アメリカ教・中国教・日本教の融和を目指して
ロシア政治経済ジャーナル No.469
=====================================================
▼日本の三大宗教
神道・仏教・キリスト教ではありません。外国から見ると、「日本はどっちの方向に進むべきか?」という疑問に、三つの考え方があるように見えます。
1、アメリカ教
いわゆる「右」とか「保守」といわれる人たち。アメリカ教徒の特徴は、
・アメリカの覇権は永遠につづくと信じている(信仰)
・アメリカは世界一素晴らしい国と信じている(信仰)
・だから日本もアメリカに追随するのがベストだと信じている(信仰)
●アメリカ教のプラス面
・日米安保を重視する
日本の仮想敵は、中国・北朝鮮。中国も北朝鮮も、「日本のバックにアメリカがいる」と信じているうちは手出しできません。中国は、74年にベトナムを、95年にフィリピンを侵略しましたが、いずれも米軍撤退後です。
●アメリカ教のマイナス面
・アメリカ教徒は日本のアメリカ化を目指す
今の政府のトップは、ほとんどアメリカ教徒でしょう。「日本はアメリカのようになるのがベストだ」と信じている。(信仰)
それで、「金融大国を目指そう」「幼稚園から英語を教えよう」「小学生から株を教えよう」等々、アメリカ化を進めている。ところが、アメリカは世界一の経常赤字国・財政赤字国・対外債務国。日本と中国からの資金が止まれば、明日にも国家破産してしまう哀れな国。それとアメリカのドルは基軸通貨なのでなかなか破産しませんが、円はローカル通貨。日本がアメリカ化すれば、必ず破産するでしょう。日本のアメリカ化は亡国の道。
・アメリカ教徒は、日本よりもアメリカの国益に貢献する
7月12日号で書きました。郵政民営化の結果、郵便局が日本国債を買わなくなる恐れがある。より金利の高いアメリカに金が流れる)それで日本政府は、中東・ロシア・北欧から金を借りるために「涙をながして」営業している。すごいですよね。世界一の債権国が、ロシアや中東に頭を下げて「金貸してください」。「<国債>財務省が海外売り込みに躍起 中東でも初の説明会
4月18日19時4分配信 毎日新聞:財務省が国債の海外への売り込みに躍起になっている。
16~19日に、中東地域で初の国債説明会をドーハやクウェートなどで開き、原油高で潤うオイルマネーの呼び込みを狙う。
5、6月には、新たに北欧やロシアでの説明会も計画している。」
「国債の最大の受け皿だった郵便貯金、簡易保険も民営化を機に購入を減らす可能性がある。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
同省は海外需要を掘り起こし、国債の安定消化を図る考えだ。」
(同上)
結局、「郵政民営化」というのは、アメリカのためだったことが明らかになってきています。これもアメリカ教のマイナス面。
2、中国教徒
二つのタイプがいるでしょう。第1にいわゆる左よりの人たち。第2に中国で儲かっている企業の人たち。この人たちの特徴は、
・全ての悪の元凶はアメリカ帝国主義だと信じている(信仰)
・中国が日本を侵略することはあり得ないと信じている(信仰)
まあ、企業の人たちは「儲かるから」という一点でしょうが。
●中国教のプラス面
・アメリカの現状を正しく認識している中国教徒には、アメリカに対する愛がありません。
ですから、「アメリカの覇権は永遠につづく」といった幻想がない。この人たちは、アメリカが年々弱体化していることを正しく認識しています。
・儲かる: なんといっても13億の市場ですからね~。
●中国教のマイナス面
・中国は絶対日本を侵略しないという信仰:愛は盲目といいます。
アメリカ教徒がアメリカの衰退を見ることができないように、中国教徒は中国の危険な面が見えません。例えば
- 中国は19年間連続で軍事費を二桁増加させている(なんのために?)
