2000年代は しかし、01年の9.11以降、金融+●●の知識が必要になっています。
ようちゃん、お勧め記事。↓
ロシア政治経済ジャーナル No.465
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★90年代は金融の知識=全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!北野です。世界情勢を詳しく知りたい。ヘッジファンドが世界中で金融危機を演出した90年代。
世界のことを知りたければ、金融を知ればよかった。
★2000年代は しかし、01年の9.11以降、金融+●●の知識が必要になっています。
「●●ってなんですか?」そう、●●の知識。
軍事そりゃそうでしょう。
北朝鮮がミサイルをぶっ放し、竹島では日韓が一触即発。
中国は日本の領土を侵略しようと、着々と機会をうかがっている。
↓
「尖閣付近に中国調査船、外務省が抗議
2月5日0時12分配信 読売新聞
4日午前9時半ごろ、沖縄県の尖閣諸島・魚釣島(うおつりじま)から西北西約30キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船「東方紅2号」(3235トン、全長96メートル)が調査活動を行っているのを、第11管区海上保安本部(那覇市)の巡視船が確認した。」
「「釣魚島とその付近の島は中国固有の領土であり、争うことのできない主権を持っている」とした上で、「中国の関係する船舶が近海で実施する正常な海洋科学調査は中国の正当な主権行使だ」と従来の主張を繰り返した。」(時事通信07年2月6日)
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★プーチン新提案の真意(アメリカのウソを逆利用する)
「しかし、現時点では米ロ対立が最後まで進む可能性が高いです。(涙)」「このように、今年世界はイラン問題・ロシア問題を中心に回っていくでしょう。
見かけはイラク問題・北朝鮮問題ですが、実際はイランが最重要。ロシア問題は重要でも、なかなか日本では報道されないでしょうね。
RPEを読んでくださいということです。」【ロシア政治経済ジャーナル】NO434 2007年問題〈07年1月6日号
ブッシュさんとプーチンさんが会ったので、そのことを書いていきます。
本題に入る前に、米ロ関係をエクスプレスで復習しておきましょう。
1、02~03年、アメリカはロシアの石油最大手ユコス買収を目指す。
2、プーチンは最高検に命令し、ユコスのホドロコフスキー社長を逮捕。
アメリカの野望は挫折。
3、怒ったアメリカは、旧ソ連のグルジア・ウクライナ・キルギスでカラー
革命を起こす
4、激怒するロシアは、中国と一体化することを決意。05年、両国は国
境問題を解決。初の合同軍事演習を実施。
5、両国が主導する上海協力機構(SCO)は、イラン・パキスタン・イン
ドを準加盟国とし、同機構を「多極化(反米一極主義)の中心組織」に
進化させる
6、06年、ロシアはルーブルで石油を売り始め、ドル体制に大打撃を
与える
7、07年、アメリカは、旧ソ連のウクライナ・グルジアをNATOに加盟
させる計画を推進。また、東欧へのMD配備をすすめる。
▼米ロ首脳会談でのプーチン提案
さて、アメリカ・メーン州ケネバンクで2日、ブッシュさんとプーチンさんが会談しました。テーマは、イラン・コソボ問題等々いろいろですが、一番の問題は、「東欧MD問題」。復習ですが、アメリカは今年2月、東欧ポーランドとチェコにMDを配備すると発表。
ロシア側はこれに強く反発しています。プーチンは今回何を提案したか?
1、米MD網に、ロシアと欧州諸国が参加すること。
2、MD問題はNATOーロシア理事会で協議すること。
3、MD網共同運用のための情報交換センターを、モスクワと欧州(例えばブリュッセル)に置くこと。
4、旧ソ連アゼルバイジャンのレーダー施設を共同運用する。施設が古いというのであれば、近代化すればいい。
5、それでも不十分であれば、ロシア南部の施設をMD網に含める準備がある。
6、以上の提案を受け入れれば、チェコ・ポーランドにMDを配備する必要はまったくない。
7、この提案をアメリカが受け入れれば、「両国関係は新たな段階を迎えるだろう」
わかったようなわからないような???わかるように解説しましょう。
▼MD問題のこれまで
まず、出発点までさかのぼります。アメリカは「東欧MDは、『対北朝鮮・対イランだ』」と主張している。北朝鮮のミサイルがユーラシアと欧州を通過してアメリカに届く?
