都市部のチュウゴク人は37~46インチの薄型テレビがお好き。
中国消費者報やポータルサイトの捜狐(sоfu)などが共同で行った薄型テレビに関するアンケート調査で、すでに薄型テレビを購入済みの消費者のうち、55.7%が今後の買い換えについて「外資系の製品を選択する」と回答していたことが分かった。これまで消費者の6割以上が地場系ブランドの製品を選択していたとされるなか、消費者の間で脱・地場の動きが起こりつつある現状が改めて浮き彫りになった形だ。価格の安さなどを背景に市場シェアを伸ばしてきた地場系が、ここにきて急速に外資系に追いつかれたともいえる。急成長の続く市場だけに、日系の関連企業も需要の取り込みを視野に、改めて消費者の動きを追っていく必要はありそうだ。
調査は全国の26省・自治区・直轄市を対象に行われた。有効回答は2,720件で、このうち、7割は北京、天津、上海、広州、深セン、重慶など都市部の消費者だった。有効回答のうち、すでに薄型テレビを購入済みだったのは66.2%。製品別では液晶(LCD)テレビの保有者は76.7%と大多数を占めており、プラズマテレビは23.3%にとどまるなど、プラズマの“劣勢”が改めて見て取れる形となっている。 購入済み製品をサイズ別にみると、37~46インチの製品が全体の53.1%と最多。このほか、32インチの製品が41.3%で続き、50インチ以上の大型は5.8%にとどまった。現在のところは日本とほぼ同様に、中・小型の製品が市場の主流となっていることが分かる。 また、購入の時期については、購入済み消費者のうち54.4%が「過去6カ月以内」と回答。うち過去3カ月以内の購入は12%、1カ月以内の購入は4%、1週間以内は26.4%となっている。調査の性質上、薄型テレビを購入したばかりの消費者による回答が多いことも考えられるが、それを差し引いてもここ最近での購入が急速に増えているのが実情といえそうだ。 ■「購入済み」は地場6割 購入済みの製品を地場系・外資系のブランド別にみると、地場系が61.9%、外資系が38.1%。今年に入ってからは地場系の市場シェア過半数割れもささやかれたが、中国消費者報は「地場系のシェアは、いまだ外資系を大きく上回る」と分析。ほか購入済み製品のうち、上位3ブランドをすべて地場系が占めたとして、現時点での地場系の強さを強調する。 ただ一方で、今後の購入については55.7%が「外資系の製品を選ぶ」と回答しており、地場系を選ぶとの回答は44.3%と、半分以下にとどまった。昨年末頃から一部外資系メーカーが相次ぎ値下げを断行、価格の差が縮まったことなどが背景にあるとみられ、今後は一連の動きを受けた外資系の“盛り返し”にも注目が集まる。 今後の買い換え時期(ブラウン管テレビからの買い換え含む)については、57.4%が今後1年以内の買い換えを検討していると回答、ほか3カ月以内の買い換えを計画中とする回答も31.6%に達した。おう盛な需要を背景に、今後も市場の拡大は持続することが予測される。液晶に押され気味なプラズマ陣営の巻き返しや、波に乗りつつある外資系の戦略など先の読めない要素も多いだけに、約4,000万台規模ともいわれる中国カラーテレビ市場の変動は、今後も薄型テレビを主役に続いていくことが予測されそうだ。【上海・菅原湖】 7月10日8時0分配信 NNA |