イスラエルからのニュース
2007年5月13日(日)
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*「イスラエル国民の多数意見は2国家並立」とリブニ外相が発言。西
岸地区からの撤退を示唆したため、右派が反発している。(H,Y)
*和平合意の一部として、エルサレムに関する何らかの妥協を認めると
の意見が、ユダヤ人市民の57%。ただし、パレスチナとの和平合意
は不可能だとの意見が84%に達した。(P,H,Y)
*ヨルダンのアブドラ国王が今日ラマラを訪問し、アッバス議長と会談
へ。パレスチナがヨルダンと連邦国家を作ることを検討中だとの報道
が流れたが、双方の政府担当者が否定した。(P,H)
*レバノンのシニオラ首相が「アラブ諸国はイスラエルの抹殺を図って
はいない」としてイスラエルとの和平を求める考えを表明。(P,Y)
*土曜にクムランのワジ(枯れ川)で濁流にのまれ4人が死亡。死海地
方では、局地的豪雨で突然洪水が起こる。当日は晴天で、自然公園の
管理事務所の職員も「大丈夫」と言っていたという。(P,H,Y)
*イスラエルとパレスチナが協力してガザと西岸地区の5箇所に工業団
地を建設し、自治区に雇用を生み出す計画をスネア副外相が発表。
エリコの工業団地建設には
日本政府も協力するという。(H)
*テロの脅威が減って、ガザのカルニ検問所の運用時間が多くなったた
め、ガザの失業率低下に貢献したと国防軍が説明。(P)
*動物愛護団体の要求で、テルアビブの風物詩となっている馬車の廃品
回収を市役所が禁止へ。抗議のため市役所前に集まった回収業者らは
「馬を取られたら麻薬密売に戻るしかない」等と語っている。(P)
2007年5月14日(月)
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*昨日の閣議でガザからの砲撃への対応策を協議。
大規模な侵攻作戦は避けるが、ロケット砲発射をするテロリストに
対する先制攻撃の範囲を拡大するなど、細かい対応が取られる見込み。
(H,Y)
*ヨルダンのアブドラ国王がラマラ訪問を中止。悪天候のためヘリコプ
ターが運行できなかったためだと説明されている。(P,H)
*カツァブ大統領の後任を決める大統領選にペレス氏はまだ出馬を検討
中。大統領代行のイツイク氏、労働党のアビタル氏、リクードのリブ
リン氏などが立候補を表明し、乱戦になっているため。(P,H)
*今日から国防軍が2年ぶりの大規模な演習。第二次レバノン戦争での
教訓を活かすため、意思決定に重点を置いたものとなる。(P,Y)
*ハマスがファタハ関係者を襲撃したため両者の激しい戦闘。4人が死
亡し、14人が負傷した。2月以来最悪の抗争事件となった。(P,H)
*昨年末に脱走した連続強姦魔のセラを脱走などの罪で起訴。再逮捕の
ために警察は3600万シケルを費やしたと関係者は語った。(P,Y)
*スデロット市にガザから3発の
ロケット砲攻撃。イスラム聖戦は、カッサムロケット砲の
傷力をさら殺に向上させると発表した。(Y)
*シオニストのラビ数十人が日曜に神殿の丘を訪問。神殿の丘は、聖所
跡を冒涜しないとの理由で、訪問を禁じる解釈が主流だった。(H)
*ロシアのサンクトペテルブルグでユダヤ人の教師が刺殺された。反ユ
ダヤ的な動機による犯行と見て、警察が捜査中。(H,P)
*土曜だけでなく日曜も休日とする法案を、右派のNU-NRPが国会
に提案へ。法案は安息日の規制緩和を含むため、シャスは反対。(Y)
2007年5月15日(火)
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*ガザの内戦状態にもかかわらず、何も実質的な権限を与えられないた
め打つ手が無いとして、自治政府のカワスメ内相が辞任。ハニエ首相
は内相の辞任を認め、自ら職務を引き継いだ。(P,H)
*オルマート首相とペレス副首相がヨルダンでアブドラ国王と今日会談。
アラブ和平案が焦点となる見込み。(H,Y)
*リンデンストラウス国家監査官を権力乱用で刑事捜査するよう、首相
がマズズ検事総長に要請。自分の人気を高めるためメディアに情報を
漏らしたとの内容。検事総長は取り合わないもよう。(H,Y)
*テルアビブでフランスから移民して来たユダヤ人の兄弟がアラブ人の
タクシー運転手を殺害。兄弟は「アラブ人だから殺した」と話してい
るという。警察とシンベトが捜査を行っている。(P,H,Y)
*アラブ穏健派諸国の協力を得てパレスチナとの2国家共存を図るべき
だと、リブニ外相が国会の外交防衛委員会で証言。(P,H)
*セクハラで辞任した後、社会奉仕刑を終えたラモン元法相がオルマー
ト首相と会談。ラモン氏が閣僚に返り咲く可能性が出ている。(P,Y)
*国会でエルサレム再統一40周年の記念式典。アラブ政党と左翼のメ
レツは欠席。外国大使も大半が欠席し、出席は7ヶ国だけ。(H)
*反ユダヤ主義と戦うADLがEUで行った意識調査で「ユダヤ人は居
住国に忠実でない、キリストを殺した罪がある、ホロコーストを言い
過ぎる、米国を動かしている」等の偏見が根強いことが判明。(P)
2007年5月16日(水)
