忘れられている、わが国を取り巻く国際状況への対応
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忘れられている、わが国を取り巻く国際状況への対応
丸山公紀
■転送歓迎■ No.1315 ■ H19.07.20 ■ 8,886 部 ■■■■■■■
7月12日、いよいよ公示日を迎え、国政を左右する暑い戦い
に突入した。各党首も各地で第一声を張り上げている模様がテ
レビ放映されていた。届け出をした候補者の選挙ポスターが一
斉に掲示板に張り出された。
安倍氏の「戦後レジームの脱却の実現のためにはどうしても
負けるわけにはいかない」という訴えと小沢氏の「なんとしで
でも野党で過半数をとらせてほしい」との必死なる訴えに注目
が集まるが、実生活に直接関わっている人々と対照的にIT関
係や学生など若い、いわゆる浮動票が一体、今回の選挙戦をど
う見ているのかは考えてみる必要がありそうだ。
この選挙戦でもう一つ、重要なことが問われていない。それ
は日本を取り巻く国際状況にどう対応するかである。年金、消
費税、格差の解決は確かに大事なことであり、少なくとも国民
の政治への不安をもたらしたことは確かである。しかしこれら
の問題は、政府と国民との信頼関係に成り立つものであり、場
合によっては国民が最悪の場合には耐え忍ぶことによって、解
決までの時間を創出することができる。(小生は年金、消費税、
格差の是正問題が重要でないとは言っていない。)
だが、昨日の産経紙の櫻井よしこ氏の論によれば、韓国のハ
ンナラ党が政府与党のウリ党と同様に北朝鮮に擦り寄ることに
よって、各施設完全廃棄を前提にせずに対北融和姿勢に方向転
換したことは、既に東アジアにおいては日本以外に毅然として
対北姿勢をとる国家がなくなったことを意味すること、中国が
北京五輪以降には確実に台湾侵攻を目指して、弾道弾ミサイル
の配備を着々と進めることによって、既に日本も米国もその射
程距離の範囲に入ることによって身動きできない状況になった
と判断していること、また米国大統領選のオバマ候補がアジア
の平和の枠組みは日米の二国間合意ではなく、新たな枠組みで
考えることが必要であること、即ち、中国を入れた平和の枠組
みを模索しているなど、民主党政権に代わった場合には中国の
関係を強化しようとしている姿勢があるなど、わが国は外交と
安全保障政策を一つ間違えれば国の崩壊にもつながる可能性の
あることを指摘されていた。
そして今回の参院選については全くそのことが触れられてい
ない。このことは異常としか言い様がない。政治家も国民もこ
のことにそろそろ気づかねばならない。その時に、一体、どの
党が正しい方向性を指し示しているのかを冷静に判断するのは
国民の責務であろう。
『暴走する中国軍 日中激突のシナリオ』
著者:高貫布士
出版社:並木書房
発行年月:2007年07月15日
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軍事情報 第304号 (本の紹介)
シナが軍事的冒険に打って出るとすれば、その時期は二〇一〇年前後であろう、
というのが、各分野の専門家が共通して示している見解です。
二〇〇八年の北京五輪。
二〇一〇年の上海万博。
ふたつの国家的イベントを抱え、宴の後は危うい。
歴史的なうねりからみて、そういう段階に該当する。
経済破綻、社会不安が発生し、国内の目をそらす必要が出てくる。
などなどさまざまな尺度があるようですが、
著者は、
「米の軍事技術格差が決定的となるこの十年が、中国に残された最後の勝機。
その意味でもっとも危険」
との認識を示しています。
著者の高貫さんは軍事アナリストとしての経歴が長く、作家もなさっています。
本著は、筆者が長い間あたためてきた企画「人民解放軍の平易な解説書」を実
現したもので、その名に恥じない内容を持っています。
正直申し上げて、「周恩来はよかったけれど、江沢民は・・・」的な中共政治
の捉え方には異論がありますが、軍と党の力関係が危うくなってきているとの
認識は共有します。
また、装備についてはさすがです。
生産レベルからの詳細極まりない情報がおしげもなく紹介されています。
おそらくこれまで蓄積された大量の資料を元に書かれているのでしょう。
実に読み応えがあります。
造船施設をめぐる箇所などは、思わずコピーを取ったほどです(笑)。
中共軍をめぐる一般向けのよみものって、平松茂雄さんや茅原郁生さんのもの
以外にほとんど見かけません。その意味からも大変貴重なものと感じます。
またあらためて感じるのが、軍事技術と民生技術に差異はなく、「民生分野だ
から大丈夫」との甘い感覚は危険極まりないということです。
ヤマハがその典型ですね。
わが国が世界に誇る技術も、取扱う人によっては、国を滅ぼすために利用され
る結果を生みかねません。その想像力を、メーカーやエンジニアの方には、
この本を通じてぜひ自得いただきたいものです。
タイに輸出されたフリゲートをめぐるお笑い話も必読ですね。
そういえば、たしかタイは、シナから買いたくなかったんですよね。
某国に「売ってくれないだろうか」と頼んだら、「「武器輸出三原則」がある
からできない」と言われたのではなかったでしたっけ?
読後感ですが、楽しかった!、というのが一番ですね。
中共軍装備の事典代わりにもなると感じました。
軍の歴史、北鮮との関係、エネルギー問題、宇宙開発、国境問題など、
シナを考える際に忘れてはならない点も確実に押さえられています。
「人民解放軍の敵は日米同盟」と指摘しておられる点も、
さすがだと思います。
寝転びながら楽しく読めて、ためになる知識が一杯つまっているこの本を、
オススメします。
■最後にひとこと、
後半に「シミュレーション」がありますが、尖閣諸島と台湾をめぐるわが方と
シナの衝突が描かれています。UAVやUUVが大活躍です。