麻生太郎と吉田茂ーおしゃれなジョークがうまい人ですね。
ようちゃん、お勧めブログ記事。↓
▼麻生太郎と吉田茂(中南海の黄昏)
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麻生外相『薔薇少女』終了..
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前回のエントリーに「外相の話、もっと読みたい♪」ときんとー君からコメントをいただいたので、外相・麻生太郎に関するお話をば。
麻生さんの「おじいちゃま」は吉田茂なのですが、麻生さん自身がその「おじいちゃま」のことを綴った『祖父 吉田茂の流儀』に次のようなエピソードが紹介されています。
joke(冗談)
「強いてあげれば、人を食っております」
外交官出身の吉田茂には、国際的に通じる独特のユーモアがあった。ダジャレも多かったが、ウイットに富んだものもたくさん残されている。
ユーモアやジョークは、ぎくしゃくしがちな交渉事には、潤滑油の役目を果たすことがある。戦後、フィリピンの賠償使節団が来日したときは、こう言ったという。
「ご来日を待ちかねておりました。賠償の支払いは、その原因をつくった側にある、とお考えでしょうね」。意外の言葉に相手方はこう答えた。
「その通りです。今度の訪日も日本軍により大きな被害を受けましたので、賠償金の問題で伺ったのです。今の言葉を聞いて実に安心いたしました」
すると、祖父はこう言ったという。
「わが国は神代の昔から、貴国のフィリピン海域から毎年台風をよこされ、甚大な被害を被っております。今被害額を計算させておりますので、できあがり次第、お送りさせていただきます」
相手は「一本取られた」と笑ってくださり、その後の交渉は順調に進んだという。
この話は海外にも伝わり、サンフランシスコ講和会議に出席していた、確かオーストラリアの首脳からも「食うか食われるかの外交交渉のときにそんなユーモアが出るとはたいした政治家だ」と褒めていただいたそうだ。
また終戦直後のまだ国民が焼け野原で飢えと闘っていたころ、祖父はマッカーサーに「四百五十万トンの食糧を緊急輸入しないと国民が餓死してしまう」と訴えた。結局六分の一の七十万トンしか輸入できなかったが、餓死者は出なかった。
マッカーサーが抗議をしてきた。
「ミスター・ヨシダ、私は七十万トンしか渡さなかったが、餓死者は出なかったではないか。日本の統計はいい加減で困る」
祖父は切り返した。
「当然でしょう。もし日本の統計が正確だったら、むちゃな戦争などいたしません。また統計どおりだったら、日本の勝ち戦だったはずです」
さすがのマッカーサーも、腹を抱えて笑い出したという。
吉田流ジョークで一番有名なのは、日米修好通商百年祭に日本の代表として訪米し、外国人記者団に質問されたときの問答だろう。祖父は八十二歳だった。元気な様子を褒められると、こう言った。
「元気そうなのは外見だけです。頭と根性は生まれつきよくないし、口はうまいもの以外受け付けず、耳の方は都合の悪いことは一切聞こえません」
特別の健康法とか、不老長寿の薬でも?という質問には、
「はい、強いてあげれば人を食っております」とすました顔で即答している。
祖父は、晩年、病床にあってもジョークを忘れなかった。私の母が見舞いに行ってからかった。
「パパ、とうとう腰が抜けてしまったのね」
「なーに、腰が抜けたんじゃないよ。やっと腰が据わったんだ」
八十五歳を過ぎたころのことである。私が同じ立場なら、こんな冗談が言えるかどうか、まったく自信がない。
『祖父・吉田茂の流儀
jake(冗談)「強いてあげれば、人を食っております」』
政治家に必要な資質は色々あるのでしょうが、このようなジョークが言えて場を和ますことができることもその一つではないでしょうかね。
今「しょうがなかった」との発言をマスコミにワーワー叩かれている久間さん。この方の公演を1度聴いたことがあるのですが・・・・アメリカのヘリテージ財団での公演だったので普段と違ったということもあるのでしょうが、これがねぇ・・・、原稿棒読みで顔を殆ど上げることなく・・眠たくて眠たくて。
この公演は、今年の5月2日に行われたもので日米2+2会談の翌日に行われたものです。安倍さんの訪米直後で例の慰安婦騒動真っ盛りの頃、この公演で沖縄県の普天間基地移転問題が浮上したきっかけを1994年9月に米兵が12歳の少女をレイプした事件であると述べていたり、個人的見解と断りながらも武器輸出三原則を見直す時期に来ていると述べたり、香港のフェニックスTVの記者の「2+2に台湾への言及がなかったが?」との質問に「我が国に影響があれば周辺事態報で出て行くよ。台湾が独立に走らなければそのような事態とならないんじゃないかな」と答えていたりしております。
The Heritage Foundation「A New Perspective for the Future of the Japan-U.S. Security Relationship」
その公演内容はともかく原稿棒読みでは聞き手に何も伝わってこないのは確かです。それに引き換え麻生太郎という人は・・、
20070320 衆議院本会議 麻生太郎永年在職議員表彰謝辞(ユーチューヴ画像あり,内容は以下にまとめて書いてる)
こんな演説できる政治家はなかなかいないんじゃないですかね。いや~、人間麻生太郎素敵です。
「ライバルは?」との質問に「マスコミかなぁ」なんて答えたする姿勢や孫でもあるということもあってか昔から「おじいちゃま」吉田茂と何かとよく引き合いに出されるようで、先月10日に仙台で行われた外交フォーラム「麻生外務大臣と語る120分」の中でご年配の方から次のような質問、応援が飛びました。
太郎さんのお爺さんである吉田茂さんは60過ぎてから総理になられたので、次回の総裁選にも是非出て欲しいがどうか?
