日本はおいしそうな国なんだな、、、。
HSBCホールディングスはこのほど、日本でのリテール業務に本格参入する計画を明らかにした。眠っていた個人マネーが投資先を求めて動き出していることに加え、日本の景気回復や富裕層の増加、団塊世代の大量退職などリテール業務の需要があると判断した。米シティバンクが今夏をめどに外資系金融機関として初めて日本に持ち株会社を設立することも刺激となったもようだ。
3月31日付香港各紙によると、ロンドンで開催された投資フォーラムで、アジア太平洋地区会長兼最高経営責任者(CEO)のマイケル・スミス氏が明らかにした。日本経済の回復に乗り、リテール業務を展開することで、「富裕層向けの資産管理業務で、地場大手銀行に比べた強みを発揮したい」(同会長)としている。 来年初めに東京・銀座に旗艦店を開設、首都圏を手はじめにして、大阪や名古屋などにも店舗網を広げ、4年内に50支店体制とする計画だ。投資総額は数千万米ドルに上るとみられる。 長期にわたる低金利で、個人金融資産が利回りの高い投資商品を求めて、株式や外貨、投資信託などに流れているほか、団塊世代の大量退職を間近に控え、資産管理業務などで発展の余地が大きいと判断したもようだ。金融庁から認可を得るには1年ほどかかるとみている。 日本進出の目的について、「米国の住宅ローン業務の業績悪化を補い、過度な米国集中のリスク分散を狙ったもの」(市場アナリスト)との声も強い。また、「金融商品や関連法規が遅れている日本こそ、HSBCにとって発展の余地が大きい」(同上)との見方もある。 HSBCは現在、東京、大阪に1支店ずつを置き、投資銀行業務から企業向け融資、対中進出支援、プライベートバンキングなどの業務を手掛けている。同CEOは昨年10月、新興富裕層の台頭が目立つ日本で資産管理業務を強化し日本の富裕層を開拓する意欲を示していた。 ■利益、スタンチャートの3倍 一方、スタンダード・チャータード銀行が主に合併・買収(M&A)により、アジアのネットワーク拡大に努めていることについて、スミス会長は「(スタンダード銀の)アジア業務の発展は目覚ましいが、HSBCのアジアでの資産、利益は同行のそれぞれ2倍、3倍を維持している」と語った。 同会長によると、香港を含むアジア太平洋地区(中東を除く)の利益は昨年77億米ドルに上り、税引き前利益の35%を占めた。 |