日本の隣国である中国もロシアも秘密に変貌しつつあり,日本は油断はできなのです.
ようちゃん、お勧めブログ記事。↓
▼中国の軍拡をどう読むかーーアメリカ政府の考察から(1)
(古森義久氏)
中国の動向で日本にとって気になるのは、毒性物質入り産品も
ともかく、その軍事力の状況です。
中国の軍事力について、最近、かなり長い報告を書きました。
月刊誌のWILL8月号に「米国防総省報告『中国の核』」というタ
イトルで掲載された論文です。
この論文の内容を紹介し、中国考察の一助にしたいと思います。
中国が総合的なパワーを拡張していることは、疑いの余地がない。
中国をきわめて友好的にみる観察者にとっても、中国のパワーが
着実かつ大幅に強大となっているという現実は否定のしようがない
だろう。日本でもひしひしと実感させられる中国の膨張である。
一つの国家のパワーといっても多様である。
経済のパワー、政治や外交のパワー、文化のパワー、そして軍事
パワー・・・・といったなかでも、膨張する国家の周辺諸国にとって
まず気がかりなのは軍事パワーだろう。
軍事力は当然ながら多様なパワーのうちでも他の国を物理的に
破壊できる。実際に使わなくても、使うぞという脅しの武器になる。
しかも強大となる軍事力の実態が秘密のベールにおおわれて、
さっぱりわからないとなると、それだけでも周囲に脅威を生む。
なぜ軍事力を増強するのか、その意図や目的もわからない。
そうなると周辺諸国の懸念はまたいちだんと深刻になる。
中国の軍事力の増強はまさにこうした状況にあるのだといえる。
中国が「軍事力近代化」というスローガンの下、実際にどのように
軍拡を進めているのかは、普通の手段ではわからない。
中国の政治・軍事の体制には日本やアメリカという民主主義国家の
ような透明性がない。
国民が選んだ行政府や立法府の責任者たちが自国の安全保障や
軍事についての政策を明らかにし、国民にその賛否を問う、という
仕組みは存在しない。
国民の意思を反映した基本的な国防策、対外戦略を決め、その
概略を明らかにして、軍の規模や能力を決め、新兵器の開発や購入
もだいたいは事前に公表していく、というメカニズムは中国には
存在しない。
民主主義国の透明な軍事態勢は中国にとってはおよそ無縁なの
である。
共産党が独裁の全権を握る中国では軍隊までが国家よりもまず
共産党に忠誠を尽くす存在である。中央軍事委員会とか人民解放
軍の総参謀部という軍を動かす組織の体系はかなり明確であっても、
実際の政策の形成や戦略の履行は、だれが、いつ、どのように
決めるか、外部からはまったくわからない。すべて秘密にされて
いるのだ。
だから隣国の日本の国民にとっては、文字どおり、ある朝、
起きてみたら、中国の新型核ミサイルが首都の東京の心臓部に
ピタリと狙いをつけて、東北部の大連あたりに配備されていた、
という事態もありうる。
現に中国の中距離ミサイルの一部は明らかに日本の要衝を射程の
範囲内におさめている。
それでもそうした実態は外部からは普通の方法ではうかがい知る
すべもない。
このため中国のような秘密国家の軍事動向は特別な方法で情報を
収集せざるをえなくなってくる。
この種の情報収集をもっとも活発に、もっとも大きな規模で年来、
実行しているのがアメリカである。
そうした情報を集める能力というのも、じつは超大国の要件の一部
だといえるだろう。
アメリカはふだんから中国の内部の軍事動向に対し、はるか上空の
軌道を回る人工衛星で偵察している。
そのほかに大型の偵察機を中国領空への至近距離で飛ばせ、
中国内部の動きを衛星に限らない種々の偵察方法で捕捉する。
国防総省の直属の防衛情報局(DIA)や陸海空三軍の情報収集
機関、さらには中央情報局(CIA)がそのために活動している。
アメリカ政府はそのうえに国家安全保障局(NSA)によって中国のよう
な秘密国家やその他の潜在敵性国家、脅威国家の内部での動向を
追っている。
NSAは諸外国の各種の通信傍受が主要な任務である。
中国に対しての場合でも人民解放軍の総参謀部から各地の軍管区
司令部に発せられた命令類を傍受し、解読する。
無線でも、電話でも、ファックスでも、インターネットでも、アメリカの
国家安全保障にとって意味があるとみなしたあらゆる通信をキャッチ
して、その内容をつかもうとしているのだ。
(つづく)
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▼'14ソチ五輪が意味する ロシア獰猛政策の脅威
(青革の手帖)
http://'14冬季五輪の開催地を選ぶ国際オリンピック委員会(IOC)の総会が4日、グアテマラ市で開かれ、ソチ(ロシア)が開催都市に選ばれた。ロシアでの冬季五輪開催は初めてだという。厳冬の大陸国家ロシアが冬季五輪初だったとは意外だった。しかし、ことはそこでは収まらない。
