3歳の時の思い出。 | 日本のお姉さん

3歳の時の思い出。

どこまでも続く稲穂(いなほ)の間を、どんどん歩いている3歳のわたし。


赤い夕日と、黄色くて明るい空があった。黄金色に実った稲穂がゆるく


揺れている。3歳のわたしは、棒切れを持って、振り回しながら田んぼの


あぜ道を歩いている。わたしは、黄金色のきれいな景色の中を歩いている。


とっても気もちがいいし、きれいな景色の中を歩いている自分に満足している。


そんな3歳でした。


他に覚えているのは、その頃住んでいた家には縁側があって、お手洗いに


行くまでの部分が三角になっていた。わたしのオマルはそこにあった。


母親が早くパリ(家ではウンチのことをパリと呼んでいた。)をしなさいなんて


せかすので、がんばって上手くパリをしたとたん、縁側の三角の部分が壊れ


て、オマルと一緒にまっさかさまに庭に転げ落ちてしまった。マンガみたいに


頭からオマルをかぶって母親を責めるように泣いていた3歳のわたし。


悲しくて泣いているのに、なぜか母親は笑い転げている。


母親は庭の水道でゴシゴシ洗ってくれたけど、なんでケラケラと楽しそうに


笑いながら洗うのかよく分からなかくてずっと泣いていた。


水がそんなに冷たくなかったので、多分夏の日の出来事。


親が外国人の友人からもらった洗濯機のおもちゃには、円柱のゴムが二つ


付いていて、取っ手をぐるぐる回したらゴムもくるくる回った。


そこに布切れをはさんで、取っ手を回すと、濡れた布切れの水がしぼれた。


水を入れてボタンを押すとガーガー音がして水がぐるぐる回った。


その頃、家には洗濯機が無かったが、外国は日本とはちょっと違うようなと


思った。結構お気に入りのおもちゃだった。


父親の友達がたくさん絵本をくれた。10冊以上はあった。


近所の友達に見せに行こうとして、母親に背中におんぶしたいから、本を


背中にくくりつけて欲しいとお願いした。


その格好で、近所の子供たちと一緒に家に遊びに行った。


そこで、本を降ろしてひとしきり遊んで家に帰った。


本を持って帰るのを忘れて、もう一度、本をとりに行ったが、


家族全員に「知らない。本なんか持っていなかったよ。」と言われた。


子供だったけど、そんなはずは無い!と思った。


どこで本を下に降ろしたのかよく覚えていないけど、確かに近所の子の家の


中で、そこの子供と一緒に読んだはずなのに、、、。


なんだかよく分からなかったが、人間って恐いと思った。


母親には、「だから本なんかおんぶしなかったらよかったのに。」と言われた。


こんな事なら全部中を見てから失くしたらよかったと、悲しくて泣いた。


まだ字は読めなかったから、どうせ中を見ても分からなかったのですが、、、。


3歳から4歳までの思い出は、それぐらいしかない。伯母に聞いたらその頃は


家はかなり貧乏だったらしい。全然知らなかったなあ。