この毎日新聞の記事はいい。 | 日本のお姉さん

この毎日新聞の記事はいい。

 乗客が居合わせた車両の中で、一人で座っていた若い女性がわいせつ

行為をされ、さらに車内のトイレに連れ込まれて暴行されるという事件が起き

た。強姦(ごうかん)容疑で再逮捕された男の蛮行に強い憤りを覚えるのは

もちろんだが、それ以上に、このような事件がやすやすと起きてしまった

土壌に背筋が凍る。

 事件は昨年8月3日夜、JR北陸線の富山発大阪行き特急「サンダー

バード」車内で起きた。6両目の前方から2、3列目にいた女性(21)の隣に

男が座り、「逃げると殺す」などと脅しながらわいせつ行為を繰り返した。

さらに車内のトイレに連れ込み、30分にわたって暴行した。

 この車両には約40人が乗っていた。恐怖で助けを求められないまま、

泣きながらトイレに連れて行かれる女性に気づいた乗客もいたが、男に

「何をジロジロ見ているんだ」などとすごまれ、そのまま見過ごしたという。


 怒りの中で、いくつもの「なぜ?」が浮かんでくる。異常に気付いた乗客は

なぜ犯行を制止しなかったのか。すごまれて怖かったのなら、なぜ、他の

客と協力しようとしなかったのだろう。


それが無理なら、なぜ、せめて車掌に通報する行動を取れなかったのか。

立ち上がるのすら怖かったのなら、携帯電話で110番通報する手もあった

はずではないか。

 見知らぬ者同士がたまたま乗り合わせた夜9時過ぎの特急内とはいえ、

そうした知恵が浮かばなかったのだろうか。


 学校でのいじめや家庭内の児童虐待では、加害者の周りに、見て見ぬふり

を決め込む無言の加担者たちがいる。

それが有形無形の暴力をより一層はびこらせ、この社会を住みにくく、薄ら

寒いものにしている。


 電車内で痴漢を止めようとした乗客が孤立無援になったりするケースは

あるが、1時間半以上にわたって犯行が執拗(しつよう)に繰り返される状況は

あまりに異常だ。「自分とは関係ない」「面倒だから黙っておこう」という意識の

横行が結果として事件を許してしまったのではないのか。


 JR西日本の大半の車両には連結部付近とトイレ内にブザーが設置されて

いる。同社広報部は「車掌の車内見回りを強化し、乗客の安全確保に努め

ていきたい。事件を目撃したら通報ブザーを活用してほしい」としている。

だが、そもそもブザーの存在がどれだけ知られていたのか疑問だ。

 この事件をしっかり検証した上でさらなる防犯対策を講じるとともに、得られ

た教訓を鉄道各社はじめ社会全体のものにするよう同社に求めたい。

 むろんそうした対策も、見て見ぬふりを決め込む土壌では大きな効果は

期待できない。


男はその後も同様の性的暴行を

繰り返していた。


車内の沈黙がさらに多くの被害者を

生んだわけである。


 私たちはいつ「その乗客」にならないとも限らない。犯罪を防ぐのはほかなら

ぬ自分自身だということを一人一人が肝に銘じたい。

毎日新聞 2007年4月24日 0時09分

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070424k0000m070155000c.html

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


女の子のピンチに気がついても知らん振りした日本人。

そんな日本人が増えているとしたら、日本の未来はヤバイ。

学校のクラスで虐められている子を助けない子供と同じことを

大人もしているわけだ。みんなで反省して、犯罪を阻止する日本人に

ならないとダメだ。