研修中の歯科医が専門外の麻酔治療に関与していた
千代田区の三井記念病院で、研修中の歯科医が専門外の麻酔治療に関与していた問題で、都は11日、「あらゆる面でガイドラインを逸脱していた」とする立ち入り検査の報告書を公表した。
国が定める指針などによると、研修中の歯科医が専門外の麻酔医療に従事する際、(1)患者の同意(2)指導医の立ち会い-などが必要とされている。 都は6月1日~7月5日に実施した立ち入り検査の結果、病院側は患者の同意をほとんど得ていなかったことが分かった。医療安全課は「病院は指針を理解していなかった。医療安全面で不適切。是正の必要がある」と指摘している。 また、看護師などの関係者が、歯科医を専門の麻酔医と勘違いしていたケースや、研修記録が残されていないなどの不備も目立ち、院内の周知徹底が不十分だったことも新たに判明した。 病院によると、研修制度を取り入れた平成15年7月10日から今年5月末まで、歯科医10人が822件の麻酔治療にかかわった。612件が専門外に該当し、このうち2件は患者が心肺停止になるなど「麻酔が影響している可能性がある」として、病院側は都に再調査することを報告した。 病院は今後、歯科医の研修を実施しないことにしており、「都の指摘を真摯(しんし)に受け止め、改善計画書を提出する」としている。 7月12日8時0分配信 産経新聞 |