北朝鮮は米中韓、みんなのオンナ。
石油リッチ(の筈の)イランで「石油よこせ」の暴動
あのイランが石油輸入国に転落している
石油スタンドが襲撃され、テヘラン市内だけでも十箇所のガソリンスタンドが破壊された。
フィナンシャルタイムズ(6月28日付け)によれば、イラン議会が石油の「配給制度」を、突如、導入した(26日)からで、理由は「米国の脅威に対処するため」。
秘密宗教警察の存在で、滅多に抗議行動をとらなかったイランの民衆が、ついに怒りを爆発させた。
個人のクルマには、毎月100リットル、営業タクシーには450リットルという配給制。原因は、石油不足ではなく、精油所の老朽化による生産の落ち込み、その分を緊急に輸入していたからだ。逆ざやが発生し、昨年の石油輸入が49億ドルにのぼっていた(FT紙)。
じつはアハマデネジャッド大統領、国民の人気がないのは当然としても、反米一色で、世界世論に抗して原子力発電の開発を進めていることにも国内で批判が強い。
いつか、小誌でもイランが石油輸入国に転落する予測を展開したが、これほど事態が急速に悪化しているとは想像も出来ないことだった。
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(読者の声1)『月刊日本』7月号の佐藤優氏の「五・一五事件から学ぶべきこと」に注目しました。その劈頭に三上卓の ”昭和維新の歌” の全詞が挙げられています。
その一部を下記に引きます。
1番
汨羅の渕に波騒ぎ
巫山の雲は乱れ飛ぶ
混濁の世に我れ立てば
義憤に燃えて血潮湧く
3番
ああ人栄え国亡ぶ
盲たる民世に踊る
治乱興亡夢に似て
世は一局の碁なりけり
9番
功名何ぞ夢の跡
消えざるものはただ誠
人生意気に感じては
成否を誰かあげつらう
1番のような志士は今はいません。
しかし3番に描かれたポピュリズムは華やかで、盲の国民を踊らせ、政治は人気取りのゲーム化しています。
佐藤氏は2・26事件との相違を指摘する中で、「私は五・一五事件は基本的に社会が主体となって国家と社会を改造しようとした運動と考えています。これに対して二・二六事件は基本的に国家官僚である軍人が引き起した国家改造運動かつ権力闘争です。
予め、誤解がないように強調しておきますが、私は二・二六事件において北一輝先生は主導的役割を果たしていないと考えています。 二・二六事件で刑死した北一輝先生と西田税先生は国家の外側にいた人です。・
北先生についてはロマン主義的革命家だという誤った見方があります。・・・ しかしこの見方は根本的に誤っています。 革命とは伝統の断絶です。これに対して右翼思想とは伝統の護持、復古の精神のことなのです。・・・ わが国体の本質は、革命がないことです。
真の改革は、復古、維新によってのみ可能なのです。」 と述べ、 引用した後半部分は大川周明が祖述したことだと、検察が行った大川への審問調書を引きます。
「日本歴史の過程に於いて君民の間に介在して一体の実を妨げるものが現れた場合は晩かれ早かれ其の介在者を掃蕩して国家本来の面目に復帰せしめずば止まぬのであります。それ故に我国に於ける真個の改造は常に復古であり維新であります。・・・ 然るに、明治維新以後年を経るに従い、土地大名に代わる黄金大名が再び君民一体の実を妨げる阻隔者となりました。 君民一体の国家に於いて「君」は明治維新によって空前無比に其の神聖なる尊厳が確立されたに拘わらず、「民」は今や黄金の圧迫に呻吟する様になりました。・・・ 従って第二の維新が必要になり、其の維新は明治維新と相俟ち相補うものであります。 」
佐藤氏はテロには反対だと中庸を得たポジションに立とうとしています。
言論人としては、ちょっとでもテロを肯定してしまったら、暴力的極右と断定されてしまい、左はもちろん中道右派からも相手にされず、雑誌編集部や出版社から寄稿・出版の声は掛からなくなり、講演依頼も限られた筋だけになってしまうでしょう。
しかし 上の”昭和維新の歌” の9番にあるように、誠のために功名を求めず、成果を問わず事をなす高貴な日本人の系譜があることを佐藤氏は見落とすか、捨象しています。
