なぜ日中はせめぎ合ったか-温家宝来日に見る「台湾」の重さ-
台湾研究フォーラム会長 永山英樹
安倍首相と来日した温家宝首相は4月12日、日中共同プレスを発表したが、
それに先立ち日中間では、所謂「台湾問題」を巡って相当の「せめぎ合い」が
あったらしい。
中国側は共同プレスに、何としてでも日本側に「台湾独立反対」を盛り込ま
せようとしたが、日本側が頑なに拒否。「台湾」の二文字は絶対に入れない
と言うのが安倍首相の考えだった。そのため温家宝が日本に到着した段階
でも、内容は未確定のままと言う異例の事態となった。 結局日本側は、
「日中共同声明で表明した立場を堅持する」とだけ表明し、その一方で安倍が
口頭で、従来の「台湾独立不支持」なる立場を表明して、辛うじて温家宝の
面子を立てたと言う形となったわけだ。
台湾紙中国時報は在北京の日本側消息筋の話として、「日中双方の協議の
98%は合意に達したが、合意できなかった2%は台湾問題だった」と報じた
が、今回の台湾問題を巡る中国側の意気込み、つまり要求の執拗さ、強引
さを見れば、「2%」どころではなかっただろう。
目下拡張中の軍備を背景に台湾を併呑することがが、この国の目下の
大目標であることに照らせば、日中間における最大の対立点は明らかに台湾
問題である。東支那海ガス田問題では目下中国側に優勢であり、靖国問題も
つまるところは日本の国内問題であることを見ても、あるいは両問題が台湾
併呑に先立ち、海洋での勢力拡大や日本弱体化を狙ったものであることを
考えても、「50%以上」は合意に至らなかったと見るべきかも知れない。
ところが日本の政治家もマスコミも、こうした状況をほとんど問題視しない
のは、基本的には日本とは関係稀薄だと思っているからだろう。
だがそれは大きな間違いである。日本の安全保障上、台湾は譲ることのでき
ない生命線であり、そしてそれを守るは日米安保条約ではないのか。
ここまで日本は台湾に大きく関わっているわけであり、だからこそ中国もここ
まで真剣なのである。
だから今回、安倍首相は「がんばった」と言うより、日本政府はすでに妥協
可能のぎりぎりの線まで追いつめられていると見るべきだ。
そもそも台湾が中国の領土でもなければ日本の植民地でもない以上、日本
政府に「台湾独立不支持」を表明する権利はないし、そのようなことは今日の
国際社会で許されるものではない。
ところが中国に阿るためだけに、それを敢えて何度も何度も表明してきた
のが日本政府なのだ。そして今回、いよいよ中国からはさらに一歩踏み
込んで、「台湾独立反対」の表明を強要された…。
もし日本側がそれを受け入れたなら、実質的には台湾が中国の領土である
とのデタラメな主張を承認することとなる。
だから安倍首相は「それだけは勘弁してくれ」と拒否したわけだ。
しかし中国側がここまで堂々と不条理な要求してきたのは、それなりに勝算
があったからに違いない。
日本側がそこまでなめられていると言うことは、そこまで脆弱だと言うこと
なのだ。
今後中国は、増大一方の軍事力を背景に、さらに「台湾」での妥協、屈服を
要求してくることだろう。そのとき日本ははたしてそれに堂々と対処できるの
だろうか。
マスコミは今後、「台湾」の問題で騒ぐべきである。日本政府は国民が知ら
ないところで、ここまで中国覇権主義に押しに押されているのである。(19.4.13)
『台湾の声』 http://www.emaga.com/info/3407.html
『日本之声』 http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe
(Big5漢文)
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わたしはチャイナが今回、えらく日本に対して、台湾独立反対を言えと
しつこく言ってきたなと感じた。「日本はなめられてるな。」と思った。
安倍首相は、なんとか口で従来の「台湾独立不支持」なる立場を表明して
ごまかしたそうだけど、もし、変な人が日本の首相になったら、いくらでも
「台湾独立反対。」と言いそうで恐いんだよ。去年の民主党のマニュフェスト
には「沖縄の子供に中国語を教える」とか「中国人に自由に沖縄に来させる」
とか書いてあったからびっくりしたもんね。
今でもチャイナは、「琉球はチャイナのものだ。」と堂々と言っているし、
チャイナの一般人も平気でそういうことを言うのに、沖縄に自由に来させる
なんて、、、。