「NO」と言えない自分 | 日本のお姉さん

「NO」と言えない自分

【大人力】の元祖&本家!石原壮一郎の『大人のお悩み教室』
 ~ 第17回「NO」と言えない自分 ~
                     

 ◎● プ ロ ロ ー グ

 人生には、さまざまな悩みが付きもの。そして悩みには、さまざまな回答が
 存在します。仕事にまつわる定番の悩みに、作家、タレント、スポーツ選手
 などは、どんな解決策を示してくれているのか。見比べながら、自分なりの
 乗り越え方を探ってみましょう。

 □■ 第17回

 ~ 「NO」と言えない自分 ~

  「NO」と言うのは、「YES」と言うよりもずっ
 とたいへんです。しかし、言うべき場面で「NO」を
 言わないと、余計な損や理不尽な苦労を背負う羽目に
 なるばかり。言ったほうがいいと頭ではわかっている
 のに、なぜ言えないのか。その原因と、言えるように
 なるための足がかりを探してみましょう。

 「人から何か頼まれると断われない性格で困っていま
 す」という若い女性。キャッチセールスや洋服屋さん
 でも強く勧められると、「買えば済むんだ」と思って
 買ってしまうとか。上手な断わり方があったら教えて
 欲しいという悩みに、元暴走族で元末期ガン患者でブ
 ティック経営者のキャームさんは、洋服屋さんの店員
 が「客を追い込んで落とすまでの手順」を事細かに説
 明しながら、こう答えます。

      … … … … … … … … … … … … …
      (追い込むノウハウあれこれ……)気の弱い草食動物は
      こんな感じで買っちまうんだよなぁー。(中略)シンプ
      ルに、「この店の商品、どれもみんな素敵なんだけど、
      今日はお金持ってなくて買えないんです。ごめんなさい」
      って言えば、店の奴らも悪い気はしねぇーから対応はい
      いんじゃねぇーか? でもよぉ、心配するな。女って歳
      を取ってくとだんだん図々しくなってくから、涼しい顔
      して断れるようになるんだよ。
(ダイヤモンド社『キャ
      ームのお悩みヒットマン』より)


  慰めになっているのかどうかはわかりませんが、い
 いカッコしたいという気持ちに付け込まれているとい
 う構図には、気づいたほうがよさそうです。

 「どちらかと言うと外交的な性格で友達も多い」のに、
 仕事上の交渉が苦手。値段や条件の交渉をしても、自
 分の意見を言えなくなって、相手の言うことをのんで
 ばかりと訴える32歳の営業職の女性に、心理学者の富
 田隆さんは、こんなアドバイスをおくります。

      … … … … … … … … … … … … …
      交渉というのは、その技術さえ身につけば、誰でもでき
      ること。友達と仲良く話せない人だって、交渉はできま
      す。それを「すべて個人の持っているパワーで決まる」
      と誤解しているから、苦手だと思ってしまうんですね。
      (中略)テクニックとルールさえきちんと身についてい
      れば、「交渉」というゲームに参加しても、おどおどす
      ることはないはず。あとは何度も経験して、技術を磨い
      ていきましょう。(主婦の友社『OLのオシゴトの悩み
      解決マニュアル』より)


  相手を打ち負かす覚悟がないと「NO」と言えない
 と思い込んだら、なるほどハードルは高くなります。
 確かに、仕事上の交渉に限らず、他人とのコミュニケ
 ーションは一種のゲームと言えるかもしれません。

 「ノーのときはノーと言う」性格に自分を変えたいと
 言う女性。他人からは明るくて気が強いように見える
 が、実は小心者という気質が災いしてうつ病にもなっ
 てしまったそうです。精神科医の頼藤和寛さんは、具
 体的にこんな作戦を授けます。

      … … … … … … … … … … … … …
      まず「ノーのときはノーと言う」のはやめましょう。な
      ぜかというと、それではあまり露骨に不人情で、相手に
      良くない印象を与えてしまいます。特に日本では。かと
      いって、いつまでも「頼まれるとイヤと言えなくて、な
      んでも引き受けてポシャってしまう」のを続けるのもう
      つ病のもと。そこで、ノーのときは「イエスではない
      と答える工夫を練習してください。例えば「あッ、ごめ
      ーん。その日ちょっと子どもの健診があって」とか「わ
      るいわね、里の祖母が危篤で」とか。ま、はっきり言え
      ば誰も傷つかないウソを連発できる訓練ですな。これで
      実家の爺婆を何回か殺すことになりますけど、まあ成仏
      してくれるでしょ。(産経新聞社『定本頼藤和寛の人生
      応援団』より)


