「中華民国」名義になっている寮の所有権は台湾でしょ。 | 日本のお姉さん

「中華民国」名義になっている寮の所有権は台湾でしょ。

 台湾が、京都市の中国人留学生寮「光華寮」の寮生8人に建物明け渡しを求めた訴訟の上告審判決が27日、最高裁第3小法廷であった。

 藤田宙靖(ときやす)裁判長は「訴訟は中華民国(台湾)が中国国家を代表して起こしたが、1972年の日中共同声明で中華人民共和国が中国国家となり、台湾の代表権は消滅した」と判断、台湾を原告としたこれまでの訴訟手続きを違法・無効として4件の下級審判決をすべて取り消し、審理を1審・京都地裁に差し戻した。

 最高裁が台湾を訴訟当事者として認めなかったことで、提訴から40年続いた訴訟は事実上の台湾敗訴となった。今後、京都地裁が原告を台湾から中国に切り替える手続きをとるが、中国が訴訟継続を望まなければ、取り下げで決着することになる。ただ、この日の判決は、「中華民国」名義になっている寮の所有権の帰属を判断していないため、所有権を巡る新たな訴訟になる可能性もある。

3月27日23時53分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000211-yom-soci

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【産経主張】光華寮訴訟 問題を残した最高裁判決


産経新聞 2007年3月29日

 京都の学生寮「光華寮」の所有権、訴訟権をめぐって台湾と中国が争ってきた「光華寮訴訟」で、最高裁は、「昭和47年の日中共同声明以後、台湾の代表権は消滅し、訴訟手続きは中断していた」として、これまで事実上台湾側の勝訴としてきた大阪高裁などの判決を破棄し、審理を京都地裁に差し戻した。中国側の事実上の逆転勝訴となった。

 光華寮訴訟は、最初の提訴から数えて40年、最高裁への上告以後でも20年が経過した。今回の最高裁判決は、寮の所有権については判断せず、台湾の帰属問題もあいまいなままに残した。いずれも後世に問題点を残すものとなったといわざるを得ない。

 裁判の長期化ということでは、上告からだけでも20年が経過したことを最高裁はどう説明するのか。大阪高裁の台湾側勝訴判決などに対し、中国側が「1つの中国」原則に反すると強く抗議してきたため、政治的配慮から判断を棚上げしていたのだとすれば、司法の独立に反しよう。

 政治的配慮をするなら、係争中で修理が困難な光華寮の管理者には気の毒だが、さらなる棚上げという手もあったのでは、とさえ思ってしまう。

 今回の最高裁判決は「原告として確定されるべき者」に焦点を当てた。いわば手続き論からの裁定だった。昭和47年に中国国家の代表権を失った中華民国は原告としての資格を失った、というのが結論だ。しかし、判決が「中国国家の代表権」というときの中国とは一体どこを指すのか、台湾を含むのかどうか、あいまいなままだ。

 日中共同声明では、日本政府は、台湾を中華人民共和国の不可分の領土とする同政府の立場を「十分理解し、尊重」するとしたが、「台湾の帰属に関しては判断する立場にない」というのが日本政府の公式見解である。

 こういう状況では、最高裁判決は批判しているものの、下級審が日中国交正常化後も中華民国(台湾)を「台湾島などを支配して事実上の国家形態をとっている者」と見なし、原告の資格ありとしたのも理解できる。

 台湾の人々は、「日本はまた台湾を見捨てた」と気を落とすかもしれないが、日本は三権分立の国であり、台湾の民主主義を支持し、交流拡大を望んでいることを忘れないでほしい。
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