イスラエルからのニュース
2007年5月23日(水)シャブオット
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*シャブオットは、七週の祭、五旬節などと呼ばれ、過越の祭から7週
間を祝う祭。穀物などの収穫祭でもある。新聞は休刊。(解説)
*ユダヤの伝統では、この日に律法がシナイ山上で与えられたとされ、
徹夜で聖書の勉強をする風習がある。また、シナゴグでは、この季節
の物語であるルツ記が朗読される。新約聖書では、この日に聖霊降臨
(ペンテコステ)の事件があった。(解説)
*国防軍は火曜もガザのハマス武器庫などを空爆した。パレスチナ側に
よると数名の負傷者が出たもよう。しかし、
スデロットには9発のカッサム
ロケット砲が着弾した。(P,Y)
*スパイ罪で米国で服役中のポラード氏について、イスラエル駐在大使
が「死刑にしなかっただけでも寛大な処置」と発言したため、右派な
どが反発。大使は書簡で謝罪と釈明を出した。(P,Y)
*スデロット住民の避難に支援を申し出たゲイドマーク氏が、エルサレ
ム近郊とテルアビブにテント村を設営中。国防軍は兵士の保養施設な
どに一次避難民を収容している。(H,Y)
2007年5月24日(木)
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*昨日もスデロットとアシケロン近郊にカッサムロケット砲が着弾。負
傷者は無し。砲撃数は減少傾向だが、国防軍はハマスがまだ余力を持
っているものと見て反撃を継続する構え。(P,Y,H)
*ハマス高官が次はアシケロンを攻撃
すると宣言。
国防軍はテロ組織が エジプト経由で密輸した長射程のミサイル砲を使用
すると懸念している。ガザで作られたカッサムも性能改良が進んでいる。(P,Y)
*次期大統領を選任する選挙は6月13日。リブリン氏、アビタル氏、
ペレス氏らが立候補すると見られている。(P)
*未成年者が暴力やセックスに関連したサイトにアクセスできないよう
にする措置をプロバイダに求める法案が審議中。法務省関係者からは、
アクセス制限は技術的に不可能だとの見方も。(P)
*イランの核はヨーロッパにも危険だとして、制裁強化でイランを止め
るべきだとの考えをフランスのサルコジ大統領が表明。(P)
*ガザの治安維持に関するアッバス議長と各武装勢力
の間の会合が中止に。アッバス議長はイスラエルとの停戦合意を目指して
いるが、ハマスなど他の武装勢力は攻撃継続を主張しているため。(Y)
*テロ犠牲者の追悼式典を子供連れ禁止のホテルで開催したところ、子
供連れの遺族の入場をホテルが阻止。ホテル側は子供を預かることを
申し出たが、遺族は拒否した。(Y)
*ジム社が保有するイタリア船が中国で漁船と衝突。上海で乗組員が事
情聴取を受けたもよう。漁船での死傷者の情報は無い。(Y)
2007年5月25日(金)
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*国防軍がハニエ首相の自宅近くを空爆。オルマート首相は、ロケット
砲撃が止まるまでガザに対するミサイル攻撃を続ける方針を表明した。
スデロットには11発のロケット砲が
着弾した。(P,H)
*アッバス議長が「馬鹿げたロケット砲攻撃は無益だ」と、カッサム砲
攻撃にこだわるハマスを激しく非難した。(P,H,Y)
*国防軍が西岸地区でハマスの幹部
30人を拘束。教育相なども含まれている。西岸地区での
ハマスの影響力を減らすのが目的。(P,H,Y)
*イランのアフマディネジャド大統領が「イスラエルが今年またレバノ
ンを攻撃すればアラブ諸国がイスラエルを滅ぼす」と
警告。(H,P,Y)
*国際原子力機関のエルバラダイ事務局長が、
3~8年でイランは核兵器を保有する
と警告。国際社会に真剣な対応を求めた。(P)
*ペレス副首相のソニア夫人(81)が心臓の異常で緊急入院。生命の
危険があるとして、医師団が懸命の治療に当たっている。(H,Y)
*レバノンでは、北部のトリポリにあるパレスチナ人難民キャンプに立
てこもったアルカイダ系テロ組織に政府軍が最後通告。集中的な攻撃
を行うか、長期戦になるか、注目が集まっている。(P)
*18年前に非合法化された極右団体カハが、公認を求めて最高裁に訴
え。現代国家をやめ、ダビデ王権の復活を目指すという。(P)
*米国の教授が英国学会のイスラエルボイコットを理由にロンドンの大
学での演説を辞退。他の中東諸国が圧政と暴力の状態にあるのに、イ
スラエルだけを非難するのは明白な反ユダヤ主義だと断じた。(H)
*6月にエルサレムで予定されている同性愛者のパレードを警察が許可。
裁判所がパレードを許可し、必要な警備を行うように警察に命じたた
め。市民からの激しい反発が予想されている。(Y)
*英国の石油会社がガザ沖の天然ガス田のガスをイスラエルに売却へ。
パレスチナには10億ドルの権利金が入るが、ハマスは「あらゆる努
力により契約を阻止する」と発表した。(Y)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp
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イスラエルのニュースを読んでいないと、イスラエルが急に
ハマスの幹部を捕らえたように感じる人が多いと思うが、
ハマスは最近ガザから、スデロットにカッサムロケットをバンバン
打ち込んでおり、死者もけが人も出ている。
一時避難民が兵士の休養施設に住むなど、難民も出ている。
イスラエルは自衛のためにハマスの幹部を捕らえたのだ。
影響力のあるハマスの幹部が西海岸にいると、賛同者たちが
集結するからだろう。イスラエルが動く前に、多くのカッサム
ロケットがスデロットに打ち込まれた。今度は、アシケロンの町も
攻撃対象にするとハマス高官が宣言している。
もしも、日本の町に北朝鮮がロケットをどんどん飛ばしてきたら、
日本政府はどうするだろう?何もしないで、やられっぱなしでいる
ような気がする。日本人が大勢拉致されて、捕らわれの身となって
スパイ養成学校で日本語教師としてこきつかわれているのに
日本政府は、誰も助けにいかない。北朝鮮に選ばれた5家族だけ
援助金(身代金)と引き換えに取り戻したのだが、他の人たちは、
どうなるのか。
兵士を拉致されたイスラエルの問題は、日本人にとっても、他人事
ではないはずだ。
イランは、3年から8年後には、必ず核を持つだろうが、世界中の
みんながじっと見ているだけというのは、不思議だ。
北朝鮮は、みんなが知らない間に核を作っていたが、イランの場合は
実に堂々と作り始めている。それでも、どこの国もイランを止めることが
できない。イランの様子を見る限り、日本が仮に核を持とうとしても、別に
問題はないようだ。
イランの大統領は、イスラエルを滅ぼすと言ったり、過激な発言が
多い人物だが、イランは、自らレバノンのテロリストに資金援助や
武器援助を行っており、レバノンを使ってイスラエルを攻撃させて
いるのだから、レバノンを代理にしてイスラエルに戦争をしかけていた
のではないのか。
「今度、イスラエルがレバノンを攻撃したら、イスラエルを滅ぼす。」と
言うのは、イスラエルに、黙って攻撃を受けて滅びなさいと言うような
ものだ。
イランの息のかかった過激派にレバノンから攻撃されてじっと我慢して
いるにしても、
レバノンの過激派の攻撃に反撃するにしても、どうせイランに滅ぼされ
るのなら、どっちにしても、イスラエルは、自衛のために戦わねばなら
ないのではないか。イスラエルは、自衛をしないで、滅ぼされることを
選んだりはしないと思う。