「週刊ダイヤモンド」(7月7日号)を見て、驚いた ! | 日本のお姉さん

「週刊ダイヤモンド」(7月7日号)を見て、驚いた !

ようちゃん、お勧め記事。↓

評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳」
「週刊ダイヤモンド」(7月7日号)を見て、驚いた !
毎週連載(「マネー経済の歩き方」というシリーズ・タイトルです)を

書いていることもあり、「週刊ダイヤモンド」は、毎週読む。

週末に、7月7日号が(特集は「一冊まるまる営業入門」)届いたので、

いつもの手順に従って、巻頭コラムを一読し、次に、自分が今週号に

何を書いたかを、チェックした。そして、驚いた。
 
詳しくは、雑誌を手に取ってお読みいただきたいが、辻広雅文氏

(前週刊ダイヤモンド編集長)が書いた「モノづくり信仰の桎梏」と

いうタイトルの巻頭コラムは、文末の結論に「モノづくり信仰の

桎梏が、金融立国への道を塞いでいる」とあるように、それ自体と

しては、大いに賛成できる部分を含んだコラムである。
しかし、ここに至る文中に、「日本は戦後六〇年間で、GDPに

匹敵する対外資産五〇〇兆円を積み上げ、資産大国になった。

運用能力を一%上げれば、経済成長率を一%押し上げるのと

同じ効果をもたらす宝の山だ」という文章を見つけた。

この後には、「欧米の投資銀行は低金利の資金を調達、先端技術

を生かしリスクマネーに転換、高利回りで運用し、多大な国富を

もたらす。彼我の能力格差は、何故か」と続き、金融を虚業と思い、

マネーゲームを嫌悪する、日本の雰囲気が、人材育成(金融の

最先端実務を学んだ人材だそうです)の障害になってきたことを、説く。


上記の後半は、まあ、いいとして、問題は前半だ。

「運用能力を一%上げれば」(しかも、五〇〇兆円に対して!)とは、

何とも気楽に言ってくれるものだ(笑)。

同じ号の、私が書いたコラムには、次のような文章がある。

自分で書いたものでもあるので、少し長めに引用しよう。

同じ雑誌の七一ページにあり、今回のタイトルは

「『相場はカネ持ちが勝つ』は本当だろうか?」だ。

大きなお金の例として、日本の公的年金の運用について述べている

部分の続きだ。
 
<引用はじめ>======================
分かりやすく馬鹿馬鹿しい例は、預貯金中心に運用されている、

一千五百兆円の家計の金融資産の運用利回りが一%上がれば、

経済効果は素晴らしい、という議論だ。


初年度から、年間一五兆円、現在のGDPの約三%の付加価値が

新たに必要で、このハードルは毎年高くなる。

国民が預貯金を株式に乗り換えただけでは、生産は急に

増えないし、

企業の利益を株主間で薄めて取り合うだけだ。


公的年金の運用で少々心配しているのは、日本の公的年金も、

外国の政府が時々やるように、ヘッジファンドや投資ファンドなどに

資金を預けて、積極的に運用すべきだ、という、運用業者が聞い

たら、舌なめずりしそうな話が、真面目な会話の中でも出るらしい

ことだ(幸い筆者の関係先ではない)。


この種のファンド運用のリターンの源泉は、資産価格形成の歪みや、

各種のリストラクチャリングなどであるから、目の付け所がいい

運用コンセプトでも、儲けの種はそう大きくはない筈だ。


日本の公的年金が乗り出した場合、おそらくは

「最後の買い手」として、先行者達に絶好の利食いの機会を

提供することだろう。

利用されるのは、もうたくさんだ。
=======================<引用終わり>

運用元本の、一千五〇〇兆円と五〇〇兆円の違いはあるが、

私が「分かりやすく馬鹿馬鹿しい」と言っているのは、デカイお金で

簡単にうまい話があると考えることの愚かさだから、辻広さんの

文章と、拙文が、同じ雑誌に載っているというのは、かなり

面白いことだ。
 より直接的に供給されるリスクマネーが増えると、経済も成長する

かも知れないが、それにしても、運用方法を変えるだけで、GDPの

一%とったリターンが湧いて出てくるという話には、ちょっと無理が

あるのではないだろうか。


しかし、この種の話は少なくないし(今国会でも、出ているようだ)、

運用業者は、日本の公的なお金を顧客(カモ)にしたいと思っている

から、熱心に吹き込みもするのだが、日本の年金資金が「最後の

買い手」になって、ヘッジファンドその他の踏み台になる、

という話は、いかにもありそうに思う。


また、日本の運用資金の管理者(年金基金など)は、金融の

「先端技術」というような言葉に弱く、「先端」を評価する自分が、

そのことを以て先端」に近づいたような錯覚に陥るらしいのだが、

自分にセールスが及んでいること自体が、その技術の既に

「先端」ではないことの何よりの証拠であることを見落としてしまう

(それに、もちろん「先端」だからといって、現実に儲かるわけでは

ないし)。


丁度、写真の下手なアマチュアカメラマンが最新鋭の高級カメラを

ありがたがるように、金融センスのない顧客(大カモ)ほど、

「最先端の金融技術」を有り難がるものなのだ・・・。
 
尚、辻広雅文氏は、私にとっては、同郷・同年生の古くからの

友人であり、同時に、彼は、真面目な現役のジャーナリストでも

ある。私が、この程度のことをブログに書いて、立腹するような

人物ではないが、彼と私の友情を長続きさせるためには、皆様が、

今週の「週刊ダイヤモンド」をたくさん買って下さると、

ありがたい! と申し上げておく

(辻広氏は、ダイヤモンド社の営業担当の役員でもある)。
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ようちゃんの意見。↓

