東京大気汚染訴訟は全面解決
東京都内のぜんそく患者らが国や都、自動車メーカー七社などを訴えている東京大気汚染訴訟は、東京高裁が和解案を示し、原告、被告の双方がこれを受け入れた。
「解決金は七社で五億円」としていたメーカー側には、和解案の十二億円は二倍を超えており、検討を要しただろう。一審で賠償責任を免れたことなどから、解決金そのものの支払いに消極的意見もあった。
だが、大気汚染の原因の一つが自動車排ガスであることは和解勧告の際にも明示された。環境問題の重要性への認識が高まり、案を拒否しては企業イメージが傷つく。各社の業績はおおむね好調に推移、支払えない額ではなく、受諾の決断は評価できる。和解を機に、さらに環境に配慮した車づくりを進めてほしい。
より厳しい選択だったのは患者側だろう。解決金を単純に頭割りすると一人二百万円程度で、医療費の一部を自己負担し、訴訟費用を工面してきた患者には「とても補償にならない」というのが実情という。
それでも受け入れたのは医療費助成制度の創設と道路公害対策が和解条件に盛り込まれたからだ。東京の患者は少なくとも二十万人といい、制度は「都内に一年以上住んでいる十八歳以上」が対象となる。原告以外の患者にも救済の道が開かれることとなり、その効果は大きい。
ただ、埼玉や千葉などの首都圏や近畿、中部圏など自動車排ガスの影響が大きい地域では未救済者は少なくない。国はこの訴訟だけではなく、ぜんそく患者全体のための救済の仕組みを構築する必要がある。
公害対策の場合、交差点の改良・立体化やバイパス整備などは予算と時間がかかる。すぐにも可能なのは、主にディーゼル車から排出されている微小な粒子状物質対策だ。
現行の環境基準は粒径十ミクロン以下(PM10)だが、米国は十年前から粒径二・五ミクロン以下(PM2・5)とし、欧州連合も昨年、この基準導入を決めた。この訴訟で国はPM2・5の専門的検討を表明したが、遅いくらいだ。
ディーゼル車対策は都が国よりも先行するが、大気の環境対策という性質上、一自治体が強化したところですぐに効果が上がらない。国は早急に厳しい基準を導入すべきだ。私たちも一人ひとりの問題として環境対策に向き合う時期にきている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007070402029416.html
ディーゼル車から排出されている微小な粒子状物質対策をしないと、
喘息患者にはキツイ。東京は、都内にディーゼル車が入るのを嫌がって
規制しているようだが、すばらしいことだと思う。
体に悪いことが分かっているのに、何もしないのは人間としておかしいと
思う。喘息は、なった者しか分からないが、息ができなくて苦しくて
気分もブルーになるアレルギーの症状なんだ。気管が常に荒れている
ので、ちょっとしたアレルゲンや刺激がきても、気道が敏感に反応して
腫れてくる。それで気道がふさがってしまう。ひどい場合は死んで
しまうこともある。だから、普段から気管が荒れないように、ステロイドを
吸って、腫れを抑えておかないといけない。テレサ・テンは喘息で
亡くなったが、ちゃんと治療をしていなかったそうだ。喘息持ちの
人は、気管支拡張剤を持ち歩いていないといけない。
その薬剤も、何度も吸うと効かなくなるので、本当にひどい時だけ
使うようにしないといけない。空気のきれいな場所にいけば治ると
いうことは、大気汚染でやられているということでしょう。
チュウゴクからの黄砂には、チュウゴクの大気汚染物質が含まれて
いるので、喘息患者は症状が悪化する元になるらしい。
以前、わたしの会社にいた人の家は道路沿いにあった。
高速道路の高架ができて、高架周辺の家は、移動のための保証金を
もらって、家を建て直したが、高速道路ができてから道路沿いの家の
人々が軒並み喘息になったそうだ。同じ会社の人の娘さんもひどい
喘息になって、苦しんでいた。立派な新しい家よりも、喘息じゃない方
が良かったんじゃないか。ディーゼル車から排出されている微小な
粒子状物質は、肺に入ったらそのまま排出されずに肺にたまるそうだ。
タバコの害やチュウゴクから飛んでくる重金属類などの汚染物質よりも
ディーゼル車から出てくる粒子状物質の方が恐いと思うんですけど。
日本人のほとんどは都会に住んでいるから、せめて都会には
ディーゼル車を入れないようにするというのは、理にかなっていると
思うけどな。