「台湾」を「拉致解決」の交換条件にした温家宝
「台湾」を「拉致解決」の交換条件にした温家宝
台湾研究フォーラム会長 永山英樹
4月11日に発表された日中共同プレスで日本側は、「台独反対」を盛り込めと
の中国の執拗な要求を退け、単に「台湾問題で日本は日中共同声明で表明
した立場を堅持」で押し通した。
中国側は、「台独反対」表明の見返り条件として、中国が日本の拉致問題
解決を支持することを挙げたと言う。
つまり「台湾」と「拉致」の交換と言うわけだった。
首脳会談で安倍首相が拉致事件での協力を求めたところ、温首相は
「台独反対」を公に表明してくれれば、中国が北朝鮮の拉致事件で応援する
のも当然と言うことになるだろう」と言ったと言うのだ。
これに対し安倍首相は「この二つは全く関係がない」と拒絶した。
このような話を12日付の台湾紙自由時報は伝えている。
植民地の宗主国ではあるまいし、日本政府に「台独反対」を言う権利などない
のだから当然だろう。
「拉致解決を応援するから、台湾併呑を認めろ」と言うのが温家宝であり、
中国政府である。
こんな卑劣な国が日本の友好国などと言えるのか。これで怒らない人間は
日本人ではない。
ただ安倍首相の対応には大きな問題もある。盛り込み要求を拒絶した後、
従来政府が繰り返し言ってきたように、「台湾独立は支持しない」と明言した
のだ。
「支持しない」は日中共同声明にも書かれていない。
中国のご機嫌を取りたい橋本首相が勝手に言い出したものである。
いや、中国に言わされたと言うべきだろう。
もっとも「支持しない」は「反対する」とは異なる。「支持しない」には、台独
問題には関与しないと言うことを意味するものと思われる(少なくとも米国はそ
う言う立場だ)。
だがそのような細かな理屈など、誰が理解できるだろう。「支持しない」は
「反対」としか受け取れない。
そんなことを表明しては、国民はみんな「わが政府は台湾の独立に反対して
いる。なぜなら台湾問題は中国の内政問題だからだ」と思ってしまう。
中国の宣伝しだいによっては、日本は台湾を中国領と承認していると、国際
社会で誤解されることもあるだろう。実はこれこそ中国の狙うところなのだ。
日本は中国が怖いなら、台湾独立の問題では黙っていればすむことなのだ。
それをわざわざ積極的に「支持しない」などと言ってしまうから、次には
「反対しろ」と要求されるのだ。
そしてその次は「台湾は中国領と承認せよ」と来る・・・。
国民はあまり知らないことだが、台湾問題を巡って日本は、中国と言う覇権
主義国家にここまで押されているのである。
「拉致」まで交換条件にしてくる中国の必至な攻勢に、今後日本はどこまで
持ちこたえられるのだろうか。(19.4.12)
『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.html
『台湾の声』バックナンバー http://taj.taiwan.ne.jp/koe/
『日本之声』http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe
Big5漢文