チャイナの広西で「反政府」を叫ぶ崖っぷち農村暴動。 | 日本のお姉さん

チャイナの広西で「反政府」を叫ぶ崖っぷち農村暴動。

ようちゃん、お勧めブログ記事。↓
チャイナの広西で「反政府」を叫ぶ崖っぷち農村暴動
FROM(日々是チナヲチ。)
 いやー本当に崖っぷちなのです。
ダム建設で崖っぷちに追いやられたのに補償金は雀の涙。というのは
どうも党幹部が途中で着服した可能性が濃厚で、しかも地元当局は
救済措置を講じてくれるどころか、別の名目で農民から多額のカネを
剥ぎ取らんとする鬼畜ぶり。
住宅も校舎も崖っぷちで余りの危険さに教師たちは逃げてしまい、
子供たちは教育を受けられない状況。ダム完成で対象外の耕地まで
水没する有様に、とうとう農民が鎮政府に出向いて請願活動。

すると動員された特警(機動隊)と武警さん(武装警察=内乱鎮圧用の
準軍事組織)多数がお出ましになって、はいはいお決まりの官民衝突。
……よくある話といってえばそれまでなのですが、教師も逃げ出す崖
っぷちぶりに興趣をそそられ取り組んでみることにします。
 ――――
『明報』など香港紙複数の報道によれば、
舞台は「計画出産利権」で同時多発型暴動が発生した広西チワン族
自治区。今回は大化ヤオ族自治県・岩灘鎮という少数民族がまとまっ
て居住しているらしい地域です。同時多発型暴動についてはこちらを。

●農民蹶起!広西博白県下の各鎮で同時多発暴動、庁舎炎上。
(2007/05/21)
●続・広西同時多発暴動:不妊手術より上納金。(2007/05/23)
●広西農民蹶起2:またも同時多発暴動、県外へも飛び火!
(2007/05/25)
●広西農民暴動がまたまた飛び火、ついに火炎瓶も出現。
(2007/05/31)

今回は少数民族地域ではありますが、そのことが事件の要因になってい
るかどうかは報道からは読み取れません。
そもそものきっかけは、四川省などで多発した「ダム作るからお前ら
移転ね」型の強制収用です。
農民を追い出してダムが建設されて、大化・岩灘という2カ所の水力
発電所が稼働しました。
ダムにするくらいですから山に囲まれた盆地のような地形なのでしょう。
その盆地に住んでいた農民たちの移転については非常に安直な
措置がとられ、「山の方へ引っ越せ」ということになりました。
山の方といっても村が水没するほどですから山麓とか中腹に家を
建てる訳にもいかず、水に追われるようにして農民たちは山頂や稜線
付近に移転。崖っぷちなのです。
――――
ところで移転させられる以上、当局から補償金が下りることになります。
国務院(北京の中央政府)から昨年、このために280万元が支給され
たとの情報があります。
しかしこれまたよくある話ながら、支給記録と受給実績には天と地の
差が。農民たちによると、補償金は所有耕地の大小に関わらず、
1人当たりで毎月一律たったの30元ちょっと。
どうやら国務院から農民の手に補償金が渡る過程で、各レベルの
党幹部によって少しずつ着服された気配が濃厚とのことです。

それだけならまだしも、ダム建設後に地元を流れる紅水河の水位が
みるみる上昇。予定では水没せずに残る筈だった両岸の耕地まで
水中に消えてしまいました。

このため農民たちは地元当局に何度も請願活動を行ったものの効果は
みられず、今年4月、岩灘・北景の2カ鎮に住む農民たちが詳細は
不明ながら一週間にわたる抗議活動を展開したとのことです。
5月には岩灘鎮の農民数千名が鎮政府庁舎を取り囲む形で座り込み
を行ってもいます。
――――
山上に追い上げられた農民は3万名にものぼるとされています。
耕地を失い補償金は雀の涙でまさに崖っぷちの生活を強いられること
となりました。そもそも住宅そのものが崖っぷちに建っています。
児童4000名が通っていた小学校もやはり崖っぷちに移転することを
余儀なくされました。
この建物が余りに崖っぷちで基準に照らしても危険建築物。
具体的にどういう状況なのかはわかりませんが、その崖っぷちぶりに、
十数名の教師たちは命あっての物種とばかりに6月末に全員離職。

