チュウゴクでがん患者が急増している
【北京=福島香織】中国でがん患者が急増している。
衛生省が発表した統計によると、昨年の中国人の死亡原因で、
がんが初めて脳血管疾病をこえて1位となった。
都市部での死亡原因はがんが27.3%、
農村でも25.1%と全体の4分の1以上。
背景には深刻な環境汚染などが指摘されている。
衛生省によると、2005年には中国全土で760万人ががんで死亡 した。
これは世界のがん死亡者数の13%に相当する。
中国医学科学院腫瘍研究所の陳智周研究員はがんの急増の 3大原因として
(1)空気、水などの環境汚染、特に地下水汚染
(2)食品汚染
(3)細菌・ウイルスの増加-を指摘。
中国メディアによると、水質汚染が深刻な中国東部の淮河流域の 瀋丘県には「がん村」と呼ばれ、がん患者が異常に多い村が
100以上存在する。
その1つ黄孟営村は人口2140人だが、
1990-2004年までの死者数の54%ががんだった。
また孫営村は403世帯1663人のうち、90年以降、
がんになった人は186人。
瀋丘県のがん発症率は72年には10万人に1人だったのが、
現在10万人に320人と増加。
陳研究員は食品汚染について、家畜に使われる薬品や
肉質向上のための飼料添加剤、野菜やくだものに使われる成長剤、
殺虫剤などが、がん急増と関係があるとしている。
また、中国の週刊紙・南方週末(7日付)によると、「野菜などへの
重金属残留は慢性中毒を起こし、鉛の過剰摂取は血液病を、
カドミウムの過剰摂取はがんを引き起こす」と警告している。
6月20日10時55分配信 産経新聞 |