小林よりのり「平成攘夷論」 宮崎正弘
小林よりのり「平成攘夷論」 宮崎正弘
たかが漫画、されど漫画。
全共闘世代のバイブルは『朝日ジャーナル』だった。『世界』という雑誌もあった。いまもあるらしいが書店でも見かけない。
当時、保守の雑誌はと言えば『自由』しかなかった。 左翼全盛は団塊の世代が社会へ溶け込むと同時に雲散霧消し、朝日新聞の権威は墜落し、一方で『諸君』『正論』『ボイス』が創刊され、そして、冷戦に西側が勝利したのちも、この列に『WILL』『月刊日本』などが並んだ。
すくなくとも論考中心の論壇の世界では保守が主流で、左翼はいなくなった。
だがジェンダーフリーやら男女共同参画、教科書採択問題、環境問題に潜り込んだ左翼は、いまも悪質な反日運動を陰湿に展開し、とくに歴史問題では中国、韓国に御注進におよんでの「外圧」を利用し、せっせと陰謀を展開している。新聞はおよそ世論から浮き上がった論調を日々書き殴っている。
この間、世間知らずの若者の大半が左翼の洗脳を受けなかった。
その功績は小林よしのり一人ではないにせよ、彼が切り開いた漫画による新世代への啓蒙活動は、すこぶる効果を挙げた。
なにしろ活字を読まず、新聞も取らない若い世代が、なぜ保守に傾いたのか。反日サッカーのブーイングによる反発だけではなかった。
この新作は、とりわけ保守の弱点である対米同盟関係への疑問を素朴に投げかけている。中国と米国がなぜ反日となると狂奔するかのように共闘するのか。
とくに「従軍慰安婦」とかのフィクションにあげて熱中し、日本叩きを展開するのかを、論考している。
原則的自主独立は、基本的に「安保体制克服」にあるが、やや情緒的な反米が小林氏の特色であろう。
四年前だったが、小林よしのり氏が台湾への入国拒否にあって、その励ます会が開かれたときに、小生も西村真悟、金美齢氏のあとにスピーチしたように、「小林さん、あなたはこのまま行くと、いずれ三島由紀夫を書くことになるでしょう。そのときは、小生は全面協力しますよ」。(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)
author : .古沢 襄
たかが漫画、されど漫画。
全共闘世代のバイブルは『朝日ジャーナル』だった。『世界』という雑誌もあった。いまもあるらしいが書店でも見かけない。
当時、保守の雑誌はと言えば『自由』しかなかった。 左翼全盛は団塊の世代が社会へ溶け込むと同時に雲散霧消し、朝日新聞の権威は墜落し、一方で『諸君』『正論』『ボイス』が創刊され、そして、冷戦に西側が勝利したのちも、この列に『WILL』『月刊日本』などが並んだ。
すくなくとも論考中心の論壇の世界では保守が主流で、左翼はいなくなった。
だがジェンダーフリーやら男女共同参画、教科書採択問題、環境問題に潜り込んだ左翼は、いまも悪質な反日運動を陰湿に展開し、とくに歴史問題では中国、韓国に御注進におよんでの「外圧」を利用し、せっせと陰謀を展開している。新聞はおよそ世論から浮き上がった論調を日々書き殴っている。
この間、世間知らずの若者の大半が左翼の洗脳を受けなかった。
その功績は小林よしのり一人ではないにせよ、彼が切り開いた漫画による新世代への啓蒙活動は、すこぶる効果を挙げた。
なにしろ活字を読まず、新聞も取らない若い世代が、なぜ保守に傾いたのか。反日サッカーのブーイングによる反発だけではなかった。
この新作は、とりわけ保守の弱点である対米同盟関係への疑問を素朴に投げかけている。中国と米国がなぜ反日となると狂奔するかのように共闘するのか。
とくに「従軍慰安婦」とかのフィクションにあげて熱中し、日本叩きを展開するのかを、論考している。
原則的自主独立は、基本的に「安保体制克服」にあるが、やや情緒的な反米が小林氏の特色であろう。
四年前だったが、小林よしのり氏が台湾への入国拒否にあって、その励ます会が開かれたときに、小生も西村真悟、金美齢氏のあとにスピーチしたように、「小林さん、あなたはこのまま行くと、いずれ三島由紀夫を書くことになるでしょう。そのときは、小生は全面協力しますよ」。(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)
author : .古沢 襄