  これも、言ってみれば「ゲーム」だと思って乗り切
 ろうというアドバイス。相手にとって肝心なのは、こ
 っちが表面的にどんな反応をするかであり、人格の深
 い部分や"真実"なんてどうでもいいと言えます。

  進学のために新潟から上京したばかりの18歳の男性。
 「自分が嫌だと思ったことに対して、ハッキリとNO
 と言えない僕のこの優柔不断な性格はどう直していっ
 たら良いのでしょうか」という相談に、作家の北方謙
 三さんはこんな解決策を指南します。

      … … … … … … … … … … … … …
      「ノー」と言えないなら、すべて「ハイ」と言ってれば
      いい。とにかく全部「イエス」と言って、全部言うこと
      をきかない。
それで世の中は通るはずだ。自分が嫌な奴
      になるんだね。他人に嫌な奴と言われるぐらいの男にな
      れば、存在感は出てくるだろうし、それなりに女にもて
      たりするぜ。(中略)人につけ込まれないためには、そ
      の自分の性格の弱さを逆手にとることだ。なまじ、「ノ
      ー、ノー」と言ってる奴より、「イエス、イエス」と言
      って、それで何もやらない奴の方が強いのだから。(
      談社『試みの地平線』より)


  「NO」とは言えないけど「YES」とは言えるわ
 けなので、そこまではきっと難しくはありません。あ
 とは、言うばっかりで何もやらない勇気を持てばいい
 わけです。最初に「NO」と言うのと、どちらが大き
 な勇気が必要か。葛藤を重ねているうちに、自分なり
 の落ち着きどころを見つけられそうです。

 □■ 石原の結論!

  どうして、他人の依頼や要求に対して「NO」と言
 うのは難しいのか。まあ、本当に困っている人に何か
 を頼まれたら、少しぐらい無理してでも助けてあげた
 くはなります。ただ、それはまた別の話。べつに「N
 O」と言ってもいい場面なのに言えないから、悩みが
 生じてしまうわけです。

  言えないのは、他人への思いやりが深いからでしょ
 うか。他人にやさしい性分だからでしょうか。どうや
 ら、それは違うようです。他人に嫌われたくない、い
 い人と思われたい、イヤな顔をされるのが怖い……

 いったあたりが本当の理由。つまりは、自分がかわい
 いからという自分の都合に過ぎません。

 そのへんの身もふたもない魂胆に気づけば、自分の都
 合や気分で「NO」と言うことに引け目を感じる必要
 はまったくなくなります。

  ただまあ、他人との関係の中では、無理して「YE
 S」と言ってしまうケースもあるでしょう。その場合
 は、他人のために無理してあげている自分に、目いっ
 ぱい満足感を覚えてしまうのが大人の知恵でありマナ
 ー。ちゃんと見返りを得ないと、相手への恨みつらみ
 が募ってしまいます。
自分かわいさで「YES」と言
 ったくせに、相手に矛先を向けるのは筋違いもはなは
 だしいと言えるでしょう。


 ■□◆ 石原壮一郎プロフィール

  1963年三重県生まれ。コラムニスト。雑誌編集者を経て、1993年に

『大人養成講座』(扶桑社サブカルPBで復刊!)でデビュー。 

以来、大人モノの元祖&本家として日本の大人シーンを牽引している。

5~6年前から人生相談本や記事の収集&分類に没頭している。

個人サイト「大人マガジン( http://www.otonaryoku.jp/ )」でも

大人ワールドを展開中!!

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日本のお姉さんの意見。↓

見返りは満足感かあ~。

NOと、言わないで、イエスではないと言うのは、

いいかもしれない。

友人A子は、何かを断る時は、「考えておくわ。」と言う。

そう言うだけで、後からどうするか決めてくれないので、

NOという意味なのだ。日本人っぽいでしょう?

たまに、「いいよ。嫌やけど!」と言う。

「なんや、嫌なんか。チェッ。」と、わたしも答える。

友人A子はたまに、「○○さんに、頼んだら?」とも、言う。

ようするに、NOと言わずに断るのだ。

外国人に、このテクを使うと怒るだろう。

「わたしが、誰に頼もうがわたしの自由です。」と、言うと思う。

わたしは、無理な時は、「ゴメン、その日はアカンわ。」と

ちゃんと断るけど、他の日に別のことを頼まれたら

サービスで付き合うときもある。いつも、いつも友人の

お願いを断っていたら友人じゃなくなると思う。

常にNOと言いたくなる相手というのは、あんまり相手にしたく無い

相手に決まっているから、NOと言えないなら

ドタキャンを繰り返して、嫌われてしまえばいいんだ。

でも、ちゃんとNOと言う方が、よっぽど誠実で優しい断り方

だと思います。