★コメントが勉強になる

タクシーを利用できない。

成田エクスプレスなどの特急電車は、朝の時間帯は、通勤電車と同じ

路線を共用するので、東京駅駅まで通常より長時間かかる。


*海外主要都市では、空港から市内のホテルまで、道路が渋滞して

もタクシーで1時間程度で到着できると。


2.東京など大都市では、商業施設間の競争が激烈である。

山手線の主要駅ごとにデパートが乱立しているのに、新築ビルの

下層階に商業テナントが相次いで開店し、小売店間の競争が激化

している。これは、日本独自の現象である。


*海外の大都市の主要デパートは、NYではサックス。

フィフス・アベニューなど、ロンドンではハロッズなど数店に限られる。

また、ロンドンなどでは人口減少や天候不順でも、小売売上高は

好調であると。
3.一流ホテルの宿泊費と朝食。

東京では、ホテルが1泊3万円程度、朝食は「吉野家」や

「なか卯」で食べれば300-400円で食べられる。

日本では、採算を度外視した小売店とメーカー間の過当競争が、

デフレが続く理由である
*NYなどの一流ホテルは企業割引を利用しても1泊5万円程度で

あり、ホテルの朝食はコンチネンタルでも¥4,000-5,000する

と。また、ロンドンの地下鉄の初乗り料金は4ポンド=約¥1、000

もすると。(週刊エコノミスト6月26日号、菊池正俊氏の記事より)
種芋 (空海望)

2007-07-02 06:06:54

今年、私は種芋無しで ジャガイモをバケツ一杯 収穫した。

普通は 種芋があって そこで農作技術と労働を投入して 収穫と

言うことになる。種芋を供給できなければ労働意欲も技術も農場も

と言った財産が運用できずに 収穫は得られない。


この種芋を食べても手元に残っている裕福な人が 

種芋を持たない人に 融通する。


こういう基本構造を持っていないマネーゲームは金融を破壊して

しまう。バブル期の銀行はこの基本を無視してた。

一個のジャガイモは半年足らずで十倍以上にもなるが
その影には、労働、農地、技術、そして季節と言った条件がある。

その条件の後押しが金融。

その影を生かそうと言う姿勢が消えた?

その知識を捨てた運用業者は詐欺でしかないのではと思うのですが

金融のこと知らない者としてはいつも、楽しく読ませて戴いています。
日本の金融機関は本当に駄目なのか? (ケビン67)

2007-07-02 13:48:02

週刊ダイヤモンド、読みました。

辻広さんのコラムで、私が引っかかったのは、

「日本の金融機関の運用能力は極めて低い」の部分です。

確かに、多くの人は、漠然とそう思っているのは事実だと思います。

◆もし本当なら
金融機関の運用能力を高める対策が講じられるべきでしょう。

ただし、現実的にどのくらいの利回りが期待できるのかについても、

しっかりとした議論が必要だと思います。

◆もしウソなら
根拠のない期待を打ち消すために、しっかり「そうではない」と

宣伝されるべきと思います。
「日本の金融機関は優秀だ」と言っても、あまり説得力はないように

思われますが・・・。

野口悠紀雄先生も週刊ダイヤモンドのコラムで、最近の円安に

絡んで、辻広さんと同様の主張をされているようです。

本には、金融工学面での人材が足りない、から海外金融

機関には勝てない、と主張されています。)






Unknown (山崎元)

2007-07-02 14:53:18

ケビン67さま

内外の運用力格差論の背景には、海外金融機関の(営業的)ビジネス

能力による稼ぎを、運用能力によるものと、勘違いされている可能性

がありますね。

例えば、米国のミューチュアル・ファンド運用業界には高度な

金融教育を受けた人がたくさん居るはずですが、アクティブファンド

の運用力はベンチマークと較べる場合、平均して、「ベンチマーク

から手数料を差し引いた程度」、つまり、リターンに換算するとほぼ

ゼロです。

他方、投資銀行のデリバティブだの証券化だのを利用したビジネス

は、いい客を見つけて来て上手に売るから高収益です。

しかし、これは、金融ノウハウだけで狭義のマーケットに立ち向かって

得られた収入ではありません。

やっぱり、何か勘違いがありそうですねェ・・。


キャリートレード (fda)

2007-07-02 22:58:04

「欧米の投資銀行は低金利の資金を調達、先端技術を生かし

リスクマネーに転換、高利回りで運用し、多大な国富をもたらす。

」に関連して、低利の日本でお金を借りて、海外で運用する


「キャリートレード」が行われている、
海外で株価が急落すると、「巻き戻し」が起こって円高になる、と

言った話を聞いたことがあります。


この「キャリートレード」のうまみは何処にあるのでしょうか?
為替リスクを考えると金利の差によるリターンの期待値はほぼ0に

なるはずだと思うので、円で借りて、例えば米$で運用しようが、

米$で借りて米$で運用しようが同じ事だと思うのですが、低利の

円で資金調達すると何か良いことがあるのでしょうか? 

