参院選挙前の 政治家の興味ある発言を産経の記者がブログで書いたこと,
ようちゃん、お勧め。↓
▼政局・興味深い政治家の発言を拾ってみました (阿比留瑠比)
参院選の投開票日まであと一カ月ちょっととあって、政治家から
政局・政争がらみの発言が相次いでいます。
もっとも、そうした話ばかりマスコミが聞きだそうとしている部分がある
のも本当ですが。そこで本日は、この3日間で、私が面白いな、
興味深いなと思った発言をいくつか拾い集めてみました。
新聞やテレビで既報の話もありますが、現在の永田町の雰囲気が
伝わるのではないかと考えました。
まずは安倍晋三首相からです。
これはこの前の日曜日(24日)のNHK番組での発言ですが、
私はこれを聞いていて「ああ、やっぱりあのときの朝日新聞の記事
が、安倍氏には相当、腹に据えかねたのだろうな」と改めて
思いました。
そりゃ「折れた首相」などと大見出しで、破れ傘か何かのように書
かれればなあ…。
安倍首相 「ある大新聞が、『首相、公務員制度改革断念』とこう
一面に大きく出した。なぜ、こんな大きな間違いをこの新聞は犯した
か。それは、公務員制度なんて絶対に変えられない、変えるべきで
ない、と思っている役所の人たちに取材をしているからなんですね。
そして私はこの問題、必ず解決をしなければいけないと考えている。
この私の強い意志を、全く知らなかったことによって、こういう間
違えになった。
私はこの国会において、この公務員制度改革を必ずやり遂げなけ
ればならない。この勢いを1回失ったら、抵抗が強いですから、
もう今後はなかなか難しい状況になってしまう。
そういう状況をつくろうと虎視眈々と狙っている勢力がたくさんいま
すから、われわれは何としてもこの公務員制度改革をやっていきたい」
この朝日の「誤報」については、私は6月6日のエントリに書いていま
すが、確かに理解に苦しむものでした。
率直に言って、また「弱い首相」という印象操作を試みているのかな
とも思ったのですが、安倍氏自身は「抵抗勢力側からの取材に
影響された」との解釈を述べていますね。
朝日について名指しもしていませんし、抑制的なようにも感じました。
で、次は同じNHK番組での民主党の小沢一郎代表の発言です。
司会者に誘い水を向けられてのことですが、政界再編に言及して
いたのに関心を覚えました。
確かに、民主党が参院選で勝ったとしても、衆院側は与党が圧倒的
議席を持ったままですから、何か仕掛けないといたずらに政治が
停滞するだけですね。
小沢氏 「衆院は自民党が(議席を)持っているので、総理は
自民党ですよね。しかし、現実に参院が過半数ないと政権運営が
できませんから、そうすると自民党内でもどうするんだ、こうするんだ
という議論になるし、我々の方でもどうしよう、こうしようという議論
になるので、当然、いろいろな政治のいろんな問題が出てくると思う」
民主党の保守派が割れて新党結成でもし、与党と連立を組むような
ことになれば、面白いのですけどね。
現在の自民党は、たびたび公明党路線に引きずられ、中途半端な政
策を強いられていますが、ここに新たなファクターが加わればどうなるか。
自民党・新党VS公明党というような構図を何よりいやがる公明党への
牽制にもなるでしょうし、そして将来的には…。
さて、昨日の自民党の中川秀直幹事長の記者会見での発言に移り
ます。年金問題での逆風をもろに受けている現状への危機感がにじん
でいます。また、国民に対し、必死で「安易に野党に投票しないで」と
呼びかけているようですね。
中川氏 「総理はいいが社保庁幹部や職員はいやだから、
野党に(票を)入れるという気持ちはわからなくはないが、そういうこと
は結果的に、大局的につながるところは小沢総理を待望することに
なりかねない。
逆にいえば、霞が関や社保庁は抵抗勢力が息を吹き返すことになる
んですよ、と。
改革のスピードが落ちて停滞の時代、公務員の時代に戻るんです
よ、と」
