ようちゃんお勧めの記事です。
西村真悟の時事通信(平成19年5月21日号)
昨日二十日の日曜日は、堺の自宅を出発して東京の時事通信ホールに入り、「史上最強のトークバトル」に参加して、最終の新幹線でまた堺に帰った。この「史上最強のトークバトル」の参加者は、尼崎出身のジャーナリストの勝谷誠彦さん、衆議院議員の石破茂さん、前参議院議員の平野貞夫さんと不肖西村だった。
その「トーク」で、防衛庁長官経験者の石破茂さんと西村との間で、日米関係と核武装の是非などについて意見が違った。しかし、意見の違うなかで、、笑いたくなって座っていた。そしたら私の目から何かが落ちた。何だろうと思って下を見るとそれは「うろこ」だった。
1、先ず、極め付けの「核抑止論」から説明したい。私は、我が国は独自の核抑止力を保持しなければならないと言い、その為に核ミサイル保有を検討すべしという結論に達した。石破氏は、我が国の核保有反対の結論で、その理由を色々言った後で抑止力について説明した。曰く、抑止力には三つあると。
第一は「撃ったらやられるから撃てない」という抑止力。
第二は「撃っても効果がない」という抑止力。
第三は「撃たなかったらご褒美がもらえるから撃たない」という抑止力。
そして、我が国は、第二と第三の抑止力を持てばよいのであって、第一の抑止
力は必要ないと。では、その第二の抑止力とは何か。それは、全日本国民が核シェルターに入って核攻撃があっても死なないようにすれば効果がないので相手は諦めて撃たないだろうというもの。さらに、第三の抑止力は、読んで字の如く撃てばご褒美がもらえなくなるから金ほしさに相手は撃たないだろうというもの。従って、全国民が入れる核シェルターを造り、中国と北朝鮮とロシアにご褒美を送り続ければ我が国は安全だというのが彼の結論になる。実に見事な論理であった。専門用語を駆使する長い供述にほとんど聞き惚れていた。しかし、笑いが込み上げてきた。何故か。人生の実体験に根ざして考えて欲しい。
第二の抑止力について。
僕は少年の頃に、モグラを捕まえようと努力したが捕まえられなかった。あいつ等はすぐに穴の中に入って姿をくらますからだった。また、狸もすぐに穴に入って出てこない。鬼ヤンマは巨大なトンボでこいつを捕まえられる子供はあまりいない。しかし僕は、すぐに穴に入るモグラや狸、また、ハイスピードで逃げる鬼ヤンマが、僕に対して「抑止力」をもっているとは全く感じなかった。モグラの穴を破壊して二度と再び地上に出られないようにしたし、狸の穴の上でたき火をして燻したし、鬼ヤンマは一日中追い回した。
第三の抑止力について。弁護士の頃、ヤクザに金を際限なく貢いでくたくたになった依頼者がいた。つまりヤクザに恐喝されていたのだ。それで、その相手のヤクザ屋さんに会った。彼は、私の依頼者が抑止力を行使しているとは全く感じていなかった。骨の髄まで絞り尽くそうとしていただけだった。
諸兄姉に尋ねる。一体、この第二と第三の事例。これを「抑止力」というのだろうか。これが、我が国の国防政策の根幹になりうるのだろうか。懐かしい昔、僕に追われたモグラも狸も鬼ヤンマもビックリだろう。あいつ等は逃げていたのであり、僕に対して抑止力を行使していたのではない。多分狸は窒息しただろう。我が国と一億二千万の国民は、あいつ等のように逃げられない。まして衰弱した彼、恐喝されて自殺寸前だっただけだ。一億二千万人がそうなれば国家はどうなる。(もっともらしい抑止力論に、一夜明けて、また笑う)それにしても、我が国政界主流の国防思想はモグラも狸もビックリする代物だったのかと目からうろこがとれた。
2、MD(ミサイルディフェンス)について
(ミサイルディフェンスとは、発射された敵の核ミサイルをミサイルで撃ち落とすこと)これは効果がある。近い将来、全ての核ミサイルを打ち落として無力化できるというのが前防衛庁長官。こんなのは、張り子の虎だ。役に立たんというのが不肖西村。現在このミサイルディフェンスシステムを我が国はアメリカから超巨額の代金で買わされている。アメリカは迎撃ミサイルは当たると言っており、何発かに一発は当てて見せた。
しかし、これは、何月何日何時何分何秒、○○から何処何処に向けて、速度○○で発射する、迎撃ミサイル発射準備はいいか、という実験で何発かに一発当たっているに過ぎない。現実の事態では、何時何処から何発飛んでくるか分からない。その敵の核ミサイルを確実に打ち落とせるものではない。その前に、既に中国は迎撃ミサイル誘導の不可欠の前提となる偵察衛星を破壊する実験に成功しているではないか。張り子の虎だ。第一次世界大戦後、フランスはドイツ国境に構築したマジノラインに頼って安心して思考停止していた。しかし現実には、ドイツ機械化部隊によってラインは簡単に突破されフランスは崩壊した。ミサイルディフェンスは、現在のマジノラインだ。頼りすぎて思考を停止していては国が危うい。私は、一人マジノラインの危険性を訴え続けたド・ゴールのように、核の脅威に備えよと訴え続けているんだ、近い将来、ド・ゴールがそうであったように、この西村の訴えていたことも評価されるであろう、と少々ええ格好で締めくくった次第。
3、日米関係について
この関係を同盟関係と言う用語で表現していることに小生は異議を述べた。日米安全保障条約が締結されているのは知っているが、日米同盟条約は締結されていない、と言うのが私の持論。当然防衛庁長官経験者から反論があった。しかし、同盟関係とはお互いに対等で助け合う関係である。日英同盟では、日露戦争時には英国が我が国を助け、第一次世界大戦時には、我が国は日英同盟のよしみによって地中海まで駆逐艦隊を派遣してドイツのユーボートと戦っている。日米関係はこのような関係ではない。だから、同盟と呼んではならない。さらに、周恩来とニクソンとキッシンジャーは、一九七二年、日本に再び「軍国主義」が復活し、将来米中両国の脅威にならないように、日米安保条約によって日本国内に米軍を駐留させ続けることで一致した。従って日米安保条約は「ビンの蓋」、即ち日本をビンの中に閉じこめておく蓋の役割を務めるのが日米安保条約だとアメリカは認識している。