それとも円だと気前よく貸してくれるのでしょうか。







Unknown (hiro)

2007-07-02 23:02:30

山崎 さん

>我が身を振り返ると、個々の銘柄の株価は幾らが正しいのか、指

数についても幾らなのか、意見は言えても、自信など持てません。


お互いに分からないどうしが市場で取引して・・・

また、別エントリー(保険法改正に望むこと)にて下記のようなレスを

頂いております。

>過去のデータも勿論大切なのですが、理屈の上でどうなのか?

という思考がもっと大切な場合があると思いますし、・・・

そして、以前、山崎さんは個人の資産運用として、個人向け

国債と(インデックス投資に替わる)分散された個別株ポート

フォリオを推奨されていたことを記憶しております。

国債については、経済の成長である実質金利を目的とするもの

でしょうから合理的ですが、株のポートフォリオの優位性に

ついては、過去のデータに支持されるように思えますが、

どうなんでしょうか?

個別株ポートフォリオにしろ、高金利外貨にしろ、「理屈」のうえ

では自国実質金利と無差別なら、投資の拠り所としては過去の

実績に求めることになるように思われます。

立派な理屈のひとつである「効率的市場仮説」を実績に基づいて

否定される一方、為替については「購買力平価」という理屈もあり

ながらも、必ずしも過去の実績で支持されるとはいえない「金利

平価」という理屈には過大な評価を与えているように思えます。




質問です (覚醒)

2007-07-02 23:10:07

山崎さま

米国の企業年金や公務員年金では、年金基金とか言う組織で

海外投資を含めて投資運用をしていますが、その利益の源泉は、

「企業の利益を株主間で薄めて取り合うだけのものであったり、

資産価格形成の歪みや、各種のリストラクチャリングなどから

得るものである。」であり、米国GDPを増やしているものでは

ないのでしょうか。

日本の資産を例えば利率の高い海外債券投資(株にすると

フラクチュエーションがあるので債券にします)を行なった場合は

どう考えればよろしいのでしょうか。(為替リスクの話が出ると

思いますが、米国債として実質4%として10年で、概算40%の利子

を得たとする時、為替が40%円高になるとは到底思えないと判断

したとします。)



Unknown (山崎元)

2007-07-02 23:28:42

>fdaさま

為替ディーリングの経験でもあれば、当然、fdaさんの仰るように

考えると思います。

キャリートレード自体は、低金利通貨で借りて、高金利通貨で運用

して、結果オーライを狙う一種の投機に過ぎません。

>hiroさん

「株のポートフォリオの優位性については、過去のデータに支持される

ように思えます」という部分ですが、私について仰っているのだとする

と、誤解です。過去のリターンが高かったから、株は良い、などと、

阿呆なことを、私は言わないはずです(たとえ、酔っぱらっても・・・)。

現状について敢えて言えば、リスクはあるけれども、期待リターンが

リスクフリー金利よりもかなり高いと思えるような水準に株価と

企業の状態があると、私は判断しています。

株を買っても悪くない、と進めるのは、それが理由です。

昔から、過去のことは、あまり考えておりません。

また、個別株ポートフォリオは、投資のリスクを取っていますから、

「『理屈』の上で自国の実質金利と無差別」とは言えません

。証券市場線上で取引可能ですが、効用の判断としては、

当然、別のものです。

想像で、物事を決めつけずに、もう少しご自分で考えてみて下さい。

また、「理屈」と名の付くものが、全て同程度に立派とか有効とかで

はないので、その点もよく考えて下さい。

購買力平価と、金利も含めた合理的な期待形成は、理屈として、

超長期で、両立するとは思いますが、その現実的な有効性は、

前提条件によって、いろいろでしょう。

どっちも、「理屈」の身分だから、同じくらい有効な筈、などという

ことはありません。

尚、為替市場には、単純な合理的期待形成では片付かない、

累積経常収支分のポジションのリスク(プラス又はマイナスの

プレミアムを持っていておかしくない)の問題があります。

この点については、私は、かつて「ファンドマネジメント」(きんざい)

という本で、自説を述べているので、ご興味があれば、

立ち読みしてみて下さい。

http://blog.goo.ne.jp/yamazaki_hajime/m/200707

日本は特殊である (snowbees)

2007-07-02 13:24:39

1.成田空港の不便さ。空港から都心まで、道路が渋滞するので、