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全部の記事が面白い「軍事情報 第293号 」

軍事情報 第293号 (最新軍事情報)           8,698部
                      平成19年(2007年)4月23日
┏【目次】

    ☆【最新軍事情報】 「非常時の医療インフラとしての軍艦」など
┃  ☆【おたより】 「防大卒業式での安倍首相のスピーチ」など
┃  ☆【高志さんのコラム「国民年金の花柳な生活」】「大江氏の反論」
┃  ☆【編集雑記】  「素人とプロ」
┃  ☆発行:おきらく軍事研究会

こんにちは!!
エンリケ航海王子です。

外は雨です。
この時期の雨は、緑を映えさせるのでとても好きです。
今週もよろしくお願いします。

◎◎◎ 最新軍事情報 ◎◎◎ 

●非常時の医療インフラとしての軍艦

軍は自己完結組織で、その中には社会の営みすべてがあるといっても過言

ではありません。わが自衛隊も同じです。

中でも海軍は、自己完結組織がエンジンをつけて動く「軍艦」を持つ組織です。
いざという場合、海上で動きながら機能できる組織なんですね。
これは特に、大規模自然災害や放射能汚染が発生した場合、大変大きな

機能を果たします。陸とのルートは航空機で確保できます。

さて、軍艦に手術室や病室があるのをご存知でしょうか?

「護衛艦でも手術室や8床程度の病室は用意されていますし、輸送艦や

○○母艦と付く艦には一寸した診療所や小病院クラス?のベッドと治療設備

があります」(ヨーソロ)とのことです。

現在もっとも懸念される一般国民への脅威は、大都市に対する放射能

汚染です。
しかし、被災者搬送先に自衛隊基地が加えられているかどうかは、よく分かり
ません。

自衛艦[軍艦]には、放射能洗浄機能が標準装備されています。
防護服の有無?は定かでありませんが、個人用被曝センサーは相当量

積まれているそうです。

わが海自は全国各地の基地でこういうプラットフォームを保有しています。
こういう資産を最大限に活用する姿勢こそ、大切ではないでしょうか?

被災者の搬送先に自衛隊基地を加えるだけで、死ななくてすむ命が救わ

れる可能性があります。このことを、緊急医療のシステム作りにあたる

関係者は真剣に検討すべきではないでしょうか?

また、空母が持つ海上巨大プラットフォームとしての設備やエバキュエーショ
ン能力(緊急退避の能力)を十分に把握していれば、空母が、災害時に国民

多数の命を救う医療インフラになることは容易に分かるはずです。

「命が大事」と口先でのたまうエライ人は多いですが、本気でそれを実行しよ
うとする人って、あまりに少ないのではないでしょうか?

次の言葉をよく噛みしめていただきたいものです。

「それにつけても残念な思い出は、

阪神大震災のとき米軍が空母を

神戸沖に派遣することを申し出たのに

左巻きのアホ政治家が断ったことです。

軍事アレルギーもさることながら、空母の持つ設備やエバキュエーション

能力を知らず、単純に浮かぶヘリポート程度に考えたのでしょう。
その結果、助かる命が余計に

失われましたね。」(ヨーソロ)


●イスラエル、F22Aを要求

サウジへの武器提供の見返りに、F22Aをよこせ。
とイスラエルが米にいっているそうです。
十九日のエルサレム・ポスト紙が報じています。

F22Aは二〇〇五年に運用が開始された米の最新鋭ステルス戦闘機ですが、
機密保持の観点から、現時点で他国への販売は行なわれていません。

わが国もF22Aを退役するF4の後継機候補に上げています。(もうひとつ
の候補はF15FXです)

