ロシアに日本の新幹線技術を導入することは国益に反する!! | 日本のお姉さん

ロシアに日本の新幹線技術を導入することは国益に反する!!

ようちゃん、お勧めブログ記事。↓
▼ナイーブな職人国家・日本 (外交と安全保障をクロフネが考えてみた。)
以前、日本人にはマリーシア(ズル賢さ)が決定的に欠けているという話をしたが、ロシアがすすめようとしているシベリア鉄道の高速化事業に、日本が官民あげて群がろうとしているという事実を見ても、「またか」と深いため息をつかないわけにはいかない。 ロシアでシベリア鉄道の高速化や、新線建設による日本の新幹線導入構想が持ちあがっており、外務省や経済産業省に加え、車両メーカーなど民間企業15社が早くも身をのりだしている。 利潤を上げることを至上命題としている民間企業ならまだしも、国益の確保を至上命題とする外務省が前のめりになって首をつっこんでいるのには、本当に頭が痛くなってくる。 この場合の国益とは、北方領土の返還実現であり、はした金のことではない。 しかも記事によれば、外務省は「(ロシアとの)経済交流の拡大を北方領土問題の解決に役立てたい」と願っての行動だそうだから、外務省でシベリア鉄道高速化プロジェクトを推進している連中は、論理的思考能力がゼロなんじゃないかとさえ思える。 まずロシアがなぜシベリア鉄道の高速化に乗り出したのかと言えば、何と言っても膨張し続ける中国を睨んだ、戦略上の布石に他ならない。 ロシアにとって中国は、現在もっとも重要な同盟国の一つとなっている。

中国が世界の資源をガブ飲みしてくれるおかげで、天然資源の国際価格が高どまりし、ロシア経済を支える、ロスネフチやガスプロムといったエネルギー産業、ルサルやノリリスク・ニッケルといった金属産業の笑いが止まらない。 中国は、ロシア兵器産業にとって一番気前の良い顧客であり、スホーイ30戦闘爆撃機・キロ級潜水艦・S-300地対空ミサイルなど巨額の商談が次々とまとまった。 ロシア国営の兵器輸出公社”ロスオボロンエクスポルト”も中国のおかげで笑いが止まらないのである。 ロスオボロンエクスポルトにしろ、ロスネフチやガスプロムにしろ、ロシアの国家戦略企業にはプーチン大統領の側近が送り込まれており、プーチン政権の権力基盤を支える重要な柱となっている。 だが、一見深い蜜月関係にあるロシアと中国も、一皮むけば危うさを内包している。 中国人の旺盛な人口増加力と外国への移民浸透力に反比例するように、ロシア人の少子化が問題となっている。 特にウラル山脈より東のシベリアで過疎化がすすみ、このままではウラル山脈より西のヨーロッパ・ロシアをのぞいてロシア人は少数民族に転落し、シベリアでは中国人が多数派民族を形成する可能性もある。 それはロシアの国益にとっても安全保障にとっても大変ゆゆしき問題である。

ロシア政府は、帝政時代の辺境防衛の担い手だった”コサック”の復権と再強化をはかり、コサックを使って膨張する中国やムスリムに対抗しようとしている。
ロシア政府は、コサックが運営する学校建設を奨励し、そこでは子供達にカラシニコフ自動小銃やトカレフ拳銃の使い方、市街戦のやり方まで教えている。
(護憲派勢力とやらは「安倍政権は日本を戦争のできる国にしようとしている」などと寝ぼけたことを言っているが、このコサック学校でやっているプログラムこそ軍国主義教育だと思う。 日本の小中学校で自動小銃の分解・再組み立てから教えているところが一つでもあるか?) しかし、ヨーロッパ・ロシアとシベリアの地理的遠さはどうしようもない。 モスクワやサンクトペテルブルクから極東のハバロフスクやウラジオストクまで、列車でたっぷり2~3週間はかかるだろう。 交通が不便でインフラ整備が遅れていて、政治・経済・文化の中心であるヨーロッパ・ロシアからも遠いシベリアから、ロシア人が流出するのは無理もない話である。