この人は、もう少し明るい口調で話せばいいのにとよく思います。
ぼそぼそとうつむきがちに、小さな声で何か言っても、有権者にいい
印象は与えないだろうにと。
そして、最近、政権を批判を強めて、自分ひとりが偉いかのような
発言を繰り返している舛添要一参院政審会長は同日、CSテレビで
以下のように放言していました。
自分の発言ぶりに、批判があることは承知しいたようですね。
舛添氏 「私が乱暴な発言ができるのも、全国比例で160万票
もらったからだ。自民党の票は一票も入っていない。
100万票以下の人は党のいうことを聞かなければならないが。
非拘束名簿方式がなければ私は参院選に出ていない。
安倍人事のツケが今出ている。
自分のために汗流した人しか採用しない、反主流派を入れないから、
弱い政権になった。松岡利勝農水相の自殺がなければ、これほど
支持率は下がらなかった。挙党一致内閣を作るべきだ」
いや、どうして100万票が基準なのか明確ではありませんが、
舛添氏は今回は100万票は取れないでしょうから、そしたら初めて
党の言うことを聞くということでしょうか。
今だって党の参院幹部なんですけどね。それと、私は以前から不思議
に思っているのですが、どうして内閣に首相と考え方の違う人を入れ
たら政権が強くなるのでしょうか。
よく、中曽根元首相が田中派の後藤田正晴氏を「女房役」の官房長官
に起用した成功例が指摘されますが、あれは田中派がとても強かった
からではなかったのかと。
一方、最近は政界のご意見番的雰囲気を帯びてきた森喜朗元首相
は昨日、講演で内閣支持率が低下しても自民党の結束は大丈夫だと
語りました。そうあってほしいと思いますが、実際はどうでしょうか。
上の舛添氏もそうですが、加藤紘一氏なんかも「今こそリベラル
勢力の結集を!」と、昔の夢よもう一度と呼びかけていますし。
まあ、森氏はそうした人たちを牽制する目的もあってこう話したのかも
しれませんね。
森氏 「(内閣支持率が低下しても)自民党の方は泰然自若、不動の
心境でいればいい。そんなことで右往左往する必要はない。
そういう意味では安倍さんという若い指導者に政権の運営をまか
せた。年上連中は残っている。
山崎拓、加藤紘一、高村正彦にしたっていっぱいいる。
そういうヒトを飛び越えて総理になった。腹の中ではコノヤローと思って
いるが、表面的に安倍さんを引きずり降ろそうということは絶対に自
民党はしない。
あえて延長しても、きちんとしたことをやっていこうというのは安倍さん
なりの相当の決意だと思う」
「腹の中ではコノヤロー」という部分が笑えるのですが、本当に
そうなのでしょうね。
会社でも何でもそうでしょうが、若くして年上の部下を持ち、使いこなす
というのは難しいことでしょう。
そうでなくても政界は嫉妬の海とも言われるのに。
でも、ここで安倍氏を下手に政局的に倒そうとすると、自民党自体が
崩壊してしまうという危機感を持っているベテランと、そうではない人と
両方いそうです。
ここからは本日の閣議後の記者会見での各大臣の様子です。
伊吹文明文部科学相は、教育再生関連3法案の成立についての
質問に、いつものように飄々と答えていました。
私が注目したのは、文科省の官僚や教育委員会などが、組合
(この場合は日教組と全教)とうまくやる人がやり手とされてきたのだ
ということが、伊吹氏の言葉から伝わってくる点です。なるほどね。
伊吹氏 「行政の独断、大臣の独断でものを変えるような独裁国家
じゃないので。
法整備はしなくちゃいけないけど、法整備だけでうまく動かないです
からね。
文科省の人達の感性も磨いてもらわないといけないし、学校現場の
意識を変えてもらいたい。
社保庁の問題もそうだが、組合となれ合って上手く動かしていくと
いうのがやり手で上手い人という意識は、変えないといけない」
次は、国会を延長したものの、審議日程がなかなか決まらない
公務員制度改革関連法案に関する、渡辺喜美行政改革担当相
の登場です。なんだかカッカしている様子が分かります。こ
