軍事情報 第306号 (本の紹介)  | 日本のお姉さん

軍事情報 第306号 (本の紹介) 

ようちゃん、おすすめ記事。↓

☆【本の紹介】『マキアヴェリ語録』
これは、地中海世界の歴史で定評のあるイタリア在住の著者が、

16世紀フィレ ンツエ共和国の外交官ニコロ=マキアヴェリが著わした

『君主論』、『政略論』
『戦略論』から彼の言葉を抜粋したものです。

当時のイタリアは戦国時代の日本のように多くの国に分裂しており、

各国が凌 ぎを削っていました。
これらは、そんな時代の君主、政治家、外交官たちへのアドバイスを

まとめた ものです。ですから、この本は純軍事ではありません。

ただ、軍事も政治の一部であり、
世界のまともな政治家、国家の行動の原則を知るのは有益だと

思い紹介させて もらいます。
以下に幾つかの印象に残る言葉を列記します。


『戦いに訴えねばならない場合に、自国民からなる軍隊をもっていない

指導者 や国家は恥じてしかるべきだと思う
・・中略・・
自国民に自衛のために立ち上がるという気持を起こさせることが

できなかった
ということを示す以外のなにものでもないからである。』

『前略・・・中立を保つことは、あまり有効な選択ではないと思う。
とくに仮想にしろ現実にしろ敵が存在し、その敵よりも弱体である

場合には、 効果がないどころか有害だ。
中立でいると、勝者にとって敵になるだけではなく、敗者にとっても、

助けて くれなかったということで敵視されるのがオチなのだ。』

『君主たる者、もしも偉大なことを為したいと思うならば、人を

たぶらかす技、 つまり権謀術を修得する必要がある。
・・中略・・
まして、小さく弱い現状から少しでも上昇しようと思う者にとっては、

このこ とは必要欠くべからざる配慮である。』

『国家が秩序を保ち、国民一人一人が自由を享受するには、清貧が

最も有効だ。
・・中略・・
清貧を尊ぶ気風が、国家や都市やすべての人間協同体に栄誉を

与えたのに反し て、富追求の暴走は、それらの衰退に役立っただけ

なのであった。』

一国の国力を計る一つの方法は、その国と近隣諸国との間に、

どのような関 係が成りたっているかを見ることである。
・・中略・・
弱体なはずの近隣諸国であるのに、それらの国々に対して金銭を

もって援助す る関係である場合、その国家の国力は弱いと

思うしかない。』

『真の防衛力とは、ハードな面での軍事力だけではない.
軍の評判というのも、軍事力に数えらるべきである。』

以上をどう感じるかは人それぞれだと思いますが、
これまでの我が日本は、最後を除く上記全てに反することをしてきたと

思うと


危機感を感じます

ただ、最後の引用に関して、
現在自衛隊は、国内で、海外で黙々と評判をつくっているのだと思うと

頭が下 がります。

ところで、マキャアベリの本を読んでいるとイタリアとルーマニアの友人

に言 ったら
『ああ、それだったら高校で読んだよ.』とのこと。

なるほど、道理でヨーロッパ人は外交上手で手強いわけです。
是非とも、政治家、外交官の方々、又は、それらを志す人に読んで

頂きたいと思います。(在欧州 Silla)
今回ご紹介した本は

『マキアヴェリ語録』
  著者:塩野七生著
 出版社:新潮社

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