- 中国の軍事費は公式で5兆円を超え、英国際戦略研究所の予測では15兆円に達する。これは日本の防衛費の約3倍である。
- 中国は台湾独立を阻止するために武力を使うと断言している
光栄な使命履行」と武力行使示唆=台湾総統の独立発言で中国軍首脳
07年3月7日17時2分配信 時事通信
北京7日時事】7日付の中国人民解放軍機関紙・解放軍報によると、同軍制服組トップの郭伯雄中央軍事委員会副主席は5日、全国人民代表大会(全人代=国会)の解放軍代表団分科会の席上、
「決して台湾独立を容認しない」と強調した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
同副主席はさらに、「そのような状況が発生すれば、われわれは祖国の意志と願いに基づき
国家主権と領土保全を守るという光栄な使命を履行する」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と述べ、台湾独立の動きに武力行使も辞さない強硬姿勢を示した。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
- 中国は共産党の一党独裁政権である
- 中国は、虫も殺さないチベットを侵略した
- 中国は、74年にベトナム、95年にフィリピンを侵略した中国教徒は、どうも日本より中国を愛しているようです。それで、こんなことをされても気にしません。
「尖閣付近に中国調査船、外務省が抗議
2月5日0時12分配信 読売新聞
4日午前9時半ごろ、沖縄県の尖閣諸島・魚釣島(うおつりじま)から西北西約30キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船「東方紅2号」(3235トン、全長96メートル)が調査活動を行っているのを、第11管区海上保安本部(那覇市)の巡視船が確認した。」
これに対し、日本政府は抗議したのですが、中国外務省の反応はどうだったか?「釣魚島とその付近の島は中国固有の領土であり、争うことのできない主権を持っている」とした上で、「中国の関係する船舶が近海で実施する正常な海洋科学調査は中国の正当な主権行使だ」と従来の主張を繰り返した。」(時事通信07年2月6日)
3、日本教徒
この人たちの特徴は、アメリカと中国の理不尽さに気がついている。そして、「日本はアメリカから独立しよう」と主張しています。
●日本教のプラス面
・日本教徒は、アメリカ・中国の意図を正確に認識している
・「自立」「独立」を目指す方向性は正しい
●日本教のマイナス面
・日本教徒は、アメリカ・中国両国を敵にまわすことを恐れない
・日米同盟破棄、核武装中立等過激・非現実的
・国際的に孤立する
最近、日本教徒が増えていると聞きます。ペリーが来た時、「黒船がなんじゃ!日本刀の切れ味を見せてやる!」と叫んでいた人たちと変わりません。何が非現実的なのか?
1、日米同盟破棄について
1992年、米軍はフィリピンから撤退しました。そしたらどうなったか?
中国は1995年1月、フィリピンが実効支配する南沙諸島ミスチーフ環礁に軍事監視施設を建設。同年2月、フィリピンは中国に艦艇の撤収を要求します。中国側は「建造物は軍事施設ではなく、漁船の避難施設である」とし、撤収も拒否しました。つまりこういうことです。日本教徒が政権を取り、米軍を日本から追い出した。むかついたアメリカ政府は、中国政府にいうでしょう。「東シナ海と尖閣問題にアメリカは干渉しない。つけあがっている日本にお灸をすえてくれ」
そして、中国軍は尖閣諸島に軍事施設を構築する。日本政府が抗議すると、「尖閣はわが国固有の領土だから、あれこれいわれる筋合いはない」と回答する。日本はその時になってアメリカに泣きつくかもしれません。フィリピンも泣きつきました。アメリカの対応はどうだったか?「スプラトリー諸島は米比相互防衛条約の適用範囲外である」とし、フィリピンを見捨てました。
2、日本の核武装について