の人は、この法案の行方次第では、衆参同日選もありえると述べて
います。気合が入っています。
渡辺氏 「もし(公務員制度改革関連法案が)審議未了、廃案と
いうことになると、現状が固定化されるということだ。
仕事をせず、責任をとらないで渡り鳥を繰り返す社保庁長官などに
象徴される役人天国が、そのまま温存されるということになる事態
だけは回避しなければならない。
役人天国が続いて一番喜ぶのは誰か。
それは既得権益を持っている人たちだ。
野党も天下り根絶を主張しているわけだ。
ところが野党がやっていることは、結果的に天下り温存。
仕事をせずに給料をもらうだけの役人を放置してしまうということだ。
そしてキャリア、ノンキャリアという身分制度に基づく古いシステム
がそのまま残ることに手を貸すことになると思う。
いずれにしても抵抗勢力、隠れた抵抗勢力が野党と結託をして法案を
廃案にしようとしていると疑われかねない状況だと思う」
この官僚や与党内(?)の抵抗勢力が野党と結託しているという構図
の見立ては、安倍首相とも共通しているようですね。
公務員制度改革は今回限りの話ではなくて、この法案は第一弾という位
置付けなので、最初から躓きたくないという思いがほとばしっていますね。
最後は、気の早い人が「次はこの人」と言い始めた麻生太郎外相です。
参院選の結果に対する安倍首相の責任論を質問した記者を、軽く
あしらっています。
こういうことをやらせると、この人の独壇場ですね。
一種の芸のようにすら感じます。
こういう風に答えられると、聞く側も変な質問はしにくいものでしょう。
麻生氏 「まあ、そういう話にして政局を作りたいというのがおたくの
会社の意図ですか?
大体そういう風に聞けと上から言われているから聞いているだけ、
しんどいもんですな。会社どこですか?日本テレビね。
誰が言わせているか分かるけどね。
○○(※記者名)が考えるレベルの話じゃないな。
もっと上の方から考えたんだろうけど。あの選挙というのは、これは
基本的には自由民主党という党が選挙しますんで、党の責任、
選挙の責任は基本的には幹事長ということになるんだろうと思い
ますけど、そりゃ最終的には総裁ということになる。た
だ、それだからといって、それをすぐ一人減ったから選挙で負けた、
一人勝ったから選挙に勝った、だから政局だというようにしたがる
日本テレビのレベルの話とは違うと思います」
ただ、麻生氏に関しては、最近著書「とてつもない日本」を出した
ばかりということもあり、メディア露出が多いことに、
党内にも警戒感があるようです。
週刊朝日などが麻生氏の特集を組んだことに対し、「ポスト安倍を
アピールするために、自分から書かせたのだろう」と見る人も
います。また、最近、某大新聞社の著名なボスは「麻生は
今まで安倍ラインで来ているのだから、安倍が倒れたら即、
麻生とはならない。福田康夫元官房長官だろう」と話していた
と聞きました。 (福田康夫は創価学会員by日本のお姉さん)
この大ボスの見立てが正しいとも思えませんが、参院選に向け、
外野も含めて自民党内ではさまざまな思惑含みの言論が乱れ
飛んでいます。
現在の逆境を跳ね返し、自民党が勝つような結果になれば、一瞬にし
て「シーン」となるでしょうが。最後に、久間文生防衛相が、年金問題
をめぐりボーナスを返上した安倍首相について語った言葉を紹介
します。
久間氏 「その総理の決意は決意として大変、立派なものだと
思いますけれども。総理に選挙との責任論とかいう話が出たが、
そうじゃないんじゃないかという気がしてね。マスコミの論調はいつも
その時の責任者にぶつかっていくが、安倍総理は気の毒じゃないか
という気がしてならないんですよ。
就任したら、今まで伏せていたものが、ばーっと選挙前に出してきてね。
さも安倍総理に責任があるかのような論調になってしまっている。
おかしいんじゃないかなと思うんですね」
私は、久間氏の日米同盟に対するスタンスには疑問がありますし、
