戦後初めて中国が最大の貿易相手国になった。
財務省が25日発表した平成18年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、中国(香港を除く)との貿易額(輸出と輸入の合計)が25兆4276億円で、米国との貿易額25兆1608億円を上回り、戦後初めて中国が最大の貿易相手国になった。
平成16年度に中国に香港を加えた貿易額が日米間の貿易額を上回っているが、中国本土の単独で米国を抜いたことで日中経済の相互依存関係が進んでいることが裏付けられた。
輸出増の背景には、日本の製造業が労働力の安い中国に生産拠点を移す動きが続いていることに加え、高成長を続ける中国が20年の北京五輪を控え、需要を急増させていることがある。財務省は「対中貿易の拡大は、今後も続くだろう」(関税局)とみている。
輸出から輸入を差し引いた対世界の貿易黒字額は前年度比16.4%増の9兆540億円と2年ぶりに増加。円安などを背景に米国向け自動車や中国向けの半導体・電子部品などの輸出が順調で黒字の増加に貢献した。
対世界の輸出額は13.4%増の77兆4609億円。輸入額は13.0%増の68兆4069億円。輸出、輸入ともに過去最高を更新した。原油の輸入通関単価は円ベースで17.3%上昇し、原油の輸入金額を押し上げた。
地域別に見ると、対中国では輸出入とも過去最高。貿易赤字は2兆7986億円だが、半導体・電子部品などの輸出が好調で3年ぶりに赤字幅が縮小した。対米国の貿易黒字は9兆960億円で過去2番目。
同時に発表した3月の対世界貿易黒字は前年同月比73.9%増の1兆6335億円。輸出は10.2%増の7兆5112億円、輸入は横ばいの5兆8778億円だった。貿易黒字と輸出はともに過去最高額を更新した。