麻生大臣はかなりのカリスマ性を持っておられるが吉田茂のカリスマ性はもっと凄かった。負けないようにもっとがんばってもらいたい。
これに対して麻生さんは次のように答えております。
皆さん、吉田茂という人をどれくらいの人が知っている、見た人がいたか知りませんけれども、昭和21年、戦争が終わって直ぐの頃、私はまだ九州にいるころでしたが、私の親父のお袋ってのがいまして、ばぁさんなんですが。これが16で嫁に来て24で後家、死んだの91ですから、早い話が69年間後家やっていた後家のプロみたいなばぁさんが家にいました。えらい頭のシャンシャンしたばぁさんで、私は親父とお袋というのは東京にいましたので子供の頃会った記憶がないんで、親が家にいないと子供がよく育たんなんて話全然信用しないんで、この程度には育つもんだと、いなくても、僕はそう思っているんですが。
このばぁさんが「おまえ山本さんがね」と言うんですよ。当然、山本五十六海軍大将だと当時思ったね、子供心に。しかし、このばぁさんがしている話はね、山本権兵衛海軍大将の話をしとるわけです。日露戦争の時の海軍次官。のちの内閣総理大臣になった山本権兵衛という海軍大将の話をしている。これ鹿児島出身。うちのばぁさんのぉ鹿児島の知事なんかをしていましたから、そういう関係で東郷さんや山本さんが家に寄っていたらしくて、それで話をしている。
そのとき子供心に「なんちゅう昔の話をしているババァだろう」と思ったね、おらぁ。正直なとこだよ、ね。しかしね、1905年ですよ日露戦争てのは。大東亜戦争が終わったのは1945年だから、45年前の話をしている人を見て「なんちゅうババァだ」と、当時は化石なんて言葉を知らなかったから、そう思ったのが正直なところですよ。
だから今67歳の人(上記の質問をした人)が今時吉田茂の話をしているなんて言うのは、戦争直後に東郷平八郎や山本権兵衛の話をしているのと同じように思われているという自覚がまずなきゃいかん(会場爆笑)。ね、古い、この話は。
蒋介石の孫の蒋孝厳というのが日本に駐日大使で来たときに2人でお互いに「まだ蒋介石だ吉田茂だという奴が多くてかなわねぇな」って2人でよく話をしたものなんですけども。
人間麻生太郎を垣間見せる応答。
そして質問には次のように答えていました。
あの当時の平均寿命が60いってませんから、五十、5、6ぐらいの話ですから、今80になってますんで、まぁこれから先健康というのが続けばというのがひとつ。二つ目は、私みたいな性格を時代が求めるかですよ。所詮ここまでは実力とか努力とかでそこそこ来るの。これから先は運がつくんだって。回り合わせとか巡りあわせとか。そういうもんですって。だからそんなガツガツ焦っても始まらんのであって、きっちり与えられた仕事をお国の為にがんばりたいと思っているということで、おふた方の答えとしたいと思います(会場拍手)。
麻生さんには、安倍政権下でしっかりと外相を留年留任し続けていただいて、その後総理として活躍して欲しいです。『自由と繁栄と弧』の冒頭に次のような一文があります。
日本人という一面尊厳に満ちた刻苦勉励家は、他面で根深い自己不信の虜だったというわけで、これは相当に、分裂した自我でした。裂け目はいつか、修復されねばなりませんでした。でないととかく精神が平衡を失い、左右の振幅を大きくしてしまいます。
『自由と繁栄の弧』
安倍さんが言うところの「戦後レジュームからの脱却」ということでしょうか。外交において現在、この「裂け目」を埋めるべく大活躍されています。現在67歳ですから、4年後?はまだ71歳。麻生総理となって外交内政とともに「裂け目」を埋めるだけでなく今後の日本のあり方を明確に指し示す大仕事に取り組んでもらいたいです。71歳から5年首相を務めたとしても80に届かない。暴れまわって欲しいですね。
今回は麻生さんマンセーエントリーでございました。
6月10日に行われた仙台での外交フォーラムの動画を外務省のサイトで見ることができます。
外務省「外交フォーラム イン 仙台-麻生外務大臣と語る120分-「日本外交の4本柱」」
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