今までのイラクやミサイル防衛をめぐる発言には失言の部類も少なく
ないと思っています。また、久間氏と同じ津島派に所属するある
議員は「あの人はサヨクだから‥」とはっきり言っていました。
でも、この人はそれだけ時として率直な物言いをするので、
「そうだよなあ」と頷けることもけっこうあります。今回もそうでした。
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Commented by inkyo さん こんにちは。
社保庁の年金問題、緑資源機構の官製談合問題等不祥事が続いて
いることから、「公務員制度改革関連法案」の成立に向け、安倍さん
に追い風が吹いているのは確かだと思います。
公益法人等への天下りが完全になくなれば、この法案を成立
させる意義が出てくるでしょう。
この際、利益誘導型族議員の根絶も必要だと思います・・
減ってはいますが。
Commented by 土曜日 さん 大変、面白かったです。
中でも、私の注目点は二つ。
(1)伊吹文科相「社保庁の問題もそうだが、組合となれ合って
上手く動かしていくというのがやり手で上手い人という意識は、
変えないといけない」
→現場を変えようという言葉に見識を感じました。意
外に立派な方だと認識を新たにしました。
(2)久間防衛相に対する某議員のコメント「
あの人はサヨクだから‥」
→サヨクというのは非従米ということでしょうか。
自民党がもう少し非従米だったら支持するかもしれませんので
気になりました。反帝・自由・多元・社会資本重視でまとまってく
れる政党ならばもろ手を挙げて支持します。
Commented by mayo5 さん
久間氏の「さも安倍総理に責任があるかのような論調になって
しまっている。おかしいんじゃないかなと思う」・・・
これが素直な考え方でしょう。民主、マスコミの節度の無い批判
を誰が指示しているのでしう??
年金こそが、日本の一番の問題だ、参院選の争点だとしている
マスコミをぶっ叩ける政治家は居ないのでしょうか。
・・・麻生さんが、あの語り口で叩いてもらいたい。な
んとしても風を変えないと、マスコミ主導の選挙と語り継がれ
ることになるでしょう。
Commented by マルコおいちゃん さん 阿比留さん、
皆さんそれぞれの持ち味がよくでている発言内容でした。
でも防衛大臣がちと以外でした。
舛添氏の 「自分のために汗流した人しか採用しない、反主流派を
入れないから、弱い政権になった」というのは歪曲では。
だって2Fなんていう異物が国会対策という党三役に入っています、
まあ内閣ではありませんが。
次回内閣改造は、参院選で勝って、ぜひ思想信条を同じくする、
いわば同志で固めて欲しいと思います。まてよ、勝つと幹事長が
留任か?それもまずいですね。ううむムツカシイ。
Commented by yokoteru55 さん 阿比留様
mayo5様も取り上げた久間発言、なんともしみじみとなる内容で
すね。普段馬鹿話ばかりしている友人も、たまたま政治の話に
なった時に「何か安倍さんがかわいそうだ。何でもかんでも
安倍さんのせいなのか?」と言っていました。
大方のマスコミや野党は全ての災いを安倍さんのせいにするという
古代の神権政治みたいな物言いを続けていますが、受け手で
ある選挙民もそうそう踊らされないぞと信じたいです。
とにかく、安倍政権はせめて三年は続いて欲しいと思います(
政界再編して違う党の党首としてでも)。確か、戦後政治の中で
首相に返り咲いたのは吉田茂のみでしたから、一度辞めてし
まったらもう二度と…。小泉元首相がその典型ですが、麻生さんも
キャラクターで勝負という面がありますよね
(もちろんそれのみの人ではありませんが)。拉致問題や憲法問題等
の諸問題も勿論大事ですが、何より、浮つくでもなく、無関心でもなく、
落ち着いて政治に参加する国民の気風を生み出すには安倍さんの
ような方が必要だと思います。