3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース
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欧米市場でクレジットクランチ懸念=仏パリバのABSファンド凍結で
-米市場で9月利下げ観測が一気に台頭-
【2007年8月12日(日)】 - 先週の9日、欧州時間帯の午前中に、フランス最大
の銀行 でユーロ圏2位のBNPパリバが、同行子会社BNP
-米市場で9月利下げ観測が一気に台頭-
【2007年8月12日(日)】 - 先週の9日、欧州時間帯の午前中に、フランス最大
の銀行 でユーロ圏2位のBNPパリバが、同行子会社BNP
パリバ・インベストメント・パート ナーズ が運営する3つのファンドを一時的に
凍結すると発表したことが引き金となり、同 日の欧 州の株式市場と
クレジット市場では、クレジットクランチ(金融システムが麻痺 して極 端な
金融逼迫が起こること)懸念が広がった。
この日、欧州の株価指数は1日だけで1.9%も急落するなど、なかば
この日、欧州の株価指数は1日だけで1.9%も急落するなど、なかば
パニック 状態と なり、その流れを引き継いだ9日の米国市場でも、ダウ平均
株価指数が1日だけで387 ドル (2.8%)も急落、また、質への逃避で安全資産
の米国債の価格が4日ぶりに急騰 (利回 りは急低下)、外為市場でもリスク
回避で円キャリー取引の巻き戻し(円買い) が起き て、円の独歩高となり、
ドルに対し1%以上、ユーロに対しても2%上昇。その関 係でド ルがユーロに
対し急伸するなど大混乱となった。
こうした切迫した事態を受けて、ECB(欧州中央銀行)は9日、ユーロ圏での
金融逼 迫懸念を沈静化させようと、直ちに、4.0%のバーゲン金利で、
こうした切迫した事態を受けて、ECB(欧州中央銀行)は9日、ユーロ圏での
金融逼 迫懸念を沈静化させようと、直ちに、4.0%のバーゲン金利で、
950億ユーロ(約15 兆3000億円)の流動性を金融システムに供給する一方、
カナダ中央銀行も声明を出 し、 日々の金融調節を通じて流動性供給を行う
用意があることを明らかにした。これ は、銀行が投資家からのファンドの
換金需要に対応できるよう資金を潤沢にさせる狙い だ。
他方、米財務省は、「厳重に警戒している」としているが、FRB(米連邦
他方、米財務省は、「厳重に警戒している」としているが、FRB(米連邦
準備 制度理 事会)は9日、米国の銀行間で取引され、無担保コール翌日
物金利にあたるFF(フ ェデラ ル・ファンド)金利が朝方、5.375-5.5%にまで
上昇し、FRBの誘導目標である5.25 %を 超えたため、金融調節で、
2週間物120億ドルと翌日物120億ドルの合計240億ドル (約2兆 8000億円)の
レポ取引を相次いで実施し、通常より多目の資金供給を行った。
しかし、翌10日になっても、朝方、FFレートが、一時、6%まで上昇し、誘導
目標の 5.25%を上回ったため、FRBはモーゲージ債券を担保にした
しかし、翌10日になっても、朝方、FFレートが、一時、6%まで上昇し、誘導
目標の 5.25%を上回ったため、FRBはモーゲージ債券を担保にした
3日物レポ取引で190億 ドルの 資金を新たに供給、2日連続での市場介入
となった。
その後、FRBは声明を出し、 「9、10 日の2日間にわたり、金融市場の機能を
強化することを目的に流動性を供給してい る」と した上で、「FRBは、
FFレートが誘導目標の5.25%に近づくよう、必要があれば、
今後も 日々の金融調節を通じ、流動性を供給していく」と述べ、資金供給を
今後も 日々の金融調節を通じ、流動性を供給していく」と述べ、資金供給を
継続する意 向を明 らかにした。
さらに、FRBは、「銀行は今の状況では、通常ではない資金需要に直
面する可能性があるとし、資金の調達源として、ディスカウントウィンドウは
面する可能性があるとし、資金の調達源として、ディスカウントウィンドウは
いつでも 利用で きるようにする」と、万全の体制を取る考えを強調している。
結局、FFレートは 低下に 向かったものの、FFレートは、まだ、ビッドベース
で5.25%、アスクベースで5.50 %と 誘導目標より高目で推移したため、
FRBは、この日だけで3回(合計で380億ドル= 約4兆 5000億円)も資金を
供給する羽目になった。
米サブプライムモーゲージ債市場の混乱、欧州に飛び火
今回のパリバ銀行のファンド凍結は、米国で起きたサブプライム
米サブプライムモーゲージ債市場の混乱、欧州に飛び火
今回のパリバ銀行のファンド凍結は、米国で起きたサブプライム
(信用度の 低い顧 客への融資)住宅ローン債権を担保に証券化した
モーゲージ債の運用成績の急激 な悪化 の影響が、欧州に飛び火したという
ドミノ効果の現れだといわれている。9日のパ リバの声明では、
「米国の証券化市場の一部であるABS(資産担保証券)市場で、流動性
が全く なくなったため、質や格付けに関係なく、一部資産の価格算出が
が全く なくなったため、質や格付けに関係なく、一部資産の価格算出が
できなくなった 」とい うもので、16億ユーロ(約2600億円)相当の3つの
ABSファンドを一時的に凍結し たの だ。
ただ、同行が運用しているファンドは総額3260億ユーロ
ただ、同行が運用しているファンドは総額3260億ユーロ
(約52兆6100億円) なの で、わずか0.5%にすぎないのだが、市場は敏感に
反応し、一部のファンドの投資 家の間 には、米国のヘッジファンドは
運用損失を計上して、投資家からの換金の動きが 強まれ ば、ポート
フォリオを解消しなければならなくなり、その連鎖反応で、1997年の
アジア 通貨危機とロシアの通貨・金融危機をきっかけに、翌1998年に経営
アジア 通貨危機とロシアの通貨・金融危機をきっかけに、翌1998年に経営
破綻した1000 億ドル (約12兆円)の運用資産規模を誇ったLTCM
(ロングターム・キャピタル・マネジ メン ト)の再現もありうると見方がある
ほどだ。(了)
発 行 元 :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者 :編集主筆 増谷栄一
ホームページ :http://www.asahi-net.or.jp/~fl7e-mstn/usfile.html
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