですか。


A: この間に色々な事があったということは間接的に聞いているわけであり
ますけれども、しかしながら、それは結果として大臣として決定をした、そし
てまたそれが検討会議の方で了承をいただいたということでありますので、結
論とすれば問題はないと思っております。

Q: 「すごく中身の濃い2ヶ月だった。」と先程おっしゃっていましたが、
その2ヶ月の中で一番印象に残ったこと、そして、一番悔しい思いをしたこと、
心残りなことというのはどのような部分でしょうか。

A: 嬉しいということは、全て嬉しかったです。そしてまた悔しいというこ
とについては、情報保全の部分で自分なりにこれからカバーするところはして
いきたいし、今回の私の決断ということがその後もしっかりと防衛省・自衛隊
で受け止めてくれるならば、それはより良いことであると思っております。

Q: 幹部人事の問題について、今後、一議員として議員生活を続けられる上
で感じられた教訓というか、そういったものは何かございますか。

A: 組織中の組織であるということは前からも申し上げております。やはり
その組織は、自分や役所の防衛ではなくて国の防衛という一番大きな究極の目
的に向かって、どういう人事配置をすれば一番効果が出るのかという、そうい
うマネジメント力なのだと思っております。組織、特に役所の場合は年次とか
年齢とか、キャリア、ノンキャリ、それから制服と、特にカテゴリーがいくつ
か分かれているわけで、そこをどうやってみんなで一体感を持って国防、安全
保障に突き進むことができるのかということ、これに尽きると思います。

人事は60%と言われております。6割の中で、そしてまた決められた人事と
いうことについて、その中で自分のそれぞれの力量を明確に示しながら、そし
てまた、組織の一員として進めていくというのが、特に行政を担う一人一人の
役割なのだろうと思っております。

Q: 情報保全について、その責任を取る意味でお辞めになるということなの
ですけれども、政府与党内には、辞めるのではなくて、続けて情報保全対策を
取っていくべきだ、2ヶ月で辞めるのは無責任ではないかという批判もありま
すが、そういう意見に対してはどのようにお答えになりますか。

A: いえ、これまで誰も責任を取ってこなかったということほど無責任を増
長させることであるということ
でございまして、私はこれを決断することによ
って、より効果の高い情報保全につながると、このように思っておりますので、
色々な批判は甘んじて受けたいと思います。

Q: 総理にその旨を恐らく伝えたと思うのですけれども、総理の反応はどう
でしたでしょうか。

A: それについてはしっかりと受け止めていただいていると思います。

Q: 帰国後も総理とは一応連絡を取れているとのことですが。

A: はい。様々な形で取っております。

Q: 情報保全の責任を取って続投しないと決めたことを、ライス長官をはじ
めとして海外の親しい方にはお伝えになったのですか。

A: いえ、まだこれからという形になると思います。私はさっき辞表を書い
たばかりですから、その前に各国に対して何か言うということは、まずは国内
の課題ですから、それをきちっと済ませる必要があるかと、それが順番ではな
いかと思っております。

Q: 防衛大臣は過去何回も繰り返し就任されている方が多いのですけれども、
大臣も2ヶ月しかやられていないのですけれども、また改めて防衛大臣で帰っ
てきたいということは。

A: これからも安全保障についてはこの2ヶ月間の貴重な経験も生かしつつ、
また中東という分野に携わってきたということからも、私のこれまでの総合的
な意味で、わずかな経験も少しでもお役に立てるのではないかと、まずはそこ
に徹底したいと思っております。

Q: また防衛大臣として帰ってきたいというふうな思いは。

A: そうですね。なかなかやり甲斐のあるところですね。

Q: 確認ですが、他省の閣僚として残るということはないと考えてよろしい
でしょうか。

A: ですから、私は党の一兵卒ということで申し上げているわけで、それに
尽きます。ということで、幕引きをさせていただきます。

Q: 沖縄関連なのですけれども、普天間の移設関係で、訪米される前に環境
影響評価方法書を県に出されて、県としてはそれに対して反発というか、保留
という立場を示しているかと思うのですけれども
、今後県側にどのような姿勢
というか、立場を取ってもらいたいと思っていますでしょうか。

A: 知事も普天間の移設については、公約で3年をメドに危険性の除去とい
うことで、これに対しては騒音対策であるとか、飛行ルートの改善であるとか、
様々な方法でそれに応えられるような方策を今後とも取っていきたい、またい
けるような形を残したと思っております。方法書については、県の方の審議会、
また県知事の意見を述べていただかないと逆に意見がないということになると
いうのが、環境影響評価の法律的なシステム
ですので、むしろ明確なご意見を
出されるということが必要なのではないかと思います。保留と言うことは逆に
意見が無いというふうに取られる、それは沖縄県もお分かりですから
、適切な
形で意見を述べられるものだというふうに思っております。

Q: その関連で、冒頭で「沖縄の自立への支援について様々なチャンネルか
ら行ってきたと、その中でどのような会計検査で、どのようなお金が使われた
かチェックしなければならない。」との発言だったのですけれども、どういっ
た趣旨のお話で。その理由というのは。

A: これはどういう分野でもそうですが、どれくらいのお金が投入されて、
それがどういう使われ方をされたのかというのは、これはどの役所の運用でも
行われていることであります。これまでの効果も確認するという意味でも必要
なことではないかと思っておりますし、また税金を投入するわけでありますの
で、その透明性ということ、そしてまた効果、それらも踏まえて、その次にで
はどうしましょうかというところにつなげていく方がよろしいのではないかと
思っております。

Q: 最後に守屋さんに言いたいことは。

A: 長年この防衛省をよく引っ張って、そしてまた米軍再編への準備もまさ
に体を張ってやってこられたわけで、私はこれまでの実績に対して評価をした
いと、ご苦労様というふうに申し上げたいと思っております。

 皆さんにはお世話になりました。ありがとうございました。

 ☆ 配信元:おきらく軍事研究会
 ☆ 発行責任者:エンリケ航海王子

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