これを掬い上げ言及したら、暴力極右とされてしまうと怖れているのでしょうか。 日本文明は、民族の運命に感応する者に、しばしば自らの運命を裁つ宿命を担わせてきました。 大津皇子、大塩平八郎、 吉田松陰、西郷隆盛、神風連、乃木希典、ニ・二六の将校達、そして三島由紀夫・・・。 こういう系譜を佐藤氏はどうみているのでしょうか。 佐藤氏は、次のように文章を結びます。
「五・一五事件の三上卓先生は、ゆくゆくは海軍提督まで嘱望されていた人物でした。血盟団事件の四元義隆先生も官僚になっていれば大蔵事務次官になったであろう逸材です。大川周明先生も東京帝国大学に転出すれば法学部長ぐらいにはなった器だった人です。そういう人達が自らのキャリアを捨てて、思い詰めて決起したのが75年前の事件だったのです。」
余儀ない成り行きで外交官キャリアから離れた佐藤氏は、言論・思想界にエマージングな存在として躍り出ました。
果たして同氏はどこまで駆け上がり、その地歩を広げ、思想と影響力を深化させ得るか、 興味深いところです。
(山猿)
(宮崎正弘のコメント) さて、五一五事件前夜より情況がひどいのが中国です。
売春宿に少女を売り飛ばし、拐かしてきた14歳の少年ら千名が奴隷として売られていた山西省の炭坑。毒入り風邪薬。ダルフール。一億のホームレス。農地のない農民が都会に溢れている。
なぜ、中国人民解放軍にクーデタをおこす気概のある軍人がいないのか!
この一事をもっても、かの軍人どもの精神的堕落は自明です。
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(1)「在日中国人のアルバイト事情」(『週刊朝日』、7月6日号、発売中)
(2)「中国のネクスト・イレブン囲い込み」(『サピオ』7月11日号、発売中)
(3)「ナイジェリアと中国の面妖な関係」(『月刊日本』、7月号、発売中)
(4)「知的財産権なんか、知らないよ」(『WILL』8月号、発売中)
(5)「李登輝訪日の意味するもの」(『北国新聞』コラム「北風抄」、6月18日号)
(6)「情報戦争連戦連敗の日本」(『ムック 慰安婦南京の真実』、オークラ出版、発売中)
(7)「グリーンスパン発言と株価急落の真相」(『自由』八月号、7月10日発売)
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(読者の声2) いつも危険を顧みず冒険家みたいな支那取材活動に奔走している宮崎さんの身の危険、並びに、害食・害飲・害艶(此れは関係ないとは思いますが)による健康被害は読者の皆が案じているところですが、今回は何の疑念を持つ必要もなく、安心して楽しく美味しく飲食できる「台湾国」。
ところで、貴著『中国から日本企業は撤退せよ』は大変なロングセラ-ですね。
「此れ、売れているのか、それとも毎月置き場所を買えているのか?」と馴染の店員に尋ねました。「一寸まって下さい」と言って入荷書を調べていましたが、「今月の入荷書です」との返事をくれました。
と云うことは、発売以来、毎月売れ続けている、という事に成ります。
こんな田舎にも宮崎先生のフアンが増えてきているのだ、と喜びを感じると同時に、田舎でも支那に対する理解度が深まってきている事には爽快感を持って感じ入っています。
どうも反感を持って手にした前著の『中国よ、“反日”有難う!』が布石と成っているようです。
タイトルの効用は大きいもの、と感じ入っています。
(TK生、佐賀)
(宮崎正弘のコメント) いろいろと各地で、拙著の売れ行きを案じて、我が事のように書店に行っていただいているファンの皆さん、こころより御礼を申し上げます。
都内の大きな書店でも順調に部数を伸ばしている店があるようです。
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(読者の声3) 反日勢力が煩く、反論するな!米国様の言う通りにしろ!黙れ!などなど…まあ、逆に言うと日本国民からこういう反論が出たので、想定外であったので自分達のシナリオ通りになるように恫喝しているというわけですね。
だから必死ですね。
