2006年、中国のCO2排出量は米国より8%多かった
橋梁の落下につづいて巨大冷却塔が崩壊
手抜き工事が耐用期限に耐えられなくなって、つぎつぎと自壊している
火力発電所。
石炭、石油もしくはガスを使用してタービンを回し、発電する。
中国は一週間から十日に一基という驚異のペースで火力発電所を建設、稼働させ、電力不足を補ってきた。
中規模の火力発電所新設は地方政府の許可だけで進行できる。
オランダ政府系研究機関は「中国の二酸化炭素(CO2)の排出量が最悪だった米国を追い越した事実を公表した。
これはオランダ政府系「環境評価局(MNP)」によるもので、「2006年、中国のCO2排出量は米国より8%多かった」。
最大の理由はセメント生産の増大とされる。
とくに中国は石油、ガス、石炭などの石油化学燃料を燃焼しつづけており、セメント生産は温室効果ガスを産出する。中国は建設ブームに沸いており、昨年のセメント生産量は世界総生産量の44%を占めたという。
さて火力発電所には巨大な冷却塔が必要である。
2007年6月22日、安徽省准北の火力発電所に併設された冷却塔が二基、自壊作用によって傾き、崩落の危機に瀕している(23日付けIHI、一面トップに巨大なカラー写真)。
付近住民は避難を始めている。
(注 安徽省「准北」(ファイベイ)は音訳)
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成19年(2007年) 6月23日(土曜日)
通巻第1844号