⇒現在米では、サウジや湾岸諸国に対するミサイル売却を検討中ですが、

ユダヤロビーの強い反対を受け、今月初めに計画されていた売却予定が

延期されています。
十九日までイスラエルを訪問したゲーツ米国防長官は「これからもイスラ

エルがアラブ諸国と軍事格差を維持できるよう支援する」と約束していました。


●ロシアとインドが合同軍事演習

二十四日から四日間の日程でウラジオストク近海の日本海でインドとロシア

両海軍による合同軍事演習が実施されます。両国の合同軍事演習は、

二〇〇五年にインドで行なわれて以来二度目となります。

演習内容ですが、ロシア太平洋艦隊からディーゼル潜水艦など数隻、

インド側からは駆逐艦三隻が投入され、ウラジオストク近海で船舶が

テロ勢力に乗っ取られたこと等を想定して行なわれます。

⇒インドはロシアにとって最大の武器輸出国です。
ちなみにロシアは七月に、シナとの間でも大規模軍事演習を計画しています。

ロシア国防省関係者は「中印と全面的に関係を発展させることが国益になる」
と述べています。あとでも紹介しますが、米は欧州でBMD配備を計画して

おり、これに対してロシアは「自国封じ込め策」と強硬に反発しています。

なお、十六日にわが海自と米印両海軍が房総半島沖で共同訓練を行った

ことは既にご存知でしょうが、インド海軍はその足でロシアに向かってます。


●政府、BMDシステム配備を前倒し

政府は二十日時点で、五月一日に開かれる日米安全保障協議委員会(通称:
2+2)でBMDシステムの前倒しを検討するよう求める方針を固めました。

話し合われる主議題は以下のとおりです

1.在日米軍再編の着実な実施の確認
  ⇒普天間の返還・移設でV字滑走路案を維持できるか。二〇一四年の移設
   完了に向けて地元といかに調整するか。
2.BMDシステムの拡充推進
  ⇒北鮮の弾道ミサイル発射でPAC3配備を前倒しする。配備計画をどう
   加速させるのか?情報共有に絡む問題も課題となる
3.機密の管理徹底
  ⇒軍事情報一般保全協定(GSOMIA)締結で基本合意
   軍事機密の第三国への漏洩を防止
4.その他
  ⇒北鮮核施設の早期停止・封印と六者協議の進展で連携を確認。
   イランの核開発問題でも意見を交換。
   
⇒大変気になるのは「3.」です。

http://www.rips.or.jp/Institute/rips_eye_no57.html

で詳細が解説されています。

他国とは違い、わが国は国家機密秘匿に関して裸のままです。ですので、

GSOMIA違反が出た場合、国益侵害に直結するにもかかわらず、国内

で処罰できません。これでは国家の信用問題にかかわります。

この場合、おそらく判断は米に委ねられることになるでしょう。
結果、政治的に利用されるのは目に見えています。

このままいくと、わが国は米の機密システムの中に組み込まれることに

なります。

もし独立国家としてこれからも生きていくというなら、こういう事態は避けた
いですね。GSOMIAを締結するならば、国家機密漏洩を厳しく処罰する法
律を制定してからにすべきです。

しかし、米の一部として生きるも死ぬも一心同体でかまわないのなら、
米の金づるとして生きてゆくことになります。
この場合、国防努力を捨てて経済第一主義を選ぶことなります。