それにしても反日極左連中ってご都合主義者ですね。
昭和天皇のお言葉という、極左富田家から発掘されたという偽造捏造「富田メモ」を振りかざして先帝陛下の気持ちにそむくのか!といった古賀誠なる国賊の恫喝もまさに反日勢力の片棒担ぎをしてましたね。
(ちなみに富田元長官の息子夫婦は成田闘争で、その息子(富田長官の孫)は沖縄で、活動家として反日運動に勤しんでいるとか)
ところでここにそういう圧力をかけようとする櫻田某と同じ馬鹿者が見つかったので紹介します。 あるブログ(博士の独り言)での書きこみです。
引用;反発覚悟で書きますが、保守層はしばらく沈黙するしかないと思う。心苦しいが、臥薪嘗胆。事態は、官房長官が述べたとおり「他国の議会」での話である。良いメッセージだと思う。
つまり「日本側の論理」が全く通用しない世界での事態であること。
論点が、日本で考えられていることと全く違っている。ということを述べています。
「事実の追究」でなく「人権問題」なのだから、「人権問題」という「病状」に合わせて効果的な対処をしないといけない。
病気の治療と同じ。
病名を特定し、どのタイミングでどういう薬を投与し、どういう状態にすべきかを冷静に判断して対処しないといけない。
いくら心臓の働きを強める「特効薬」でも、それは心臓が弱っている患者に使う薬であって高血圧とかの病気に罹っている患者に使用すると、血圧が上昇して一気に病状が悪化、そのまま死に至ってしまう可能性が大である。
まずは血圧を下げるという対症療法で「病状を安定させる」ことが大事。今の病状では、いきなり根治・完治という結果を求めることは到底出来ない。それをやろうとしたら死ぬ。死んでしまえば元も子もない。
「病状を安定させる」ということはつまり法案を成立させない、ということである。根治・完治は、その後目指すことである。
成立され日にゃ、ヤツらは今後世界中でフルに利用しまくるでしょう。日本側の説得力は、米粒ほどに小さくなってしまうことは確実。今は「河野談話否定・修正」など、絶対やってはいけない=絶対に使用してはならない劇薬である。よく効く薬なのだが、今の患者の病状には全く適応しない薬である。
アメリカの議会の「図式」は・・・
・日本側の主張--聞く耳持たない
・慰安婦の主張--聞いてあげる
つまり日本での状況と間逆なのだから、日本が本音を主張すると「全て相手の得点」になる。相手は、こっちのリアクション待ちなのですよ。こっちが本音を出すのを待っている。どんなに挑発されても冷静に対処し、本音でなく、良い効果を上げる「アメリカ議会が望むリアクション」を取らなければならない。
それが唯一、日本側の得点になるゴールマウスなのであって、日本側の論理・主張をいくらやっても、全部相手の得点になるゴールに向かって蹴っていることになる。
アメリカ議会側が用意している「成立しないで済む、日本側に求めている態度・アピール」というのがあるのだから、今はそれに則ってそれを積極的にアピールするしかない。そういう態度を主張すれば、成立させようがなくなるのだから。成立させようがない状況をこちらが作らなければならない。
今の保守層は、特アの連中の「思うツボ」にハマっている危険な状況。根治・完治は、その後目指せばいいのです。長いタームで勝利を目指すしかありません。
精神論では勝てないのが現実。そして、負けたら取り戻せないことも現実。敗者に語る資格なし、その苦渋をまた味わけにはいかない。勝つ選択を取らなければ、特アの連中の思うツボです。(引用終わり)
正論も散見されますが、やはりどうもこの方の貫いているものは米に反論するな! 河野談話の撤回はすべきで無い! すれば必ず逆にばっさり米に切られる! という反日勢力お得意の論法で必死に反論封じに躍起になっているような様が浮かびます。
あるいは某カルト集団の如く、「何何したら罰が当る!」とか「脱会したら地獄に落ちる!」的な書きこみに思えて仕方ないのです。
そういう反日勢力が必死に米国に反論するな! 米国との同盟に影響かあるとか、必死になって反論を展開しているが、もともと米国に反対対立してきて反米を貫くはずの朝日新聞を含め反日勢力が一転、米国の肩を持ち、一斉に日本に物言うな、黙れ!とは片腹痛い話ですね。
