さくらの永田町通信から「追悼・松岡先生」 | 日本のお姉さん

さくらの永田町通信から「追悼・松岡先生」

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さくらの永田町通信から「追悼・松岡先生」ー心のこもった追悼文です。

昨日お昼から戻ると、同僚が血相を変えて「松岡先生が!!」と言うので、「どうしたの?」に続けて、「またなにかおもしろいこと言ったの?」と言いかけたら、「自殺です」と・・・本当に言葉を失いました。ショックで、事態を受け止めるのにしばらく時間がかかりました。このブログでも何度農林を取り上げ、松岡先生のことを書いてきたでしょう。世間的にどうであっても、さくらにとっては族議員観を変え、そして農林のおもしろさを教えてくれた、やさしくていい先生でした。

手元に、松岡先生の一昨年の〒選挙のときのパンフレットがあります。「改革先頭」と大書きしながらも、郵政民営化なんて公約のどこにも書いていない「いかにも族議員」感のある、そして九州自民党特有のキャラの濃さが発揮されたもので、裏には松岡先生が公認証を持って小泉さんと一緒に撮った写真が掲載されています。「緑のエネルギー革命で地球再生」というキャッチコピーが付けられ、松岡先生がすごくうれしそうな表情をされています。いちいち大げさなプロフィール、それにやっと「農林水産大臣」と書き込まれたのに、本当に残念です。

さくらはいわゆる「黒松岡」時代の松岡先生を存じ上げません。とにかくいろいろ言われていましたが、だけど少なくともさくらが農林を追っていた平成17年から18年にかけての松岡先生は、族議員中の族議員でありながら、それも純農林族(これ以外やってない)、しかし間違いなく「改革派の農林族」でありました。「攻めの農政」を前回の参院選で打ち出し(この頃は野呂田先生が総合農政調査会長でした)、「日本の農政を動かしているのはわれわれだ」とのキョウレツなプライドを持つ自民党農林族の中心であり、族議員でなければ利権政治も改革もできないということをさくらは実感し、根底から族議員観が変わったのでした。

松岡先生はあの独特の口調で(さくらからするとQ大臣とイントネーションがほぼ同じなので、九州の人は皆あんなしゃべり方なのかと思っていましたが、九州弁もバリエーションがあるんですね)、「まあ、これはたとえて言うと」で始まるたとえ話が妙に説得力があって、それぞれ委員長と座長を務めておられた農業基本政策小委員会、違法伐採対策PTという松岡ゼミは本当におもしろかったです。戦後農政の大転換である「担い手」政策をすすめ、小規模農家の切捨てじゃないということを打ち出すために「農家総参加型の担い手づくり」というキャッチフレーズを考え、皆の意見を聞きながら、多少不十分なところはあってもそれでも一定の規模要件を満たした「担い手」に支援を集中するという方向へ大きく舵を切った。農林族はそれを「戦後農政の大転換」と呼び、松岡先生は「有史以来の大改革」と形容しました。担い手政策は平成19年度から本格的に始まったので、その評価はこれからです。また、平成13年からの違法伐採への取り組み(「麻生政調会長時代に設置」が枕詞)はまさに精力的で、当初は安い外国製の木材の輸入を食い止め、日本の林業をどうにかしようという内向きの話感がありましたが、「これはまさに南北問題」との認識から、地球環境問題の一環としての取り組みにバージョンアップ。地道な活動が実り、グレンイーグルスサミットで小泉総理に取り上げてもらうという実績もあげました。まさにこれは松岡座長の熱意のたまものでした。違法伐採についてはNGOの方々と一緒になってすすめ、強力に後押し。英国のチャタムハウス(王立研究所)で議論したこと、阿蘇の野焼きの話を同PTで何度もなさっていたことを思い出します。

それから「日本の農林水産物を飛躍的に発展させる議員連盟」の会長も務めておられました。「飛躍的に」というのがいかにも松岡先生らしい大げさ感があふれているのですが、「日本の農産物は(食べたら)人生が変わるほどおいしい」との名言をのこし、大臣になられる前から提案されていた日本食レストランの認証制度、そして「限られた日本人の胃袋から13億の胃袋へ」の理念?のもと、「100年戦争になりかねない」といわれた日中検疫戦争に終止符を打ち、悲願の対中コメ輸出も実現しました。中国での給食用に日本の余剰牛乳を輸出するという企みもありました。日本食ブームは日本の農林水産物の輸出へ追い風と捉え、「日本農業を一大輸出産業に」とのキャッチコピーでこれからさらに世界のマーケットを相手にしながら、一方でWTO(たぶるてーおー)交渉で踏ん張ってもらわなければいけないところでした。本当に農政、林政のエキスパートでした。

松岡先生のあの農政、林政にかける熱意は、バリバリの保護主義を取っていたころは間違った方向へいったこともあったのだろうと思いますが、だけどある時点で方向転換をなさったのは間違いない事実です。それは総裁選挙のずっと前、少なくとも前回平成15年の参院選からなのですよね。