子供たちは教育を受けることができなくなってしまいました。
このため農民たちもさすがに……となるところですが、実はその前に追い
打ちをかけるような事態がありました。山上に移転した農民たちに対し、
1人当たり毎月30元ばかりの補償金しか渡していない地元当局は、
水道を引くためだと称して各世帯から500元を徴収し始めていたの
です。

そして7月1日、岩灘鎮の農民たちは鎮政府庁舎に出向いて補償金
増額を請願し、また岩灘水力発電所の職員居住区を包囲。
ダムにも屯集して抗議行動を行った模様です。
農民側は数千名とも約1万名ともいわれていて参加人数は諸説紛々。

ともあれこの抗議活動が4日間連続して展開され、当局は4日夜、
広西チワン族自治区の首府・南寧市から機動隊と武警多数を投入。

警察車両・軍用車両数十両に加えて装甲車10両まで動員され民衆を
追い散らしにかかりました。
当然のことながら官民衝突が発生。
少なくとも農民側に負傷者5名の被害が出た模様です。
 ――――
注目すべき点がひとつ。『明報』によると、この抗議活動において農民
たちは、「鎮政府をぶっ潰せ」といったような、要するに反体制的なプラ
カードを掲げ、またスローガンを叫んでいたとのこと。
何やら出るべきものがとうとう出現してしまったという印象です。
負傷者5名ですから小競り合い?といった観もありますが、山間部に
わざわざ装甲車までを繰り出すほどですから、政府庁舎や発電所
職員居住区を農民が取り巻いたときにはかなり殺気立ったものがあった
のかも知れません。

しかも反政府スローガン。
まあその対象は地元当局限定ですけど、それを叫びプラカードを掲げて
押しかけてくるのですから、実際には「請願」の空気ではなかったように
思います。
大化ヤオ族自治県筋によると、7月5日になって一部農民が教育施設の
危険性を訴えるべく陳情したことを受け、広西チワン族自治区の教育庁
から問題解決のために人員が派遣されたそうですが、本来なら民衆が
騒いで武警などを投入する前に役所がそれをやるべきでしょう。
順序が逆です。

しかも現時点では自治区の教育庁だけが動いている様子で、補償金の
問題などには手が付けられていません。
その善処を請願に出向いた民衆を武警さんたちが装甲車まで繰り出して
追い払ったのですから。
もちろん「水道を引くため」の各世帯500元出せ措置も未解決のまま。
当局側はどうみても人民を舐め切っていて、騒いだら武力鎮圧で黙らせ
るというお決まりのパターン。
毎度のことながら、「官」と「民」の間の距離が致命的なまでに開いてし
まっているのを感じざるを得ません。
「何やら出るべきものがとうとう実際に出現してしまった」今回はこの
一言に尽きます。
――――
●『蘋果日報』(2007/07/11)
●『明報』(2007/07/11)
 
監督管理局前局長の鄭篠萸に10日、死刑が執行されました。
一審で死刑判決が出たのが5月29日でしたから1ヶ月強というスピード
裁判&執行。さすが呉邦国が自慢するように三権分立など存在せず
行政が全てを指導する国だけのことはあります。
どこぞの弁護団に教えてあげたい。

新華網「経最高人民法院核准 鄭筱萸10日上午被?行死刑」
この件を伝える新華社の記事が何本が流れていて、曰く・・

法の前の平等を示した
腐敗との戦いの見本を示した
ですと(笑)