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*昨夜スデロットに20発のカッサム
ロケット砲撃。18人が負傷し、うち」
1人は重体。ハマスが犯行声明を出した。内戦を収拾するためイ
スラエルのガザ侵攻を招くのが目的と見られている。(P,H,Y)
*オルマート首相がヨルダンのペトラで会談。首相は何
も前提無しにアラブの指導者と和平を協議する用意があるとアブドラ国王と語り、ア
ブドラ国王をイスラエル国会に招いた。(P,Y)
*ペレス副首相が大統領選挙に立候補すると側近が語った。近日中にペ
レス氏自身が立候補宣言を行う見込み。(Y)
*国際原子力機関のエルバラダイ事務局長が「イランは核開発の重要な
ステップを達成した」と発言。事実か、あるいは制裁強化を促すため
の発言か、専門家の間でも見方が分かれている。(H)
*エルサレム市内に位置するパレスチナ人の村の住民200人に適切な
解決策を示せと、最高裁が国に命令。200人は防護壁建設でイスラ
エル側に取り残されるが、イスラエルの居住権も無いため。(P)
*昨年の自治政府に対する国際援助は、一昨年の3倍。ハマスに対する
経済制裁でかえって増加した。ハマスを迂回する複雑な送金方法のた
め、使途把握は極めて困難になっている。(H)
*エルサレム記念日のパレードにメシアニック・ジューも「救い(イェ
シュア)の時は来た」とプリントされたTシャツを着て行進。(I)
*クリスチャン・シオニスト団体ICEJのヘディング師が「アラブの
圧力に負けてエルサレム再統一式典をボイコットした」と国際社会を
非難。エルサレム再統一は歴史的正義だと語った。(P)
2007年5月17日(木)
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*昨夜もスデロットに21発のロケット
砲撃があり、70歳の女性が負
傷。一昨日からの合計は40発に。
(P,H,Y)
*カッサム砲攻撃に対して厳しく対応することを閣議決定。ハマス軍事
施設に攻撃が行われ、ハマスメンバー4人が死亡した。(P,H,Y)
*資産家のゲイドマーク氏は、バスを多数スデロットに送り込み、ベエ
ルシバのホテルに住民を避難させた。しかし、オルマート首相は「テ
ロリストを喜ばせるだけ」として、不快感を示した。(H,P)
*国防軍は、ガザ周辺の住民の一時避難を準備中だが、最低でも対象者
は2500人になる見込みで、受け入れ先の手配が難しい。(H,P)
*日曜日に始まったファタハとハマスの戦闘は、ハマスがほぼ全勝。本
格的な軍事訓練を積んだハマスは、組織的にファタハ幹部を襲撃して
いる。ファタハ系治安部隊は訓練も装備も不足している。(H)
*領土的譲歩に国民投票を義務付ける法案が、オルマート首相の反対に
も関わらず一次投票を通過。与党議員は首相を支持せず。(Y)
*テルアビブで殺されたアラブ人を、テロ被害者と国が認定。健康保険
から手厚い補償が支払われる。(Y)
*イスラエル人の100万人は高血圧で、半数は自分が高血圧であるこ
とを知らないと高血圧協会が発表。血圧検査を呼びかけた。(P)
*エルサレム記念日の式典は、突然の大雨と雹で台無し。寒冷前線の通
過で気温が26度から15度まで急降下した。(H,Y,I)
2007年5月18日(金)
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*国防軍がハマスの軍事司令部など多くの箇所に反撃。ハマスのメンバ
ーら4人が死亡したもよう。ハマスはイスラエルに対して自爆テロな
どで応戦すると警告した。(P,H)
*アッバス議長はガザで予定されていたハニエ首相との会談を中止。ハ
マスがアッバス議長暗殺を目指しているとの情報が入ったためと見ら
れている。ファタハとハマスの戦闘はまだ各地で継続中。(P,H,Y)
*昨日もスデロットに30発程度のカッサムロケット砲攻撃。うち1発
はシナゴグを直撃したが、300人が集まる集会が終わった直後だっ
たため、残っていた数人が負傷しただけだった。(P,H,Y)
*オルマート首相が昨日スデロット市を視察。同市在住のペレツ国防相
と会談した。地元住民は政府の無策に抗議した。(H,Y)
*「ガザに対する水と電力の供給を、系統的に停止せよ」とネタニヤフ
氏が発言。限定的な侵攻作戦も提案した。(H,Y)
*国境無き医師団で5年前から働いていたパレスチナ人が、イスラエル
要人暗殺の準備を行っていたことが発覚。「パレスチナ人の血の復讐
をする」ことが動機だったという。(P,H,Y)
*昨年夏にヒズボラに誘拐された2人の国防軍兵士は、重傷を負ってお
り、直後に死亡した可能性が高いとの極秘資料。開戦時にこの資料は
オルマート首相には示されなかったもよう。(Y)
*市民生活が破壊されている
スデロットの惨状を、世界の
メディアはほ とんど無視。
国防軍の反撃が中心に報じられている。(Y)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
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発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp