食の安全番外編4 | 日本のお姉さん

食の安全番外編4

ようちゃん、お勧めブログ記事。↓

FROM[北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)}
■きのう午前、元国家食品薬品監督管理局局長の鄭筱萸死刑囚の死刑が北京で執行された。はやっ。パナマのせき止めシロップ事件であれほど対応がのろかった中国当局であるが、人を殺す決断はこんなにも早いのであった。5月末に一審判決、控訴するも6月22日に北京市最高裁はこれを棄却、死刑判決が決まっていたが、執行までに半月あまりですか。文字通り、犠牲羊(スケープゴート)。きっと草場の蔭で、おれだけが悪いんちゃう、と恨めしくおもっているだろう。でも、まちがっても、中国の食品・医薬品安全問題を批判的に報道した外国メディア記者を怨まないように。


■これに合わせてかどうかはしらないが、食品医薬品安全担当の中国政府5部門6人が合同で記者会見を開いた。つまり
①農業省市場経済情報局の張延秋局次長
②衛生省衛生監督局の王雪疑局次長
③工商行政管理総局消費者検疫保護局の孫文序局次長
④国家質量監督検査検疫総局輸出入食品安全局の林偉局次長
 国家質量監督検査検疫総局食品生産監督管理局のオ建平局長
⑤国家食品薬品監督管理局政策法規の顔江瑛局次長。

で、以下のようなことを発表した。

①国家食品薬品安全11次5カ年計画(2006~2010)の全容
②ネットでブラックリスト企業、実名でさらします。
参考:11日にまでに41企業、うち日本向け企業11社をさらし中。
③五輪食品安全は、関係部門が一連の措置をとって万全だから安心して!
④2007年上半期だけで、ニセ粗悪食品3・44万件(6765・9万元)摘発したぞ。ニセ食品製造拠点3191拠点を殲滅、50件を立件。ほめてほめて。
⑤2007年上半期、摘発した不合格食品5756・83㌧。ほめて、ほめて。
⑥同、ガサ入れした食品経営主体600・72万店、うち6・36万店が許可無し営業、経営許可取り消し2207店。ほめて。ほめて。


ちなみに、日本向け中国食品でブラックリスト企業が輸出していたのは
●うなぎかばやき(抗菌剤マラカイトグリーン)
●いかやき(大腸菌)
●水煮キノコ(二酸化硫)
●干し梨(二酸化硫)
●ホタテ串焼き(マヒ性貝毒)
●冷凍水に蟹(大腸菌)
とくにウナギは要注意なのだ。土用の丑は気をつけよう!


■さて、雁首ならべりゃええってもんちゃうやろ~、と思いながらも記者会見いってきました。記者会見は、記者が自由に質問して、当局者から公式見解を引っ張り出す、貴重な機会。でも、またもや、最後まであたりませんでした。最前列で手をあげていたのに!
 というわけで、今エントリーは記者会見リポート。会見における当局の建前と本音を、いつものごとく見てみよう。だらだら長い(1万字)ので、めんどうくさい人は読まなくても大丈夫です。はっきりいって内容のない会見です。


■食の安全問題、中国の言い分きいてみる?
頭数をそろえてみても、いまいち内容ありません。説得力も…。

(会見抄録)

■顔江瑛:今日は「国家食品薬品安全11次5カ年計画」について、紹介するわね。食品医薬品は人民群衆の身体の健康と命の安全に関わり、中国政府もずっと高度に重視しているわ。現在、目の前の突出した問題の解決に力をいれたうえで、さらに積極的に長期的効果のあるメカニズムを模索しているし、応急処置をしたうえで、さらに根本治療をかさねています。各レベルの政府、食品安全監督関係部門の共同努力により、我が国の食品薬品安全監督管理工作は弛まず強化され、食品薬品安全の状況はおおむね安定しています。ただ、私たちは中国が発展途上国であることも考えねばならず、わが国の食品安全監督管理工作のあゆみはわりと遅く、基礎工作はやはり脆弱だわ。だから、我が国が直面する食品薬品安全の形勢はやはり楽観視できません。(国家食品薬品安全11次5カ年計画を発表するけど、あんまり期待しないでね。そりゃ私たち、がんばっているわよ、でも応急手当でていっぱい。中国はなんたって、発展途上国ですから。はきりいって、楽観できません。)


■顔:食品、医薬品、飲食業の衛生管理工作をさらに一歩すすめるために、我々は公衆飲食、医薬品安全を弛まず高め、わが国の和諧社会発展を促進せねば。中国経済・社会発展11次5カ年計画の全体的要求に従って、この食品薬品安全11次五カ年計画は04年末から制定がすすめられてきました二年余りの努力の結果、食品薬品監督管理局、科学技術省、財政省、農業省、商務省、衛生省、および工商総局、質検総局、環境保護総局など関係部局が密接に協力し合い、反復論証し、起草し、意見を広くもとめ、専門家に論証してもらい、6段階にわたってねりあげてきました。改稿は30回におよび、論証、討論会は80回以上。でこの5カ年計画ができあがりました。
(食品医薬品安全5カ年計画ができるまで、すごく苦労しました。なんというか、船頭多くて舟山を登る、ってかんじかも。)


■顔:この五カ年計画制定のプロセスは非常に厳粛であり、この五年の奮闘目標をうちだしています。その目標とは①わが国の食品薬品監督管理システムとメカニズムを少しずつ完成させ②法律法規体系を完成させ③監督管理チームの質を向上させ④法に従った行政能力をさらに一歩向上させ⑤基礎インフラの建設を強化し⑥技術装備さらに改善し⑦食品薬品安全標準蛍雪と検査技術レベルを目に見える形で高める、ということです。(とりあえず、目標を7つばかりあげてみました)

■食品薬品生産秩序は明かに好転させ、生産、ニセモノ食品薬品の生産など違法犯罪活動を有効的に抑制し、食品薬品安全事故は大幅に減少させること、これがこの5年前後の努力をへて我々が到達したい目標です。(でも目標をあげて、その手段、手法を説明しないのが、中国式なの


■計画は七方面から保証措置をとります。つまり①新たな管理体制とメカニズムの創設②企業責任意識の強化③法に従った行政の推進④政府介入の強化⑤社会モニタリング作用の発揮⑥国際協力、交流の強化。⑦計画実施メカニズムの建立。
各地方政府が「地方政府がすべての責任をおい、監督管理部門が各責任をおい、企業が第一の責任者となる」との要求に照らし合わせて、現地食品薬品監督管理部門を現地での計画制定の責任者となし、地方の計画をもって国家計画を実施するようのぞみます。
このくらい難解に説明すれば、いちおう、みんなをケムにまけたからしら?)

■顔:では、つぎ質問タイムね。

■UPI:報道によれば、中国は食品医薬品安全の責任をになう15の機関がありるそうですね。それぞれが別個に認証だの、許可証だの出して、権力闘争がおきないんですかね。で、その許可証だの認証を出したあとで、問題が報道されれば、各機関が責任をなすりつけあったりしないんですか?
 今年はメディアで食品医薬品安全問題関連の報道がやたら多かったですね。なぜ今年はこんなに問題が多いんですか。また、顔女史もおっしゃるには中国は発展途上国だそうですが、発展途上国は気候温暖化問題のように、国際食品医薬品安全において担う原則的な責任は、先進国と区別されるべきんなんですかね。
(関係機関が多すぎて、責任のなすりあいになっているんじゃないの。それと都合のいいときだけ、発展途上国を主張するのやめて)

■顔:中国では現在直接、食品医薬品安全監督をになっているのは(この会見に参加している)5部門です。ただ、部門間の協力、協調を強化するため、2003年、国務院食品医薬品監督管理局を創設しました。我々が総合的監督、組織、協調、重大事故の捜査などの責任をおいます。また、われわれのあいだで食品安全部際連合会議制度をつくり、また食品安全情報連絡員制度、定例会議などもあり、常に情報交換をおこなっています。
(一応、一番責任とるのは私たち食品薬品監督管理局よ。関係部門はちゃんと連携して仲良くやっているわよ)

■林偉:この機会に、中国の輸出入安全方面の管理状況を説明しよう。多くのメディアが中国の食品安全問題を報道している。この理由として思うに2つ。ひとつ、食品安全の問題はますます社会の関心事だ。人類社会文明が発展すれば、自分自身の安全に注目するようになる、食品と人の安全はもっとも密接な関係ある。ふたつ、中国政府の監督管理方面の力は強まっており、透明性も向上している。(中国の食品安全関連報道が多くなったのはね、つまり中国社会がそれだけ成熟して、政府の食品管理の力も強化され、情報の透明度が高まったあかしなんだ。けっして中国食品の安全性が急に低くなったわけじゃないのだよ。もともと低いし)


■林:まず、中国政府は責任ある政府で、非常に中国輸出産品の品質と安全を重視している。むろん、産品の生産、流通、輸出入などのそれぞれのポイントで、立法、執法、監督、管理方面で、われわれは非常に責にある態度をとり、産品から輸出にいたるまでの全プロセスの管理システムを確立している。簡単に説明すると。
①輸出食品原料の栽培、養殖基地は特別の管理をしており、その特別管理された基地でとれた原材料しか、輸出用産品にはつかっていない。
②輸出食品の生産企業には衛生登録制度が導入され、その衛生登録証を得た企業しか輸出食品を生産できない。
③輸出食品の生産全過程は、検査検疫当局によって管理コントロールされている。
④輸出食品はその品質を保証するラベルが貼られ、問題が発生したとき、生産もとにまでさかのぼって調査できると同時に、他の産品もリコールできる。
⑤輸出前に中国側も検疫検査をおこない、合格後輸出している。もし輸入国が要求すれば、政府の証明書を発行することができる。

こういったやり方だと、養殖から始まり輸出にいたるまでの全プロセスが監督管理されている。この改革開放の2,30年来、中国産品全体の品質安全レベルはたゆまず上昇しているわけだ。(中国は国内用食品はともかく、輸出食品は完璧なまでに品質管理しているはず。養殖池から輸出まで、政府が保証するよ。検疫に引っかかる劣悪食品は、政府が指導、管理していない業者から輸入するからだよ。だから中国の責任じゃないもん)

■我々の輸出食品の品質安全レベルは非常に高く99%以上。つぎに、最近発生した食品安全問題は、中国政府は非常に重視し、ちゃんと調査もしている。目下、これら食品安全問題につていは、すべて個別の案件に属す。たとえば毒入りペットフードなど、これは不法企業の違法行為。違法経営企業にたいしては、中国は厳しく対応し、みつければ罰を与えている。最近、国家質量監督検査検疫総局のネットサイトでは、違法企業のブラックリストを公開している。これら企業には輸出を禁じている。(違法企業は、企業の責任で、ぼくらがわるいわけじゃないもん)
注)ちなみに11日までにブラックリスト入りした日本向け輸出企業はみな、政府の認可した衛生登録証を取得した正式の輸出企業でした。これはどういうことよ?


■さらに、われわれは各国と中国食品安全問題について、技術上の問題だけでなく、いろんな方面で協力、協議を展開したいと望んでいる。努力して食品品質安全レベルを向上しようとしているんだ。われわれは中国産品をおいしく安くかつ安全で健康なものであるよう保証できると自信を持っているよ。(中国は努力しているんだから、外国は批判するより協力してよ。みんな中国の商品を安く買いたいんだろ?)


■新京報:五輪の食品安全について質問したい。これひとつ。報道によれば香港も中国の歯磨き粉輸入を禁止したが、これはどういうこと?衛生省は以前に歯磨き粉に入れるジエチレングリコールには基準を設けるといっていたけれど、今はどうなっているわけ?
(こんな状況で五輪食品大丈夫?香港まで中国産歯磨き粉の輸入禁止措置をとったけど、中国はこれでもジエチレングリコールOKなわけ?)

■孫文序:五輪期間の食品安全は、食品安全監督管理部門が重要な職責をにない、一連の措置をとっている。各レベルの行政管理機関が、流通のポイントで食品の品質を管理している。五輪の食品市場は絶対安全を保証する。具体的措置は主に3つ。
①10大項目345品種の食品について、五輪食品安全技術基準モデルをつくり、包装、保存、流通と一連の原則基準を確定した。
②食品の原料生産から選手村の食卓まで徹底管理し、データベースを構築、リスクアセスメントを行う。
③五輪食品の安全は、ちゃんとさかのぼって調査できるしくみになっている。
(五輪の食品は大丈夫、ちゃんと管理システムを確立している、はず…)

■林偉:歯磨き粉の問題は、私が回答しよう。香港の対応はわれわれも注目している。ジエチレングリコールだが、5月31日の記者会見でも発表した。関係国、地域はもっと科学的な態度で、WHOの原則にてらし、中国の歯磨き粉にたいし、妥当に処理してほしい。ジエチレングリコール量の基準については、衛生省、検疫当局など関係機関が責任ある態度で、科学的に妥当に処理するだろう。(歯磨き粉にジエチレングリコールいれて何が悪いの?ちょっとくらいならいいと、WHOもいっているんだよ!?)

■ウォール・ストリート・ジャーナル:今日、チャイナデイリーに、「ニセブランド水」報道がのっていたけれど、中国側はこの問題を調査しないの?顔さん、あなたのさきほどの説明すごっくわかりにくかったんだけど、突発的な食品問題が発生したとき、あなた方はいったい具体的にどんな対応、協力をするわけ?(ちまたで話題のニセブランド水ってほんとうかよ)

■オ建平:ニセブランド水のことはオフィシャルネットでも発表しているけれど、目下関係部門が調査している。5月10日の飲料水調査では、飲料水企業141社が生産する162製品中、158製品は合格し、合格率は96・9%だった。だけど、個別の飲料水販売店に問題が存在することは否定できない。だからきちんと調査して、いずれ発表するよ。でも、個別の水販売店がズルしていたとして、それが業界すべての問題とすることはできないよ。ニセ水製造は確かに存在すれば、きちんととりしまるよ。(いちおう5月10日の調査では、に飲料水の合格率は96・9%。これは企業の出荷製品の品質で、販売店がかってに、水道水つめて売っている、ということはあるかもしれないなあ。というよりあるんだけどね。きっちり調べて取り締まってから発表するよ)

■オ:ところで、この機会に、質量監督検査検疫総局のしごとを説明するね。
①食品と食品関連産品の品質と安全を管理し市場流入を許可する制度を完全化する。加工食品にはいわゆるQS標示をはるよ。すでに10万枚の質量安全生産許可証(QS)を発行し、これら許可証取得企業は市場の90%以上を占めるのだ。
②食品安全の専門整理整頓工作を展開するよ。この数年来、零細食品企業の整理を進めてきた。中国には目下44・8万の食品生産加工企業あがり、うち従業員10人以下の零細企業は35・3万企業。全体の78・7%にのぼるんだ。これが発展途上国・中国の現状さ。11次五カ年計画が終わる前に、この零細企業の数は50%に下げたいね。それが、ニセ食品、粗悪食品の抑制につながるはずだ。
(誰も聞いていないけれど、一応準備してきたから、俺たちの仕事を説明するぜ。①QS標示ってやつをちゃんとやっているんだ。すでに10万企業がQS標示を得て、それが市場の90%を占めている。②あと零細食品生産加工企業はこれからどんどんつぶして整理していくから。)


■オ:③食品生産企業に対する全国専門調査を行う。
④食品安全リスクモニタリングを強化する。
⑤違法食品原料加工食品(たとえば靴からつくった牛乳とか)とヤミ食品工場を徹底的に取り締まる。今年5月までに、33万人動員して、2億元分のニセ食品、粗悪食品をとりしまり、180のニセ食品製造ヤミ工場を摘発した。(ヤミ食品取り締まりもがんばりました。33万人動員して、2億元分のニセ食品押収。)

■顔:2つ目の質問には、私が答えましょう。…(またもや、人をケムにまくような難解な説明なので省略)


■AP:顔女史に2つ質問があります。最近、食品薬品監督管理局の官僚2人が死刑判決をうけましたね。外国人から言わせると、死刑は非常に驚くべきことです。どうして中国はこのような判決が必要と考えたのでしょう。これは食品医薬品安全にどのような影響を与えるものでしょうか?二つめの質問は、泰興(パナマのニセシロップ原料製造の工場)と章興(毒ペットフード原料製造工場)に対する懲罰の話をきいてません。どうなっていますか?(鄭筱萸さん死刑って、スケープゴートじゃありませんか?それと海外で食品医薬品事件を起こした企業の処罰問題、どうなっているの?)


■顔:鄭元局長と、元登記局局長の曹文荘の死刑判決(後者は執行猶予付き)のことね。これらは少数の腐敗分子が重大な法規規律違反を犯した事件であり、我々としてははずかしいことです。この問題が暴露されたことで、われわれの仕事にどのような影響が出たか?この事件から、教訓をくみとり、今後の管理監督任務の穴をふさぎ、より監督管理任務をまじめに人民のために行い、人々の飲食医薬品の安全を保証したいと思います。国家食品薬品監督管理局としては、深刻に反省することが、現在そして今後すべきことです。(ちょっと殊勝なこといってみた。鄭元局長の死はムダにしません!)

■2つめの質問については、関係部門がさらに調査して発表する機会があるでしょう。