呉邦国がつい先日、香港の統治に関して「香港も行政が全てを指導
する」なんて発言していたのにね。
何が「法の前の平等」だよ。大陸メディアは、今回の事件を国家食品
薬品監督管理局の体質、第三者機関による監視監督、存在をも許さ
ない中共一党独裁体制が生んだのではなく、鄭篠萸個人の資質の
問題であると必死に喧伝しています。
そして、その彼を葬り去ったのだからもう大丈夫だよ、と。
組織はそのままに昔の社保庁トップを死刑にして、ほら大丈夫と言って
いるようなものですね。

同じく国家機関である国家品質検査総局が「中国食品は安全だぜ」と
お墨付きを与えたり、中国製食品の安全性について外交部定例記者
会見で「でっち上げだ」などやっております。
練り歯磨きやペットフードなどの中国製品の品質問題が大きな注目を
集めていることに絡み、中国外交部の秦剛副報道局長(写真)は3日の
定例会見で「問題があるのはごくわずかの企業だ。
中国製品全ての安全性が否定されることにはならない」と反論した。
また「マスコミが中国製品の品質や安全性について絶え間なく報道して
いるが、誤解やでっちあげがある。例えば2004年から06年にかけて
米国へ輸出した製品のうち99%が基準に合格した。
マスコミは客観的かつ理性的な報道を行って欲しい」と注文をつけた。
(編集担当:菅原大輔)中国情報局「外交部がマスコミ批判
でっちあげ報道するな」」

アメリカの食品医薬品局(FDA)が、独立第三者機関による検査が行わ
れない限り、ウナギ、えびなどの輸入を許可しないと中国側に通告して
いたりします。

産経新聞「禁止薬品含有で中国産魚5種類差し止め 米FDA

新華網「李長江:不接受美対中国4種水産品采取自動扣留」
第三者機関の存在を一切認めていない独裁中共にとって決して飲む
ことなどできない条件ですが、食品に限らず薬品などあらゆる監督検査
機関を第三者機関に委託しないと世界で商売などできないのだよ、と
教え諭し、またアメリカ国民に対してもFDAは食の安全に対して厳しい
態度で臨んでいると示すことで安心感を与えるという点で有益なことだ
と思います。日本は・・・日本鰻(うなぎ)輸入組合の森山喬司理事長は
10日、東京都内で記者会見し「風評被害」によって中国産ウナギの
販売量が「例年の半分ぐらいまで激減している」と述べた。「日本に
入ってくるものは徹底的な管理と検査で危ないものは全部排除されて
いる」と安全性を強調した。
(中略)
日本に輸入された中国産ウナギからは、過去に抗菌剤などの検出が
相次いだ。しかし、今は中国政府が検査体制を整え、日本側も「ポジ
ティブリスト制度」などで規制を強化したため、森山理事長は「日本向け
は世界一安全と言えるほどになった」と述べた。
Yahoo!ニュース「<中国産ウナギ>輸入組合が会見、安全性強調
(毎日新聞)」

文句を言うべき方向を間違っていますな。
日本側の努力は素晴らしいものなのだろうけど、第三者機関の設置など
「中国産」への信頼回復のための根本的な改善を中国側に促さない
とね。もし中国側に言っているのならマスコミはそれも取り上げてあげ
ないとかわいそう。

それに商売の方向が根本的に間違っているような。
アメリカのある製薬会社は商品に「原料に中国製は一切使用していま
せん」とのシールを急遽張ったとか。
中国の食品・薬品などの安全監督に関係する政府5部門が10日、
北京で共同記者会見を開き「中国の輸出食品の合格率は99%以上
だ」と強調した。
一方で「(安全についての)情勢は楽観できない」とも述べ、長期・有効な
監督体制の構築を急いでいると説明した。
(中略)
会見では「中国は発展途上国であり、安全・監督管理のスタートが遅く、
基礎は相当に弱い」と現状報告し、関係各国との技術協力の促進を希
望した。
中国国内でも食品への不信感は以前から強い。
北京紙「京華時報」は9日、多くの飲料水販売店で水道水をミネラル
ウオーターや純水と称して売っていると報じた。
会見で政府当局はこれに触れ「個別の飲料水販売店にこれらの問題が
存在することを排除しない」とニセ飲料水の存在を認めた。
しかし当局が今年5月に実施した北京市内の飲料水販売店の抽出調査
では合格率が96・9%だったと強調し、
「個別の販売店の行動」と、一部の違法販売店の取り締まりを約束した。
(後略)毎日新聞「中国:輸出食品、監督強化急ぐ 
政府「発展途上で基礎弱い」」

