再考グローバリズム~日本の選択肢(2)日経=必読!= | 日本のお姉さん

再考グローバリズム~日本の選択肢(2)日経=必読!=

ようちゃん、お勧めブログ記事。↓
▼「規模の力」の前にひざまずくだけなのか(水野 博泰 )
巨大な変動サイクルに突入したグローバル経済。

「規模の力」が既成の枠組みと常識を次々に壊していく。

本気で「革新」を起こさなければ、日本はただ沈みゆくのみ──。

総合コンサルティング会社アクセンチュアにおける世界全地域の

業務を統括するスティーブ・J・ロールダーCOO(最高執行責任者)に、

今、世界で何が起きているのかを聞いた。

(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=水野 博泰)


NBO 世界各地を飛び回りながら、どんな変化を体感していますか。

ロールダー 我々が日々見ている変化は、もっと大きな変動サイクル

の一部に過ぎないと思います。

この変動サイクルは4~5年前から始まりました。  

最初は、コスト効率を追求する大企業によるアウトソーシングや事業

の整理統合、合理化という形で始まりました。

そして次の段階として、効率向上によって生まれた余裕資源が

グローバルな拡張戦略に再投資されているのです。

そうした動きは、4~5年前に北米の消費者製品企業から始まり、

その後西欧へ広がり、今まさに日本に到達したところです。


例えば西欧では、欧州連合(EU)が銀行、エネルギー、公益事業など

にかかわる中央統制を一部解除したことなどによって、

M&A(合併・買収)が活発化しています。

また、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国では新興の中産

階級を獲得しようとして現地の企業が拡張路線に走っています。

これはインドや中国で顕著に見られる現象で、ブラジルやロシアでも

出現しつつあります。


「先進国の多国籍企業」と「新興国の現地企業」が激突先進国の

多国籍企業と新興国の現地企業による拡張路線が同時に起こる

現象は、過去にあまり例がありません。


これは多国籍企業にとっては大きなプレッシャーとなり、トレンドの

加速要因になっています。

戦略的なスピードと柔軟さを持たない企業は新しい市場から締め出さ

れてしまうからです。

NBO FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の問題もありま

す。金融や資源、エネルギーなどを含めて経済と政治の結びつきが

非常に複雑に、かつ、ある部分ではかなり密になってきています。

ロールダー 確かに政治が決定を左右し、その国に企業が進出する

時期にも影響を及ぼします。

例えばインドが公開市場政策を取って自由競争貿易を認めれば、

その地域に消費者製品会社が進出するのは自然な流れです。

中国には知的財産権やガバナンスの問題でまだ食い込むことが

難しい産業があります。

ブラジルはかなり開放されていますが、ロシアはまだ政治的検討課

題を明確にしようとしているところです。

BRICs諸国のうち、すべての産業にわたって企業が進出できるよう

積極政策を取っているのはブラジルとインドで、その次が中国です。

ロシアについては、ほとんどの企業は様子見の状態です。

 ここ2~3年、投資という視点で見ると確かに中国向けが多い。

しかし、投資する側の企業が中国に集中する戦略を徹底しない限り、

投資に対するリターンは非常に小さくなる恐れがあります。

中国は成熟するまでにまだまだ時間がかかる市場です。


「規模の力」がグローバル・スタンダードになる

NBO しかも、そうした急成長市場が先進諸国にとって“聞き分け”の

いいものだとは限らない。


例えば中国では、米マイクロソフトの製品を退けてリナックスを

使う、

しかも紅旗リナックスという国産ソフトを作ってしまった。


インターネット検索にしても、中国でシェアを獲得しているのは

米グーグルではなく、国産の百度(バイドゥ)ですしね。

ロールダー その通りです。

企業がグローバリゼーションにかかわる決定を下す時には、「政治

的な影響」「社会経済面への影響」、そしてもちろん「事業戦略的な

影響」の3つを計算に入れます。

ところが、新興国の一部では、どのような政策を実施すると企業投資

を奨励するのか、あるいは阻害するのかについて明確な方針や

判断基準が定まっていない。

いまだにこの問題と葛藤しているというのが実情です。

無防備にもなるし、排他的にもなり得る。

NBO ビジネスの流儀も製品やサービスも含めて、「アメリカン・スタン

ダード=グローバル・スタンダード」という図式が拒絶される局面が

出てきました。

ロールダー 私も同意見です。

一般化して“先進国”という言葉を使いますが、過去には先進国が

グローバル・スタンダードを定めていました。

一部は日本から、一部は英国から、一部は米国からスタンダードが

出現しました。

しかし、5年もするとグローバル・スタンダードは「規模の経済」を持って

いる国や地域から生み出されるようになると思います。

中国には10億人の消費者がいる、インドには15億人の消費者がいる。

“チャイニーズ・スタンダード”や“インディアン・スタンダード”は、

即、グローバル・スタンダードになり得る規模の力を持ちます。

それが5年後の現実だと思います。

 その結果として起こり得るのは保護主義の反動です。

米国やドイツ、フランスが、「ここで考案されたものでないから、その

スタンダードは使用しない」と言い出すかもしれない。


先進国で保護主義が台頭するのは必至
NBO 製品やサービスの仕様の決定権が欧米から新興国に移るかも

しれないということですね。