全く矛盾した物言いであり、これで反日勢力の心底が見えてしまいましたね。絶対米国に反論と主張は絶対すべきだと思います。
勿論戦うなどと言う事は絶対やっては行けないが、主張は絶対すべきですね。欧米では沈黙=金ではなく、主張=正論なのです。反日勢力の妄言に騙されないように! と願っています。
(YT生、新潟)
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(1)「在日中国人のアルバイト事情」(『週刊朝日』、7月6日号、発売中)
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(7)「グリーンスパン発言と株価急落の真相」(『自由』八月号、7月10日発売)
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(読者の声4)「アメリカと北朝鮮との間にだけあって日本にはない」関係”
と題した一文が元記者氏のHPに書き込まれています。
禁転載となっていないので、掻い摘んで以下に記します。
2月13日に北朝鮮の核兵器放棄に向けた「初期段階の措置」で六カ国協議
が合意に達し共同文書が採択された段階で、はっきりしてきたアメリカと
北朝鮮との特別な関係について是非報告しておかねばならないと思う。
現在、日本が拉致問題をめぐる対立によって世界の国々の中で唯一敵対的
な関係にある北朝鮮とアメリカとの間にだけ存在する関係を、きちんと捉えて
おかねばならない。
アメリカが「テロ国家との直接対話には応じない」とのブッシュ政権発足
以来の立場をあっさり変え、1月16日から3日間、ベルリンで行われた
北朝鮮との直接会談で、2月の再開六者協議での共同文書合意の原型
となる実質的な取引をまとめ、その内容をメモにした覚書まで作っていた
という事実である。
アメリカは、はっきりと対北朝鮮政策を転換したのである。
イラク戦争の泥沼化による2006年の中間選挙での敗北後、ブッシュ政権
内でネオコン勢力が力を失い、ライス国務長官の主導権の下で、核実検や
ミサイル発射は不問にして、とにかく北朝鮮の核開発に歯止めをかけること
を優先する現実主義路線が実行に移されたというわけである。
ヒル次官補がその立役者であった。
ほとんど知られていない北朝鮮とアメリカとの関係について、報告しておく
ことが大切だと思う。表面的な激しい対立にもかかわらず、そして時系列的
に言えば、ブッシュ政権が北朝鮮をイラク、イランともに「悪の枢軸」と決め
つけた後でも、両国間には水面下で、日本には無い接触、つまり独自の
民間レベルでの友好的な関係を維持して来ているという現実である。
それが2003年以来、平壌にある北朝鮮を代表する理工系大学、
金策工業綜合大学とシラキュース大学との間で続けられているシステム・
アシュアランスというIT技術の基礎研修プロジェクトである。
建前上は、両大学間の「双務的研究協力」と銘打たれている。
しかし、それは建前上のことで、実際はシラキュース側が金策側に
IT基礎技術を教え込む研修の実施である。 すでに中国その他での実績を
持つ「地域研究者、指導者セミナー」(RSLS)の一部として、資金も人も
投入して行っている教育プログラムである。
このプロジェクトに対して資金を提供しているのが、週刊誌「タイム」の創刊
で成功した、故ヘンリー・ルースが残した七億ドルの遺産をもとに、アジア
各国でさまざまな教育支援事業を展開している「ヘンリー・ルース財団」で
ある。その仲介役としては、朝鮮戦争直後に韓国とアメリカとの友好親善
団体として設立された、ニューヨークに本部があるコリア・ソサエティー。
連絡役には、ニューヨークの北朝鮮国連代表部も加わっている。
シラキュース大学キャンパスで研修を受ける金策工業総合大学側の関係者
には、米国務省からビザが出ている。
最初の研修は、2003年4月、つまりブッシュ大統領がその年の年頭教書
で北朝鮮、イランとともに「悪の枢軸」のひとつに上げたイラク攻撃に踏み
