沈丁花(じんちょうげ)の花の香りに | 日本のお姉さん

沈丁花(じんちょうげ)の花の香りに

沈丁花の花の香りに運ばれて、遠い昔に舞い戻り、


お母さんがいつも、沈丁花の花が咲くと言っていた言葉を

思い出しました。世界のどこかでこの香りの香水を見つけたら、

ママにプレゼントしてねなんて、あなたは言っていましたね。

僕は、大人になって、世界を飛び回るようになったけれど、

約束を果たせないままになりました。

懐かしい家の塀からこぼれでる、紫の花の香り、

お母さんの優しいまなざし、温もりが側にあった日を

思い出しました。世界のどこに行っても、ママはあなたのことを

想っているから連絡してねなんて、あなたは言っていましたね。

僕は、僕の夢を叶えて、こうして帰ってきたけれど、

沈丁花は、あなたがいなくて寂しそうです。


by日本のお姉さん

(本当は、2年前の金木犀が咲く11月にいってしまった大好きな猫ちゃん

 のことを懐かしんで書いたものです。)