首都圏産科崩壊 分娩予約の「キャンセル待ち」 | 日本のお姉さん

首都圏産科崩壊 分娩予約の「キャンセル待ち」

ようちゃん、お勧め記事。↓

▼首都圏産科崩壊 分娩予約の「キャンセル待ち」=「流産待ち」が通って「ラッキー!」他人の不幸に思い及ばないのはシアワセなのか@朝日新聞千葉版(天漢日乗)
わたしは、この嬉しそうな顔写真入りで「産科のキャンセル待ちが通った!」と喜んでいる女性について、詳しいことは知らない。しかし、顔出ししてるからには、顔出しできるレベルの有名人なんだろうね?この女性は、千葉で妊娠六ヶ月、来年まで分娩予約ができないと聞いていたが、「キャンセル待ち」が通ったと喜んでいるのだ。

産科のキャンセル待ちが通るというのは分娩予約をしていた妊婦さんが誰か流産したということではないのか?もし、その産科の予約をキャンセルした妊婦さんが流産したのでなく他の病院でのキャンセル待ちが通ったから転院したのであっても、結局は誰かが流産したから、「分娩予約」枠が一つ空いたということだろう。千葉~東京東部のお産事情は、かなり厳しくなっている。

(追記 12:10)
shy1221先生からトラックバックを頂いたのだが分娩予約が取れないので、複数かけるという場合もあるが、かなり厳しいらしい。
少なくとも流産による「分娩予約」キャンセルの可能性がある以上、こうした明らかに配慮を欠く文章を公にすること自体、朝日新聞千葉支局には問題がある。不妊治療や習慣性流産の経歴がある妊婦さんが、本来は妊娠継続が確実になってから、「分娩予約」をしたい、と思っていても、かなり早期に「分娩予約」を入れないといけない現状では、ひょっとしたらまた流産してしまうかも知れないけどと不安を抱きつつも、妊娠継続が確実とは言えない早期の段階で「分娩予約」を入れざるを得ないのだ。産科崩壊が招いた悲劇なのだが、気の重い「分娩予約」と更に悲しい「分娩予約のキャンセル」があることを、妊婦年齢の上がっている首都圏の報道機関は認識し、こうした話題を伝える際には、もっとセンシティブにならないとダメだろう。(追記おわり)
このように首都圏の産科崩壊は妊婦同士が「他人の流産をあてにする」ほどの惨状を呈しているのだ。一つ(多胎なら複数)の命が消えることで、他の妊婦さんのお産が可能になるというのは、不幸としか言いようがない。

問題の記事。BAY VOICE 来年まで生めない?困る~!2007年06月30日

私は現在妊娠6カ月。初めての妊娠生活を、毎日新鮮な気持ちで過ごしています。最近は胎動も感じ、日々大きくなっていくおなかを見ては、自分自身の身体に秘めていた力に驚いています。そして妊娠して初めて分かったことが、たくさんあります。その一つ、覚悟はしていたものの、やはり痛い出費。最近、出産育児一時金が35万円になったのは本当にありがたい。しかし、保険の利かない健診や赤ちゃんを迎えるためにそろえる物など、トータルで考えるとまだまだ足りないんです。足りないと言えば、産婦人科医の数。総合病院ではなく、産院で探したのですが、産婦人科と掲げている病院も分娩(ぶんべん)はやってませんという所が多く、やっと見つけた産院の受付窓口には「来年1月までの出産予約は受け付け終了しました」との張り紙が……。えぇ~!来年まで!! それは困る。ダメ元で問い合わせてみると、「たった今、キャンセルが出ました」との答えが。「ラッキー!!」と心の中で大きくガッツポーズ。なんだか教習所の予約を思い出しちゃいました。産婦人科医が減っているとは聞いていましたが、ここまでとは。産みたくても産める場所がないなんて困ります。少子化対策、この点もどうにかしてほしいなと、つくづく実感した出来事でした。(以下略)そうですか。流産待ちと教習所の予約待ちは同じレベルですか。シアワセですね。無事ご安産の暁には、あなたのお産を可能にしてくれた、失われた小さい命に感謝し、流産を悲しんでいる女性を思いやっていただきたいものです。
続き。朝日新聞千葉版で連載を持っているこの女性はbay fmの人気DJらしい。
しかし、朝日もこんなエッセイを載せるんですね。はっきり言って千葉支局のデスクの怠慢だと思う。このエッセイは、どう考えても公にするに値する内容ではない。むしろ、表だっては言えないけどねと、決して公にならないように配慮しなければならないレベルだ。もし、これがある程度の有名人の発言として外たら、普通は批判にさらされる。殊に、現在妊娠中の女性の書いたものなのだから、原稿を依頼した側は、こうした話題の扱いに、細心の配慮を必要とするのだ。もし、掲載された原稿が元で、トラブルが起きても、いったん外に出てしまった原稿を取り戻すことは出来ないからだ。

このエッセイを読んで流産して、「分娩予約」をキャンセルせざるを得なかった全国の女性達は大いに傷ついてると思う。流産は、母体に、肉体面でも精神面でも大きな傷を残す。新しい家族を迎えることを楽しみにしていた、女性の家族もがっかりしていだろう。その中には、不妊治療でやっと授かった赤ちゃんを流産してしまったカップルだって、いるかも知れないのだ。そういう小さい命を図らずも失ってしまって、悲しみに暮れている女性達やその家族への配慮を著しく欠いたシアワセの絶頂にいる人間にありがちな「他人を傷つけても気がつかない」残酷さが、今回のエッセイに出てしまっているのだ。普通ならボツにすべき原稿である。恐らく、この女性の「キャンセル待ち」を通したのは同じ千葉県内で流産した女性だろうね。そうした悲劇が「キャンセル待ちを通した」ことを想像できず、本来ボツにすべき、決して署名・顔写真入りで公表できない類のエッセイを全国から見られるweb上に掲載したのは、報道のプロである千葉支局の失態だ。千葉のお産はしんどいところに来ている。それなのに、足下の産科崩壊に気がつかないほどのボケっぷりなのだから、今後千葉のお産難民なんて、記事出稿するんじゃねえぞ、朝日新聞千葉支局。

(追記 12:00)
今見たら、該当記事が消されていた。そもそも掲載すべきでなかったエッセイを、いったん掲載してから消すのは、情けないですね、朝日新聞千葉支局。地元で起こっている産科崩壊についての認識が甘いから、こんなことになるのだ。(追記おわり)

(天漢日乗) さんのブログはこちらです。

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