来年の北京五輪開催で中国共産党がやりたい放題に周辺地域への脅威となっているのは皆さんもご存知のとおりだ。五輪の無事開催を大義名分として、直接的に脅威が及ばない欧米やアフリカ諸国を抱き込み、悪逆非道の限りを尽くしている。これと同じ構図が'14ソチ五輪でも見られそうだ。しかも欧州が主戦場となるだけに欧米白人社会もダマっていそうにない
「欧州之天地ハ複雑怪奇ナル新情勢ニ突入セリ」
上の地図を見て分かるように、ソチ五輪開催でロシアは黒海を内海化する政策を進める可能性がある。そしてキーとなるポイントはボスポラス海峡とトルコ共和国である。現在はモントルー条約の下にあるボスポラス海峡の掌握を巡ってトルコを抱き込むかトルコとやり合うかのどちらかである。これは反ロシアの姿勢をとる欧州諸国や米国の側にも言えることだ。
参考サイト:
└ ボスポラス海峡 -Wikipedia- (ウィキペディア)
└ モントルー条約 -Wikipedia- (ウィキペディア)
そして、私が以前から持論として展開してきたバルカン半島の諸情勢の憂慮すべき事象とも複雑に絡みあう。つまり、'14までコソヴォ独立問題を巡り、セルビア共和国側の勢力が強硬であり続けることを意味している。まるで北京五輪に対する北朝鮮問題のようである。こういう手段を使ってランドパワー(大陸国家)側は勢力を拡張していくのだ。
遅かれ早かれ欧州諸国はこの危険性に気づくであろう。場合によってはコソヴォ独立問題への早期介入というカードさえありうる。私は以前のエントリに「これは塹壕戦に近い」と書いたが、まさしく塹壕戦になりつつある。ありとあらゆる備えをやり合うだろう。そこには五輪開催カードすらあり、「欧州之天地ハ複雑怪奇ナル新情勢ニ突入セリ」と表現できよう。
日本ではオリンピックのことを「平和の祭典」と妄信的に報道、教育がなされているのでかなりの刷り込みが進んでいる。よもや覇権の道具になるとはつゆにも思っていない感がある。これだけでも十分に危機的なのだが、欧州情勢の余波は日本の安全保障にも大きく関わってきそうだ。
もし万一、欧州で“塹壕戦”に拍車がかかれば米国が真っ先に削減するのは在韓米軍と在日米軍である。今の米国外交の腰砕けぶりからすると中国共産党への「台湾割譲」すらありえる。そして、尖閣だけでなく沖縄諸島も危機に瀕する。最近、米国の著名な評論家たちの論調が極度に東アジアに対して冷淡だ。もはや“米国の核の傘”は無きに等しいと思ったほうがいい。これらのことから、日本は欧州情勢の当事者であるとも言える。危機意識を高く持つべきときだということは言うまでもない。
関連エントリ:
└ 戦争震源地の動揺 世界中に飛び火するならココ (2007/03/04) [青革の手帖]
└ 英・リビア蜜月で欧州、中東が大激変 (2007/05/31) [青革の手帖]
└ 欧州動乱 汎スラヴ主義が旧西側分断を工作 (2007/06/10) [青革の手帖]
└ MD配備は汎スラヴ包囲網 欧州大激動の予感 (2007/06/15) [青革の手帖]
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ようちゃんの意見。↓
★昨日のエントリー「ソチでの2014年冬季五輪開催決定により、ロシアはトルコに代わって黒海の盟主となるか?」国際情勢の分析と予測さんの
文章を読み返してください.ロシアのソチは 黒海を挟んでウクライナのヤルタと向かい岸になる地域です.スラブ主義の旧ロシア帝国が復活しそうなのです,バルト海に面した旧首都 ペテルブルグ,日本海に面したウラジソストックに黒海に面したソチです.社会主義の大陸国家から海洋国家に変貌する.資源を輸送するには船が一番安価で大量に輸送できるのです.ソ連は黒海ではセバストポリを拠点に大きな海軍力を有していたが、ソ連崩壊と共に黒海艦隊はウクライナとロシアで折半された。そして、その母港のセバストポリがウクライナ領となったことでロシア黒海艦隊は活動の自由度を低下させ、ロシアの黒海に於ける存在感は大いに低下した。現在の黒海沿岸で最も有力なシーパワーはイスタンブールを支配するトルコであり、それに次ぐのはオデッサとセバストポリ、ヤルタを有するウクライナであると思われる。しかし、近い将来にソチが大規模に開発されロシアの南の玄関口として存在感を示すならば、トルコに代わってロシアが黒海の盟主となる可能性も出てくるだろう。ペテルブルグ、ウラジオストク、ソチの三都市はいずれも海岸に面しており国境に近いという共通点がある。そして、国際的に重要な意義を持つ会議やスポーツ大会を誘致することで都市のインフラ整備を進めると同時に知名度を高めるという意図をロシア政府は持っているのではないかと想像される。