祖国の命運を、「一心同体」なんていう丁半ばくちに賭ける人がいるとは思い
たくないですが・・


●NATO理事会で米のBMD計画が協議

十九日にブリュッセルで行われたNATOロシア理事会で、ポーランドとチェ
コへの米ミサイル防衛施設建設計画について協議が行なわれ、この計画

が対象とする具体的脅威、米露間のミサイル技術協力の可能性などに

ついて話し合いが行なわれました。

この計画には「ロシア封じ込め政策であり、新たな軍拡競争に道を開く」とし
てロシアが猛反発しています。

出席した米ミサイル防衛庁長官のオベリング中将は「イランなどの長距離ミサ
イルを迎撃し、欧州の安全保障に貢献する計画である」と説明しました。

出席者のなかからは「この配備計画は十分な透明性を確保してから進める

べきである」との批判も上がっています。

⇒この理事会にはロシア代表団も出席しましたが、イワノフ第一副首相は

協議終了後「この計画は空想的であり、なぜ東欧に必要なのかがわから

ない」と改めて反対の意思を表明しています。

NATOは二十六日、二十七日に行われる外相理事会で改めて話し合い

を行い、意思統一を図る予定です。

よく言われることですが、米とロシアは常にツーカーの関係ですよね。
特に表面上対立しているときに限って関係は良好で、普段以上の濃密な話

し合いが行なわれていると聞きます。

危機をあおることでロシア国防産業は息を吹き返し、米のそれもおいしい

思いができる。そういう出来レースのような気がしてなりません。


●スーダン制裁への動き

ブッシュ米大統領は十八日、スーダンのバシル政権に対し、ダルフール地方

に国連平和維持作戦(PKO)要員を速やかに受け入れなければ、安保理の

新たな制裁決議を準備する、と警告しました。

ブレア英首相も同じ趣旨の発言を同日行なっています。

⇒バシル政権は十六日に国連に対し四千人規模のPKO要員を受け入れ

る考えを伝えましたが、米英両国は、速やかに受け入れを実施させ、

最終的には二万人規模以上の部隊展開が可能となるよう圧力をかける

考えです。

バシル政権はこの脅しを舐めてかかってはいけないでしょう。
速やかに動かないと攻撃を受ける可能性があります。

イラン攻撃したかったのにできなかった欲求不満が、一気に吹き出るかもしれ
ないですよ。


●アラブ連盟、イスラエルとの折衝窓口設置を決定

十八日、カイロで行なわれた外相会談でアラブ連盟は、イスラエルとの

折衝窓口になる作業部会設置を決めました。アラブ連盟としては初の

試みです。

アラブが提唱する「中東包括和平案」を国際社会に広めるための複数の

作業部会のひとつとして発足するもので、既にイスラエルと国交を持つ

エジプト、ヨルダンなどから構成されます。

⇒オルメルト・イスラエル首相はこれに関連し、アラブ側から代表団がイスラ
エルに派遣される可能性を明らかにしています。

これまでイスラエルはアラブの提案である「中東包括和平案」を無視してきま
したが、これについて両者がはじめて意見交換することは間違いないようです。

[中東包括和平案とは?]
「サウジアラビアのアブドラ皇太子(現国王)が02年2月に提案。イスラエ
ルが第3次中東戦争(67年)で占領したヨルダン川西岸、ガザ地区を含む

全占領地から撤退、パレスチナ難民問題が解決すればアラブ諸国は

イスラエルとの関係を正常化するとの内容。翌月のアラブ連盟首脳会議で

和平案を盛り込んだ「ベイルート宣言」が採択された。」

(毎日新聞 2007年3月30日 東京朝刊)


●スパイ容疑で邦人訴追

エジプト治安当局は十七日、国際原子力庁などのコンピュータに侵入し、

核開発情報などを入手するなどイスラエルのためのスパイ活動を行なった

として、同原子力庁のエジプト人技術者、日本人男性、アイルランド人男性

の三名を訴追したと発表しました。

発表によれば、この日本人とアイルランド人は昨年二月から今年二月にかけ、
香港でエジプト人技術者に金品を渡して情報入手を依頼し、情報を得たとされ
ます。

現時点で両名は拘束されておらず、行方不明です。

⇒エジプト人技術者は、香港などで活動していた「商社社員」を名乗る

情報マンから、日本円にして約二百万円の謝礼と引き換えに、原子力庁等

のコンピュータに侵入するための機材を設置し、それを通じて得た秘密文書

の提供を行なったそうです。

一部報道によれば香港で受け取られた情報は、イスラエル情報機関

モサッドに渡ったとされます。

以前も書きましたが、情報の世界にいいも悪いもありません。
やったもの勝ち、やられた側が馬鹿を見るという世界です。


●中共幹部が訪朝

十七日、中共中央対外連絡部の劉副部長ら十六名の代表団が、北京を

出発し北鮮に向かいました。いつまでたっても核関連活動を止めない北鮮

に対し、中共が「初期措置だけでも早くやれ」と督促しにいったようです。


ミャンマー政府、ガス田購入権を

シナ企業に認可

ミャンマー政府は十七日までに、同国西部ベンガル湾沖合いにある天然ガス

田のガス購入権と、ミャンマー国土を横断するガス・石油パイプライン建設を

シナの国営企業に認可することを決めました。

このパイプラインはシナの雲南省・四川省とミャンマー西部の港湾都市チャオ
ピューを結ぶものです。

認可内容の詳細は以下のとおりです

ミャンマー政府は、シナ国営の中国石油天然気集団に対し

1.西部ラキン州沖合いで開発中の天然ガス田「シュエ・ガス田」のA-1、
  A-3鉱区のガス購入権
2.同州西部の港湾都市チャオピューとシナの雲南省・四川省を結ぶ全長