切った同じころ、シラキュース大学キャンパス内で、はるばるピョンヤン
からやってきた金策工業総合大学の6人を迎えて行われた。
アメリカ国務省から正式にビザを得ていた彼らは、三週間も滞在、ナイヤ
ガラの滝観光やウオール・ストリートのニューヨーク証券取引所見学など
の接待も受けた。
2004年は「両国間の政治関係の悪化」の影響を受け、中断され、以後、
経費節約と金策工業総合大学側の参加者を増やせる利点もあって北京での
開催に切り替えたという。
昨年8月といえば、北朝鮮が7月にミサイルの連続発射を強行した直後で、
アメリカや日本との緊張状態がピークに達していた時期である。
日本では制裁論などが声高に叫ばれていた。
その時に、北京では、北朝鮮のエリート学者がアメリカ人教授からIT英語の
研修を受けていたわけである。
インターネットがまだ接続していない金策工業総合大学側との連絡はニュー
ヨークの北朝鮮国連代表部が受け持っている。韓国からも政府、民間の
双方から資金が提供されており、北京の研修には中国のRSLS経験者も
参加している。
要するに、アメリカ、北朝鮮、韓国の三者一体、さらに中国も陰に陽に加わっ
た立派な民間交流が粛々と進行しているということである。
2006年には、1947年創立のコンピューター機械協会(ACM)が主催する
国際カレッジプログラムコンテストへの北朝鮮のチームの参加が、これら
関係国、団体の協力で実現した。
現在、コリア・ソサエテーの幹部は、アメリカのフルブライト留学制度の対象
に北朝鮮の学者も加えるべきだとの運動を展開しており、すでに韓国フル
ブライト委員会は全面的に賛成しているという。
こうした「アメリカだけにあって日本にはない関係」、あるいは「日本だけになく
てアメリカ、韓国、中国にはある関係」は、今際限なく広がっていく形勢である。
1994年に故金日成主席との間で、核凍結での「枠組み合意」をまとめ上げた実績を持つ民主党がアメリカ議会で多数派の地位に返り咲いた中で、この動きはますます加速する気配である。
拉致問題という日朝間のトゲを取り去るためにも、しっかりと目も向いておかねば
ならない動きである。そしてその底には、日本とアメリカとの間の、朝鮮戦争3年
間の敵対関係と、35年間にわたる朝鮮半島植民地化の傷跡との違いに始まる歴史
的、構造的な“すれ違い”―という根源的な課題が横たわっている。
掻い摘んだ概略は以上です。
最近あるTV番組が、1970年代米国がイランの核技術者をMITに招いて
核技術を供与していた事実を詳細にリポートしていました。
あれは米国がイランと友好関係にあった時代、誼を通じた事柄でした。
しかしこの元記者氏の指摘している米国と北の民間交流は、国際政治関係
という上流で冷たい荒波が立っているのに、その下層で静かに密かに継続
しているのです。
民主主義国の米サイドに純然たる民間団体はあっても、強権独裁政権の北
に ”民間団体”がある訳はなく、金正日の知らない承認しない国際交流は
あり得ません。
この米北間の民間交流は、米政府が北の研究者に入国ビザを与える形で
はっきり支援されています。
こういう二枚舌に近い対北政策を米国政府がとっている事実を日本国民は
しっかりと抑えるべきでしょう。
米国に頼らず、日本は自助のスピリットで北に果敢に迫らないと、彼の地
に拉致された我々の同胞たちをいつまでも奪還できないことを思い知るべき
でしょう。
そうしないと拉致被害者は永遠に日本の地を踏めないのです。
日本人はアメリカの国益になっても日本の国益にならないことがあると思い
知るべきです。 その最もクリティカルなものが対北政策の違いです。
日本がこのエッセンシャルな重大な国益に拘わる部分で、米に遠慮・譲歩し
ていてはどうしようもありません。
拉致被害者奪還では、口では勇ましいことを云っても、仏を作って魂を入れ
ない見せ掛けの組織を作って、被害者家族・支援者を懐柔・慰撫し、お茶を
濁している現政権はそれだけで評価に値しないと思います。
(HN生、神奈川)
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