いくら叫ぼうが、お得意の「発展途上国だから」と言い訳しても
「中国産」への信頼など生まれてきません。
そろそろはっきりとと言ってあげるべきです。
全ての原因は中共独裁にあると。
今回の元国家食品薬品監督管理局前局長・鄭篠萸の死刑執行に
絡んで、食の安全を最も脅かされている香港の新聞に
第三者機関を一切認めない中共独裁が根本原因であると
指摘したような論評記事を期待したのですが、これを主に取り上げた
ものは見当たりませんでした。
自主規制という奴なのでしょうか。少しガッカリ。

これだけではなんなんで、最後に大陸で「株の神様」が逮捕されたとの
記事を「行政が全てを指導する」ということを念頭におきつつ。
内地で株式投資家に「株の神様」と崇められ、ヒット数全国1位の
民間株式評論ブログ「帶頭大哥777」の責任者・王暁は、
ブログを通じて会員から700万人民元以上を集めめ、
不法経営の疑いで今月初めに吉林の公安に連行され取調べられた。
聞くところによると、この事件は「影響は広範で多くの人が
関わっている」為に、中国証券監督管理委員会などの部門は
すでに公安部に調査を行うよう要請をしていた。

これは昨年、内地の株式市場が熱狂的となって以降初めて、有名
株式評論家が逮捕された事件だ。広州の『新快報』は事情通の声と
して、5月、6月の時点で「帶頭大哥777」はすでに中国証券監督管理
委員会の関連部門は非常に注目していたという。

吉林証券監督管理局はこのニュースについて取材を受けた際、王暁の
取調べに対して隠すことはなかったが、仔細を述べることを拒否した。
王暁が連行される兆候はあったようで、今月1日に彼はブログで「執筆に
専念する」との述べ、株式評論を停止していた。
このことから推察するに、彼が警察に連行されたのは7月1日なのかも
知れない。現在、証券監督管理部門と公安機関の両方が調査を行って
おり、最終調査結果は合わせて公安機関が処理を行う。

「帶頭大哥777」ブログは、今年の2月16日に開設され、ヒット数は
すでに3千万を突破し、内地のアイドル徐静蕾の「老徐博客」を上回り、
「中国一のブログ」となった。「帶頭大哥777」は自称王暁、今年で35歳、
吉林の某高官の家庭に生まれ、92年に上海万国証券に入り、
相前後して大口仲買人、アナリスト、デイトレーダーなどを手がけた。

今年5月19日にCCTVのニュース番組『第一時間』で王暁はアナリスト
としての根本的な資質を備えていないのではないかと疑われ、同時に
ネットのQQ会話ツールを通じて7千から1万元の入会費を徴収し、
700万元以上もかき集めたと公表された。

更に高官の子弟という身分についても調査した内地の記者もあった。
王暁の逮捕について、ネット利用者の反応は強烈で、網易のフォー
ラムには3,000以上のコメントが寄せられている。
殆どの人が、王暁は間違って「調子に乗りすぎた」、関係部門は「出る
杭を打った」のだと思っている。
しかし王暁は過大評価されているとして、彼は一ヶ月で30万元も損を
していると非難するものもある。星島日報「網上股神渉斂財700萬被捕」

http://www.mingpaonews.com/20070711/cca1h.htm
●『東方日報』(2007/07/11)
 
http://orientaldaily.on.cc/new/new_c40cnt.html

----------------------------------------
FROM(中南海ノ黄昏@イザ!)
以前「死刑で口封じ?@ニセ薬事件」で紹介した、元国家食品薬品