これを信じれる人は、相当重症です。イランはどうでしょうか?プーチンは2月、ミュンヘンでこうコメントしています。プーチン「いわゆる問題国と呼ばれる国のうち一カ国も、欧州の現実脅威となる5000~8000kmの長距離ミサイルはもっていない。そして、近い将来持つこともないし、その可能性すらない。」そうなのです。イランも明確に否定しています。「<イラン>最高安全保障委幹部、米のミサイル脅威論皮肉る
6月5日10時22分配信 毎日新聞
【テヘラン春日孝之】イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は4日、米国が東欧に配備を計画しているミサイル防衛システムを「イランのミサイル攻撃から欧州を守るものだ」と主張していることについて、「イランのミサイルは欧州に届かない。
今年一番のジョークだ」と述べ、
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イラン脅威論を皮肉った。国営イラン通信が伝えた。」そして、欧州の指導者も、「東欧MDは対イランだ」などと考えていない。そう、明らかに「対ロシア」なのです。しかし、あからさまにいうと問題なので、「対イランです」といっている。MDが配備されるとロシアは困るのでしょうか?理論的には困ります。
軍事バランスが崩れる。今は、
1、アメリカが核ミサイルをロシアに撃ちました。
2、ロシアがアメリカに核ミサイルを撃ちました。
3、アメリカとロシアは地上から消滅しました。
4、両国、こういう事態を恐れているので、核ミサイルを使えません。これを「核抑止力」といいます。しかし、東欧にMDができると
1、アメリカが核ミサイルをロシアに撃ちました。
2、ロシアがアメリカに核ミサイルを撃ちました。
3、MDがロシアのミサイルを全部うちおとしました。
4、ロシアは地上から消滅し、アメリカは無傷でした。
そう、MDが将来完璧になれば、アメリカは反撃をおそれることなく、ロシアに核ミサイルをぶち込める。理論的にはですよ。それで、プーチンは、「東欧へのMD配備はロシアの脅威になるので容認できない!」と怒っている。しかし、アメリカ側は、「だから対ロシアじゃないって~」とシラをきるのでラチがあかない。
▼ブッシュのウソを利用したプーチン
で、どうすることになったか?ロシア側は、「アメリカが対イランと主張するなら、イランを前提として話をすすめよう」となったもう一度プーチン提案を振り返ってみましょう。
1、米MD網に、ロシアと欧州諸国が参加すること。
2、MD問題はNATOーロシア理事会で協議すること。
3、MD網共同運用のための情報交換センターを、モスクワと欧州(例え
ばブリュッセル)に置くこと。どうですかこれは?「アメリカのMD網にロシアが参加すること」を提案しています。もしアメリカのMDが対イランであるなら、問題ないでしょう?しかし、本当は「対ロシアMD」なのに、敵のロシアが参加したら困ったことになります。
次。
4、旧ソ連アゼルバイジャンのレーダー施設を共同運用する。施設が
古いというのであれば、近代化すればいい。
5、それでも不十分であれば、ロシア南部の施設をMD網に含める準備がある。地図がある人は見てください。チェコ・ポーランドは、イランからめちゃくちゃ離れていますが、アゼルバイジャンはイランの北の隣国です。そして、ロシアはアゼルバイジャンの隣国。もし、アメリカのMDが対イランであれば、東欧に配備するよりアゼルバイジャン・ロシア南部に施設をつくるのがいいに決まっている。しかし、「対ロシア」なら?「対ロシアMDシステム」を「ロシア領内」に置く???想像してみてください。「日本は対北朝鮮MDを、ピョンヤンに配備します」ありえないでしょ?
6、以上の提案を受け入れれば、チェコ・ポーランドにMDを配備する必要はまったくない。もし、MDが「対イラン」であるなら、そのとおりです。
7、この提案をアメリカが受け入れれば、「両国関係は新たな段階を
迎えるだろう」もしMDが「対イラン」であるなら、アメリカ・ロシア・欧州が共同で一つMD網を運営するのですから、そのとおりでしょう。しかし、東欧MDは「対イラン」ではなく「対ロシア」なので、ありえない。
▼プーチン発言の真意
アメリカはおそらく、なんやかんやと理由をつけて、東欧へのMD配備をすすめるでしょう。では、プーチン提案は無意味なのでしょうか?そんなことはありません。さっき理論的な話をしましたが、MD配備には政治的理由もあります。そう、「欧州とロシアを分断する」こと。アメリカの立場で考えてみましょう。
欧州とロシアが、完全に一体化した。ロシアは欧州にユーロで石油・ガスを売る。これでドルはローカル通貨になる。アメリカはただの赤字大国となり没落するでしょう。ロシアの立場から見ると、欧州と一体化することで、多極化を進めたい。(米一極主義をぶち壊したい)
欧州の立場はどうなのでしょうか?これは分裂しているのです。まず、独仏を中心とする勢力は、ロシアと一体化したい。ロシアと一体化しイラク戦争に反対したドイツ・シュレイダーさん、仏シラクさんは去りましたが、基本的構造は変わっていません。
しかも、欧州はロシアに石油・ガスを依存している。仲が険悪になると困るのです。アメリカ絶対支持のイギリスと東欧は、ロシアと西欧を分裂させたい。なぜか?