約二〇〇〇キロのガスパイプラインのうち、ミャンマー国内を通る

約九百キロの建設と管理運営企業の株式過半数の保有
3.同州西部の港湾都市シッテから雲南省までの原油パイプラインの建設

の三点を許可する事を決定しました。近いうちに正式文書に署名する

予定です。

シュエ・ガス田では現在韓国やインドの企業が開発を行なっており、なかで
もA-1鉱区は推定埋蔵量が四兆~六兆立方フィート(約一一〇〇億

~一六〇〇立方メートル)の規模をもつアジア有数のガス田とされます。

⇒シナがずっと提案していたパイプライン敷設計画を「シナ軍の介入を招く」
として一度は退けたミャンマーでしたが、国際的孤立が続く中、背に腹は変え
られなくなったのでしょう。

国民の保護という名目でシナが軍を送り込むことは明白で、ミャンマーは今後
シナの衛星国になり、インドとの反目を強めるものと思われます。
インド洋地
域で対立構造が新たに誕生しそうです。


首相、イタリアとの軍事協力強化で

一致

十六日、訪日中のイタリアのプロディ首相と会談した安倍首相は、軍事分野で
の協力を強化させることで一致しました。また、シナの軍事力増強等を巡って
の情報交換を緊密化させる方向も確認しています。

なお、首相が欧州連合による対シナ武器禁輸解除に反対する意向を示したこと
に対しプロディ首相は「さらに掘り下げて意見交換すべきである」と述べるに
留まっています。

⇒首相の意向にイタリア首相が明確に述べなかったことは当たり前の話で、こ
れは儀礼的な言葉のやり取りに過ぎないでしょう。

イタリアとの軍事協力といえば「日独伊三国同盟」を持ち出す人がいるかもし
れませんね。そう想像したら思わず笑ってしまいました。

久間防衛相が近くイタリアを訪問します。


●シナの月探査計画

中共政府が、二〇一二年頃に月面着陸をめざす計画を始動します
その第一歩となる初の月探査衛星が今年の

九月に打ち上げられるそうです。

第一号機では月の周囲にある軌道を周回し、月を撮影し、画像による分析を行
なうために資料集めを行ないます。
その後第二号、第三号と発射を続け、二〇一二年頃に打ち上げる予定の「チャ
ンア」という衛星で月面着陸を行い、十七年ごろには月面の土を持って帰って
くるそうです。人を送る計画もあります。

シナの目的は資源奪取にあります。
「月面資源は将来、人類が争奪戦を展開する領域。いつまでも手を出さずにい
ると発言権がなくなる」(シナ月探査プロジェクト主席科学者 欧陽自遠氏)

シナは今後、スペースシャトル、宇宙ステーションなど、ありとあらゆる手段
を用いて宇宙覇権を求める道を突き進んでゆきます。

⇒シナの宇宙開発に関するトピックを少し紹介。

・月にはウランやチタン、ヘリウム、ヘリウム3などの埋蔵量が豊富で、特に
核融合発電の燃料になるヘリウム3は十トンあり、シナの一年分の電力需要を
満たすそうです。

・宇宙開発のネックは設備製造コストの高さにありますが、シナのロケット製
造費は、日本製より一桁安く、シナが宇宙開発で世界トップになるのは夢物語
ではないそうです。

・打ち上げは四川省にある「西昌衛星発射センター」で行なわれますが、昔は
発射音が年に数回しかなかったのに、今では月一回は発射音が聞こえるそうで
す。

・シナの航空宇宙関連企業は、昨年完成した西安の「西安航天科技産業基地」
に集積しており、二〇一〇年までに百億元の投資が見込まれています。

・シナは月だけではなく、ロシアと共同で二〇〇九年に火星探査も始めます。

・シナの宇宙開発活動の主体は人民解放軍で、オペレーションは戦略部隊であ
る第二砲兵が行ないます。


(おき軍事情報部)


◎◎◎ おたより ◎◎◎

■防大卒業式での安倍首相のスピーチ

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成19年(2007年) 4月7日(土曜日)  貳
通巻第1765号  
http://www.melma.com/backnumber_45206_3616940/

で、安倍首相のスピーチの内容がアメリカを怒らせたとの下りがありました。
防衛省昇格行事での挨拶で「日米同盟」の文言が出ず、米国から怒りを

もって指摘された。
防衛大学校の式典(卒業式)ではアメリカでなくチャーチルを例に出した。
スピーチライターが悪いとの指摘です。

官邸TV
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg1047.html

防衛大学校でのスピーチは別の意味で確認しました。それは、3月24日

付けの「きっこのブログ」で取り上げられていて、卒業生に対し「諸君が

将来直面するであろう危機に望んでは~」との下りは近い将来の戦争を

前提としたものではないかとの問題提起だったからです。

左系の人が聞けばそう聞こえるかもしれませんが、それよりも、当時台頭
するナチスドイツとそれに相対するイギリスを
中国と日本になぞらえたと見
るのが自然ではないでしょうか。

