中台情勢、中国有利に変化=北の新型ミサイル注視-防衛白書
ようちゃん、お勧めニュース。↓必読だね。by日本のお姉さん
▼2007/07/06-10:28 中台情勢、中国有利に変化=北の新型ミサイル注視-防衛白書(時事通信)
政府は6日午前の閣議で、2007年版防衛白書を了承した。急速な軍事力近代化を進める中国と台湾の軍事バランスについて、今回初めて「中国側に有利な状態へ向かって変化しつつある」と明記。また、北朝鮮が新たに中型弾道ミサイルの開発を進めており、動向を注視する必要があるとした。白書は中国の軍近代化について「当面の目標は台湾問題」とした上で、「台湾問題への対応を超えるものではないかとの議論が惹起(じゃっき)され、懸念が高まっている」と指摘。中国が公表する国防費は19年連続で2ケタの伸びを示しており、「国防政策や軍事力の透明性向上がますます重要」としている。北朝鮮問題では、昨年10月の核実験によって「核兵器計画をさらに進展させた可能性が十分あり、核兵器の小型化・弾頭化を含め動向を注目する必要がある」と強調。弾道ミサイルについては、固体燃料推進方式の短距離ミサイルも新たに開発していると明記した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ようちゃんお勧め記事。↓
★中国の遠方展開能力に懸念 防衛白書(iza)
小池百合子防衛相は6日の閣議で、平成19年版防衛白書を報告し、了承された。中国による空母保有への強い関心や、近代的戦闘機の急激な増加などの変化を具体的に記述。不透明な形で進められる人民解放軍の近代化が、より遠方への戦力展開能力の確保を目的としていることに警戒を表明しているのが特徴だ。
白書は、今年度の中国の国防予算が対前年度比で17.8%増と19年連続で2ケタの伸び率を示し、日本の防衛関係費を初めて超えたことを明記。中国の軍事力の近代化によって「中国、台湾の軍事バランスは中国側に有利な状態へと向かって変化しつつある」との見解を初めて記し、透明性の確保を求めている。また、中国の軍事力近代化の目標が台湾にとどまず、さらに遠方を目指している可能性に言及している。具体的には、引き続き潜水艦能力の向上を目指していることや、揚陸艦や補給艦の増強を進めていることに言及。可能な限り、遠方海域で敵の作戦を阻止することを目指しているとしている。空母保有への強い関心にも触れた。
航空戦力については、機動性に優れた国産のJ10、
ロシア製SU27など「第4世代型戦闘機」の増強や大型輸送機の
大量導入を通じ、中国本土の防空能力に加え、より前方での制空、
対地・対艦攻撃能力の構築を進めていると指摘した。
さらに、今年1月に中国が実施した人工衛星破壊実験に関し、発射さ
れたミサイルが弾道ミサイルの技術を応用し、人工衛星に衝突させる
終末段階の誘導で高度な技術を使用した可能性を指摘。
その上で、「中国が人工衛星に対する攻撃も軍事作戦の一部として
想定している可能性を示す」と分析している。
昨年7月の北朝鮮による弾道ミサイルの連続発射については、
「射程の異なる弾道ミサイルを一定の範囲に着弾させたと考えられ、
より実戦的な特徴を有している」とし、運用能力が向上していると強調。
射程約6000キロのテポドン2を2段式から3段式にして射程を伸ばす
など、改良を進めているとした。
ただ、北朝鮮の昨年10月の核実験に関しては「日本として独自の
情報を持っているわけではない」(防衛省)という理由から、「実施した
蓋然性が極めて高く、核兵器計画をさらに進展させた可能性が十分
にある」との表現にとどめた。
一方、米軍再編については、先の通常国会で成立した在日米軍再編
特別措置法の実施を通じて着実に進める決意を示した。
また、イージス艦中枢情報持ち出し事件やファイル交換ソフトを通じた
情報流出の多発を受け、秘密保全に関する記述を昨年の半ページから
2ページ半に増やした。
◇
【視点】踏み込んだ情勢分析に政策官庁の自負
今年1月の防衛省発足後初めて発行される平成19年版防衛白書は、
国際情勢分析に関する記述などを充実させた結果、前年版より
50ページ厚みが増えた。
特に、不透明な形で軍拡を進める中国について踏み込んだ記述が
目立つ。
「庁」から「省」への昇格で、内閣府の外局という中途半端に立場から
抜け出し、政策官庁として認知されたことへの自負がにじむようだ。
安倍晋三首相による日中関係の改善に伴い、防衛交流も活発化し
ている。
昨年11月には、中国軍の章沁生総参謀長補佐が将軍クラスとして
2年ぶりに来日。
近く曹剛川国防相の来日や中国艦艇の来航も実現する。
しかし、交流の場で防衛省幹部が頭を抱えるのは、日本では白書を
読めば分かるレベルの武器の保有状況、軍事費の総額などを
中国側が一向に明かさないことだ。
白書は「(中国が)国防政策や軍事力の透明性を向上させていくことが
ますます重要になっている」とするが、昨年版になかった「ますます」と
いう表現に、防衛省のもどかしい思いが込められている。
また、過去1年間の東アジア情勢をめぐる最大の変化は、何といっても
北朝鮮による弾道ミサイル連続発射(昨年7月)と、
核実験(同年10月)の2つだろう。
白書では北朝鮮のミサイル開発、それに対抗するための日米両国で
整備を進めるミサイル防衛(MD)システムに関する記述に紙幅を
割いている。
ただ、核実験への言及は抑制的だ。
米軍情報に依存しているため、書けないことが多いのだとみられるが、
日本にとって北朝鮮の核は目の前にある脅威だ。
このテーマで1項目を立て、北朝鮮の動きや情報収集・分析面での
今後の課題を記述しておくだけの価値はあったはずだ。(加納宏幸)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼日本のシーレーンは大丈夫か ~川村純彦氏講...