 私はずーーーっと日本の農業は、外国の大きくて強い農業に比べて小さくて弱いから、守らなきゃ守れないと思っていたんです。守らないと守れないと。ところが守っても守っても弱い。まだまだ大変だと。これはもうどうなるんだと。どんどんどんどんそうなっていく。だからそこでずっと自問自答して考えたのが、守っているだけでは守りきれない。そこでこれはね、本当に発想を転換して、攻めなきゃならない。(中略)やはり攻めなきゃ勝てない。攻めてしか守れない。攻めて初めて勝てるし守れる。これがね、大きな発想の転換ですよね。それはやっぱり、十何年間自問自答してきたからそこで、まあ、皆さんからするとそんな簡単なことやっと十何年もかかって思い付いたのかと思われるかもしれませんが、まあ、こちらもその、それがある種やっぱり小泉改革のおかげといえばおかげなんですよね。
と語っておられるのが、さくらの松岡語録メモにのこっています。

そういえば、松岡先生の議員会館の事務所には(ちなみに第一議員会館2Fは、エレベーターを降りてすぐ右手は「麻生派通り」です)、安倍晋太郎先生のお写真が飾られていました。「国民の皆様 後援会の皆様」と題した遺書の内容等が報じられていますが、「ぜひ探さないでください」というところなど、やはり松岡先生の口調で読んでしまいました。最後にお見かけしたのはたしか3月、国会内でした。「よく頑張ってますね」と声をかけてくださったことや、「いつもありがとうございます」と丁寧に接してくださったことを思い出しても、さくらは世間一般が抱くイメージと違う印象を持っています。もちろん人によって持つ印象は違うものですし、もしかしたらさくらはいい面だけ見せていただいただけなのかもしれません。だけど少なくとも、さくらが知っている松岡先生は、本当におもしろくてキャラが濃くて、そして特段特別な熱意をもって農政に取り組んでいる姿です。党で米国産牛肉調査団の団長を務めて現地に乗り込んで調査し、帰国後の記者会見では民主党に対するコメントを求められ「彼らは彼らでやっていることですから」と決して批判を口になさらなかったこと、予算委員会で質問に立たれる前、早めに委員会室にこられて真剣に準備されていた姿も思い出します。松岡先生がすすめてこられた農政の大転換を成功させ、そしてぜひ違法伐採対策も引き続き主要課題とし、日本農業の飛躍的発展のため全力を尽くすことが、安倍内閣がなすべきことではないでしょうか。人の行いは、すべてが善ということも、すべて悪ということでもありません。松岡先生の取り組みやこれまでの業績が、「とにかく疑惑だらけ」というイメージだけが浸透してしまい、よかったことまでかき消されてほしくはありません。小泉改革とともに農政改革も、不断の努力で継続・発展させていただかなければなりません。

つらつらと思い出すことを書いてきましたが、あの党本部704号室の異様な熱気とともに、楽しくおもしろいことばかり思い出されます。国の礎・農林のおもしろさを教えてくださった松岡先生にはとても感謝しています。本当にありがとうございました。どうかみたま安らかに。ご冥福を、衷心よりお祈り申し上げます。
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*熱湯欲ゴーリキーのお部屋
クソ野党にはまったく反吐が出る。

松岡農相自殺:野党、首相の任命責任追及の構え

 松岡利勝農相の自殺を受け、野党各党は光熱水費問題などで農相を擁護してきた安倍晋三首相の任命責任に照準を合わせ、追及していく構えだ。ただ、現職閣僚の自殺という重い事態に当惑も隠せず、具体的な対応は世論の反応を見極めながら検討していくことになりそうだ。

 「(首相は)もっと早く(農相を)解放してさしあげればよかった。首相がかばったから(農相は)その相克の中で悩み抜かれたのではないか」

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は28日、国会内で記者団にこう語り、農相の胸の内を推し量ることで首相の責任を強調した。社民党の福島瑞穂党首も「首相は内閣の生き残りのためだけに農相を辞めさせず、説明責任も尽くさせなかった。責任は極めて重い」と指摘した。

 ただ、野党内には「最終的に『安倍さんのせいだ』という世論の受け止めになればいいが、しばらく喪に服さないといけない」(民主党国対幹部)という空気も強い。農相にまつわる責任追及が、逆に世論から心情的な反発を招きかねないとの懸念からだ。

 民主党の小沢一郎代表は28日夕、党本部で鳩山氏と会談した際、年金保険料の納付記録不明問題については30日の首相との党首討論で追及する姿勢を示す一方、農相については「追い詰められていたのだろう」と述べるにとどめ、問題への深入りを避けた。世論の反応を測りかねているのが実情だ。【山田夢留】

毎日新聞 2007年5月28日 20時49分

 “「最終的に『安倍さんのせいだ』という世論の受け止めになればいいが、しばらく喪に服さないといけない」”

 この言葉を聞いて絶句した。クソ野党は人の死すら与党を攻撃する為の材料でしかないのか。

 “「(首相は)もっと早く(農相を)解放してさしあげればよかった。首相がかばったから(農相は)その相克の中で悩み抜かれたのではないか」”…鳩山、“「首相は内閣の生き残りのためだけに農相を辞めさせず、説明責任も尽くさせなかった。責任は極めて重い」”…瑞穂

 上記の言葉からは人の死を悼む気持ちは微塵も伝わらない。こいつらは農水相の死を自分達の戦果か何かと勘違いしているんじゃないのか?

 結局のところ、今後の野党の対応は世論の鏡となるだろう。まかり間違ってもこいつらが望む“最終的に『安倍さんのせいだ』”という流れを作り出してはならない。