東欧は、つい18年前までロシア(ソ連)の支配下にあった。それで、非常にロシアを恐れている。東欧は、「独仏ではロシアの脅威に対抗できない。ロシアに対抗できるのはアメリカだけ」と考えている。で、東欧は親米反ロなのです。アメリカもそのことを知っていて、ポーランドやバルト3国を使って、反ロ運動を推進しています。
さて、MD。アメリカが東欧にMDを配備する。そして、ウクライナやグルジアをNATOに入れる。これは、ロシアの脅威ですから、当然対抗措置を取る。
例えば、
↓
「ロシアが欧州国境にミサイル配備の可能性示唆
7月5日10時0分配信 ロイター [モスクワ 4日 ロイター] ロシアのイワノフ第1副首相兼国防相は4日、米国が欧州におけるミサイル防衛(MD)システム計画に関して協力しなければ、ポーランドおよびリトアニアとの国境地帯にミサイルを配備する可能性があることを示唆した。」東欧MD配備とNATO拡大で、欧州とロシアを分断するのが、アメリカの戦略。
ロシアは、どうするべきなのでしょうか?
第1に、「対イラン」と主張するアメリカに対し、リーズナブルな提案をすることで、アメリカのウソを暴露する。
第2に、実際に対抗措置を取る段階になっても、「アメリカが先に紛争のたねを持ち込んだ。ロシアに責任はない」と主張できる。
第3に、MDが配備され、NATOが拡大され、ロシアが対抗措置を取った後も独仏・西欧諸国との関係を悪化させない。結局MD問題は、米ロによる欧州の取り合いなのです。
▼進展のなかった首脳会談
今回の首脳会談は、ブッシュパパの別荘で行われました。ブッシュ(子)がここに外国の首脳を招いたのは初めてのこと。そして、ブッシュパパ一家も登場したり、一緒に釣りをして、米ロ和解の演出をしました。アメリカ側が必死である様子がうかがえます。なぜかというと、アメリカはイラン問題でどうしてもロシアの協力を必要としている。
イラン問題は「通貨問題」であること、皆さんもご存知ですね?「イラン、原油の輸出代金受け取りでユーロ建てを要求
06年12月22日10時39分配信 ロイター
[ロンドン 21日 ロイター] 世界第4位の産油国であるイランは、外貨準備のドル保有比率の引き下げに伴い、原油の輸出代金受け取りに関して、ユーロ建てでの支払いを求めている。イラン国営石油公社(NIOC)幹部と業界関係筋が21日明らかにした。」「NIOCの幹部によると、こうした措置の結果、日量238万バレルとなっているイランの原油輸出による収入は現在、約57%がユーロ建てとなっている。」
これは当然、強力な「ドル下げ圧力」になっている。アメリカはイラン問題を解決する必要がある。しかし、アメリカは「ウソをついてイラク攻撃した」ことがバレバレ。今回はどうしても、国連安保理の支持を取り付けてイランを征伐したい。そのために安保理常任理事国ロシアの助けがいる。もし、イランが逃げ切ったとします。すると、全世界の国々(特に産油国)は、「なんだドル以外の通貨で売ってもおとがめなしなのね」と思う。
それで、
1、中東産油国が湾岸共通通貨を創る(10年予定)
2、ロシアはルーブルでの石油輸出を増やす
3、ロシアは欧州にユーロで石油・ガスを売るようになる
4、中国は、ユーロ(あるいは人民元・湾岸共通通貨等)で中東から石油を輸入するようになる
要するにドミノ式にドル離れが起こり、ドルは大暴落。アメリカはタダの財政赤字・経常赤字大国として没落するでしょう。
アメリカはロシアの協力をどうしても必要としている。しかし、アメリカは頑固で、イラン問題・コソボ問題・MD問題で妥協しないのですよ。ゴルバチョフ・エリツィンは、ブッシュパパとベーカーさんのスマイルでだまされましたが、プーチンとKGB軍団はだまされません。
打つ手なしですね。アメリカ上層部も、いよいよ「米幕府は大政奉還するときが近づいて来た」と気がつきはじめているようです。「過去数百年間、我々が経験しなかった勢いで国際システムが変化している。かつては、米国は解決策のある問題と取り組んできたが、今や長い時間をかけて調整する時代にさしかかっている」(キッシンジャー)
キッシンジャーが、過去50年とか100年ではなく、数百年といっていることに注目。過去数百年というのは、要するにスペイン・オランダ・イギリス・アメリカとつづいた「白人による世界支配の終焉」を意味しているのではないでしょうか?日本はどうするべきか?「ああ、アメリカはダメなので、中国につけということですか?」
このような思考パターンを、「奴隷根性」といいます。アメリカの奴隷はダメなので、今度は中国の奴隷になれというのです。アメリカは腐っても鯛。一国で世界総軍事費の50%以上を占めている。アメリカとの同盟が強固なうちは中国も静かにしている。ですから、アメリカが没落するまでの間に、自立の準備を進めていけばいいのです。
自立とは、
1、経済の自立
2、防衛の自立
3、食糧の自立
4、エネルギーの自立
そして、5、魂の自立
その他詳しいことは、長くなりすぎるので書ききれません。