自身をチャーチルにだぶらせた決意だと思います。
したがって、アメリカよりもイギリスを例に出したのは別におかしくないと
います。

そうみるとフランスは朝鮮半島と言う事になるのでしょうか。

(ひぐらし)

⇒安部さんは、現時点では小泉さんについで制服に支持されている宰相

と思いますね。(エンリケ)

◎◎◎ 高志さんのコラム 「国民年金の花柳な生活」◎◎◎
●2007/04/17 (火) 大江氏の反論

 今日の朝日新聞文化欄には思わず目が止った。「定義集」という表題と

共に余り見たくない顔が載っていたからだ。
 「私は2年前から、裁判の被告です」という書き出しで始まる大江健三郎氏
の一文である。「沖縄集団自決冤罪訴訟」について彼が発言したのは

初めてではないだろうか。内容は今度の「教科書検定」に対する批判

(不満)である。

 《訴えられているのは、私が37年前に出した「沖縄ノート」で、渡嘉敷島
の住民に日本軍が強いた「集団自決」について論評している部分です》

《私は1965年に初めて沖縄を訪れたのですが、ずっとお付き合いの

続いた牧港篤三氏から、沖縄戦から5年かけての徹底的なインタヴューに

ついて聞きました。
氏が執筆者のひとりである「鉄の暴風」を筆頭に、現地で手に入るすべて

の記録、歴史書、評論を読み、新川明氏ら、私と同世代の沖縄の知識人

たちとの話し合いを重ねてこの本を書きました》

 引用が長くなるがもう少し続ける。

《私は渡嘉敷島を訪れていません。それはあの沖縄戦で、時には自分の

手を血で汚しさえして、苦しみつつ生き延びた島の人たちに、直接聞き

ただす勇気がなかったからです》《武力を前に押し出した権力が市民に

「共死」を強制することをふくむ、「官軍民共生共死」の思想の恐ろしさ、

それにしたがう国民を作った教育について思います》

 私は東大文学部出身ではないから、文章の書き方では到底大江氏に

及ばない。
柔らかい筆致の一見理論整然とした運びは流石と思わせる。

 しかしよく読んでみると「沖縄ノート」は「また聞き」の作品ではないか。
そればかりか、私が想像し何度も指摘した様に、矢張り彼は渡嘉敷島

に行っていなかったのだ。
 実地検分は作品を書く者の「基本のキ」である。1965年当時なら悲惨な
体験者は多かった筈だ。曽野綾子氏が現地に1週間泊まって生き残った

全ての人に取材し「ある神話の背景」を書いた手法との違いに驚くばかりだ。

 あの時代の狂気に似た思想については、今更大江如きに指摘されるま

でもなく、当時を知る人間なら誰でも承知しているし、そんな時代を否定

しても、肯定する者はいないだろう。

 今裁判で問題にしているのは個人の名誉に関してであり、その時代の

風潮についてではない。しかし大江氏はそれを持ち出して巧みに論点を

すり替えている。何も知らない読者は大作家の詭弁を信じてしまうの

ではないか。


http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=514369&log=20070417


【「国民年金の花柳な生活」より http://www5.diary.ne.jp/user/514369/



◎◎◎ 編集雑記 ◎◎◎


市井で生活していると、国家エリートといえばキャリア官僚と思いがちです。
しかし防衛・国防に関していえば、その資格があるのは制服を着た軍人です。
この分野では、キャリア官僚といえども所詮は素人に過ぎません。


いわゆる国防論を展開する方には、国防を知るためのサーベイ基盤を

キャリア官僚に置いている人も結構多いようです。

素人論が考え方のスタート地点になっていることに気づかない結果、
導かれた結論や提言は箸にも棒にもかからない内容となります。

戦後日本という国は、
素人に軍事を委ねてきた国家であるという

事実に、早く気づいて欲しいもので
す。

まず最初にすべきことは、
シビリアンコントロールを「官僚主導による制服の統制」と勘違いしているこ
とに気づき、その考えを徹底的に改めることでしょう。

(エンリケ航海王子)


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 ☆ 配信元:おきらく軍事研究会
 ☆ 発行責任者:エンリケ航海王子
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