「北朝鮮も中国もロシアもアメリカも核兵器を保有している。だから日本ももつべきだ」論理はわかりますが、アメリカがバックにいて動くのと、アメリカを無視して動くのでは天地の差があります。だって、最初に核拡散防止条約(NPT)を脱退することになるでしょ?NPTを脱退して核兵器を開発したのが北朝鮮。世界から「ならず者国家」「クレイジー国家」と見られています。日本が日米安保を解消し、NPTを脱退し、核武装に動いた。アメリカ・中国・韓国・北朝鮮・ロシア・アジア諸国その他、要するに日本は世界を敵にまわすことになります。戦後日本が築き上げてきた信用は一気にくずれ、「ならず者国家」の仲間いり。
一方、アメリカを味方につけたイスラエルやインドは、NPTに未加盟で核兵器をも っています。でも、まったくお咎めなしですね。ご理解いただけると思いますが、話の本質は「核武装の是非」ではありません。「米中を同時に敵にまわしても日本は大丈夫」と主張する日本教は非現実的だという話。
▼日本の行く道
日本はこれまで、神道・仏教・儒教・道教・キリスト教・近代合理主義のいいところをミックスさせ、独自の文化を発展させてきました。ファナティズムを廃し、アメリカ教・中国教・日本教を融和させてみましょう。
1、アメリカ教
●アメリカ教のプラス面を強化する
アメリカ教のプラス面は、日米安保重視でした。最近日米関係が悪化しています。もちろん日米を分断させたい中国の暗躍がある。日本はどうするか?アメリカにも、「わが国最大の脅威は中国だ。日米同盟は大切だ」と考える
政治家・議員さんがたくさんいます。(例、イノウエ議員)こういった政治家・議員さんにどんどん金を渡して、動いてもらいましょう。動いてもらうとは、テレビ・新聞・雑誌・講演会・セミナー等々で、「アメリカの脅威は中国一国。日本との同盟は最重要」と宣伝してもらう。
●アメリカ教のマイナス面をなくす
マイナス面とは、アメリカ教徒の政治家が「アメリカ化」を目指していること。それは「空洞化」→「経常赤字・財政赤字・対外債務増加」→「国家破産」と続く道。
日本は、アメリカとも中国とも競争するのをやめて、世界のセレブ相手に商売をすればいい。つまり、スイスの時計・ドイツ(ポルシェ)・イタリアの服・フランスの香水のように、「高ければ高いほど売れる製品」を作っていく。これなら
・たくさん作らなくても儲かるので少子化でも大丈夫
・たくさん作らなくても儲かるので残業する必要がない
・コストを削減する必要がないので、国内で生産でき、空洞化が進まない
・生産を拡大する必要がないので、移民を入れる必要がない
等々、非常に心地よいポジションをゲットできます。そういえば、日本米。中国米の20倍の値段でも、中国でバリバリ売れているではないですか?売れるんですよ。高くても質がよければ。
2、中国教
●中国教のプラス面を強化する
・中国教のプラス面とは、金儲けですね。対中直接投資を進めると、空洞化で日本国は大損します。(企業は儲かる)
しかし、貿易なら全部日本で作るのですから、日本政府も国民も大儲け。日本は、対中輸出を増やしていけばいい。別に努力する必要もないでしょうが。
●中国教のマイナス面を減らす
これは要するに「中国の脅威を認識し、ちゃんと対策を練りましょう」ということ。つまり、日米安保と防衛力を強化する。
お断りしておきますが、「中国は絶対日本を侵略する」わけじゃないですよ。そんなことは誰にもわかりません。しかし皆さん、セコムつけるとき「必ず泥棒が来る」と確信があるわけじゃないでしょう?火災保険に入るとき、「必ず火事が起こる」と確信があるわけじゃないですよね?安全保障政策というのは、「万が一」を想定してたてるもの。「中国は必ず尖閣を侵略しますか?」という質問は無意味なのです。
3、日本教
●日本教のプラス面を強化する
アメリカ教徒は「アメリカは自由と民主主義をひろげている、人類の希望」。中国教徒は、「中国は米帝一極支配を崩壊させる希望の☆だ」。しかし日本教徒は、米中とも「自国の利益のみを追求しているだけ」であることを知っている。こういう知識は、日本人に広く伝えていくべきでしょう。
●日本教のマイナス面をとりのぞく
とはいえ、日本教の教えを推進すると、日本は世界から孤立し、イラン・北朝鮮と同列に扱われるようになります。