このような関係を安易に同盟関係というべきではない。何故なら、日米関係をアジアの平和のために、(ビンの蓋)でも何でもない、真の対等な同盟関係に構築し直す必要があるからである。その為には、助けられるだけではなく相手を助けるという覚悟がいる。しかし今の政治にはその覚悟がない。さらに、核を保有する国と核を保有しない国との同盟関係は成り立つのか。真の対等な同盟関係は、核を保有する国同士で成り立つ。
以上が昨日の「トークバトル」という座談会の概要とそれに対する私のコメントである。石破氏には少々失礼な記述になったが、公に発言したことだから、友情に免じてご容赦頂きたい。
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■片岡哲也のアメリカ通信「日本永久占領構想 、米中の北朝鮮非核化が入り口 、フォーリンアフェアズ誌が討議 」米軍基地を置き、日本をビンの蓋とする。(有料メルマが)
日本を永久に米中の軍事管理のもとに置くという構想が、最新のフォーリンアフェアズ誌において提案されている。著者はリチャード・ハース、米国外交評議会の理事長、つまりこの雑誌を発行する主体である。彼は最近までブッシュ政権の国務省で政策企画部長だった。 本論文は、表向きは北朝鮮とイランの持つ核兵器を、如何にして処理するかと言う問題に対する提案である。ハースは、第二次大戦における日独征服から説き始めて、ソ連の封じ込め・崩壊、イラク占領などの実例を比較する。 日独征服が政権転換(regime change)の実例であり、ソ連の封じ込めが政権の段階的変革(regime evolution)の前例だとする。そして、米国はイラク攻撃型の先制攻撃を北朝鮮とイランに適用することは不可能だとして、段階的変革つまり封じ込めを推薦する。
北朝鮮を封じ込めて、段階的に核抜きにする手段として、米中のcondominiumを提示する。コンドミニアムとは二大国による共同制覇という意味である。この概念は私が使っているもので、著者自身が使った表現ではない。 北朝鮮を、封じ込めという手段で核抜きにするには、どうしても米中の緊密な協力が不可欠であり、日本、韓国、台湾も同時に核抜きにすることが不可欠だというのだ。
本文
「このような外交的仕事をするについて中国の役割は不可欠だ。北京の北朝鮮に対する影響力は限定されてはいるが、他の如何なる国家の影響力より多大である。中国は北朝鮮へのエネルギーの殆どを提供し、主な貿易パートナーである。北京はある程度の圧力を加える用意があるが、断固と押し付けることを潔しとしない。これは恐らく金正日政権が崩壊し始めると、戦争となり、難民が中国に流入するからであろう。結果として、中国は北朝鮮問題を解決するよりは蓋をしておくことに興味を見せてきた。 「平壌政権が核兵器計画を放棄するように、ワシントンは北京が持つ影響力の全部を使うように説得するべきである。その目的を遂行するために、中国指導者は、北朝鮮問題は、中国が合衆国の本当の戦略的パートナーとなるか否かの試金石であることを理解すべきだ。更に、合衆国政府が持つ北東アジアにおける長期的思考に関して、中国の指導者たちに保証を与えるのも助けになるだろう。この長期的思考とは、われわれが、この地域において如何なる新規の核保有国家が出現することを望んでいないことだ。たとえ、それが日本、統一された朝鮮、台湾であろうとも」
(解説 )ハースが提案する米中コンドミニアムは、平壌核抜きのためには、中国の協力が不可欠であり、それを手に入れるために中国に米中パートナーシップという地位を与えようというものだ。 これで中国はアメリカという保安官の代理になる。アジア全体は中国の管理に委譲される。日本はアメリカの戦略的パートナーとしては全く役に立たない。更に、最近の十五年で日本は韓国、北朝鮮、台湾と同列の三等国家に転落している。だから日本を永遠に非武装化して、米中の共同管理の下に置くべきだというのだ。 私は、米中デタントの危険について、何度も何度も警鐘を鳴らしてきた。朝日新聞や革新がこの危険に無知なのは仕方がないとしよう。私に理解できないのは、日本の保守派が、敗戦を恨むあまりに、今にいたっても反米、怨米の拒絶症に囚われていることだ。 ハースは、「日本人は永遠にアメリカを恨むのだから核武装を許してはならない」というのだ。・・・・・・ (略)---
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ようちゃんの意見。↓
★片岡鉄哉氏の 次の本を読むと、核武装の必要性が理解できます。世界一貧乏な国が核武装したら、世界最強の米軍でも対等に相手してくれる。
パンツを履かなくても核武装した中国、無断核武装して何らお咎めなしのインドやパキスタン、こういうダブルスタンダードは見抜かれてる。一番手頃価格で調達できるのが核武装です。
「核武装なき「改憲」は国を滅ぼす」
著者 片岡鉄哉刊行 2006年11月 判型 四六ハード ISBNコード 4-8284-1304-9 定価 1,575円
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