北朝鮮の米国貨幣偽造は約55億円。その使用により年間2500万ドル程度の利益
■米議会報告「年30億円を荒稼ぎ」
【ワシントン=古森義久】米国議会調査局は「北朝鮮の米国貨幣偽造」と題する報告書をこのほど作成した。同議会上下両院議員の審議用となる報告書は米国当局の見方として、北朝鮮政府がなお米国の百ドル紙幣の偽造を続け、現在の国外での流通総額は少なくとも4500万ドル(約55億円)相当で、その使用により年間2500万ドル程度の利益を得ていると述べている。 同報告書は米国政府の情報当局や財務省、さらに韓国や日本からの情報をもとに、北朝鮮が年来、国家ぐるみで百ドル紙幣の偽造を続け、外貨不足の穴埋めのほか、大量破壊兵器の技術取得、政府関係者の外国旅行、外国のぜいたく品購入などに充てている、としている。実際の例としては2005年8月に米国司法当局がニュージャージー州とカリフォルニア州で中国系犯罪組織を摘発した際、北朝鮮製の偽造百ドル札400万ドル相当を押収したケースなどがあげられ、イギリス、東欧諸国、ペルー、パラグアイ、モンゴル、香港、エチオピアでの北朝鮮製百ドル偽紙幣の発見が記されている。 同報告書は北朝鮮政府がこの国家ぐるみの紙幣偽造を否定し続け、韓国政府の情報機関も北の政府の偽造工作を認めながらも、「政府の関与は1998年ごろで終わった」という見解を示していることに対し、「米側の情報や判断では98年以降もなお北朝鮮当局が偽造を続けている」と反論している。 7月9日0時5分配信 産経新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070708-00000913-san-int |