日本は同盟国アメリカと良好な関係を維持しながら、現実的に自立を目指すべきなのです。でなければ、米中ロ北韓、「四面楚歌」というとんでもない状況におちいります。日本の行くべき方向性について、メルマガでは長くなりすぎて書ききれません。
=====================================================
▼日本の三大宗教
神道・仏教・キリスト教ではありません。外国から見ると、「日本はどっちの方向に進むべきか?」という疑問に、三つの考え方があるように見えます。
1、アメリカ教
いわゆる「右」とか「保守」といわれる人たち。アメリカ教徒の特徴は、
・アメリカの覇権は永遠につづくと信じている(信仰)
・アメリカは世界一素晴らしい国と信じている(信仰)
・だから日本もアメリカに追随するのがベストだと信じている(信仰)
●アメリカ教のプラス面
・日米安保を重視する
日本の仮想敵は、中国・北朝鮮。中国も北朝鮮も、「日本のバックにアメリカがいる」と信じているうちは手出しできません。中国は、74年にベトナムを、95年にフィリピンを侵略しましたが、いずれも米軍撤退後です。
●アメリカ教のマイナス面
・アメリカ教徒は日本のアメリカ化を目指す
今の政府のトップは、ほとんどアメリカ教徒でしょう。「日本はアメリカのようになるのがベストだ」と信じている。(信仰)
それで、「金融大国を目指そう」「幼稚園から英語を教えよう」「小学生から株を教えよう」等々、アメリカ化を進めている。ところが、アメリカは世界一の経常赤字国・財政赤字国・対外債務国。日本と中国からの資金が止まれば、明日にも国家破産してしまう哀れな国。それとアメリカのドルは基軸通貨なのでなかなか破産しませんが、円はローカル通貨。日本がアメリカ化すれば、必ず破産するでしょう。日本のアメリカ化は亡国の道。
・アメリカ教徒は、日本よりもアメリカの国益に貢献する
7月12日号で書きました。郵政民営化の結果、郵便局が日本国債を買わなくなる恐れがある。より金利の高いアメリカに金が流れる)それで日本政府は、中東・ロシア・北欧から金を借りるために「涙をながして」営業している。すごいですよね。世界一の債権国が、ロシアや中東に頭を下げて「金貸してください」。「<国債>財務省が海外売り込みに躍起 中東でも初の説明会
4月18日19時4分配信 毎日新聞:財務省が国債の海外への売り込みに躍起になっている。
16~19日に、中東地域で初の国債説明会をドーハやクウェートなどで開き、原油高で潤うオイルマネーの呼び込みを狙う。
5、6月には、新たに北欧やロシアでの説明会も計画している。」
「国債の最大の受け皿だった郵便貯金、簡易保険も民営化を機に購入を減らす可能性がある。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
同省は海外需要を掘り起こし、国債の安定消化を図る考えだ。」
(同上)
結局、「郵政民営化」というのは、アメリカのためだったことが明らかになってきています。これもアメリカ教のマイナス面。
2、中国教徒
二つのタイプがいるでしょう。第1にいわゆる左よりの人たち。第2に中国で儲かっている企業の人たち。この人たちの特徴は、
・全ての悪の元凶はアメリカ帝国主義だと信じている(信仰)
・中国が日本を侵略することはあり得ないと信じている(信仰)
まあ、企業の人たちは「儲かるから」という一点でしょうが。
●中国教のプラス面
・アメリカの現状を正しく認識している中国教徒には、アメリカに対する愛がありません。
ですから、「アメリカの覇権は永遠につづく」といった幻想がない。この人たちは、アメリカが年々弱体化していることを正しく認識しています。
・儲かる: なんといっても13億の市場ですからね~。
●中国教のマイナス面
・中国は絶対日本を侵略しないという信仰:愛は盲目といいます。
アメリカ教徒がアメリカの衰退を見ることができないように、中国教徒は中国の危険な面が見えません。例えば
- 中国は19年間連続で軍事費を二桁増加させている(なんのために?)