[地方が危ない!?「危ない!人権条...]
「フィリピンと台湾の間にはバシー海峡があります。
来年には台湾で総統選が行われるわけですが、もし台湾に親中政権
が出来たらこれは大変ですよ。
南西海域の防衛力が期待できなくなります。
そうなると中国は、海洋資源の確保のため、またアメリカと対峙する
ために必ず東シナ海に出てきます。」
「実は東シナ海のガス田開発というのは、本来事業としてとても
ペイするようなものではないんです。
なのになぜ、中国はあそこで試掘を繰り返したりするのか。
研究会で聞いても誰も理由は答えられなかった。
中国にとっては、日本との中間線というものは最初から頭にありま
せん。」
「彼らは沖縄の沿岸まで中国からの大陸棚が伸びているのだから、
沖縄の沿岸までが中国の権益の範囲だと主張します。
最近になってようやく東シナ海の油田を日中で共同開発しよう、
といってきたものだから『じゃあどこまでを共同開発するのか?』
という話をすると彼らは絶対に乗ってこない。
こういう話はきちんと範囲を決めないと何の意味もないんであって、
彼らの言っている共同開発の範囲というのは、あくまで
日中中間線の日本側よりの海域の話です。」
油田の共同開発をするなら、きちんと中国側のデータを寄越すように
言っても、彼らはなしのつぶてです。
今年9月の期限までに中国側からの(油田に関する)情報が
出てこなければ、彼らには共同開発などやる意思はないのだと
覚悟を決めなければいけない。」
「私はアメリカには南シナ海での失敗を二度と繰り返してもらいたく
ない。
領土領海の問題を二国間のものと放置した結果、南シナ海は
中国の庭のようなものになってしまった。
中国は自らの軍事力を背景に沿岸諸国と交渉をしていたからです。
集団的自衛権の問題が解決すれば、東シナ海において日米の
共同による哨戒が可能になる。」
「シーレーンは日本にとっても重要です。
このシーレーンの安全を守るためには、沿岸のたとえば
日本・インド・オーストラリア・フィリピン・ベトナム・インドネシア・
台湾などの海洋国家同士、シーレーンをお互いの公共道として
互いに守っていくルール作りが重要になります。」
「中国は第1列島線として、2005年までにここからこっちは
敵が攻めてきても守れる、という事を目標に海軍の強化を
行っています。これは大体達成できたのではないかと言われている。
次に2020年をめどに、第2列島線として太平洋に防衛ラインを
構築しようとしている。
ちなみにロシアから、大連で航空母艦を買ったそうですね。
次にそれに載せる艦載機を150機、調達しようとしているところです。」
冷戦時代に作られたバックファイヤーという爆撃機があります。
これはマッハ2のスピードで飛来して目標を爆撃をして飛び去る
ことが出来る、シーレーンにとっては長年の脅威でした。
実際にイラン・イラク戦争ではシーレーンでの艦船の航行が
止まっています。
こういった脅威に対して、自衛隊の取れるオプションはいくつか
ありますが、まずはじめに検討されたのが船団を組んでそれを
自衛隊が護衛する形で日本まで守る、という方法でした。
しかしこの方法だと、いくら大きく出来てもせいぜい50隻ほどの
船団を、それを2週間かけて護衛しなければならない。
これでは日本が必要最小限とする量の物資だって守れるかどうか
怪しいものです。」
「今後はシーレーンを守るためには洋上における防空能力を確保しな
ければならない。
そのためには例えばフィリピンに協力してもらって基地を貸してもらう
とか、いろいろな方法を検討しなければいけない。」
「3年ほど前、ロシアと中国での合同の軍事訓練がありました。
そのとき中国は先ほどのバックファイヤー爆撃機を20機ほどロシア
から借りています。
もしロシアでは冷戦の終結で用済みとなったはずのこの爆撃機を
中国が手に入れたらどうなるか。
間違いなくくシーレーンにとっては新しい脅威となります。」
「私は自衛隊を退官して10年以上になります。
今回お話した話は全て公開されている情報を元に独自に分析した
話で、機密事項のようなものは含まれていません。
それでも、このぐらいの判断は可能です。」
・・・・・・以後、質疑応答を行って集会は終わりました。
付け加えておくと、質疑応答も非常に中身の濃い質問が出て会場は
盛り上がっていたようです。
私も、普段マスコミでは絶対に聞けないような話ばかりで、やはり
こういったものは直に聞いておいてよかった、と思わせる内容の
講演でした。
補足 第一列島線・第二列島線・・・中国の海洋戦略を近海・外洋の
2つに分けて作戦海域を考えた概念。
第一列島線は千島列島を起点に日本から台湾、フィリピン、
スラウェシ島、ジャワ島、スマトラ島、にいたる。
第二列島線は、伊豆諸島を起点に小笠原諸島、グアム・サイパン、
パプアニューギニア、オーストラリア西海岸に至る。