ロールダー ええ。規模の経済を持つ国がスタンダードを定義するよう

になれば、市場へのインパクトは極めて大きい。グローバルな力の

バランスが崩れるからです。

NBO 先進国は新興国に対して自由貿易を求めながら、回りま

わって保護主義に走ることになりかねない。

ロールダー 自国の産業基盤を守るために各国がどこまでやるかは

まだ見通せませんが、今後5~10年の間に明確な政策が出てくる

でしょう。

当然、日本は米国をはじめとする経済大国と同じ立場にあります。

グローバル企業は、こうしたトレンドにどのように対応するかという判断

を遅かれ早かれ迫られることになります。 既に動きはあります。


国境を超えた巨大M&Aは一番分かりやすい現象です。

産業や企業によってアプローチは異なりますが、根底にあるのは規模

の経済を確立してこれまでは事業を展開していなかった国々の市場を

とらえることです。

NBO しかも、多国間ではなく2国間でFTAやEPAが結ばれ、

国家レベルの陣取り合戦が始まっています。

ロールダー 私はFTAの専門家ではありませんが、それぞれの国に

はそれぞれの発展への課題があります。

例えば、中国とインドが結んだ2国間協定は、中国がインドにインフラ

ストラクチャーの専門技術を持ち込み、インドが中国に教育分野の

専門技術を提供するものです。

巨大な新興国同士が手を結んで相互補完する動きの一端です。

中国はサハラ砂漠以南のアフリカとの関係作りを急いでいます。

これは明らかに天然資源を確保するためです。

中国は自国の天然資源の需要が今後も拡大することを知っています。

それは成長のための重要な要素であり、天然資源へのアクセスを

失えば成長を減速させるという危機感を抱いています。

それ故、中国は複数の国と1対1の協定を結んで緊密な協力関係

築こうとしているのです。

こうした動きが日本や欧米先進国との関係に影響を及ぼすことは

間違いないでしょう

世界経済のサイクルが下降局面に入った時、保護主義があっという

に台頭してくるでしょう。


本当の革新を生み出せるか──それが生き残りの条件

NBO かなり遠い未来を見ながら、非常に短いサイクルで決断を重ねて

いかなければなりませんね。

ロールダー ええ。グローバル経済の多極的な環境において勝者と

なれるのは、「戦略的柔軟性」を備える企業だけです。


今、戦略のサイクルが5年から3年に短縮しています。

近いうちに12カ月にまで短くなるでしょう。

旧世界では、自国の境界線の中にいても成功することができました。

しかし、新世界の新しいリーダーたちは、ますます複雑になる

グローバル経済の中で政治、経済、社会の情勢、景気動向などを

敏感に感じ取り、戦略的柔軟性を持つことに全精力を注いできます。

日本のリーダーは、そういう相手と戦うことになります。

NBO 日本にそんなスーパーな経営リーダーがどれほどいるで

しょうか…。

ロールダー 少数ですが、確かにいると思いますよ。

NBO 日本が今後も成長を続けていくためのポイントは何だと考え

ますか。

ロールダー 成長持続のカギは、絶え間ない革新です。

技術の革新であれ、業務の革新であれ、市場が進む方向性を敏感

に察知することであれ、それがあらゆる企業の成功を決定します。

日本でも、米国でも、中国でも、インドでも、条件は全く同じなのです。

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ようちゃんの意見。↓
★NHKの7時半からの「クローズアップ現代」では今日本が希少金属

の輸入困難事態が起きて困窮してる問題を取り上げていた.


日本のモノつくりの現場では,価格の高騰以上に,購入不可能が

起きてると言うショッキングな話から始まっていた:


.“レアメタル”ショック~激化する資源争奪戦~いま、レアメタルを手に

出来ないハイテク王国ニッポンの未来が危ぶまれている。


レアメタルの価格が高騰しているのだ。

液晶テレビの表面に透明電極膜を作るのに必要なインジウムは

この5年間で高いときには10倍以上に。

また、自動車部品や精密機械の加工に使う超硬工具の主原料

タングステンは4倍以上に跳ね上がった。


貴重で、埋蔵地に偏りがあるレアメタルをめぐり、世界規模での

争奪戦が激化している。


危機感を募らせた資源エネルギー庁は去年秋からレアメタルの安定

確保に向けた議論を開始。


国家プロジェクトとして地球規模での探鉱開発、国内のリサイクル

実験や代替材料の開発を行っていく方針を固めつつある。


商社の中には、これまで依存してきた中国から手を引き、新たな

産出国を開拓しようと乗り出した企業も現れ始めている。

多国間競争の中で苦戦を強いられている日本。

その現状と課題はリサイクル事業の立ち遅れや,レアメタル金属の

国家として備蓄する問題や中国による強引な割り込みで民間レベル

での交渉も鉱山開発など長期プロジエクト開発では限界がある事と,

長期多国間の開発プロジェクトには民間資金での出資者の

集まりが少なくて途中で,中国の国家プロジェクトに対抗

できない.


海外の低開発国での現地鉱山などの地域の開発が遅れて治安が

悪い処での開発企業は,ロシアの民間企業と自称してても殆ど

私兵と言う武装警備隊が必要である事など,

一民間企業での投資事業は危ぶまれて,投資家が逃げるのは止む

を得ない事情が大半だと言う報道には納得できたが,

軍事力無き,資源開発は,辺境地域での,盗賊団の掃討は必要悪の

面もある.


日本はこれからモノつくりの国家としての存続面でも,国家の

後押しが必要で,

勝手気ままに国益も考えない外務省任せの大型経済支援の

ODAの中国優先政策は大間違いで日本の首を締める事を肝に:

命じて直ちに中止するべきです!!