- 中国の軍事費は公式で5兆円を超え、英国際戦略研究所の予測では15兆円に達する。これは日本の防衛費の約3倍である。
- 中国は台湾独立を阻止するために武力を使うと断言している
光栄な使命履行」と武力行使示唆=台湾総統の独立発言で中国軍首脳
07年3月7日17時2分配信 時事通信
北京7日時事】7日付の中国人民解放軍機関紙・解放軍報によると、同軍制服組トップの郭伯雄中央軍事委員会副主席は5日、全国人民代表大会(全人代=国会)の解放軍代表団分科会の席上、
「決して台湾独立を容認しない」と強調した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
同副主席はさらに、「そのような状況が発生すれば、われわれは祖国の意志と願いに基づき
国家主権と領土保全を守るという光栄な使命を履行する」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と述べ、台湾独立の動きに武力行使も辞さない強硬姿勢を示した。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
- 中国は共産党の一党独裁政権である
- 中国は、虫も殺さないチベットを侵略した
- 中国は、74年にベトナム、95年にフィリピンを侵略した中国教徒は、どうも日本より中国を愛しているようです。それで、こんなことをされても気にしません。
「尖閣付近に中国調査船、外務省が抗議
2月5日0時12分配信 読売新聞
4日午前9時半ごろ、沖縄県の尖閣諸島・魚釣島(うおつりじま)から西北西約30キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船「東方紅2号」(3235トン、全長96メートル)が調査活動を行っているのを、第11管区海上保安本部(那覇市)の巡視船が確認した。」
これに対し、日本政府は抗議したのですが、中国外務省の反応はどうだったか?「釣魚島とその付近の島は中国固有の領土であり、争うことのできない主権を持っている」とした上で、「中国の関係する船舶が近海で実施する正常な海洋科学調査は中国の正当な主権行使だ」と従来の主張を繰り返した。」(時事通信07年2月6日)
3、日本教徒
この人たちの特徴は、アメリカと中国の理不尽さに気がついている。そして、「日本はアメリカから独立しよう」と主張しています。
●日本教のプラス面
・日本教徒は、アメリカ・中国の意図を正確に認識している
・「自立」「独立」を目指す方向性は正しい
●日本教のマイナス面
・日本教徒は、アメリカ・中国両国を敵にまわすことを恐れない
・日米同盟破棄、核武装中立等過激・非現実的
・国際的に孤立する
最近、日本教徒が増えていると聞きます。ペリーが来た時、「黒船がなんじゃ!日本刀の切れ味を見せてやる!」と叫んでいた人たちと変わりません。何が非現実的なのか?
1、日米同盟破棄について
1992年、米軍はフィリピンから撤退しました。そしたらどうなったか?
中国は1995年1月、フィリピンが実効支配する南沙諸島ミスチーフ環礁に軍事監視施設を建設。同年2月、フィリピンは中国に艦艇の撤収を要求します。中国側は「建造物は軍事施設ではなく、漁船の避難施設である」とし、撤収も拒否しました。つまりこういうことです。日本教徒が政権を取り、米軍を日本から追い出した。むかついたアメリカ政府は、中国政府にいうでしょう。「東シナ海と尖閣問題にアメリカは干渉しない。つけあがっている日本にお灸をすえてくれ」
そして、中国軍は尖閣諸島に軍事施設を構築する。日本政府が抗議すると、「尖閣はわが国固有の領土だから、あれこれいわれる筋合いはない」と回答する。日本はその時になってアメリカに泣きつくかもしれません。フィリピンも泣きつきました。アメリカの対応はどうだったか?「スプラトリー諸島は米比相互防衛条約の適用範囲外である」とし、フィリピンを見捨てました。
2、日本の核武装について