だからこそプーチン政権にとって、シベリア鉄道の高速化が不可欠なわけだ。

高速鉄道の技術の無いロシアにとっては、世界でも有数の鉄道王国・日本の技術が欲しいし、何と言っても日本は地理的にシベリアに近い。 これには韓国の国家戦略もからんでいる。 韓国は、朝鮮半島縦断鉄道を完成させ、それをシベリア鉄道に連結して、釜山からモスクワさらに西欧までつづくユーラシア横断鉄道によって「韓国を物流ハブにする」という国家戦略を打ち出したことについては既にお伝えした。 しかし、アジア-欧州間の物流において、シベリア鉄道がさまざまな問題をかかえ海運に対して競争力を持たず、問題の解決のための技術もロシアには無い。韓国にも当然無い。 韓国とロシアの鉄道当局は最近、協力関係を強化しているが、シベリア鉄道高速化プロジェクトを一番望んでいるのは実はノムヒョンで、シベリア鉄道高速化の前だおしをせっついたのも大方韓国が先ではないだろうか。
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プーチン政権のまいた”シベリア高速鉄道ビジネス”というエサに、日本は今、官民をあげて群がろうとしている。 では、シベリア鉄道の高速化が達成され、それによってシベリアの再開発がすすみ、シベリアの中国化を阻止できた場合どうなるか? 資源価格の高騰のおかげで大国の地位へ返り咲いたロシアの基盤は、ますます固くなるだろうし、ロシアと中国の関係も良好なまま推移することだろう。

現在のロシア-中国同盟という枠組が崩れなければ、ロシアにとって日本は戦略的価値が低いままである。 当然「日本へ北方領土を返そう」というモチベーションが起こるはずが無い。 むしろ、「”強いロシア”がなぜ日本へ譲歩して南クリール(北方領土)を返さなくてはならないのか」という声一色となるだろう。 日本には「周辺国が経済的に困難な時こそ日本から先に積極的に援助をしてやって、その国が豊かになれば領土問題や歴史問題が解決するのだ」という、まったく非論理的な主張を繰り返す人が少なくない。 外務省でシベリア鉄道高速化に焦ってのっかかろうとしている人達のように。

それでは問おう。 冷戦終結直後、ロシアは経済的に貧しく非常に混乱していた。 だが、莫大な石油・天然ガス・鉱物資源収入のおかげで好景気にわく現在のロシアは、大変豊かになった。日本はロシア原潜の解体などに多額の援助もした。

ロシアは豊かになったが、北方領土問題はそれで解決したか? 四島は日本にかえってきたか?

答えはニエット(ノー)だ。

逆に、ますます問題解決から遠のいたように見える。 国力の復活と共にロシアでは民族主義・国粋主義が勢いを増す一方である。 現在のロシアには「復活した強いロシアが、なぜ日本へ譲歩して南クリール(北方領土)を返さなくてはならないのか」という声しか聞こえない。 領土問題が解決していないのに、はしたガネに目がくらんで続々とロシアへ経済進出をする日本企業を見て、「日本はもう南クリール(北方領土)を諦めた」という声さえロシアではあがっている。

日本にはプーチン大統領の「鶴の一声」を期待する人達もいるが、黙っていても高速鉄道技術を売り渡してくれるおバカさんに、交換条件で「ロシアの神聖な領土を割譲する」理由が無い。 プーチン大統領の「鶴の一声」なんて、日本人がロシア側の戦略を無視して自分勝手に思い描いた甘い幻想だと言わざるを得ない。 太平洋戦争末期、日本への侵略を準備していたスターリンに、日本が対米講和の仲介をお願いするという大甘の発想ときわめて似ている。
日本が北方領土を真剣に取り返したいのであれば、相手が北方領土を返還してくれるまで、シベリアの開発に協力してはいけない。ロシアへの投資も控えるべきである。 10年、20年後、ウラル山脈の東側が中国人であふれかえり、ロシアと中国の関係が決定的に悪化し、ロシアが苦境に陥ってはじめて日本の戦略的重要性が見直されることになる。

