第四の権力のおそろしい腐敗
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▼第四の権力のおそろしい腐敗
近年ずっと思ってきたことだが、日本のマスコミ・ジャーナリズムの腐敗が本当にひどい。
靖国問題にからんだマスコミの小泉政権叩きが、本当にひどかったことは皆さんの記憶に新しいところだと思うし、最近の一方的な安倍政権批判も本当に見苦しいものがある。
年金問題について、私は歴代自民党政権にも責任があるとは思うが、問題が発覚してから、何故マスコミが社会保険庁の労組、つまり自治労と民主党のつながりを大々的に批判しないのか全く理解できない。
自治労の代表が参議院選挙の民主党比例名簿に載っているというのは、大ニュースだと思うのだが、その事実を大きく取り扱ったマスコミがあったという話は寡聞にして知らない。
久間防衛相の失言問題にしても、私は彼の演説内容に問題があったとは思うが、だったら、中越沖地震の視察を「水戸黄門の珍道中」と言い放った民主党・末松義規議員の失言に何故、集中砲火と辞任要求を浴びせないのだろうか。
これが自民党議員だったら、マスコミは鬼の首をとったように大騒ぎすると思うのだが。
赤城農水相の問題についても、だったら、小沢一郎・民主党代表の資金管理団体”陸山会”が10億円を超す資産を保有している問題は、なぜ取り上げられないのか? 私は小沢氏の説明に依然納得できていない。
民主党の角田義一前参院副議長が朝鮮総連から違法な献金を受けていた疑惑も、まだ終わった話ではないと思う。
もしかしたら50歳代後半以降の、反日・左翼教育の影響が強く安保闘争をリアルタイムで経験した戦後第一世代が、マスコミ各社の幹部になったせいなのだろうか。
不偏不党の国営放送のはずのNHKでさえ、偏向報道が本当にひどいと思う。
かつて”NHKスペシャル”(Nスペ)は良質番組の代名詞とも言えたが、最近のNスペは目を覆わんばかりのものがある。
例えば、2005年に放映された”アフリカゼロ年”。
番組ではスーダン内戦を取り上げていたが、スーダン内戦は、北部のアラブ人政府軍と南部の黒人反政府ゲリラとの対立によって起こり、どっちが善でどっちが悪といった話ではないと思う。
だが、アフリカゼロ年では、黒人支配地域でアメリカのキリスト教右派がボランティア活動をしていることにわざわざ焦点を当てて、まるで「アメリカのネオコンとつながっている黒人反政府勢力側が悪い」かのような報道ぶり。
一方、スーダン政府に戦車や戦闘機を売却して内戦をエスカレートさせた中国については一切スルーで、スーダンに中国国営石油会社が進出していることにさらっと触れただけ。
ダルフール紛争に関しては、私はスーダン政府とそれを支援した中国が悪いと思うが、まるで日本を含む国際社会が手抜きをしていたのが悪かったかのような言いぶり。
ここまで事態が悪化したのは、欧米が国連安保理にダルフール問題を持ちこもうとすると、中国がスーダンを支援するために拒否権をちらつかせて、国際社会がこの問題に取り組むのを妨害してきたのが原因だった。
スーダン政府軍が支配地域を広げれば、それだけ中国国営石油会社が開発できる油田が増えるからである。
現在、欧米各国の政治家のみならず、女優や映画監督といった文化人までが、ダルフール問題における中国のこれまでの姿勢を批判している。
ところが、Nスペの反米・親中に徹したダルフール紛争報道は、低俗の一言だ。
これでは紛争に苦しむスーダンの人達に塩をすり込むようなものである。
昨年6月に放映されたNHKスペシャル”千年の帝国ビザンチン~砂漠の十字架に秘められた謎~”も失笑を禁じえないものだった。
ビザンチン帝国を取り上げてくれるTV番組なんてそうそうないから、ワクワクしながら番組を見たのだが、私が期待したような、ビザンチン帝国の歴史・文化を取り上げた番組ではなかった。
あまりにもクソだから、ストーリーをかいつまんで言うが、ビザンチン帝国はイスラム勢力と武力ではなく話し合いで問題を解決したから千年帝国となれたのだ。(だから戦争好きのブッシュ政権は、ビザンチンを見習え!と言いたいのだと思う)といったもの。
歴史を知る者なら、すぐ疑問に思うだろう。
それならば、どうしてビザンチン帝国はオスマン帝国に侵略され、滅ぼされたのか?
ビザンチン帝国が話し合いを拒否したから、メフメト2世はコンスタティノープル攻撃を決断したのか?
たとえそうだとしても、侵略された方ではなく侵略した方に問題があるのではないか?
ビザンチン帝国が千年続いた理由があるとすれば、それはまぎれも無く軍事力・防衛力の優位があったからだ。
ビザンチン帝国の都・コンスタティノープルは三方を海で囲まれ、唯一の陸地側にはテオドシウスの大城壁という、難攻不落の大要塞だった。
それにも増して、イスラムの軍勢を恐怖に陥れたのが”ギリシャの火”である。
7世紀後半に、シリア系ギリシャ人カリニコスが発明したと伝えられるギリシャの火は、現在で言う火炎放射器かナパーム弾の先祖ようなものだったとされる。
ギリシャの火は、海水に触れても消えず、相手の船を燃え上がらせたため、それを装備したビザンチン帝国海軍は東地中海の制海権を握り、何百年もの間、ビザンチンの都を守り、イスラム海軍を寄せ付けなかった。
その製法は門外不出とされ、帝国の滅亡と共にギリシャの火も歴史のかなたに消え去った。
結局ビザンチン帝国が滅んだのは、オスマン帝国にじわじわと領土を奪われ、軍事的・経済的優位を失ったからだ。
「武力ではなく話し合いで問題を解決しましょう」なんて、中学生の幼稚な作文のような話をNスペでやるようになるとは、天下の国営放送もおしまいである。
NHKに限らず、マスコミ全体の質が落ちているというか、腐敗しきっていると思う。
子供のころ特撮ヒーローものでも見すぎたのか、幼稚な勧善懲悪ストーリーをデッチ上げてTVや新聞で垂れ流し、「無知な国民を啓蒙してやる」といった傲慢さが、巨大組織の向こう側にチラつくのである。
マスコミも「第四の権力」と言われたりするが、
権力というものは、競争者や監視者がいないと、とことん腐敗していくものであり、それはマスコミとて例外ではないようだ。
その意味で、年収一千万円クラスの高額所得者がぞろぞろいるマスコミも、戦後日本の既得権益層であり、格差の勝ち組というわけだ。
その格差の勝ち組が、声高に格差の問題を訴えるのだとしたらおかしな話である。
それならば、高額所得者のマスコミ人が自分の給料を返上して、”ワーキングプア”や失業者にお金を分け与え、格差を是正するべきではないのか。
マスコミが安倍政権を一方的に攻撃するのは、自らの既得権益を安倍政権が脅かしたからなのか。
安倍政権は、誤報を垂れ流したマスコミを厳罰に処したし、朝日新聞グループとは不倶戴天の敵といった関係である。
タテマエでは不偏不党と言いながら、確実に偏っている日本のマスコミ。
巨大な権力と化したマスコミの参議員選挙にからむ報道を見ていると、とてつもなく恐ろしいものを感じる。