「北朝鮮も中国もロシアもアメリカも核兵器を保有している。だから日本ももつべきだ」論理はわかりますが、アメリカがバックにいて動くのと、アメリカを無視して動くのでは天地の差があります。だって、最初に核拡散防止条約(NPT)を脱退することになるでしょ?NPTを脱退して核兵器を開発したのが北朝鮮。世界から「ならず者国家」「クレイジー国家」と見られています。日本が日米安保を解消し、NPTを脱退し、核武装に動いた。アメリカ・中国・韓国・北朝鮮・ロシア・アジア諸国その他、要するに日本は世界を敵にまわすことになります。戦後日本が築き上げてきた信用は一気にくずれ、「ならず者国家」の仲間いり。
一方、アメリカを味方につけたイスラエルやインドは、NPTに未加盟で核兵器をも っています。でも、まったくお咎めなしですね。ご理解いただけると思いますが、話の本質は「核武装の是非」ではありません。「米中を同時に敵にまわしても日本は大丈夫」と主張する日本教は非現実的だという話。
▼日本の行く道
日本はこれまで、神道・仏教・儒教・道教・キリスト教・近代合理主義のいいところをミックスさせ、独自の文化を発展させてきました。ファナティズムを廃し、アメリカ教・中国教・日本教を融和させてみましょう。
1、アメリカ教
●アメリカ教のプラス面を強化する
アメリカ教のプラス面は、日米安保重視でした。最近日米関係が悪化しています。もちろん日米を分断させたい中国の暗躍がある。日本はどうするか?アメリカにも、「わが国最大の脅威は中国だ。日米同盟は大切だ」と考える
政治家・議員さんがたくさんいます。(例、イノウエ議員)こういった政治家・議員さんにどんどん金を渡して、動いてもらいましょう。動いてもらうとは、テレビ・新聞・雑誌・講演会・セミナー等々で、「アメリカの脅威は中国一国。日本との同盟は最重要」と宣伝してもらう。
●アメリカ教のマイナス面をなくす
マイナス面とは、アメリカ教徒の政治家が「アメリカ化」を目指していること。それは「空洞化」→「経常赤字・財政赤字・対外債務増加」→「国家破産」と続く道。
日本は、アメリカとも中国とも競争するのをやめて、世界のセレブ相手に商売をすればいい。つまり、スイスの時計・ドイツ(ポルシェ)・イタリアの服・フランスの香水のように、「高ければ高いほど売れる製品」を作っていく。これなら
・たくさん作らなくても儲かるので少子化でも大丈夫
・たくさん作らなくても儲かるので残業する必要がない
・コストを削減する必要がないので、国内で生産でき、空洞化が進まない
・生産を拡大する必要がないので、移民を入れる必要がない
等々、非常に心地よいポジションをゲットできます。そういえば、日本米。中国米の20倍の値段でも、中国でバリバリ売れているではないですか?売れるんですよ。高くても質がよければ。
2、中国教
●中国教のプラス面を強化する
・中国教のプラス面とは、金儲けですね。対中直接投資を進めると、空洞化で日本国は大損します。(企業は儲かる)
しかし、貿易なら全部日本で作るのですから、日本政府も国民も大儲け。日本は、対中輸出を増やしていけばいい。別に努力する必要もないでしょうが。
●中国教のマイナス面を減らす
これは要するに「中国の脅威を認識し、ちゃんと対策を練りましょう」ということ。つまり、日米安保と防衛力を強化する。
お断りしておきますが、「中国は絶対日本を侵略する」わけじゃないですよ。そんなことは誰にもわかりません。しかし皆さん、セコムつけるとき「必ず泥棒が来る」と確信があるわけじゃないでしょう?火災保険に入るとき、「必ず火事が起こる」と確信があるわけじゃないですよね?安全保障政策というのは、「万が一」を想定してたてるもの。「中国は必ず尖閣を侵略しますか?」という質問は無意味なのです。
3、日本教
●日本教のプラス面を強化する
アメリカ教徒は「アメリカは自由と民主主義をひろげている、人類の希望」。中国教徒は、「中国は米帝一極支配を崩壊させる希望の☆だ」。しかし日本教徒は、米中とも「自国の利益のみを追求しているだけ」であることを知っている。こういう知識は、日本人に広く伝えていくべきでしょう。
●日本教のマイナス面をとりのぞく
とはいえ、日本教の教えを推進すると、日本は世界から孤立し、イラン・北朝鮮と同列に扱われるようになります。
日本は同盟国アメリカと良好な関係を維持しながら、現実的に自立を目指すべきなのです。でなければ、米中ロ北韓、「四面楚歌」というとんでもない状況におちいります。日本の行くべき方向性について、メルマガでは長くなりすぎて書ききれません。