そうした国際環境が整ってこそ、有利にロシアと交渉できる。  それまで、領土問題の解決を先送りにしても仕方がない。
さらに言えば、サハリン2油田開発がらみで、プーチン政権に日本企業が煮え湯を飲まされた例を見れば分かる通り、低信頼社会のロシアには契約遵守という概念が希薄である。 自分達に有利と見れば、契約を破ることもへっちゃらだ。 日本企業は、シベリア鉄道高速化ビジネスでロシア側から支払われるはした金を期待しているようだが、将来のロシア情勢いかんでは、日本の技術で新シベリア鉄道が完成しても、ロシア側にまるまる工事代金を踏み倒される危険がある。 国際社会も、核を持つロシアを罰することは難しい。 そうなれば最悪、日本はタダで技術を売り渡し、シベリア鉄道をボランティアで高速化してやって、日本企業は、高速化して海路より便利になったシベリア鉄道で欧州に商品を送り、ロシアや韓国に多額の輸送料金を払うようなマヌケな事態になるかもしれない。 ロシアがドイツやフランスの技術を導入するというのであれば、好きなようにやらせておけばいい。 酷寒地や降雪地で高速鉄道を安全に運行するというのは、それなりの技術がいるし、ドイツやフランスの技術で解決できないかもしれない。
それから日本が乗り出しても遅くは無い。 交換カードはもちろん北方四島である。 もし解決できたとしても、最低限、日本は外交的にロシアからナメられずに済む。

そうした評価の積み重ねが、今後25年50年の日本外交を有利に導いていく。 それにしても、日本には外交に向いていないタイプの人が多すぎる。 短気で結果を出すことばかり焦り、論理的思考が苦手。  感情的な自分の思惑・こちらの都合だけで物事全体がすすむと思っていて、自分に長期戦略という発想が無いから、相手に独自の長期戦略があるとは夢にも思わないし、相手の長期戦略を知ろう、それを推理しようともしない。そもそも相手の情報さえ満足に集めようとしない。 自分達にとって、今本当に大切な利益が何かわからない。どんな時でも「カネと(見せかけの)友好」が一番大切だと思っている。 もしくは「自分の名を日本の外交史に残したい」という、国益とは何の関係も無い、薄っぺらい功名心の方が大事なのだ。 まったく子供のようにナイーブで、前お話したマリーシア(オトナのズル賢さ)が決定的に足りない。

幼稚と言うかなんというか。 外務省内部でシベリア鉄道の高速化に積極的に協力しようとしている人間は、まさにこれだ。
「日本人はエコノミック・アニマル」とか、「日本は商人国家」と言われたりするがそれは間違っていると思う。
日本は職人国家であり、高い技術力で苦労して一万円の価値の商品をつくっても五千円でしか売れない、あるいは五千円で他人にだましとられてしまってそれにまったく気づかない職人である。 根っからの商人国家というのは、自分で何か生み出さなくとも右から左へモノを動かすだけでカネを生み出し、一万円の価値のものを五千円で仕入れ、それを言葉巧みに二万円で売り飛ばすような国を言う。 ロシアや中国、アラブ国家などが典型的だろう。 日本ではしばしば「モノづくりの大切さ」が言われる。 それはそれで正論なのだが、自分で何か生み出さなくとも右から左へモノを動かすだけで価値を生み出せることを知っていて、それを実行できる人も重要である。 日本ではそうした人材が不足しているから(特に外務省)、高い技術力で苦労して一万円の価値の商品をつくっても五千円で他人にだましとられてしまってそれにまったく気づかないような事例が続出するのである。
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外務省も新人研修として、どっかのアラブ諸国のスーク(市場)へ行って商人と交渉し、指定された商品をいかに安く買ってこれるかといったことをカリキュラムに入れた方が良いのではないだろうか。(アラビア語などの通訳はつけるとして。現地語で交渉できれば言うこと無し) 相場より安く買ってこれれば高得点、相場より高く買わされた場合はもちろん、相場よりいくぶん安くても粗悪品をつかまされて結局損した場合は減点というふうに。
ともかく、今の外務省では闘えない。
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ようちゃんの意見。↓
★国際貿易競争のような感覚で、車、電化製品の販売と新幹線を同等に考えてるから、起きるのでしょう!!
列車、には軌道敷設と言う永久的な社会インフラが必要です。又
日本のシーパワー国に取っては、ランドパワー国の流通網が欧州から極東まで、直線で安全な大陸輸送網が完成すると、海上輸送のシーパワー国は不利になる。海の航路の方が長くて、危険が大きい。